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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004VZJ

有価証券報告書抜粋 株式会社 精工技研 業績等の概要 (2015年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1)業績

当連結会計年度における世界経済は、好調な米国経済に牽引され、緩やかな回復基調で推移しました。欧州経済は債務問題が依然として解消できない中、ユーロ安により輸出が拡大しています。一方、中国経済は、景気の減速を政府による財政・金融政策が下支えしており、先行きの不透明感が拭えない状況が続いています。
我が国においては、米国経済の堅調さと円安を背景に輸出が増加し、製造業を中心に生産高や設備投資が回復しています。消費増税後に落ち込んだ個人消費も、雇用・所得の改善と国内株式相場の上昇が相まって緩やかながら回復傾向を示しており、国内経済はデフレからの脱却に向けた足取りを確実なものとしつつあります。
当社グループが関わるエレクトロニクス関連業界においては、スマートフォンに代表されるモバイル関連機器が引き続き市場を牽引しました。中でも、アジアを中心とする新興国市場に向けて機能を抑えた低価格のスマートフォンが普及し、中国メーカーがシェアを拡大することとなりました。また、スマートフォンに次ぐ情報端末として注目されているスマートウォッチが複数のメーカーから発売され、これまでの研究開発フェーズから実用化フェーズへと急速に移行しつつあります。このように情報の流通形態の多様化が進む中、パソコンやデジタル家電以外の様々な物をインターネットで繋ぐ技術、「モノのインターネット」(Internet of Things:IoT)の進展が話題を集めました。また自動車関連市場においては、各社において自動運転技術の実用化に向けた研究開発に拍車がかかるほか、世界初となる量産の燃料電池車が市場にリリースされました。安全性、利便性、環境適応性の強まりと並行して、自動車1台当たりの電装品の搭載数も増加しており、カーエレクトロニクス関連市場は拡大基調で推移しています。

こうした中で当社グループは、現在進行している長期経営計画『マスタープラン2010』の遂行に引き続き取り組みました。『マスタープラン2010』は、筋肉質な企業体質づくりを目指す「事業の再構築」、販売力と商品開発力の強化による「事業拡大」、迅速で的確な意思決定を実現する「組織変革」の3つの軸からなる経営計画です。計画初年度となる2010年度は主に「事業の再構築」に注力し、採算の取れない事業や製品からの撤退、人件費や研究開発費等の低減に取り組みました。2年目以降は「事業の再構築」から「事業拡大」へと軸足を移し、販売力と価格競争力の強化、新事業・新製品・新分野創出のための施策を通して、恒常的に利益を創出できる企業体質の確立を目指してまいりました。
当連結会計年度は、「事業拡大」を具現化するための施策として、成形品ビジネスの拡大に取り組みました。一昨年5月に連結子会社に加えた不二電子工業株式会社では、国内外の自動車販売台数の増加を背景に、車載用電子部品の受注が増加しています。併せて、静岡県内に2つの生産拠点を置く同社では、大規模地震等による事業継続リスクを鑑み、北海道千歳市に生産拠点を新設することを決定し、来年8月の稼働に向けて準備を進めています。また、これまで精密金型を主力製品として外販してきた精機関連では、内製した金型を用いて精度の高い成形品を量産し、これを外販するビジネスへと移行を進めています。当社グループが創業以来培ってきた金型技術と精密研磨、精密加工技術を応用して開発した薄肉微細転写、加飾成形技術は、極めて微細な凹凸を、量産性を確保しながらも成形品として正確に表現することができることから、出展した展示会では様々な業界のお客様から注目を集めました。
価格競争力の強化に向けては、事業別に具体的な目標を定め、変動費の削減を通して利益率の向上に努めました。中国の杭州と大連の製造子会社においては、原価低減を実現するための課題の明確化と課題解決のための施策を推進し、その進捗状況を定期的に本社と共有しながら製造現場の競争力強化を図りました。

こうした諸施策や、不二電子工業株式会社の計上月数が前連結会計年度より2ヶ月増加したことなどから、当連結会計年度の売上高は11,517,486千円(前連結会計年度比10.9%増)となりました。売上高の増加に加え、注力した経費削減の取り組みにより原価率が低下し、営業利益は548,677千円(前連結会計年度比142.2%増)となり、前連結会計年度から大幅に増加させることができました。また、為替差益等の営業外収益を計上した結果、経常利益は644,683千円(前連結会計年度比145.1%増)となりました。当期純利益は303,644千円(前連結会計年度は27,631千円の当期純損失)となり、黒字転換することができました。


