有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004ZJX
シスメックス株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、臨床検査の総合サプライヤーを目指して、常に最先端技術に対する積極的な挑戦と信頼性を追求しながら新たな診断技術の研究開発に取り組み、顧客の幅広いニーズを先取りした製品の開発を進めております。
当社グループの研究開発は、主として当社のヘマトロジープロダクトエンジニアリング本部商品開発第一部・商品開発第二部、UBプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、免疫・生化学プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、凝固プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、ライフサイエンスプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、技術開発本部及び中央研究所において臨床検査分野及びライフサイエンス分野を中心に推進しております。また、当社の研究開発企画本部において、研究開発全般の技術戦略の立案と研究開発活動の支援を行っており、戦略に基づく経営資源配分の最適化を図る体制を整備しております。
研究開発活動においては、その対象領域を「血液疾患及び免疫疾患」、「がん」、「慢性疾患」、「感染症」とし、細胞を検出するフローサイトメトリー技術、遺伝子を増幅、検出する直接遺伝子増幅技術やDNAチップ技術、抗体検査のための化学発光酵素免疫測定技術やクロマト技術、測定により得られた結果から病態をシミュレーションするシステムバイオテクノロジー技術などを技術プラットフォームとして、疾患の早期発見、患者個々に最適な治療の選択を可能とする価値の高い診断技術の創出を目指しております。
また、トータル・ソリューション・プロバイダーをコンセプトとして掲げ、検体検査機器のみならず検体検査試薬及び臨床検査情報システムを含む一貫した製品開発に取組んでおります。当連結会計年度における主な研究成果は次のとおりであります。
(1)アトピー性皮膚炎検査試薬「HISCL®TARC試薬」の発売
当社は、免疫血清検査分野の全自動免疫測定装置「HISCL-5000、HISCL-2000i」で使用可能なアトピー性皮膚炎マーカー「HISCL®TARC試薬」を塩野義製薬株式会社と共同開発し、2014年4月に発売しました。アトピー性皮膚炎は、遺伝や生活環境などによる免疫機能の異常が引き起こす皮膚炎であり、通常、皮疹の範囲及び強さに関する医師の評価、患者の自覚症状により重症度を判定します。この判定のための客観的指標としては、血液中のアレルギー炎症を引き起こす細胞を皮膚へ遊走させる因子であるTARC※の産出量を測定する検査も行われていますが、検査に時間を要するため、病院内での診療前検査は困難でした。このたび発売した試薬は、TARC産出量を測定する検査を自動化し、約17分での迅速な検査が可能となることにより、病院内でのアトピー性皮膚炎の診療前検査が可能となり、患者の待ち時間の短縮、負担軽減に寄与します。
※TARC:TARC(Thymus and Activation-Regulated Chemokine)は、71個のアミノ酸より構成されるたんぱく質で、特定の白血球を遊走させるケモカイン群の一つです。アトピー性皮膚炎では、さまざまな刺激によって皮膚病変(表皮角化細胞)などから、TARC産出が誘導又は増強されます。
(2)血液凝固検査試薬「リアスオートP-FDP」の発売
当社は、血液凝固検査分野の全自動血液凝固検査装置「CSシリーズ、CA-7/8000、CA-1500、CA-6/550、コアグレックス800」で使用可能な血漿又は血清中のフィブリノゲン及びフィブリン分解産物(FDP)を測定する新たな試薬「リアスオートP-FDP」を2014年5月に発売しました。血液には、主に血管外に出血した際に血液を固める働き(凝固)と血管内で血液が固まることを防ぐ働きがあり、さらに固まった血液を溶かし(線溶)、血液を元の状態に戻す働きがありますが、これらの働きのバランスが崩れると、血友病、脳梗塞・深部静脈血栓などの疾患を引き起こす原因となり、その早期診断・早期治療には血液凝固・線溶機能の検査は重要な役割を果たしています。このたび発売したFDP※検査試薬は、広範囲の測定範囲を実現し、再検査率の低減による報告時間の短縮、コストダウンに寄与するとともに、Dダイマー※検査との併用による播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断、治療法の適切な選択など臨床上の有用性向上を目指し、フィブリノゲン分解産物への反応性向上を実現しました。
