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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004ESD

有価証券報告書抜粋 キヤノン株式会社 研究開発活動 (2014年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当グループは、2011年から新たに「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅣ」をスタートさせ、「Aiming for the Summit ―Speed & Sound Growth― 」のスローガンのもと、研究開発においても、その取組みを進化させています。
フェーズⅣでは研究開発に関わる主要戦略として、1.「全主力事業の圧倒的世界No.1の実現と関連・周辺事業の拡大」、2.「グローバル多角化による新たな事業の獲得と世界三極体制の確立」、及び3.「環境先進企業としての基盤の確立」を掲げ、取組みを進めています。
1.では、製品のキーコンポーネントであるイメージセンサーや画像処理エンジン、レンズ、複合機のコントローラーなどを一層進化させ、さらにはデジタル機器とクラウドサービスが連携したソリューション等のシステム開発を強化しています。また、現有技術をベースに新たなイノベーションを付加することにより、業務用フォトプリンターやデジタルシネマカメラ等、現行事業の周辺領域への展開を図り、強化・拡大しています。
2.では、メディカル、産業機器、ネットワークカメラを新規事業の柱と捉え、事業拡大に向けて研究開発を進めています。その中で、これまでの日本中心の研究開発体制を基盤として日・米・欧の世界三極体制の構築を目指しており、米州では設立した研究開発部門とハーバード大学医学部関連機関であるマサチューセッツ総合病院及びブリガム・アンド・ウィメンズ病院との間で、生体医学に関する光イメージングや医用ロボットをはじめとする分野で共同研究を進めています。欧州ではオセ社を核としてプリンティングソリューションを中心としたビジネス分野の研究開発体制を強化しています。
3.では、「製品の高機能化」と「環境負荷の最小化」の両立を目指す環境ビジョン「Action for Green」を掲げ、その実現に向け、製品ライフサイクル全体で環境負荷の低減に取り組んでいます。
その他、産学官の連携においては、東京大学、京都大学、東京工業大学、東北大学、スタンフォード大学、アリゾナ大学等、国内外の有力大学及び独立行政法人産業技術総合研究所等との間で、基礎研究、先端技術開発を進めて技術力の強化に邁進しています。また、内閣府の主催する革新的研究開発推進プログラムに、当社の生体や物質内部を非侵襲、非破壊で捉えるイメージング技術が採択され、本プログラムにおいても研究開発を進めています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、308,979百万円であり、事業の種類別セグメント毎の主な研究開発の成果は次のとおりです。

Ⅰ.オフィスビジネスユニット
オフィス向け複合機においては、「imageRUNNER ADVANCE」シリーズの新ラインアップとして、従来と同様のシステム仕様を備えながら、デスク横にも設置可能な省スペース設計のA4カラー複合機「imageRUNNER ADVANCE C350F」を追加しました。色彩豊かなプリントを可能にする印刷時の色域の拡大と、シャープネスコントロールによりエッジ表現を改善することで、色鮮やかでくっきりとした画質を実現しました。
レーザープリンターにおいては、A4対応モノクロレーザープリンター「Satera LBP6040/6240」が、ワイヤレス印刷が可能な無線LAN(Wi-Fi)搭載機として業界最小クラスの省スペース設計※1を実現し、業界トップクラス※2の環境性能を備えました。
デジタルプロダクションプリンティングシステムにおいては、ライトプロダクションカラー複合機「imagePRESS C60」が、32本のマルチレーザービームの同時発光を行うレーザースキャナー赤色VCSEL※3を搭載し、プリント解像度2400dpiの高精細な画質を実現しているほか、CV※4トナーを採用することで、大量印刷時でも色味変化の少ないプリントを提供可能にしました。
ドキュメントソリューションにおいては、Mopria Alliance※5 発起企業の一社として、いち早くMopriaTM認証製品の開発に取組んできましたが、MopriaTM認証を受けているモバイル機器からプリンターを自動で検出し、簡単に印刷を可能とするファームウエアの提供を開始※6しました。今後もユーザーに対し、使いやすい印刷環境の提案を行っていくとともに、MopriaTM認証製品の拡充を目指していきます。
当事業セグメントに係る研究開発費は、104,391百万円であります。

※1 国内で販売されている無線LANを搭載したレーザープリンターの大きさにおいて 2014年4月現在(当社調
べ)
※2 財団法人 省エネルギーセンターがホームページにて公開している2014年度に登録された国際エネルギースタープログラム使用製品との比較において 2014年4月現在(当社調べ)
※3 Vertical Cavity Surface Emitting Laser
※4 Consistently Vivid
※5 キヤノン、HP、サムスン電子、米ゼロックスの4社が、2013年9月に設立した会員制非営利団体
スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器やプリンターへのMopriaTM認証の普及と、ワイヤレス環境
の構築を目的とする
※6 2014年5月 レーザー複合機「Satera MF8570Cdw/MF8530Cdn/MF8280Cw/MF8230Cn/MF6880dw」、インクジェットプリンター「PIXUS MG7130」を対象