なお、当事業年度の当社単体の売上高につきましては、精密金型や精密成形品の販売が前事業年度を上回ったものの、光通信用部品の販売が低調に推移し、3,149,264千円(前事業年度比7.8%減)となりました。一方、全社を挙げて製造原価や販売費及び一般管理費の低減に努めた結果、単体営業損益は234,557千円の営業損失(前事業年度は492,137千円の営業損失)となり、前事業年度から改善することができました。また、子会社等からの受取配当金を営業外収益に計上した結果、単体経常利益は351,478千円(前事業年度は86,474千円の経常損失)、単体当期純利益は214,997千円(前事業年度は109,395千円の当期純損失)となり、いずれも前事業年度実績を大幅に上回り、黒字を回復することができました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 精機関連
当社グループは創業以来、金属を精密に加工したり、金属面をナノメートル(100万分の1ミリメートル)レベルの単位で研磨する技術をベースに、光ディスク成形用金型に代表される精密金型を製造し、永くお客様に提供してまいりました。しかし、金型を外販するビジネスは、求める成形品が得られるまで金型の微妙な修正が発生し、お客様との距離が遠くなるほど移動コストが増加することから海外展開が難しく、また近年では3Dプリンターが登場するなど、日本国内での拡大余地が少なくなる傾向にあります。こうしたことから精機事業では、金型を販売しながらも、自社で製造した金型を用いて精密成形品を大量生産し、これをお客様にご提供していく成形品ビジネスへと軸足を移しています。光ディスク成形用金型の製造を通して獲得した薄肉成形技術、ミクロン単位の微細な凹凸を正確に成形品に写し取る微細転写技術、これらの技術を応用し、金属の質感を樹脂製品に装飾する加飾成形技術は、出展した展示会でも多くの注目を集めました。
また当社グループは一昨年、自動車関連業界やエレクトロニクス関連業界に向けてオリジナリティ溢れる成形品を供給する不二電子工業株式会社を傘下に加えました。当連結会計年度は、同社内で必要となる金型を当社が製造して提供するほか、当社グループの成形品ビジネスの拡大に向けて両社の技術やノウハウを互いに共有する機会を定期的に設けるなど、双方のシナジーを創出する取り組みに注力しました。
成形品ビジネスの一環である高耐熱レンズ関連では、主にスマートフォンに搭載するカメラ用のレンズを供給しています。当連結会計年度は、中国のメーカーが発売するローエンド向けのスマートフォンに当社グループのレンズが搭載され、売上を伸ばすことができました。また、高耐熱レンズに対する高画素化への要求の高まりを受けて、200万画素の高耐熱レンズを開発し、新たにラインアップに加えました。
これらの結果、当連結会計年度の精機関連の売上高は6,814,875千円(前連結会計年度比23.6%増)となりました。

② 光製品関連
光通信を取り巻く市場においては、スマートフォン等の携帯情報端末の普及に伴うモバイルブロードバンドサービスの拡大、ソーシャルネットワーキングサービスや動画配信等のインターネットサービスの拡大等により、通信トラフィックが急激に増加しています。併せて、人や情報端末だけではなく、家電や自動車等、多種多様な物がインターネットへつながるIoT(Internet of Things)時代が到来し、世界を流通するデータ情報量は今後ますます増加することが見込まれています。これに対応するため、毎秒100ギガビットの高速大容量通信を可能とする光ネットワークの導入が各地で急速に進んでおり、さらにはこれを超える毎秒400ギガビットの通信を実現する光通信デバイスの開発に拍車がかかっています。
一方、拡大する光通信市場において大量に需要が生じる汎用的な部品は、市場流通価格の下落が恒常化しています。利幅が小さくなる中、業界の中では淘汰と再編が進む一方、中国を中心とするアジア地域においては新規に参入する企業も見られました。こうした市場動向を背景に、当連結会計年度は、汎用的な光コネクタの売上高は減少しましたが、光コネクタの製造に不可欠な光コネクタ研磨機等の販売が増加することとなりました。

また、電気信号と光信号を相互に切り替える技術を応用した装置群も売上を伸ばしました。テレビのデジタル電波を中継する光伝送装置は、アナログ電波が地上デジタル波に完全に移行してから3年を経過し、置き換え需要が高まりを見せています。また、自動車に搭載する電装品が発する微量な電波を、光ファイバーを用いて正確に測定する光電界センサ―は、電装品のノイズによる誤作動を解消し、より安全な運転性能を確保する目的で、自動車メーカーからの引き合いが増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の光製品関連の売上高は4,702,610千円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。


(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は2,526,413千円となり、前連結会計年度末から74,964千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果増加した資金は882,300千円(前連結会計年度は827,613千円の増加)となりました。営業活動による資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益647,863千円、減価償却費716,183千円、のれん償却額252,065千円等であります。資金減少の主な要因は、売上債権の増加額411,571千円、法人税等の支払額477,588千円等であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果減少した資金は1,012,477千円(前連結会計年度は557,525千円の減少)となりました。投資活動による資金増加の主な要因は、定期預金の払戻による収入6,546,822千円等であり、資金減少の主な要因は、定期預金の預入による支出6,984,196千円、有形固定資産の取得による支出710,397千円等であります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果減少した資金は68,104千円(前連結会計年度は58,898千円の減少)となりました。財務活動による資金減少の主な要因は、配当金の支払額45,683千円、リース債務の返済による支出34,430千円等であります。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01717] S1004VZJ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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