キクカワエンタープライズ株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)

(1) 業績
当事業年度における経済情勢は、国内におきましては、政府が提唱する積極的な経済政策が功を奏したことにより、近年にない水準の円安並びに株高基調が定着しつつあり、これに加えて原油価格が大きく値下がりし、緩やかながらも着実に景気回復の流れとなっております。しかしながら、昨年4月に消費税が8%と増税となった影響の一つとして、木工機械の設備投資動向と関連の深い、国土交通省の統計による2014年の新設住宅着工戸数が、前年比91%の892,261戸と5年ぶりの減少に転じるなど、個人消費は一転して伸び悩んでおり、また、企業規模別あるいは業種別によって業績格差はまだまだ大きく、中長期的な先行き見通しについても、景気動向の下振れが懸念されています。
一方で海外におきましては、米国では堅調な民間需要を背景に景気回復基調が続き、欧州の財政危機も落ち着きを取り戻しつつあります。これらと円安が相互作用を及ぼし、先進国に対しての日本製品の国際競争力向上が期待できますが、中国並びに新興諸国につきましては経済成長のペースが鈍りつつあり、また、世界各地で頻発するテロや周辺国との国際紛争が実体経済にも大きな悪影響を与えており、全般的に先行きが見通しづらい景気動向となっております。
このような経済情勢のもと、当社は木工機械・工作機械メーカーとして、業績に関連の深い産業分野の製造工程において顧客の企業価値を高めるべく、魅力ある製品の開発・販売を積極的に推進して参りました。
その結果として、売上高につきましては、前年比54.9%増の4,577,837千円(うち輸出725,481千円 全売上高の15.8%)と4年ぶりの増加に転じることができました。なお、機種分類別の内訳と致しましては、木工機械はプラント納入などが功を奏し、前年同期比103.0%増の3,226,510千円(うち輸出310,466千円)、工作機械については国内の税制優遇措置などが追い風となったものの、前年同期比1.1%減の1,351,326千円(うち輸出415,014千円)となりました。
また損益面については、営業利益501,487千円(前年同期は営業損失169,461千円)、経常利益592,615千円(前年同期は経常損失8,835千円)、当期純利益464,400千円(前年同期は当期純損失5,760千円)と、売上高回復が損益面でも大きな効果を生み出し、それぞれ2年ぶりの黒字回復となりました。

(2) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,134,043千円となり、前期末より171,863千円減少しました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は448,578千円(前年同期は221,706千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加による減少があったものの、税引前当期純利益の計上、前受金及び仕入債務の増加により資金が増加したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は618,951千円(前年同期は235,135千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の増加による資金の減少及び投資有価証券の償還による収入によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は37,576千円(前年同期は37,636千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額によるものであります。