※FDP・Dダイマー:FDPは止血及び血栓形成の中心となるフィブリノゲン並びにフィブリンが分解されてできる成分の総称で、Dダイマーは、そのうち、フィブリンの分解産物のことを指します。
(3)全自動免疫測定装置「HISCL-800」の発売
当社は、免疫血清検査の小型検査装置として全自動免疫測定装置「HISCL-800」を2014年9月に発売しました。血液中のタンパク質などを測定する免疫血清検査は、感染症、がん、心疾患などの診断から治療経過観察まで幅広く利用され、疾患の早期発見や治療に重要な役割を果たしています。このたび発売した検査装置は、「HISCLシリーズ(HISCL-5000及びHISCL-2000i)」の特長である微量サンプル、高感度、約17分の迅速測定及び高い操作性を継承するとともに、「HISCL-5000」と比較して装置の横幅を約60%に縮小し、省スペース化を実現しました。コンパクトながら最大24項目の同時測定が可能であり、高機能、高性能と省スペース化を兼ね備えることで、通常の検査だけでなく、緊急検査や特定項目の検査など、医療機関のさまざまなニーズに対応します。
(4)全自動血液凝固測定装置「CS-2400/2500」の発売
当社は、血液凝固検査分野の新モデルとして全自動血液凝固測定装置「CS-2400/2500」を2014年10月に発売しました。血液凝固検査は、かつては血友病などの「出血性疾患」を調べるための出血傾向の検査が中心でしたが、近年は食生活などによる生活習慣や高齢化に起因する血管の病気の増加に伴い、心筋梗塞、脳梗塞など「血栓性疾患」が増加していることから、食生活の是正や抗血小板薬、抗凝固薬によるコントロールが重要になっており、血栓傾向や治療モニタリングにおける質の高い検査へのニーズが高まっています。このたび発売した装置は、2011年に発売した血液凝固測定装置「CSシリーズ」の最上位モデル「CS-5100」を踏襲したデスクトップモデルで、さらなる機能改善によるユーザビリティの向上とともに、新たな解析機能の搭載などによる臨床・診断有用性の向上を実現しており、多様化、高度化するユーザーのニーズに幅広く対応し、信頼性の高い検査結果による診断や治療モニタリングに貢献します。
(5)剥離細胞分析装置「LC-1000」の発売
当社は、細胞診断分野の新製品として剥離細胞分析装置「LC-1000」を2014年11月に発売しました。まずは日本、中国など国内外の医療機関を対象に販売し、将来的な子宮頸がんのスクリーニング検査における診断支援としての活用を目指して、臨床的有用性を検証していきます。子宮頸がんの早期発見には、婦人科検診が重要な役割を担っていますが、従来の検診は、子宮頸部から採取された細胞を専門の細胞検査士が顕微鏡で確認する細胞診が主流で、細胞検査士への負担が大きいという課題があります。このたび発売した装置は、フローサイトメトリー※1の技術を応用し、コアサイト(CoresightTM)※2という当社の技術を使って個々の細胞及びその核の大きさ、核DNA量を測定、解析することができます。この装置を用いて測定することにより、細胞のごく僅かな核DNA量の増加傾向や細胞増殖の状態を精緻に捉えることが可能となり、細胞診にはない新たな臨床的付加価値を提供し、検査の質を高めるとともに、細胞検査士の負担軽減及び検査の標準化に繋がることが期待されます。
※1フローサイトメトリー:微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法のこと。
※2コアサイト:当社が提唱する新たな技術名称であり、形態を壊さず細胞を分散させ、細胞の大きさ、核の大きさ、核DNA量に相当するパラメーターを測定し、これらのパラメーターを駆使して細胞増殖動態を解析する技術のこと。
(6)多項目自動血球分析装置「XN-Lシリーズ」の発売
