有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100589Z
池上通信機株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、顧客に満足して頂ける製品を創造するために常に技術を磨き、「技術の池上」と評価を頂けるよう、積極的に研究開発活動を行っています。 研究開発は、開発本部(川崎市)で要素技術・機能開発を行い、プロダクトセンター(宇都宮市)とシステムセンター(藤沢市)で、製品化開発を行っています。 また、グループ外企業との分業と連携により、自社のコア技術開発とスピードある製品開発を実現しています。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、18億76百万円です。
(1)放送システム事業関連
放送システム事業関連では、デジタル放送番組素材の撮影取材、中継伝送、編集制作、放送番組の送出・基幹網伝送に注力して、番組制作機器、有線/無線中継機器およびネットワーク機器の研究開発を行っています。 また、総務省の推進する4K・8Kロードマップを重視した研究、製品開発に取り組んでいます。 当連結会計年度では以下の主な成果がありました。放送用カメラでは、NHK(日本放送協会)との共同開発で、第4世代の8Kスーパーハイビジョンカメラとして、初代カメラと比べ約1/10の小型・軽量化を実現し、運用性を格段に高めた、世界初のハンディータイプ8Kスーパーハイビジョンカメラ「SHK-810」を完成させました。小型化により従来の放送用カメラと同等な使い勝手が得られ、8Kコンテンツ制作においてより臨場感のある映像の提供を可能としました。 2016年リオデジャネイロオリンピック、2020年の東京オリンピックにおいて活躍が期待されています。
放送用4Kカメラとしては、「Real Native 4K」をコンセプトに、既存のHD放送用カメラの操作性と運用性を踏襲し、2/3型 800万画素(4K)CMOSセンサを搭載した新開発4K 3CMOSシステムカメラを開発しました。また、現行HDカメラによる4K映像撮影のソリューションとして、3G-SDI対応のBS-98、CCU-980にスロットインするだけで4K超解像映像を出力する、4Kコンバータボードを開発しました。 本製品の開発により、現行HD制作と4K制作との間で機材の共通化が可能となり、4K放送へのスムーズな移行が実現できます。
現行HDカメラでは、星明かり程度の低照度環境下(0.001 lx / F1.4)でカラー動画(60fps)撮影が可能な超高感度3CMOS HDTVポータブルカメラ「HDK-5500」を製品化しました。日中でも最適な映像が得られるNDフィルタを搭載しており、昼夜連続運用が可能な放送用ポータブルHDカメラとして、既に放送局で運用されています。
また、海外向けHDTVシステムカメラとして、放送用トップエンドカメラUnicamHD 「HDK series」の信頼性・画質・品質を踏襲した放送品質の高画質を手軽に導入できる1/3型 3CMOS HDTVカメラシステム「HC-HD300」を開発・製品化しました。 発売開始より北米地域の教会グループなどの準放送市場、および中南米地域における放送市場より、活発な引き合いを頂いています。今後、これらの国々の他、これから放送のデジタル化、HD化が本格化する東アジア地域・アフリカ地域などの放送市場、および欧米における準放送市場に向け、高品質な映像ソリューションを提供していきます。
放送用モニタでは、4K対応モニタとして、広視野角、動画ぼやけを抑え優れた応答速度を実現した32型LCDモニタ「HQLM-3210W」を製品化しました。 現在の映像フォーマットの4K標準インターフェースであるHDMIおよびDisplay Portの他、SDI入力コンバータを使用することにより、3G-SDI×4の4K入力に対応をしています。今後「Real Native 4K」のコンセプトのもと、シリーズの拡充に向け開発を進めています。
現行HDモニタでは、LCDを採用したマルチフォーマットモニタHLMシリーズのラインアップ拡充を進め、ワールドワイドに需要が見込まれる17型高画質、高精細モニタ「HLM-1705WR」、モニタ棚の省スペース(高さ方向)を可能としシステムアップに適した15型モニタ「HLM-1504WCS」、新たにHD-SDI各2入力を実現した7型2連マルチフォーマットモニタ「HLM-7012WR」、同じく5型3連マルチフォーマットLCDカラーモニタ「HLM-5013WR」を製品化しました。 これらの製品を通じて、スタジオ、中継車等、様々な放送現場の映像モニタ・ソリューションをグローバルに展開していきます。
その他の放送用映像音声スタジオ機器・システムとしては、73期に開発した、放送映像システムを構成するルーティングスイッチャ、プロダクションスイッチャ、コンバータ機能を統合した製品「MuPS-4000」シリーズの機能の高度化を進めました。 具体的には、プロダクションスイッチャに特に求められる三次元効果(3Dエフェクタ)にデザイン性を追求した額縁ボーダ、複雑な形状で切り取るトリミング機能を付加しました。 これによりスポーツ番組や報道番組の画面合成用途としての制作機能が向上しました。
