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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10064VT

有価証券報告書抜粋 株式会社ファーマフーズ 事業等のリスク (2015年7月期)


対処すべき課題メニュー研究開発活動

以下に、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社として必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項について、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式の投資に関連するリスクをすべて網羅するものでなく、これらに限定されるものではありません。
なお、以下の記載事項及び本項以外の記載事項は、特に断りがない限り当事業年度末(2015年7月31日)現在の事項であり、将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 組織体制に関する事項
① 特定人物への依存
当社の代表取締役社長である金武祚は、当社設立時からの事業推進者として中心的な役割を担っております。同氏は、1999年11月に当社代表取締役社長に就任しておりますが、当社設立以前は食品会社研究所長や韓国・高麗大学教授等を歴任するなど20年以上に亘り機能性食品業界での経験を有しております。
現在、当社におきましても経営方針や事業戦略全般の策定、学会・食品業界・医薬品業界等との人脈とそれらに付随した営業力などで重要な役割を果たしており、同氏に対する依存度は高いものがあります。
当社では、会社組織としては小規模ながら組織的な対応の強化をすすめ権限委譲や人員の拡充をはかっておりますが、何らかの理由により同氏の業務の遂行が困難となった場合には事業運営等に重大な支障が生じる可能性があります。

② 小規模組織であることについて
当社は2015年7月31日現在、取締役3名、監査役4名、従業員41名(パート5名を除く)と組織としては小規模であり、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっています。今後、事業の拡大に伴い人員の拡充及び内部管理体制の一層の整備強化を図る方針ですが、現在は限定された人員に依存しているため、役職員に業務遂行上の支障が生じた場合あるいは役職員が社外流出した場合等には、代替要員の不在、事務引継手続の遅延などの理由から当社の事業運営に支障が生じる可能性があります。

③ 人員の確保について
当社の事業拡大にあたっては、当社事業に関する食品・化成品等の専門的な知識・技能を有する研究員を確保することが不可欠であります。今後も事業拡大のため、共同研究を実施している各大学との人事交流面での連携、人材募集のフォーラム等への参加や社内教育の充実、また、様々なインセンティブプランを設けるなどにより、積極的に優秀な人材確保のための努力をいたしますが、人員計画が予定通りに進むとは限りません。人材の確保が順調に進まない場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。

(2) 営業展開に関する事項
① ビジネスモデルの変更の可能性について
当社では会社設立以来、研究開発に主軸をおいた経営形態を実践してまいりましたが、国内・海外のいずれの市場とも、目標とする可能性の一端を達成しているに過ぎません。そのため、販売実績・販売期間とも限られたものがあり、技術開発の進捗状況、事業展開の拡がりといった内部要因だけでなく、食品衛生法等の法令の改正や機能性食品業界の市場情勢等の外部要因によっても当社の今後の業績に影響を与える可能性があります。当社では、技術開発をベースにした事業展開の拡がりにより上記リスクの回避に努めますが、検査薬・医療食・メディカルデバイス製品などの開発を開始するなど、現在の事業内容と異なる分野への進出を図り、より積極的な戦略の実践を進める方針であるため、現在のビジネスモデルに変更が生じることも考えられます。そのため、当社が事業展開の拡がりや外部要因に適合したビジネスモデルを構築することができなかった場合には、当社の事業運営に支障が生じる可能性があります。
当社は今後の事業展開として、これまで主軸をおいてきた機能性素材事業に加え、創薬事業への新規参入及び通信販売事業の強化を打ち出しております。新たな事業の開始・強化に伴い、過年度の経営成績が今後の当社の経営成績等を判断する材料としては不十分である可能性があるほか、以下の可能性があるものと考えております。
A)創薬事業に関するリスク
創薬事業においては、慎重な判断に立ち、長期間においての事業計画を策定し、またリスク分散・極小化の観点から製薬会社との共同研究による臨床試験等の展開を計画しておりますが、その将来性は不確実性を伴うものであり、以下に想定されるような事象が生じた場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。
・研究開発において想定していた成果が得られず開発の中止に至る場合や、開発の遅延等による研究開発期間の長期化等により、想定以上に研究開発費がかさむ場合
・医薬品の候補物質の特定等に成功しても、製薬企業等の導出先(ライセンスアウト先)が見つけられない場合
・競争環境等の変動により、当初期待していた通りに開発、販売が進捗せず、計画通りのマイルストーン収入、ロイヤリティ収入が得られない場合や、得られたとしても必要な採算性を確保出来ない場合

