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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10057PU

有価証券報告書抜粋 三菱重工業株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループ(当社及び連結子会社)は、各ドメイン、技術統括本部間の密接な連携により、エネルギー・環境の分野をはじめとして各製品の競争力強化や今後の事業拡大につながる研究開発を強力に推進している。
各セグメント別の主な研究開発の状況及び費用は次のとおりであり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、当社グループ共通の技術基盤強化等に資する費用77億96百万円を含め、総額で1,455億72百万円である。なお、この中には受託研究等の費用680億31百万円が含まれている。

(1) エネルギー・環境
エネルギーの安定的かつ効率的な供給や環境の保全を図り、また安全性を向上させる技術の開発を推進し、天然ガス・原子力等のクリーン燃料及び再生エネルギーの利用技術、分散型電源システム、高効率発電システム等、エネルギー供給に係る市場ニーズに対応した付加価値の高い製品の研究開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・世界最大級の出力と世界最高水準の熱効率を誇り、低炭素社会の実現に資する「タービン入口温度1,600℃級J形ガスタービン」の更なる性能向上に向けた開発
・タービン入口温度を高く維持したまま燃焼器の空冷化を可能とする「次世代空冷システム」及び「空冷式1,650℃級ガスタービン」の要素技術の開発
・豊富な運転・技術実績のあるF形ガスタービンにJ形ガスタービン技術を適用することで、低炭素社会に貢献し、更に再生エネルギーの増加やスマートグリッド普及で予想される電力負荷変動にも対応可能な「701F5形ガスタービン」の開発
・経済産業省主導のプロジェクトである次世代型「タービン入口温度1,700℃級ガスタービン」の要素技術の開発
・国内外で商用化が期待されている発電出力500~600MW級の「石炭ガス化複合発電(IGCC)プラント」に関する信頼性・経済性を更に向上させ、また、これまで利用されなかった低品位炭(亜瀝青炭、褐炭等)を有効に活用する技術の開発
・世界最大級の可変速油圧ドライブを搭載した「7MW級大型洋上風車」の開発
・環境規制対応や熱効率向上のソリューションとして推進中の舶用機械・エンジンの複合製品群プロジェクト(MEET)における、①世界最高水準の低燃費エンジン「UEC50LSH-Eco」の開発、②次期NOx環境規制をクリアする低圧EGR(排気ガス再循環)システム搭載のエンジンの開発、③LNG/重油の最適な燃料選択を可能としたLNG輸送船向け再熱蒸気タービンプラント「UST」(Ultra Steam Turbine Plant)の開発、④USTとガスエンジンを複合させた次世代推進システム「STaGE」の開発、⑤低負荷域でのエンジン性能を改善する電動アシスト過給機の開発
・固体酸化物形燃料電池とガスタービンを複合した次世代の高効率型発電システムである「燃料電池複合発電システム」の開発
・原子力プラントについての、①安全性向上に関する技術の開発、②経済産業省公募プロジェクトへの参画による東京電力福島第一原子力発電所等の事故対応に関する技術の開発、③既設プラントの廃止措置に関する技術の開発
・地球温暖化防止を目指し、石炭焚火力発電所用ボイラの排出ガスからCO2を回収する技術の開発
・環境に対する負荷の大きい工業排水に関する安定処理技術と高回収率水再生技術の開発
・統合制御システム(EMS)、ビル管理・運用支援システム、工場向けトータルエネルギーソリューション、製品稼働履歴の分析効率化・有効活用技術の開発(ビッグデータ分析技術の適応)
当セグメントに係る研究開発費は574億81百万円である。

(2) 交通・輸送
省エネルギー、環境負荷低減、信頼性、快適性に優れた、船舶、交通システム、民間航空機等の最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・新パナマ運河の川幅拡張に対応した、高い輸送効率と燃費性能を持つ次世代LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE」の開発
・国土交通省が主導する「浮体式洋上風力発電施設の安全性に関する研究開発」に関し、台風が襲来する過酷な日本の洋上環境においても安全に稼動できる大型洋上風車浮体の開発
・従来の新交通システムの約2倍に相当する120km/時の最高速度を持つ「高速新交通システム」の開発
・世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた次世代のリージョナルジェット旅客機「MRJ」の開発
・民間航空機に用いられる構造組立自動化、チタン合金の高速切削・熱間成形加工技術、レーザ非破壊検査技術等の革新的な製造技術の開発
・民間航空機用エンジンの国際競争力を維持向上するための、先進的なタービン設計技術の開発、高速レーザ穴明け加工を始めとする低コスト生産技術及びセラミック基複合材や耐環境コーティングの先進材料技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は168億81百万円である。

