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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10058P7

有価証券報告書抜粋 サンケン電気株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは事業ドメインを「Power Electronics」と定め、この分野において一段上の企業像を目指すべく研究開発活動を進めております。基本方針としては、エコ・省エネ、グリーンエネルギー市場を核とした成長戦略の実現及び技術マーケティングの確立と効率的な開発マネジメントによる新製品開発の促進を掲げ、研究開発に取組んでおります。また、一部連結子会社にも研究開発部門を設けております。当連結会計年度における研究開発費の総額は売上高の10.4%に当たる166億67百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次の通りであります。

(1) 半導体デバイス事業
半導体デバイス事業においては、製品開発における技術マーケティングの導入により成長市場へのシフトを担う製品開発に注力するとともに、開発工程管理の強化により開発スピードのアップを図っております。また、成長著しい新興国向けの汎用品の製品開発にも積極的に取組んでおります。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。
・高速・高精度A/D変換器、高速アナログコンパレータ、オペアンプなどの豊富なアナログ機能と、8051CPU、デジタルフィルタ演算に最適化された高性能DSP、分解能1nsデジタルPWMなどのデジタル回路を搭載したフラッシュメモリ内蔵のデジタル電源用ミックスドシグナルマイコン MD6602を開発
・固定周波数PWM電流モード方式の制御方式を採用、車載用途の厳しい環境下での使用に配慮し、フォトカプラレスでの制御を実現するため高精度エラーアンプの内蔵や高放熱パッケージの採用、さらにパワーMOSFETをICに取り込むことで部品点数削減も実現した、車載用スイッチング電源IC SPF8201を開発
・モータドライバICに内蔵する部品の高密度化を実現することで、パッケージサイズ、基板パターン面積を従来製品よりも縮小し、中・小容量の冷蔵庫にも使用可能なインバータ制御用高圧3相ドライバIC SIM6800Mシリーズを開発
・従来のフライバック方式に代えバック方式を採用し、フライバック方式と比較して回路設計が容易で、省スペース化、電源システムの低コスト化を可能とし、また負荷に応じて発振周波数の制御を行う機能によりスイッチング損失の軽減を実現した軽負荷高効率のAC/DC非絶縁電源用IC STR5A460シリーズを開発
・新機能の周波数低減動作や回路損失低減機能により無負荷時消費電力15mWと従来品から5mW削減、軽負荷時効率2%、定格負荷時効率2%の改善により、厳格化する各国の省エネ規制に対応可能なAC/DC電源IC STR3A400シリーズを開発
・パワーMOSFETのオン抵抗の最適化により重負荷領域の効率を改善、さらに中負荷から軽負荷ではスイッチング周波数可変動作(PFM動作)を行うことにより、軽負荷から重負荷までの全負荷範囲において高効率を実現した同期整流型降圧チョッパー型DC/DCコンバータIC NR230A/NR240Aシリーズを開発
・適切な部品選定及びスイッチング周波数設定により、周囲温度85℃、強制空冷条件において単機で60A以上の出力電流を供給可能とし、従来30A出力の製品を並列使用していた通信ネットワーク機器に単機で使用可能、高効率で省スペースを実現した大電流DC/DCコンバータモジュール BR210を開発
・これまでのLED照明器具の調光では色温度は同じまま照度を変化させていたのに対し、調光の際に調光率にあわせて色温度を変化させることでクルーゾフの快適曲線に沿った調光調色を実現した調色インバータ及び当該調光調色システムを搭載した照明器具 NVR2ZA0001を開発
・新規開発のHSONパッケージ採用、MOSFET2石とFRD2石の4チップを1パッケージに集約したことで基板の省スペース化に貢献する、自動車向け直噴インジェクタドライバ用ディスクリートモジュール SHD4101を開発
・出力スイッチング素子にIGBT&FRDまたはMOSFETを用い、それらの駆動用プリドライブICと制限抵抗(60Ω)付きブートストラップダイオードと共に1パッケージへ収めた、AC100〜200V系の冷蔵庫コンプレッサ、エアコンファンモータ等に最適な高圧3相モータドライバ SIM685xMシリーズを開発