B)通信販売事業に関するリスク
通信販売事業の強化のために、今後積極的に販売促進活動を行ってまいりますが、当社が行う通信販売事業に関し、以下に想定されるような事象が生じた場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。
・広告媒体の費用対効果の検証や、広告宣伝費等の経費の効率的な使用に努めてまいりますが、想定外に経費がかさむことや支払った広告宣伝費に見合う売上を計上出来ない場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。
・通信販売事業で取り扱う製品については、品質・有効性・安全性確保のために必要な規定をした「薬事法」の規制を受け、製品の表示・広告においては、主に「薬事法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「健康増進法」、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」の規制を受けており、不当(虚偽・誇大)な表示や広告等が禁止されております。また、販売においては、禁止行為や解約事項等を規定した「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」や「消費者契約法」等の規制を受けます。当社では、関係諸法令のチェック体制を整備しておりますが、上記法令等に抵触する事象の発生や、今後予期せぬ法律規制強化等があった場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。
・通信販売事業で取り扱う製品については、細心の注意を払い製造委託・販売を行っておりますが、予期せぬ事態の発生等により安全性に問題が生じた場合には、損害賠償請求の発生、リコール(販売した製品の回収等)の実施、当社製品への信用力の低下等により、当社業績に影響を与える可能性があります。また事実とは異なる根拠のない風評等が起こった場合においても、当社製品への信用力の低下を招き、当社業績に影響を与える可能性があります。

② 特定取引先に対する依存度が高いことについて
当社では、会社設立当初より国内・海外の食品会社、健康食品会社、製薬会社等への営業展開を積極的に行い、当事業年度における期中取引金額1,000千円以上の販売先は国内58社、海外9社となっております。ただし、直近における主要取引先に対する売上高の内訳は下表の通りであり、当社製品の多様化や機能性食品業界における嗜好性の変化等により、各取引先毎の売上高は変動し、その依存度も変化しております。今後も継続的・安定的な成長を図るべく営業活動を展開する方針ですが、必ずしもこうした営業活動が取引実績につながるとは限らず、当社の想定どおりに取引先の分散化・安定化を確保できなかった場合、当社業績に悪影響が生じる可能性があります。
相手先前事業年度
(自 2013年8月1日
至 2014年7月31日)
当事業年度
(自 2014年8月1日
至 2015年7月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
大石化成株式会社131,5438.1237,22611.0
三菱商事株式会社111,7996.9191,0028.8
Shanghai Toong Yeuan
Food Technology Ltd.
56,0003.5109,7485.1
Pharma Foods Korea Co.,Ltd.68,6794.389,3964.1
株式会社日本鶏卵
(旧 株式会社鈴木鶏卵GPセンター)
125,2407.877,1803.6
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は機能性食品素材をメーカー等に販売しているため、当社製品を採用した主力取引先製品の販売動向、主力取引先との取引条件の見直しあるいは主力取引先における販売計画の変更等により、当社の業績に影響が生じる可能性があります。
3.株式会社鈴木鶏卵GPセンターは、2015年4月1日付で同社の事業を株式会社日本鶏卵へ事業譲渡しております。

③ 新製品販売動向の業績への影響について
機能性食品は消費者の嗜好に影響を受けやすく、そのライフサイクルは比較的短い傾向にあります。当社では会社設立以来、安定的・継続的な経営を維持すべく研究開発に主軸をおきながら機能性素材製品の開発と販売を進めてまいりました。その結果、鶏卵抗体、ギャバ、カテキンの既存製品に続きまして、近年ではボーンペップ、ランペップを発売等、製品ラインナップの拡充に努めてまいりました。また、従来から発売しております葉酸たまごもアイテム数を増加するなどしてマーケティングの拡充を図りました。当社では今後も新製品の開発と、製品応用分野の拡大を目指した事業展開を進める方針でありますが、計画通りに新製品の開発が進まなかったり、製品応用分野への拡大ができなかった場合、あるいは新製品の販売動向が期待通りに進まなかった場合、当社の業績に影響が生じる可能性があるほか、ビジネスモデルにも変更が生じる可能性があります。

