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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004UMI

有価証券報告書抜粋 ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、「感動を・ともに・創る」をコーポレートスローガンに掲げ、「信頼と憧れのブランド」を目指し、「音・音楽」をコアとしてモノとコトの両輪で事業活動を展開しています。これを支える為に、これまでに蓄積してきた「音・音楽」に関する技術群をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、音響、材料、電子デバイス、音源、信号処理、通信、ネットワークと、音の入口から出口まで、さらには音の多目的利用にわたります。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響開発本部、電子部品事業については当社半導体事業部の開発部門、その他の事業については当社ゴルフHS事業部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社楽器・音響開発本部研究開発統括部、新規事業創出については当社事業開発部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は254億39百万円であります。

1 楽器事業
ピアノ関連では、トランスアコースティック™技術を搭載した、今までにない全く新しいハイブリッドピアノ「トランスアコースティック™ピアノ」を開発しました。トランスデューサー(加振機)でピアノの響板を効率よく振動させ、従来のスピーカーを用いる事なく、電子音を響板から鳴らす技術で、温度や湿度の変化による響板の微小な変化をも相殺する機構を備えております。この機構に、20年以上の歴史を持つサイレントピアノ™で培った最新の光センサー技術、電子音源技術を組み合わせ、電子音での演奏時でも、本物の弦の共鳴を伴って楽器全体から発音する自然な音色と響きを実現しました。アコースティックピアノでありながら、ハープシコードやオルガンなどピアノ以外の音色で演奏することもできます。iPhone/iPadなどの外部デバイスを接続して、オーディオを響板で鳴らしたり、アプリと連携して一体感あるアンサンブル演奏を楽しむなど、新しいピアノの活用シーンを広げました。今後、この商品・技術をより充実させ、ハイブリッドピアノの新しいカテゴリーとして定着させていきます。
教育楽器関連では、リコーダーの新製品として、環境に優しいバイオマス由来樹脂を世界で初めて楽器に採用したソプラノリコーダー「YRS-401」「YRS-402B」を開発しました。植物由来の樹脂を採用することにより、製造過程におけるCO2排出を抑制しています。また、この樹脂は従来材料に比べ比重が大きいため、従来の樹脂製リコーダーに比較して木製リコーダーにより近い、音のまろやかさと吹き心地も同時に実現しました。デザインにおいても、植物を連想した優しい配色になっています。
電子楽器関連では、エレクトーン®「STAGEA®」の新モデルELS-02シリーズ「ELS-02」「ELS-02C」「ELS-02X」を開発しました。現行のELS-01シリーズを使用しているお客様に対しても、同時発売の「STAGEA® バイタライズユニット」を取り付けることにより、ELS-02シリーズとほぼ同等の性能が実現されます。ELS-02シリーズでは音にこだわり、奏者の感性をより自然に表現できる「スーパーアーティキュレーションボイス」を新たに搭載したほか、最新の音楽シーンにもマッチできる豊富なリズムやレジストレーションメニューをプリセットし、表現力が飛躍的に向上しました。なお「STAGEA® バイタライズユニット」は、「2014年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。電子ピアノでは、クラビノーバ「CLP」シリーズを一新し、「CLP-500シリーズ」を開発しました。ヤマハコンサートグランドピアノ「CFX」やベーゼンドルファー「インペリアル」など複数のグランドピアノの音色が選べるほか、「バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)」や「ナチュラルウッドエックス(NWX)鍵盤」の採用などにより多彩な音楽表現が可能になりました。なお「CLP-500シリーズ」は「2014年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を、「CLP-585」は「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2015」(主催:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)を受賞しました。
音楽ソフト関連では、「VOCALOID™」用の歌声ライブラリとして「VOCALOID4 Library CYBER DIVA」を開発しました。「VOCALOID4」用の女性歌声ライブラリで、当社製としては初となる英語の歌声ライブラリとなります。英語圏をはじめとした海外の方にもバーチャルシンガーによる新しい音楽を楽しんでいただくことが可能になりました。「VOCALOID4」から搭載された、声を激しく震わせ唸るような効果が得られる「グロウル機能」との相性にも優れ、ロックやソウル、ブルースなどにおいても、より人間らしい豊かな感情を表現することができます。
研究開発費は95億80百万円であります。

