株式会社マルゼン 研究開発活動 (2015年2月期)

当社グループは多様化するニーズに応えかつオリジナリティのある高付加価値製品を合理的な価格で提供することを基本方針としております。この目的の達成のために次の項目を主眼において研究開発活動を進めております。
(1)顧客ニーズに合致した製品の開発
(2)省エネ・合理化製品の開発
(3)コンビニエンスストアチェーン拡販を目的とした電気・電磁製品の開発
(4)大手ガス会社との涼厨製品の共同開発
(5)職場環境の衛生改善に対応した製品の開発
(6)既存製品の改善において新技術を取り入れた信頼性の高い製品への改良
(7)既存製品の改善において立ち消え安全装置や過熱防止装置を積極的に搭載することにより、安心安全性の高い製品への改良
(8)原価低減のため、海外の協力工場への丹念な技術指導により、高品質低価格製品提供のための基盤を構築
このような方針のもと、当連結会計年度の業務用厨房機器製造販売業においては、外食産業、中食産業、官公庁、病院、福祉施設、学校、給食、ホテル、旅館など様々な分野への製品開発を積極的に進め、作業の改善・合理化のための製品需要に対応するため、大型厨房機器を中心に省力化機器の開発に努めました。併せて安全性、利便性を考慮してコンピュータソフトを内蔵した機器の開発も行いました。
これら研究開発活動に携わるスタッフは、グループ全員で37名にのぼり、これは総従業員の3.1%に相当しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要な課題、研究成果および研究開発費は業務用厨房機器製造販売業並びにベーカリー機器製造販売業におけるものであり、内容は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4億34百万円となっております。
(1)新製品の開発
① IH丸型フライヤー(熱機器) 発売日 2014年3月3日
湯槽形状を丸型とし、釜の輪郭を大きくアピールした仕様で、カウンター越しにお客様の目の前に設置すれば、まるで大きな専用鍋で調理をしているかのような演出効果を生み出し、“できたて感”や“つくりたて感”を大いにアピールできます。高熱効率のIH加熱なので、食材の大量投入時にもすばやく温度が復帰し、効率よく調理出来ます。揚げカスや水分が油槽内のクールゾーンに落下するので、酸化を抑えて油の寿命を長持ちさせ、油代を削減します。また槽内には部品類が一切ないため、清掃性が抜群です。さらに槽底部にカス受けを設け、底に溜まった揚げカスも簡単に取り出せるなど清掃作業の短縮で、人件費の削減にも貢献します。「見せる厨房」に最適な製品を当社フライヤーシリーズにラインアップしました。
② エコタイプ食器洗浄機貯湯タンクヒーターハイパワータイプ(熱機器) 発売日 2014年3月3日
電気貯湯タンク内蔵型食器洗浄機に6kWヒーターを搭載し、必要給湯設備を抑えられるハイパワータイプとガスブースター一体式タイプにガスブースター能力を16kWハイカロリーにアップし、水道直結ができ、給湯設備が不要となる製品を追加しました。従来の食器洗浄機シリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。
③ 電気式食器消毒保管庫・器具消毒保管庫2点感知式センサー仕様(熱機器) 発売日 2014年6月2日
熱風吸い込み部と熱風吹き出し側の2カ所に温度センサーを搭載した機種です。庫内温度をより正確に測定し、熱風吹き出し側の温度が必要以上に上昇することを抑え、熱による食器の傷みを防止します。従来の電気式食器消毒保管庫シリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。
④ 蒸気式食器消毒保管庫・器具消毒保管庫(熱機器) 発売日 2014年9月1日
熱源に蒸気を使用し、銅製のフィン付きチューブヒーターで熱交換をするので、無駄なく空気を加熱します。また給排気共に製品上部から配管が出来るので、左右に隣接しての設置が可能です。操作方法・機能・能力・寸法など電気式と変わらず、従来の食器消毒保管庫シリーズへ機種追加し、病院や学校給食センターなど蒸気設備がある大量調理施設への拡販を図った製品であります。
⑤ 器具・容器洗浄機(熱機器) 発売日 2014年11月4日
大型のバットやホテルパン、ベーカリー天板やミキサーボールなど手洗いの負担が大きい調理器具・容器専用の洗浄機です。開口部の高さは830㎜あり、大きな調理器具でも容易に出し入れが出来ます。更に高圧洗浄ポンプと上下同調スイングノズルによって噴射されるパワフルな水流が汚れをしっかりとそぎ落とします。また優れた操作性、清掃性、安全設計で、従来の食器洗浄機シリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。