Ⅱ.イメージングシステムビジネスユニット
デジタル一眼レフカメラにおいては、動く被写体に対する優れた追従性に加え、動画撮影時のAF性能を飛躍的に向上した撮像面位相差AF技術「デュアルピクセルCMOS AF」などの革新性が認められ、「EOS 70D」が、「TIPAアワード2014」※7 、及び「カメラグランプリ2014カメラ記者クラブ賞」※8の両賞を獲得しました。
交換レンズ「EFレンズ」においては、1987年に生産を開始して以来、累計生産本数1億本を達成※9しました。撮影領域の拡大をめざし進化を続け、製品ラインアップのさらなる強化に取り組んでいます。
コンパクトデジタルカメラにおいては、SNSで写真を共有するなど、撮った写真をさまざまなかたちで楽しみたいユーザーに向けて開発した「PowerShot N」が、アメリカ・インダストリアル・デザイナー協会が主催する「2014年IDEA賞」※10において「銅賞」を受賞しました。
デジタルビデオカメラにおいては、「置き撮り」や「自分撮り」で趣味や自己表現を楽しむニューコンセプトモデル「iVIS mini X」が、「EISAアワード2014-2015」※11を受賞しました。当社の「EISAアワード」受賞は26年連続となります。
デジタルシネマカメラにおいては、「機動性に優れた小型軽量デジタルシネマカメラの意匠」創作の功績が認められ、公益社団法人 発明協会が主催する「2014年度全国発明表彰」の「内閣総理大臣発明賞」を受賞※12しました。また、4K対応の光学性能と高い可搬性を備えたCINE-SERVOレンズ※13「CN20×50 IAS H」が、世界最長の焦点距離50-1000mmと世界最高のズーム倍率20倍を実現※14しました。世界で初めて※14エクステンダーを内蔵しており、焦点距離を1500mmまで延長することも可能としました。
放送機器においては、スポーツ中継などの撮影に適したフィールドズームレンズ「DIGISUPER 95 TELE」が、ズーム比95倍の高倍率を維持しながら、クラス最長の焦点距離※151178mmとクラス最軽量※15の23kgを達成し、高い機動性と安定性を実現しました。
インクジェットプリンターにおいては、「PIXUS MG7530」が、NFC※16に対応するスマートフォンやタブレットをプリンター本体にかざすだけで、写真や文書を自動的に印刷する機能を搭載しました。また、クラウド上のプリントコンテンツを簡単に印刷するだけでなく、スキャンしたデータを直接、各種クラウドサービスにアップロード可能とするなど、モバイル機器やクラウドとの連携を強化しました。
当事業セグメントに係る研究開発費は、87,510百万円であります。

※7 2014年4月 TIPA:Technical Image Press Association (欧州を中心とした5大陸16カ国のカメラ、ビデ
オなどの分野における主要な専門誌29誌が加入する業界団体)より20年連続受賞、他にコンパクトデジタルカ
メラ「PowerShot G1 X MarkⅡ」、EFレンズ「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」、「デュア
ルピクセル CMOS AF を実現するCMOSセンサー」技術が同時受賞
※8 2014年5月 国内の写真・カメラ専門誌の担当記者で構成されるカメラ記者クラブが主催、カメラ記者クラ
ブ会員が大衆性、話題性、先進性に特に優れた製品を選出
※9 2014年4月達成
※10 International Design Excellence Awards (経済と生活の質に深く関わるデザインの価値を、一般やビジネス界に伝えることを目的として1980年に設立された、世界的に権威のあるデザイン賞)
※11 2014年8月 EISA:European Imaging and Sound Association (欧州のカメラ、ビデオ、オーディオなど
の分野における主要な専門誌約50誌が加入する業界団体)、他にデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X70」が
同時受賞
※12 2014年5月
※13 ドライブユニットを装着した大判センサー搭載カメラ対応レンズの総称
※14 スーパー35mm相当サイズのセンサーに対応したドライブユニット付きズームレンズにおいて 2014年10月現
在(当社調べ)
※15 放送機器業界における80倍以上のズーム比を持つフィールドズームレンズにおいて 2014年9月現在(当社
調べ)
※16 Near Field Communication (近距離無線通信)、ISO(国際標準化機構)で規定された無線通信規格

Ⅲ.産業機器その他ビジネスユニット
半導体露光装置においては、高度な微細加工を実現するナノインプリント技術を用いた次世代半導体露光装置の開発に共同で取り組んできたモレキュラーインプリント社を完全子会社化※17しました。解像力20nm以下を実現する次世代半導体露光装置の開発を加速させて早期の市場導入を目指し、半導体露光装置分野における当社の地位を確固たるものにするとともに、電子機器市場の活性化と拡大に貢献します。
ネットワークカメラにおいては、さまざまなユーザーのニーズに応えるためにラインアップを拡充しました。「VB-H/M」シリーズは、高圧縮アルゴリズムにより、映像のデータ量を低減することで録画コストの抑制を可能にしました。また、映像の暗部を明るく補正し、同時に露出補正を最適制御するオートスマートシェード補正機能により、逆光で判別しにくい人物や暗いシーンなどでも映像が見やすくなり、画面の隅々まで漏らさない監視を実現しました。
3Dマシンビジョンシステムにおいては、「RV1100」の製品化にて、今後成長が期待されるマシンビジョン市場に新規参入※18しました。カメラや事務機の研究開発で培ってきた画像認識技術や情報処理技術、光学技術をベースに新たな技術を開発し、高速かつ高精度に部品の3次元認識が可能となりました。これにより、生産ラインにおける部品供給の自動化や高速化を図ることができ、生産性の向上に貢献します。
業務用ディスプレイにおいては、高画質・高精細のモノクロ表示性能を持つ30型10メガピクセル※19のマンモグラフィ用カラーディスプレイにて、医用ディスプレイ市場へ新規参入することを目指しています。独自の高画質技術を医療画像の表示に生かしたディスプレイを開発することで、今後の医療の発展に貢献します。
当事業セグメントに係る研究開発費は、26,516百万円であります。

※17 2014年4月 新子会社の社名はCanon Nanotechnologies, Inc.
※18 2014年4月
※19 4096×2560ピクセル

また、各事業セグメントに配分できない基礎研究に係る研究開発費は90,562百万円であります。


注:製品名は日本国内での名称です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02274] S1004ESD)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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