当社は、ヘマトロジー分野の新製品として多項目自動血球分析装置「XN-Lシリーズ」を2015年1月に発売しました。近年、新興国においては、著しい経済成長に伴う医療インフラの整備、健康や医療に対する意識の高まりなどにより、医療や検査の需要が増加しています。一方、先進国では、医療費の抑制、高齢化社会への対応、予防医療や個別化医療の浸透など、医療ニーズの多様化が進んでいます。このたび発売した「XN-Lシリーズ」は、ヘマトロジー分野のフラッグシップモデルである「XNシリーズ」の機能や操作性を継承し、空圧源を内蔵、検出器などを小型化することで、白血球5分類に加え、蛍光フローサイトメトリー法による網赤血球測定、体液測定モードを備えたコンパクトモデルとして、先進国の中小規模施設や新興国での活用を中心に、さまざまなニーズへの対応が可能です。また、この装置は、世界三大感染症の一つであるマラリア感染時に出現するとされている血球形態の異常を知らせることが可能であり、新興国を中心に活用が期待できます。
(7)全自動血液凝固測定装置「CS-1600」の発売
当社は、血液凝固検査分野のコンパクトモデルとして全自動血液凝固測定装置「CS-1600」を2015年1月に発売しました。血液凝固検査は、かつては血友病などの「出血性疾患」を調べるための出血傾向の検査が中心でしたが、近年は食生活などによる生活習慣や高齢化に起因する血管の病気の増加に伴い、心筋梗塞、脳梗塞など「血栓性疾患」が増加していることから、食生活の是正や抗血小板薬、抗凝固薬によるコントロールが重要になっており、血栓傾向や治療モニタリングにおける質の高い検査へのニーズが高まっています。このたび発売した「CS-1600」は、当社が血液凝固検査分野で培ってきた技術力とノウハウに基づいた装置であり、大規模な検査室向けの「CS-5100」や高機能デスクトップモデルである「CS-2400/2500」の基本性能・機能を継承し、よりコンパクトに、より使いやすく、さらなる進化を遂げた新「CSシリーズ」として、比較的検査数の少ない検査室やバックアップ装置として、使用する場面を広げます。
今後も、医療を最適化、標準化するための価値の高い検査を提供し、シスメックスグループの企業理念である「Sysmex Way」のミッションとして掲げている「ヘルスケアの進化をデザインする。」の実現を目指した研究開発活動に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は14,692百万円となっています。また、2015年3月31日現在取得の工業所有権の総数は6,357件(海外を含む)となっております。
当社グループの研究開発は、主として当社のヘマトロジープロダクトエンジニアリング本部商品開発第一部・商品開発第二部、UBプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、免疫・生化学プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、凝固プロダクトエンジニアリング本部商品開発グループ、ライフサイエンスプロダクトエンジニアリング本部商品開発部、技術開発本部及び中央研究所において臨床検査分野及びライフサイエンス分野を中心に推進しております。また、当社の研究開発企画本部において、研究開発全般の技術戦略の立案と研究開発活動の支援を行っており、戦略に基づく経営資源配分の最適化を図る体制を整備しております。
研究開発活動においては、その対象領域を「血液疾患及び免疫疾患」、「がん」、「慢性疾患」、「感染症」とし、細胞を検出するフローサイトメトリー技術、遺伝子を増幅、検出する直接遺伝子増幅技術やDNAチップ技術、抗体検査のための化学発光酵素免疫測定技術やクロマト技術、測定により得られた結果から病態をシミュレーションするシステムバイオテクノロジー技術などを技術プラットフォームとして、疾患の早期発見、患者個々に最適な治療の選択を可能とする価値の高い診断技術の創出を目指しております。
また、トータル・ソリューション・プロバイダーをコンセプトとして掲げ、検体検査機器のみならず検体検査試薬及び臨床検査情報システムを含む一貫した製品開発に取組んでおります。当連結会計年度における主な研究成果は次のとおりであります。
(1)アトピー性皮膚炎検査試薬「HISCL®TARC試薬」の発売