(3) 防衛・宇宙
日本のリーディングカンパニーとして、長年にわたり防衛・宇宙機器開発で培った技術を駆使して、最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・将来国産戦闘機の技術の獲得を目指し、従来飛行できなかった機動を含む高い運動性及びレーダに探知されにくい特性を兼ね備えた超音速小型航空機である先進技術実証機の試作
・海上配備型弾道ミサイル防衛(BMD)用の能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発
・新型基幹ロケットのコスト低減・信頼性向上に資する制御技術及び製造技術の開発
・機雷の探知能力、類別能力等をもつ自律型の水中航走式機雷探知機の開発
・海外等において危険な場所から安全な場所へ人員を輸送する、高い防護性能を有した人員輸送車の開発
当セグメントに係る研究開発費は399億69百万円である。

(4) 機械・設備システム
鉄鋼、自動車、物流等の各産業向けの基礎設備及び社会インフラ等を提供するために、市場・需要の多様化に対応した製品固有の研究開発に取り組むとともに、個別製品の最新かつ高度な先進技術を各製品に幅広く適用する取組みを行っている。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・二段過給システムの採用等により、エンジン出力を同一排気量で33%増大させると共に、発電効率44.7%以上(クラス最高レベル)を達成した新型発電用ガスエンジン「G16NB」の開発
・世界各国で厳しくなる自動車の環境規制に対応して、エンジンのダウンサイジング化及び過渡応答性向上による燃費改善・ドライバビリティ改善の両立を実現させた「自動車用電動2ステージターボシステム」の開発
・地球温暖化係数が従来の冷媒(R410A)に比べて約1/3となる新冷媒(R32)を採用した家庭用空調機の開発
・シングル仕様10~20馬力(16馬力を除く)のエネルギー消費効率(COP)に関し、世界最高クラスのCOPを達成した海外市場向け「空冷ヒートポンプ式ビル用マルチエアコンディショナ」の開発
・自動車用自動変速機(AT)の内歯車加工、建機用内歯車加工において、従来の1/3以下の加工時間、2倍以上の工具寿命を実現する世界初の樽型新工具と加工シミュレーションを合わせた「スーパースカイビング加工システム」の開発
・米国自動車大手3社の設備仕様を満足し、自動車用AT用ピニオンギヤを10秒で加工する「小型高速ホブ盤」の開発
・樹脂材料とガラス繊維を素材レベルで投入し、高強度・高剛性の長繊維強化プラスチック(LFT)が単一工程で加工可能な混練・射出成形装置「D-LFTシステム」の開発
当セグメントに係る研究開発費は215億4百万円である。

(5) その他・共通
次世代の社会インフラであるITS(高度道路交通システム)分野において、交通の更なる安全性向上と渋滞緩和等の快適な交通環境の実現に向け、市場ニーズに対応した研究開発に取り組んでいる。
「その他」セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・IDタグだけでなく、車載器も利用可能な廉価型課金システムの開発
・安全運転支援、渋滞回避支援等の情報提供サービスに加え、経路情報を活用した新サービスに対応可能な車載器の開発
・料金収受システムを狙ったサイバー攻撃に対するセキュリティ対策技術の開発
・新興国等に対応可能な高速道路交通管制システムの開発
「その他」セグメントに係る研究開発費は19億38百万円である。

また、当社製品開発の共通基盤となる技術や、次期・次世代製品に適用する先進的なキー技術、さらにバリューチェーン全域を対象とした製品・技術のボトルネック解消に向けた技術に関する研究開発に取り組んでいる。
「共通」の技術基盤強化における主な研究開発は次のとおりである。
・画像処理演算装置を用いた超高速・大規模並列計算技術に基づく、ターボ機械の高性能化・信頼性向上を支える先進流動解析技術の開発
・光学計測手法の平面レーザ誘起蛍光法や、最先端の計算手法であるLES(Large Eddy Simulation)を用いた、非定常燃焼現象の計測技術や解析技術の開発
・軽量なレーザ光学系(プリズムローテータ)の高速回転で従来のレーザ加工と同等以上の加工品質を保持しながら大幅に加工速度を向上させ、製品製造のQCDを改善する高速高品質レーザ加工技術の開発
・多数の鉄骨部材を同時に最小化する鉄骨断面最小化手法と、効率的な耐震性向上を実現する制震設計技術を組み合わせた、耐震性と経済性を両立するプラント支持鉄骨の合理的設計技術の開発
「共通」に係る研究開発費は77億96百万円である。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02126] S10057PU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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