⑥ 涼厨コンベア洗浄機(熱機器) 発売日 2014年11月4日
除湿排気装置の排熱利用により、本体から排出される60℃の蒸気温度を35℃まで大幅に低減。二重断熱構造の採用や断熱材の使用により輻射熱を抑えた涼厨仕様で、静音性と快適な作業環境を実現し、空調コストや給湯設備費が削減となります。また予備すすぎ槽標準搭載での仕上げすすぎ水を予備すすぎ水の再利用による使用水量の削減で、洗浄に関するランニングコストが約50%にまで大幅に削減します。パワフルな洗浄能力、優れた操作性、清掃性、安全設計で、従来の食器洗浄機シリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。
⑦ デリカ向けガス機器「ガスフライヤー、ガス多目的焼物器・ガスグリドル」(熱機器)
発売日 2014年12月20日
パートさんの多いスーパーや惣菜店のデリカコーナーでは、いかに「誰もが簡単に均一に仕上げられるか」が重要なため、調理のマニュアル化は必須です。デリカ向けガス機器シリーズは、フライヤー・多目的焼物器・グリドル全機種の操作パネルにマイコンコントロールを採用。予め調理する際の温度や時間などをメニュー登録出来るため、どなたでも簡単に均一な仕上がりで調理が行えます。更にガス消費量を抑えるエコモードの搭載や清掃性にも優れるなどどなたにでも簡単にお使いいただける仕様です。大阪ガス株式会社との共同開発製品であり、スーパーや惣菜店などに適した製品であります。
⑧ ガス式スチームコンベクションオーブン「涼厨スーパースチーム」(熱機器) 発売日 2015年2月17日
空気断熱層や三重ガラスの採用により、機器本体の表面温度や輻射熱を低減し、作業する方に最適な作業環境を実現。更に厨房内の温度上昇を抑制することで空調費の削減にもつながります。当社の主力製品であるスーパースチームシリーズをいっそう充実させる製品であります。
⑨ サーボ分割機(ベーカリー機器) 発売日 2015年2月18日
生地を分割する機構がサーボモータを駆動源とするタイプの分割機です。サーボモータ駆動により、生地へのダメージが最小限に抑えられ、ウェイトチェッカーとの連動で正確な分割重量での分割が可能です。「生地分割部品は耐摩耗性、耐蝕性の高い材質を選定」、「メンテナンスを容易に行うため、駆動機器を本体外周部に設置」、「清掃時の分解は、アシスト装置を使用して安全かつ簡単に行える」などの特徴を盛り込み大手製パンメーカー向けに開発した製品であります。
⑩ 円筒丸め機(ベーカリー機器) 発売日 2015年2月18日
円筒(ドラム)が回転して生地を丸めるタイプの丸め機です。円筒(ドラム)は材質にステンレス材を採用、表面は耐摩耗性、非粘着性に優れた特殊フッ素樹脂コーティングを施し、長寿命化とスムーズな丸め工程を実現します。「様々なサイズの生地に対応するため自由な調節が可能な生地丸めガイドを装備」、「丸めガイドからの生地モレが少ない」などの特徴を盛り込み大手製パンメーカー向けに開発した製品であります。

(2)既存製品の見直しおよび改良
① ガス式コンベクションオーブン「ビックオーブン」(熱機器) 発売日 2014年3月3日
「ハイリミット(過熱防止装置)搭載、扉ハンドル密閉性向上、背面温度の低減化」などの改良を行い、優れた性能によりいっそう磨きをかけた製品であります。
② プリンスデッキオーブン(熱機器) 発売日 2014年8月1日
「ツインタイマーを搭載した使いやすい操作パネル、延長スイッチ追加で焼き色が足りなかった際の対応、9ステップ99メニュー登録が可能、焼成終了時には各段毎に設定可能な電子メロディーでお知らせ」など改良を行い、優れた性能によりいっそう磨きをかけた製品であります。
③ ガス上火式焼物器「スピードグリラー」(熱機器) 発売日 2014年8月18日
「各バーナーに立ち消え安全装置を搭載、収納式遮熱板追加での床面温度低減化」などの改良を行い、機能面、安全面を充実させ全面的に一新した製品であります。
④ ガス式チャーブロイラー(熱機器) 発売日 2014年9月1日
「立ち消え安全装置搭載、3段階ポジション付きガスコック採用、より耐久性の高い鋳物バーナー採用でガス消費量削減」などの改良を行い、機能面、安全面を充実させ全面的に一新した製品であります。
⑤ ガス蒸し器セイロタイプ、キャビネットタイプ(熱機器) 発売日 2014年10月1日
「高効率パイプ採用で熱効率が向上し、蒸気発生量がアップ(セイロ、キャビネットタイプ)、天板跳ね上げ式で清掃性向上(セイロタイプ)、ラッチハンドルの改良で扉密閉性向上(キャビネットタイプ)」などの改良を行い、優れた性能によりいっそう磨きをかけた製品であります。