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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100531R

有価証券報告書抜粋 ルネサスエレクトロニクス株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


(1) 研究開発活動の体制および方針
当社グループの研究開発活動は、現在必要な、または近い将来に必要となるであろうソフトウェアおよびシステム開発などを、車載制御、車載情報に関する製品は第一ソリューション事業本部が、産業・家電、OA・ICTおよび汎用製品に関する製品は第二ソリューション事業本部が担当し、デバイス開発やデバイス応用技術などのデバイスソリューション開発を担うルネサスシステムデザイン㈱と協力しながら取り組んでおります。デバイス・プロセス技術、新規実装技術、設計手法などの部門横断的な共通技術については、主に第一ソリューション事業本部と生産本部とが協力しながら担当するという体制で取り組んでおります。
また、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。
電子機器や社会インフラの急速なネットワーク化により訪れるスマート社会では、これまでマイコンが主に使われてきた制御機器と、システムLSIが主に使われてきたIT機器が急速に融合しており、マイコンを軸にした新たな制御機器市場の拡大が期待されます。当社グループは、こうした市場変化に対応するため、マイコンとアナログ&パワー半導体などを組み合わせたセットを提供するキットソリューションを強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウェアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を通じて、新市場での成長を実現してまいります。

(2) 主な研究開発の成果
① 自動運転に向けた運転支援システムのニーズをオールインワンで提供するセーフティマイコンを製品化
当社グループは、安心・安全・快適なクルマにつながる運転支援システムの実現に向けて、高度な安全要求を満たし、様々なシステムと協調した制御を可能とする車載用32ビットマイコン「RH850/P1x-Cシリーズ」を製品化し、2015年2月からサンプル出荷を開始しました。
近年、自動車の自動運転に向けて、運転支援システムの高度化が急激に進んでいます。当社グループでは、その実現には、「セーフティ」、「セキュリティ」、「センサ」および「ネットワーク」という4つのニーズに対応したソリューションが必要であると考えています。本製品は、これら4つのソリューションのすべてを1チップに搭載したオールインワンマイコンです。
具体的には、「セーフティ」については、運転支援システムが安全で正常に動作していることを常時監視し、異常が起こった場合でも安全を確保できるような機能安全が求められています。本製品では、ロックステップ方式(注1)を採用するCPUを同一構成で2つ搭載するなど、機能安全のための機能を多数搭載しています。
次に、「セキュリティ」については、自動車の自動運転に向け、道路状況などの情報を得るための社会インフラとの通信によるIT化が進む反面、外部からのハッキングのリスクを未然に防止することが求められています。本製品では、セキュリティの基盤となる暗号処理機能を担うハードウェアセキュリティモジュールを搭載して、高い堅牢性を実現し、システムの改ざんを防ぎます。
次に、「センサ」については、運転中のあらゆる状況に対応するため、カメラ、レーザなど、より多くのセンサから情報を収集する必要があり、プログラムメモリの大容量化および情報処理能力の高速化が求められています。本製品では、業界最先端の40ナノメートルプロセス(注2)を採用した大容量のフラッシュメモリと高性能CPUを搭載し、センサから収集される大量の情報を高速に処理することができます。
最後に、「ネットワーク」については、センサから収集される情報をもとに、運転支援に関する様々なシステムをつなぐ際に協調した制御が実現できることが求められています。本製品では、様々な車載ネットワーク規格に準拠した通信機能を搭載し、これを可能としています。
また、本製品にも採用されているマイコン内蔵用フラッシュメモリ技術について、当社グループでは、次世代のクルマ社会を支え、世界をリードする半導体技術として、その開発に注力しています。2015年2月には、業界最高性能となる新しいフラッシュメモリ技術の開発に成功し、米国サンフランシスコで開催された「国際固体素子回路会議:ISSCC (International Solid-State Circuits Conference)2015」で、他社に先駆けて28ナノメートル世代のフラッシュ混載プロセスに対応したフラッシュメモリ内蔵マイコンを発表しました。
当社グループは、今後も、本技術を活用しながら、本製品を含む世界最先端の車載マイコンをベースに、安心・安全・快適なクルマ作りを支えるプラットフォームを様々な車載アプリケーションに展開し、次世代の車載システムの新たな価値創出に向けたソリューションの提供に取り組んでまいります。

② 産業分野の生産性を飛躍的に向上させるFAソリューションを製品化
当社グループは、高度なリアルタイム制御を必要とする産業用モータやACサーボドライブ(注3)などの産業用制御機器向けに、高速・高応答性を実現し、さらに産業ネットワーク通信機能を内蔵したFAソリューション「RZ/T1グループ」を製品化し、2015年1月からサンプル出荷を開始しました。
近年、生産性向上への要求が高まる中で、工場で使われる様々な制御機器においても、今まで以上に高性能化とネットワーク化への対応が求められています。特にACサーボドライブなどのモータ制御機器では、単にCPU性能が高いだけではなく、いかなる場合にも処理時間が変化しない高いリアルタイム制御が求められています。また、工場で使われるネットワークについても、イーサネット通信規格(注4)など、複数のオープン規格が普及しつつあります。こうした規格に対応するためには、通信専用の半導体を規格別に複数用意する必要があり、システムコストや実装面積の増大を招いていました。
本製品は、このような市場の需要に対応するため、最大600メガヘルツ動作のARM® Cortex®-R4Fコアと密結合メモリ(TCM: Tightly Coupled Memory)(注5)を搭載することにより、従来のフラッシュメモリ内蔵マイクロコントローラを超える高速動作と、従来のマイクロプロセッサを超える高いリアルタイム応答性を可能としました。また、当社グループの「R-INシリーズ」で実績のある産業イーサネット通信専用回路の「R-INエンジン」を搭載することで、複数の産業イーサネット通信規格に1チップで対応可能とし、システムコストや実装面積の低減を実現しました。
当社グループは、高性能リアルタイム制御と産業ネットワーク処理を1チップで実現した本製品により、産業分野の飛躍的な生産性の向上に貢献してまいります。

(注)1. ロックステップ方式:2つのCPUコアで同じソフトウェアを動作させ、その結果を比較回路で比較し、エラーを検出する方式です。
2. ナノメートル:1ナノメートルは、10億分の1メートルです。
3. ACサーボドライブ:サーボモータと一緒に使用し、産業機器の自動制御を担うサーボシステムを構成する機器です。
4. イーサネット通信規格:コンピュータネットワーク規格の1つです。世界中のオフィスや家庭で一般的に使用されているLAN(Local Area Network)で最も使用されている技術規格で、産業用途や自動車用途向けの規格も存在します。
5. 密結合メモリ:CPUコアからキャッシュメモリを経由せずに、専用のメモリインタフェースで直接アクセスできる高速な内蔵メモリです。
※文中の製品名やサービス名は、すべてそれぞれの権利者に属する商標または登録商標です。

(3)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の実績は、911億円であり、主に製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。
なお、当社グループは半導体事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02081] S100531R)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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