・固定周波数PWM制御でピーク電流モード制御方式を採用、発振周波数・ソフトスタート時間は外付けコンデンサーを接続することで容易に設定可能、オートバースト機能内蔵で軽負荷時の出力電圧上昇抑制とともに消費電力低減を可能とし、低圧バッテリーを入力とした電源の構成に最適な、車載用フライバック電源制御用IC SFA0002を開発
・スタンバイモード時、待機電力Pin=0.27W以下(Po=125mW)を実現、また自動でスタンバイ動作に切り替え可能なため部品点数の削減が可能な、待機電力対応1コンバータ全波電流共振電源用制御IC SSC3S910を開発
・充実した保護機能により構成部品が少なくコストパフォーマンスの高いLED駆動回路を容易に構成可能、またLED電流の平均値を制御することにより高精度な定電流制御が可能な、BuckタイプLEDドライバIC BL0192Aを開発
・パワーMOSFETと電流モード型PWM制御ICを1パッケージとし、起動回路とスタンバイ機能を内蔵し低消費電力及び低スタンバイ電力に対応、外部電源の新エネルギー効率規制DOE及びCoCに準拠した全負荷領域高効率PWM方式電源IC STR3A400シリーズを開発
・当社のディスクリート製品では初となる順電流80Aを保証、放熱性の高いパッケージを使用することで大電流と高放熱要求を同時に満たすことが可能な、高速タイプと低VFタイプの2品種をラインアップした400V 耐圧の大電流2次側整流用FRD CTXT-4804S、CTNT-4804Sを開発
・独自のトレンチ構造により容量を低減し、低飽和かつ高速スイッチングを実現、IGBTの低損失化によりセットの高効率化に貢献する、PFC、溶接機などに最適な650V FieldStop型トレンチIGBT MGF/KGF/FGF各シリーズを開発
・パワーMOSFETと制御ICを1パッケージに内蔵、また広い入力電圧範囲、100kHz〜500kHzの周波数可変、外部回路構成で降圧、昇圧、昇降圧タイプを設定可能といった特長を有し、充実した保護機能により構成部品の少ないコストパフォーマンスの高い電源システムを容易に構成可能なLED照明用ドライバIC LC5710Sを開発
・充実した保護機能、幅広いLED構成に対応可能、PWM方式の調光制御にも対応、また少ない部品点数で高効率、高精度なLED駆動を実現可能な、降圧タイプの単出力LEDバックライト用コントローラIC LC5901Sを開発
・フラットレイアウトにより業界トップクラスの薄さ38mm、軽さ900gを実現し、従来品に比し大幅に施工性を改善、また発光部は38mmの薄さでありながらムラの無い均一な発光を実現し、電源部は当社製ICと電源回路設計技術により92.4%(AC200V)の高効率を達成、固有エネルギー消費効率154lm/Wを実現した、軽量LEDベースライト NVR1GB1シリーズを開発
・真横方向の光を抑えつつ上方へ光を放射することで床面照度と天井面の明るさを両立、消費電力40Wで固有エネルギー消費効率130lm/Wの、LEDベースライト NVR1GB0シリーズ
・照明器具本体に金属製の下面ガード使用、カバーにはポリカーボネート樹脂使用でボールなど飛来物からの衝撃に強くカバー飛散も抑制、光拡散効果の高いカバー採用でグレアを大幅に低減し体育館などの球技を行う施設照明に最適、水銀灯400W相当モデルで110Wと約73%の消費電力削減により省電力化に貢献可能な、体育館用LED高天井用施設灯 NVCシリーズを開発
・従来製品SEP-Bシリーズの発光効率を改善し、業界トップクラスの190lm/Wを達成、直管型、シーリングライト等のベース照明から屋内外の大型灯具まで応用可能な、面実装中電力LED SEP1X*1F47TLシリーズ
・業界トップクラスの大光束、高効率を達成、高天井照明、商業施設用ダウンライト、スタジアム照明、投光機など大光量が求められる光源への応用が可能な、大光束COBタイプLED SEB1812**256CTシリーズを開発
・封止樹脂に耐熱性の高い樹脂を用いることで高温環境であっても比較的大きな電流を流すことが可能で高輝度が得られる、主に自動車室内向けのインジケータ用光源に適した、狭指向性小型チップLED SEC1013シリーズを開発

なお、NEDOのナノエレクトロニクス半導体新材料・新構造技術開発は、バルクGaN基板を用いた縦型デバイスの実用化に向けた課題検証を終え、7年間の研究期間を完了致しました。引続き、GaNデバイスの性能向上に向けた技術開発を行ってまいります。
また、SiCデバイスに関してはNEDOの低炭素社会を実現する新材料パワー半導体プロジェクトでの高耐熱実装技術の課題抽出を終え、3年間の研究期間を完了致しました。引続き、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の高温実装技術テーマに於いて、SiCデバイスの高耐熱実装実用化に向けた技術開発を継続してまいります。

半導体デバイス事業に係る当連結会計年度の研究開発費は152億39百万円であります。


(2) PM事業
PM事業においては、対応市場及び製品構成の組み替えによる利益体質の確立をテーマに、エコ・省エネ、産機・新市場への拡販並びに高付加価値製品の開発に取組んでおります。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。
・すでに80PLUS TITANIUM/PLATINUM認証を取得した技術をベースとし、部品特性依存や回路方式にこだわらず既存方式の特性を引き上げることで高効率化を目指し、12V出力、AC230V入力で最大効率96.7%以上を達成、負荷率20%〜80%の幅広い範囲で効率96%以上を実現した1600Wの電源装置を開発
・業界最高水準となる変換効率94%を達成し、電源に対する世界的な省エネ認証基準「80PLUS(エイティプラス)」において「プラチナ」グレード認定を取得、世界最高水準の電力密度2.1W/ccも実現した、高効率汎用フロントエンド電源 PTS162M1212を開発

PM事業に係る当連結会計年度の研究開発費は5億50百万円であります。

(3) PS事業
PS事業においては、グリーンエネルギーをキーワードに「発電・送配電・消費・蓄電」の分野への事業拡大を図るとともに、高効率変換技術を追求して継続的な新商品創出に取組んでおります。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。
・不安定な太陽光発電の大量導入を見据えた、複数の蓄電素子を用いた系統電力変動補償システムの開発において、トータルコストに着目した蓄電素子のベストミックス及びその制御法を提案、所望の動作を確認
・最大電力追従機能を2回路搭載し、異なる向きの屋根に設置した太陽光パネルからも効率よく電力取り込み可能、ステップ注入付周波数フィードバック方式搭載により多数台連係を容易に実現可能な、系統連系型太陽光発電用4.9kW出力のパワーコンディショナ PPS-502SA1を開発
・ダブルコンバージョン方式の中容量無停電電源装置「FBK-SBU単相出力シリーズ」の並列冗長型を製品化
・15kWhのリチウムイオンバッテリを内蔵、系統正常時には連系運転をしながらバッテリの充放電によりピークシフト等の電力制御を行い、系統停電時には自立運転により特定負荷へ電力を供給することができ、公共施設等の防災拠点に必要不可欠な非常用電源として使用可能な、屋内設置専用型 単相3線10kW蓄電システムを開発

PS事業に係る当連結会計年度の研究開発費は8億77百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01790] S10058P7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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