2 音響機器事業
オーディオ関連では、シンプルでスタイリッシュなデザイン性と、新開発の15mm大口径ドライバーなどによる高音質を両立させたインイヤー型イヤホン2モデル「EPH-M200」「EPH-M100」を開発しました。「EPH-M200」は、世界で初めて音導管の素材にβチタニウムを採用し、優れたフィット感と遮音性を両立しました。「EPH-M100」は、イヤピースにハード・ソフト2種類のシリコン素材を採用し、快適な装着感をもたらします。インテリアオーディオでは、スマートフォンやタブレット内の音楽コンテンツを手軽にワイヤレス再生して楽しめるBluetooth®対応オーディオと間接照明が一体となったライティングオーディオシステム「Relit(レリット)」シリーズに、新モデル「LSX-70」「LSX-170」を開発しました。「LSX-70」は、音と光の心地よい空間を持ち運ぶことができるコンパクトなフォルムの充電対応型モデル、「LSX-170」は、ライトとしてもインテリアとしても重厚な存在感を演出するソリッドなデザインの据え置き型モデルとなっています。なおこの2モデルは、「iFデザイン賞」(主催:インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF))を受賞しました。
業務用音響機器関連では、四半世紀以上にわたり当社が積み上げてきた技術とノウハウをベースとしたデジタルミキシングコンソール「CLシリーズ」がありますが、その核となる要素をコンパクトな筐体に凝縮させたオールインワンタイプのデジタルミキサー「QLシリーズ」を開発しました。「CLシリーズ」直系のナチュラルサウンド、当社独自の「VCMテクノロジー」、「Touch and Turn」ノブと「Selected Channel」による直感的な操作性など、中小規模の現場にワンランク上のクオリティをもたらす数々の特徴を備えています。スピーカーでは、可搬型スピーカーの新ラインナップとして、パワードスピーカー「DBRシリーズ」およびスピーカーシステム「CBRシリーズ」を開発しました。「DBRシリーズ」では、これまで培ったDSP処理、音響設計、機構技術のノウハウを継承しつつ、小型軽量化、高音質、高音圧を達成しました。「CBRシリーズ」は、高音質、高耐入力を誇るパッシブ型スピーカーで、電源を必要としないため、スピーカー周囲に電源確保が難しい設置環境にも対応できます。ミキサーでは、配信やモバイルでの活用に便利な機能を搭載した小型のミキシングコンソール「AG06」「AG03」を開発しました。高音質設計に加え、インターネット配信に便利なループバック機能やワンタッチでエフェクト・サウンドを実現するDSPなど、幅広い基本性能と多くの機能を搭載しています。USBバスパワー駆動によるコンピュータやiPadとの接続にも対応し、モバイル環境で活用することもできます。
情報通信機器関連では、マイクとスピーカーが一体型であった従来の会議用マイクスピーカーに対し、マイクとスピーカーを独立させた分離型のユニファイドコミュニケーションマイクスピーカーシステム「YVC-1000」を開発しました。高音質スピーカーをディスプレイの前に置くことで映像と音声の一体感を高め、音声処理技術を進化させることにより、「話しやすく」「聞きやすく」「疲れない」機能を強化し、より自然で快適な遠隔コミュニケーションを実現しました。ルーターでは、中小規模拠点向けVPNルーター「RTX1200」の後継モデルとして「RTX1210」を開発しました。ルーターの基本性能はスループット・VPNスループット共に向上し、ネットワークの管理運用の負荷軽減を図る新GUIの搭載、「LANマップ」などのネットワークの見える化の拡張、などによりネットワーク管理の負荷軽減を実現しました。
研究開発費は110億25百万円であります。

3 電子部品事業
アミューズメント市場向けのGPシリーズにて、表現能力の格段の向上のために当社の技術力を結集し、他社に先駆け2D+3Dのリアルタイム処理を実現したLSI「YGV637(GP-3)」を開発しました。従来の2D処理と、新開発のリアルタイムの3D処理機能を持つレンダリングエンジンによるポリゴン描画、3Dエフェクトを組み合わせたハイブリッドな映像表現を業界で初めて実現しました。更に、ビデオ出力は4K2Kまでの解像度に対応したディスプレイコントローラ、2GビットDRAM、H.264を上回る圧縮効率を誇る高速動画コーデック、最大32チャンネルの高品位コンテンツを同時再生可能なサウンドエンジンを搭載しています。以上により「YGV637(GP-3)」は、アミューズメントコンテンツに求められる高画質なムービーと高音質なサウンドを高い圧縮率で実現するデバイスであり、長くコンテンツ制作プラットフォームとして活用して頂けます。
研究開発費は34億29百万円であります。

4 その他の事業
ゴルフ用品では、ゴルフクラブ「inpres RMX」(インプレス・リミックス)シリーズの新ラインナップとして、アイアンモデル「RMX UD+2アイアン(リミックス・ユーディープラスツーアイアン)」を開発しました。ブレード内側を精密加工したくぼみを加えた「ブレードアンダーカット」の採用により、反発力を追及して飛距離アップを実現しました。また、ワイドソール&トゥ側を低く抑えた設計により、徹底した低重心化・深重心化で高打ち出し角を実現しました。更に、ハニカム構造ミーリングフェイスの搭載により、安定したスピンコントロール性能を実現しました。これらの新機能により、ゴルフに対して常に向上心を持ち、アイアンにも飛距離を求めるゴルファーのためのモデルとなっています。
FA機器では、ファインピッチ化・薄型化する高精細FC-CSP基板に高精度でコンタクトし、疑似不良を劇的に削減するフライングフィクスチャー方式の次世代導通絶縁検査装置「MR182-A」を開発しました。CCDカメラを用いた当社独自のハードウェア機構と制御アルゴリズムにより、検査中に基板を動かすことなく個別アラインメントし、常時±5µmの高精度位置決めでの検査を実現しました。また、薄型ワークの姿勢を安定させる4点クランプ&テンション方式を採用し、基板位置・深さの自動補正機能等の段取り替えを容易にさせる便利な機能も充実させています。今後も引き続き、FC-CSP基板に対する本格的な取り組みを継続していきます。
研究開発費は14億3百万円であります。

当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は4,992件であります。

(注)
・ iPhone、iPadは、Apple Inc.の登録商標です。
・ Bluetoothは、Bluetooth SIG,Inc.の登録商標です。
・ トランスアコースティック、サイレントピアノ、エレクトーン、STAGEA、VOCALOIDは当社の登録商標です。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02362] S1004UMI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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