ティアック株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)

当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。
当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。
当連結会計年度の開発人員は125名で、研究開発費として1,540百万円投入しております。
当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。


プロオーディオ市場向けでは、デジタル同期技術のノウハウを余すところなく投入し放送局やポストプロの現場に求められる様々な機能を搭載した業務用マスタークロックジェネレータCGシリーズ(CG-2000/1800/1000)を市場導入しました。DSLR(デジタル一眼レフカメラ)市場向けにはDR-60Dから操作性、使い勝手を向上させたバージョンアップ版DR-60DMK2に加えてステレオ内蔵マイクと4つのXLR入力で思い通りのセッティングを可能にした上位機種となるDR-70D を市場導入しました。ポータブルマルチチャンネルレコーダーとしては音質向上/SDXCカード対応/電池寿命の長時間化/クロック精度の向上/デュアル録音機能/マルチトラック素材再生/リチウム乾電池対応等DR-680から機能、性能を向上させたDR-680DMK2、また、新スタイルレコーダとしてインタビューや記者会見などの音声収録をコンパクトに実現するXLRマイクに直接取り付けるプラグオン マイクロリニアPCMレコーダーDR-10Xやワイヤレスマイクシステムに取付けるだけでバックアップ録音が可能なウェアラブル マイクロ リニアPCMレコーダーDR-10Cを市場導入しました。設備向けではFTPクライアント機能を搭載し録音データの自動アップロードや音素材のダウンロード、加えてSNTPに対応し、正確な時間管理上でのイベントリストによる録音/再生/ダウンロード制御が可能なネットワーク対応業務用2chレコーダー/プレーヤーHS-20やBGM再生に最適なネットワーク再生機能を搭載しUSBメモリーの音源再生も可能な設備用ネットワーク/CDプレーヤーCD-240を市場導入いたしました。
楽器市場向けではWi-Fiでのリモートコントロール、ファイル転送に対応したシンプル操作のX-Y方式ステレオマイク搭載リニアPCMレコーダーDR-22WLと4TR/XLR入力対応のX-Y方式ステレオマイク搭載リニアPCMレコーダーDR-44WLを市場導入しました。またUltra-HDDAマイクプリアンプを搭載し著名な音楽制作機器を数多く手がけたドイツ人デザイナーによる先鋭的なデザインを採用したUSBオーディオMIDIインターフェースUS-2x2、US-4x4、アナログ同時16チャンネル入力で専用ドライバーを新たに設計、各チャンネルに4バンドEQ/コンプを装備した本格的なDSPミキサーを搭載したUS-16x08を市場導入しました。更にケブラーコーンとバイアンプ構成を採用した自宅での音楽制作に最適な2ウェイパワードスタジオモニターを市場導入しました。
コンシューマオーディオ市場向けでは、ハイレゾ音源(DSD 5.6MHz・PCM192kHz/24bit)に対応したネットワーク機能付きCDプレーヤー「CD-P800NT」及びポータブルヘッドホンアンプ/プレーヤー「HA-P90SD」を市場導入しました。これらの機種は最高スペックであるDSD5.6MHzに対応することでハイレゾ対応製品の中でも上位モデルに位置づけされる高スペックモデルです。また、ハイレゾ初心者向けにハイレゾ対応(PCM192kHz/24bit)マイクロコンポ「HR-S101」を市場導入しました。本製品アンプ部の横幅及びスピーカーの高さを"182mm"という非常にコンパクトなサイズとすることでデスクトップオーディオとして最適なスペースファクターを確保し、PCオーディオ初心者には最適な仕様としました。尚、弊社ハイレゾ対応製品には「TEAC HR Audio Player」「TEAC remote」等のアプリを無料添付する事で、どなたにも簡単に操作して頂ける環境を提供しています。これらハイレゾ対応製品の対極にあるアナログターンテーブル「TN-300(海外向け)」「TN-350(国内向け)」も市場導入しました。欧米を中心とする昨今のレコードブームに乗り、販売台数も非常に順調に推移しています。また、カセットデッキ+CDレコーダー「AD-RW950」とMDデッキ+CDプレーヤー「MD-70CD」を市場導入しました。これらのモデルはMDやカセットテープという終息メディアに対応したものとなります。
ハイエンドオーディオ市場向けでは、エソテリックの中でも最高級シリーズとなるGrandioso(グランディオーソ)シリーズとして初のプリアンプGrandioso C1、ステレオパワーアンプのGrandioso S1、また、Grandiosoの技術を凝縮した一体型SACDプレーヤー4機種K-01X、K-03X、K-05X、K-07X、セパレート型アンプ2機種C-02X(プリアンプ)、S-02(ステレオパワーアンプ)を市場導入しました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は1,121百万円であります。


医用画像製品では、手術カメラ、内視鏡、超音波診断装置など各医療機器と連携し、高解像度の静止画・動画が記録できる国内及び海外向けメディカルビデオレコーダーUR-4MDを市場投入しました。UR-4MDは、入力される映像信号を自動で認識するため、映像機器に接続されているケーブルをUR-4MDに取り付けるだけで映像を読み込むことができます。また、停電や事故によって電源コードがコンセントから外れた場合も、確実にデータを記録・保管する機能が備わっています。
計測製品では、騒音・振動などの信号を映像信号と同期して記録することが可能な計測用データレコーダーVR-24を市場投入しました。また、VR-24はこれらの信号とあわせて自動車内で使用される制御用ネットワークCAN、位置情報取得のためのGPS、速度・距離などのパルス信号も同期記録が可能です。また、タッチパネルコントロールに対応した分かりやすいユーザーインターフェースで直感的な操作を実現し、記録した映像、アナログ信号は本体画面上で再生確認ができます。
インフライトエンターテイメント製品では、SDメモリーカードビデオ再生機VE-801SDiを開発し市場投入を開始します。VE-801SDiは、映像コンテンツのダウンロードを行うことなくSDメモリーカード上の映像コンテンツを直接再生することができます。また、記録媒体として8mm、Hi8、VHSなどを使用している従来製品との高い互換性を有しており、これらビデオ再生機と迅速で無駄のない機器更新を提供します。
当連結会計年度における研究開発費の金額は418百万円であります。