当社は、免疫血清検査分野の全自動免疫測定装置「HISCL-5000、HISCL-2000i」で使用可能なアトピー性皮膚炎マーカー「HISCL®TARC試薬」を塩野義製薬株式会社と共同開発し、2014年4月に発売しました。アトピー性皮膚炎は、遺伝や生活環境などによる免疫機能の異常が引き起こす皮膚炎であり、通常、皮疹の範囲及び強さに関する医師の評価、患者の自覚症状により重症度を判定します。この判定のための客観的指標としては、血液中のアレルギー炎症を引き起こす細胞を皮膚へ遊走させる因子であるTARC※の産出量を測定する検査も行われていますが、検査に時間を要するため、病院内での診療前検査は困難でした。このたび発売した試薬は、TARC産出量を測定する検査を自動化し、約17分での迅速な検査が可能となることにより、病院内でのアトピー性皮膚炎の診療前検査が可能となり、患者の待ち時間の短縮、負担軽減に寄与します。
※TARC:TARC(Thymus and Activation-Regulated Chemokine)は、71個のアミノ酸より構成されるたんぱく質で、特定の白血球を遊走させるケモカイン群の一つです。アトピー性皮膚炎では、さまざまな刺激によって皮膚病変(表皮角化細胞)などから、TARC産出が誘導又は増強されます。
(2)血液凝固検査試薬「リアスオートP-FDP」の発売
当社は、血液凝固検査分野の全自動血液凝固検査装置「CSシリーズ、CA-7/8000、CA-1500、CA-6/550、コアグレックス800」で使用可能な血漿又は血清中のフィブリノゲン及びフィブリン分解産物(FDP)を測定する新たな試薬「リアスオートP-FDP」を2014年5月に発売しました。血液には、主に血管外に出血した際に血液を固める働き(凝固)と血管内で血液が固まることを防ぐ働きがあり、さらに固まった血液を溶かし(線溶)、血液を元の状態に戻す働きがありますが、これらの働きのバランスが崩れると、血友病、脳梗塞・深部静脈血栓などの疾患を引き起こす原因となり、その早期診断・早期治療には血液凝固・線溶機能の検査は重要な役割を果たしています。このたび発売したFDP※検査試薬は、広範囲の測定範囲を実現し、再検査率の低減による報告時間の短縮、コストダウンに寄与するとともに、Dダイマー※検査との併用による播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断、治療法の適切な選択など臨床上の有用性向上を目指し、フィブリノゲン分解産物への反応性向上を実現しました。
※FDP・Dダイマー:FDPは止血及び血栓形成の中心となるフィブリノゲン並びにフィブリンが分解されてできる成分の総称で、Dダイマーは、そのうち、フィブリンの分解産物のことを指します。
(3)全自動免疫測定装置「HISCL-800」の発売
当社は、免疫血清検査の小型検査装置として全自動免疫測定装置「HISCL-800」を2014年9月に発売しました。血液中のタンパク質などを測定する免疫血清検査は、感染症、がん、心疾患などの診断から治療経過観察まで幅広く利用され、疾患の早期発見や治療に重要な役割を果たしています。このたび発売した検査装置は、「HISCLシリーズ(HISCL-5000及びHISCL-2000i)」の特長である微量サンプル、高感度、約17分の迅速測定及び高い操作性を継承するとともに、「HISCL-5000」と比較して装置の横幅を約60%に縮小し、省スペース化を実現しました。コンパクトながら最大24項目の同時測定が可能であり、高機能、高性能と省スペース化を兼ね備えることで、通常の検査だけでなく、緊急検査や特定項目の検査など、医療機関のさまざまなニーズに対応します。
(4)全自動血液凝固測定装置「CS-2400/2500」の発売
当社は、血液凝固検査分野の新モデルとして全自動血液凝固測定装置「CS-2400/2500」を2014年10月に発売しました。血液凝固検査は、かつては血友病などの「出血性疾患」を調べるための出血傾向の検査が中心でしたが、近年は食生活などによる生活習慣や高齢化に起因する血管の病気の増加に伴い、心筋梗塞、脳梗塞など「血栓性疾患」が増加していることから、食生活の是正や抗血小板薬、抗凝固薬によるコントロールが重要になっており、血栓傾向や治療モニタリングにおける質の高い検査へのニーズが高まっています。このたび発売した装置は、2011年に発売した血液凝固測定装置「CSシリーズ」の最上位モデル「CS-5100」を踏襲したデスクトップモデルで、さらなる機能改善によるユーザビリティの向上とともに、新たな解析機能の搭載などによる臨床・診断有用性の向上を実現しており、多様化、高度化するユーザーのニーズに幅広く対応し、信頼性の高い検査結果による診断や治療モニタリングに貢献します。
(5)剥離細胞分析装置「LC-1000」の発売