④ 競合について
当社では製品の開発・発売に関しては、製品の品質・価格、生産方法の知的財産権などで他社製品に対して優位性をもった製品を開発し、今後の成長性と高い収益性を実現するべく事業展開をすすめてまいりましたが、食品メーカー、製薬メーカーや化学品メーカー等がその一部門または子会社を通じて機能性食品分野での事業展開を拡大することや、新たに事業展開を開始するなどにより、一層、競合関係が激化することが推測されます。当社では今後も明確に他社との差別化が図れる分野、収益性の高い分野、競合が少ない分野などにターゲットを絞った戦略的な経営をすすめる方針ですが、競合他社が同様の製品を当社よりも先に開発・販売したり、あるいは当社よりも優れた製品を開発・販売した場合には、当社業績に悪影響を与える可能性があります。

(3) 生産体制及び生産管理に関する事項
① 委託生産に伴うリスクについて
当社は機能性食品の新しいビジネス形態を構築すべく、研究開発部門とマーケティング・営業部門で社内体制の整備・拡充を図りつつ、生産方法に関する知的財産権の確保、製造方法・生産工程の確立や衛生管理面の確認等は当社が行う一方で、取扱製品の生産は社外の協力工場に委託をする経営体制を敷いております。そのため安定供給できる生産委託先の確保が当社にとって主要な経営課題のひとつであり、当社では、生産の外部委託により生じ得る製品の安定供給や製品の品質確保といった様々なリスクを回避するため、当該協力工場の生産能力や生産管理体制の整備等に関する事前調査、秘密保持に関する契約の締結、継続的な情報交換による状況確認や、複数の委託協力工場の選定等により、万が一に備えた体制の整備を図っております。また、製品毎にその製品に最適な当該協力工場を選定しているほか、新製品の発売及び既存製品の増産に対しては、十分な対応ができるように事前に当該協力工場の調査・確認を実施しておりますが、計画通りに取引先の需要に応じた製品を適時安定供給できるという保証はありません。何らかの理由で既存の生産委託先での生産が中止された場合、速やかに代替先を確保できるという保証もありません。
当社では今後もかかるビジネス形態による経営体制を継続する方針であり、外部委託生産会社との関係変化あるいは協力工場を起因とする問題等の発生により、製品の製造遅延・停止などが生じ、当社業績に悪影響を与える可能性があります。

② 衛生管理上の問題発生の可能性について
当社の事業分野である食品、健康食品等は、食品衛生法に基づいた衛生管理が求められており、当社及び外部の生産委託工場でもそれら法令等を遵守した施設の整備、器具・容器包装資材の管理や製造工程等の管理運営を行っております。近年、「食の安全性」に関する消費者の視点が一層厳しくなっているため、当社でも衛生管理を経営の重要課題の1つとしております。当社では衛生管理上の問題発生を防ぐべく、生産委託工場との情報・連絡の徹底、製造工場への立ち入り検査の実施、製造工程途中での抜き取り検査の実施、完成製品の規格化と安全性試験の徹底などにより衛生管理面の強化を図っておりますが、予見できない衛生管理上のトラブル等により当社事業に影響が生じる可能性があります。

(4) 研究開発に関する事項
① 研究開発費が多額であることについて
当社では、会社設立以来、研究開発による自社製品の開発、製品の新たな機能性の研究等について、社内・社外に関わらない様々なネットワークを活用した研究開発型の企業形成を実践してまいりました。その結果、研究開発費は2014年7月期199百万円(対売上高比12.4%)、2015年7月期243百万円(対売上高比11.2%)と多額の費用を計上しております。研究開発事業の選択・開始にあたっては、その研究内容が実用化した際の市場性、実用化までの期間、実用化の可能性、投下資金等について多面的な検討を行っております。しかし、既存の主力事業であります機能性素材部門における新規素材の開発や、既存製品においても大学等との共同研究による機能性に関する研究を実施し、また、新たな事業展開として、創薬事業への参入や検査薬・医療食・メディカルデバイス製品などの次世代製品の開発をすすめており、そうした次世代製品に対する開発は、開発期間の長期化や研究開発費負担のさらなる拡大をもたらすため、研究開発の成否リスクが一層高まる可能性があります。
当社では、研究開発活動の事業化可能性やその開発段階等を踏まえ開発事業の開始・継続を検討した上で、社内研究体制の整備・強化や大学・製薬会社等の社外協力機関との関係強化をすすめることで、かかるリスクの回避に努めますが、研究開発活動が計画通りに進む保証はなく、現在実施中の研究開発活動から必ずしも期待通りの効果を得られるという保証もないため、全ての研究内容が当社業績に対して寄与するものではありません。