また同じく付加機能として、多数の非同期映像を1画面内にフレキシブルに配列表示する「マルチビューワ」機能を開発しました。 スタジオ、中継車において各制作者が個々にマルチビューアを運用する昨今の事情を踏まえて、「マルチビューア」機能の内蔵化により、トータルでのシステム導入コストを下げ効率的にシステムを構築・提供することができるようになりました。
放送映像システムの統合製品「MuPS-4000」シリーズは、将来の4K放送対応を見据えるとともに、お客様の要求される機能、システム規模に合わせてフレキシブル、かつコンパクトな提案が可能なことから、本製品を採用頂いたスタジオサブ映像システムの納入が本格化しています。
今後もHDスタジオ、中継車の更新需要に向けて、最新の技術を導入した新たなソリューションを提供していきます。
無線伝送・通信機器では、700MHz帯FPUの周波数移行先である1.2GHz帯/2.3GHz帯のデュアルバンド対応・MIMO方式FPUを開発しました。 このことにより、同一周波数帯域幅内で同一の変調方式を用いて、2倍以上の通信速度を得ることが放送素材伝送の実用機レベルで可能になりました。 今後も無線通信を用いる種々の製品へMIMO技術の展開を進めていきます。
その他、警察や消防などのヘリテレシステムにおいては、15GHz帯の小型送信機と高出力電力増幅器を製品化し、業界初の2W出力(従来は0.5W)を実現しました。 この開発により、デジタル伝送時の通信距離を従来製品と比較して2倍に伸ばすことが可能となり、デジタル化移行を大きく後押ししています。
(2)産業システム事業関連
セキュリティ機器関連では、HD化、超高感度化、ネットワーク化に力を入れています。監視カメラでは、屋外耐環境型フルハイビジョン・コンビネーションカメラ「PCS-720HD」を新開発しました。本製品の市場投入により、HD化が進みつつある屋外耐環境型カメラ市場に新たなソリューションの提供が可能となりました。
また、暗所監視や撮影用照明を要しない超高感度カメラとして、最低被写体照度0.00016lx/F1.2で蓄積処理無く30fps動画撮影を可能とする超高感度HDカラーカメラ「ISD-2500HD」、および0.0081lx/F1.9で撮影可能な屋外耐環境型HDコンビネーションカラーカメラ「PCS-7500HD」を製品化しました。これら超高感度カメラの製品化により、従来の蓄積型高感度カメラでは困難であった動きの早い移動物体監視において、鮮明なカラー画像での撮影が可能となり、昼夜を問わず最適な監視ソリューションの提供が可能となりました。
ネットワーク系では、フルHD IPカメラ(「IPD-BX300」(ボックス型)、「IPD-DM300」(ドーム型))とフルHDネットワークレコーダ「INR-1008P/1016P」(PoE対応)を開発し、IPカメラとネットワークレコーダ間を1本のネットワークケーブルで接続するだけでフルHDカラー監視を実現するIP監視ソリューションを提供しました。 これにより、電源と映像データが1本のネットワークケーブルで供給可能となり、煩雑なネットワーク設定も不要となるなど、システム設置の利便性が向上しています。今後、小規模システムから大規模システムまでIP監視ソリューションの拡充を図っていく予定です。
メディカル関連では微細手術の高度化を支える映像装置の研究開発を進めています。
手術顕微鏡、術野カメラシステム等、さまざまな場面で活用頂く医療用カメラの最高機種として、プログレッシブスキャン対応フルHD 3CMOSカメラ「MKC-700HD」を製品化しました。 MKC-700HDは、当社従来比2倍の高感度(2000lx/F16)に加え、新開発の画像補正機能・階調補正機能により、細部までより解像感のある映像表現を可能にしました。 また高感度という特長を活かし、従来、専用センサを必要とした蛍光造影検査にも対応可能となり、手術現場で欠かせない機能・操作性を実現しています。
さらに、医療分野の動画像、静止画像を同時に記録、再生できる、メディカルビデオレコーダ「MDR-600HD」を製品化しました。 これら新製品のラインアップにより、医療分野における手術映像の一連のプロセス(撮影・表示・記録)をトータルで提案することが可能となりました。
検査機器関連では、お客様製品の品質向上を支えるために、画像処理とメカトロニクスを融合した検査装置システムの研究開発を行い、事業拡大に努めています。
主要製品である錠剤検査装置TIE-9000シリーズでは、立体的光学合成技術を活用して高精度検出を可能とする3D検査機能の搭載製品開発が完了し、出荷を開始しました。 また、昨年のINTERPHEX展で参考展示を行ったX線錠剤内部検査装置の製品化を進め、TIE-XRとして2015年のINTERPHEX展で製品発表の予定です。
更に、高齢化とジェネリック医薬品の普及に伴う錠剤医薬品の識別改善の要求に応えて、非接触型のインクジェット錠剤印刷装置の研究開発を進めており、同上の展示会にて参考出展の計画も進めています。
錠剤検査装置は、今後の高齢化社会に伴う錠剤医薬品の需要増に応えるべく、検査性能の向上、新機能の研究開発を進め、さらなるソリューションの提供を継続していきます。
平面検査市場では顧客要求に応えるべく、高速搬送での高精度検出に対応する16,000画素850MHz高速ラインカメラの検査機器の機能研究開発に着手し、2015年4月の高機能FILM展に参考出展致しました。今後、業界最速、高解像度の平面検査装置として製品化開発を進め、お客様への新たなソリューションを展開していきます。
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