当社は、細胞診断分野の新製品として剥離細胞分析装置「LC-1000」を2014年11月に発売しました。まずは日本、中国など国内外の医療機関を対象に販売し、将来的な子宮頸がんのスクリーニング検査における診断支援としての活用を目指して、臨床的有用性を検証していきます。子宮頸がんの早期発見には、婦人科検診が重要な役割を担っていますが、従来の検診は、子宮頸部から採取された細胞を専門の細胞検査士が顕微鏡で確認する細胞診が主流で、細胞検査士への負担が大きいという課題があります。このたび発売した装置は、フローサイトメトリー※1の技術を応用し、コアサイト(CoresightTM)※2という当社の技術を使って個々の細胞及びその核の大きさ、核DNA量を測定、解析することができます。この装置を用いて測定することにより、細胞のごく僅かな核DNA量の増加傾向や細胞増殖の状態を精緻に捉えることが可能となり、細胞診にはない新たな臨床的付加価値を提供し、検査の質を高めるとともに、細胞検査士の負担軽減及び検査の標準化に繋がることが期待されます。
※1フローサイトメトリー:微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法のこと。
※2コアサイト:当社が提唱する新たな技術名称であり、形態を壊さず細胞を分散させ、細胞の大きさ、核の大きさ、核DNA量に相当するパラメーターを測定し、これらのパラメーターを駆使して細胞増殖動態を解析する技術のこと。
(6)多項目自動血球分析装置「XN-Lシリーズ」の発売
当社は、ヘマトロジー分野の新製品として多項目自動血球分析装置「XN-Lシリーズ」を2015年1月に発売しました。近年、新興国においては、著しい経済成長に伴う医療インフラの整備、健康や医療に対する意識の高まりなどにより、医療や検査の需要が増加しています。一方、先進国では、医療費の抑制、高齢化社会への対応、予防医療や個別化医療の浸透など、医療ニーズの多様化が進んでいます。このたび発売した「XN-Lシリーズ」は、ヘマトロジー分野のフラッグシップモデルである「XNシリーズ」の機能や操作性を継承し、空圧源を内蔵、検出器などを小型化することで、白血球5分類に加え、蛍光フローサイトメトリー法による網赤血球測定、体液測定モードを備えたコンパクトモデルとして、先進国の中小規模施設や新興国での活用を中心に、さまざまなニーズへの対応が可能です。また、この装置は、世界三大感染症の一つであるマラリア感染時に出現するとされている血球形態の異常を知らせることが可能であり、新興国を中心に活用が期待できます。
(7)全自動血液凝固測定装置「CS-1600」の発売
当社は、血液凝固検査分野のコンパクトモデルとして全自動血液凝固測定装置「CS-1600」を2015年1月に発売しました。血液凝固検査は、かつては血友病などの「出血性疾患」を調べるための出血傾向の検査が中心でしたが、近年は食生活などによる生活習慣や高齢化に起因する血管の病気の増加に伴い、心筋梗塞、脳梗塞など「血栓性疾患」が増加していることから、食生活の是正や抗血小板薬、抗凝固薬によるコントロールが重要になっており、血栓傾向や治療モニタリングにおける質の高い検査へのニーズが高まっています。このたび発売した「CS-1600」は、当社が血液凝固検査分野で培ってきた技術力とノウハウに基づいた装置であり、大規模な検査室向けの「CS-5100」や高機能デスクトップモデルである「CS-2400/2500」の基本性能・機能を継承し、よりコンパクトに、より使いやすく、さらなる進化を遂げた新「CSシリーズ」として、比較的検査数の少ない検査室やバックアップ装置として、使用する場面を広げます。
今後も、医療を最適化、標準化するための価値の高い検査を提供し、シスメックスグループの企業理念である「Sysmex Way」のミッションとして掲げている「ヘルスケアの進化をデザインする。」の実現を目指した研究開発活動に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は14,692百万円となっています。また、2015年3月31日現在取得の工業所有権の総数は6,357件(海外を含む)となっております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02015] S1004ZJX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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