② 技術革新について
近年バイオ関連業界の技術進歩はめざましいものがあります。また、国立大学等の独立行政法人化やTLO
(技術移転機関、Technology Licensing Organization)を通じた大学等の知的財産権の活用などの動きも見られ、それに併せて技術開発力のある大学発のバイオベンチャー企業も多数輩出されています。当社では、開発初期の段階からマーケティング・開発の両面に亘った検討を行い、また、外部協力者との積極的な共同研究や、事業の選択と集中を実践することで、開発の企画段階から製品の上市までの時間短縮を進めることにより事業成功の確率の向上を図っております。また、現状製品のリニューアルや新製品の開発から次世代の研究開発用範囲の拡大等の異なった世代の開発を進めること、製品の応用範囲の拡大などによって、競合他社の技術進歩に対して、リスク分散を図ることを実践しております。
しかし、今後、必ずしも本戦略が予定通り進む保証はなく、他社の技術革新の進捗状況によって当社の研究成果が陳腐化することなどにより、当社の事業戦略や業績等に影響を与える可能性があります。

③ 次世代製品の開発について
当社では、会社設立以来、研究開発主導型の企業経営を行い、食品分野を中心に機能性素材の開発を実施してまいりました。現在、当社では、それら機能性素材の開発で培った技術をベースとして、検査薬・医療食・メディカルデバイス製品などの次世代製品の開発における基礎研究を開始しております。医薬品開発等の創薬事業やメディカルデバイス製品開発等の医療関連事業は、薬事法に基づく臨床試験の実施や、医薬品としての効果・効能や安全性も含めた試験等が必要となることから、食品関連の素材開発に比べて長期に亘る開発期間と多額の研究開発投資が必要となります。一般に創薬事業及び医療関連事業は成否リスクが高く、また、現在のところ当社にはそれら事業についてのノウハウ・開発実績がないことから、事業推進にあたっては研究内容が実用化した際の市場性、実用化までの期間、実用化の可能性、投下資金等について多面的な検討を行い、かかるリスクの回避に努めますが、研究開発活動が計画通りに進む保証はなく、必ずしも期待通りの効果を得られるという保証もないため、全ての研究内容が当社業績に対して寄与するものではありません。

(5) 関連会社に関する事項
①債務保証及び関連会社への貸付について
当社では、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の導入に伴い、自然エネルギーを利用した新規ビジネスの機会が生まれている事を背景に、当社の中核技術であるバイオテクノロジーと自然エネルギーを融合した新たなビジネスモデルの創設を検討してまいりました。このような中、パートナー企業の株式会社京都福田等と関連会社ベナート株式会社を設立し、太陽光発電事業を開始いたしました。当該事業の出力規模は約4.5メガワットで、総投資額は12億円となっております。売電収入を基盤事業として、早期での投資資金の回収を図り、数年後には当社のバイオテクノロジーと自然エネルギーを融合した新規ビジネスの創出を視野に入れております。
当社では、ベナート株式会社における設備資金のための金融機関借入金に対し全額の債務保証をしております。また、直接取引として資金の貸付を行っております。そのため、太陽光発電事業者としてパネルメーカー保証や損害保険への加入等、万全のリスク対策をとっておりますが、法令の改正や不測の事態が発生した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②減損処理等について
当社は、上記のベナート株式会社以外にも、日本並びに海外において、他社との共同出資により複数の関連会社を有しております。また、今後の事業展開次第では、関連会社の数は増減する可能性があります。共同出資による会社設立や出資等に際しては、事業性および将来性について十分に検討した上で、出資・投資判断を行っておりますが、当該関連会社が必ずしも想定通りに収益を計上できるとは限りません。当該関連会社が想定通りに収益を計上できない状況が続いた場合には、関連会社への投融資資金やのれん等について減損処理等の損失を計上することにより、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 社外要因に関する事項
① 鳥インフルエンザ、SARS等の被害を受ける可能性について
近年になり国内では鳥インフルエンザの発生、また、SARS等の病原体による人身への被害が報告されております。当社では現在、食品及び健康食品に関わる分野を主軸にした国内・海外への事業展開を行っておりますが、新種の病原体の蔓延等により販売・製造の両面で事業遂行上支障が生じる可能性があります。尚、鶏卵、鶏肉を食べることにより、鳥インフルエンザウィルスが人に感染することは世界的にも報告されていません。

② 海外の経済、法制、政策等の影響を受けることについて
当社では、会社設立当初より、営業・開発の両面にわたり海外提携先・取引先の開拓及び関係強化に努めてまいりました。その結果、韓国・台湾・中国・北米(米国、メキシコ)・東南アジア(タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム等)での継続的な取引関係の構築を実践しております。海外進出の際には、該当国の市場性、取引先の選定等だけでなく、経済・政治情勢、法制面などを検討した上で、営業戦略を推進しておりますが、当該国の経済、法律、政策等により取引関係が中断するなどのため、当社の業績に影響が出る可能性があります。
③ 為替相場の変動について
当社の海外に対する売上高比率は2014年7月期18.6%、2015年7月期19.4%と売上高に占める割合が高くなっております。当社における海外取引は、大半が円建て、一部を外貨建てにより取引しております。円建てによるものは、通常は為替の変動が業績に影響を及ぼすことはありませんが、急激な円高となった場合、円建ての販売先にとって当社からの販売価格が高騰することとなるため、当社に対して価格引き下げ要求が行われる可能性があり、当社の業績に影響が出る可能性があります。また、外貨建てによるものは、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受け、当社の業績に影響が出る可能性があります。

④ 機密保持に関するリスクについて
当社では、研究開発活動を主力においた事業展開をすすめるなかで、生産方法に関するノウハウ等の営業秘密の管理が重要であると認識しております。当社では、社内での機密情報管理の徹底を図っておりますが、当社の事業には、大学・企業などとの共同研究や外部協力工場への生産委託など、当社開発技術に関して外部協力機関との関係強化が必須であることから、全ての機密情報について漏洩が防止できるという保証はありません。外部協力機関への情報開示にあたっては機密保持契約を締結するなどの方法によって、機密情報の漏洩防止に努めておりますが、かかる問題を完全に回避することは困難で、営業秘密が漏洩された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)個人情報保護について
当社は、通信販売事業を行う上で、顧客情報を取得し保有しております。当社では、個人情報保護方針を定め、個人情報の適正管理に努めております。個人情報保護については、法律の遵守だけではなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。当社は、「個人情報保護法」に規定する個人情報取扱事業者として、個人情報を厳正かつ慎重に管理しておりますが、万一、外部からの不正アクセス等により個人情報が社外に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的な信用失墜により、当社業績に影響を与える可能性があります。

(8) 食品衛生法や農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)等の規制について
当社は、現在、機能性食品素材の開発・販売を主力に事業展開を進めており、その製造や販売にあたっては、JAS法等の規制を受けております。当社では、当社及び外部委託生産会社等により、それら法令に従った取り扱いがなされるよう所轄の保健所等に対する届出、各種許可事項の申請や許可の取得ならびに製品に関する表示の確認等を実施しておりますが、食品衛生法に違反した場合には、営業許可の取り消しや営業許可の更新が認められないなど、当社事業に支障が生じる可能性があります。当社では、かかる事態を回避すべく、当社及び外部委託生産会社等について衛生管理面の検査の実施や各種届出・許可の確認等を行っておりますが、法令の改正等に対応するため新たな費用が発生した場合や、不測の事態が発生した場合に当社の対応が出来なかったり、また、その対応が遅れた場合等には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 知的財産権に関する事項
① 特許が成立しないリスクについて
当社では、研究開発により得られた成果(発明)を特許情報部にて取りまとめ、戦略的な特許出願を行っています。その結果、2015年7月31日現在で36件(国内出願中20件、国内登録14件、海外登録2件)の特許を出願・登録し、今後、一層、知的財産権の確保のため、新規出願並びに出願済特許の登録の増加を図っていく方針であります。しかしながら、当社が出願した全ての特許が登録されるとは限らず、また、期間満了などにより消滅した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、特許が成立した場合でも、当社の技術を超える技術が他社によって開発され、当社の特許が競争力を失う可能性があることや、競合他社により当社特許が侵害されるなどの不測の事態が発生した場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 他社の知的財産権等の侵害について
当社と同様の事業展開を実施している他社も多数の特許権等の知的財産権を有しております。当社では、当社が他社の知的財産権に抵触することのないよう、社内での調査や弁理士事務所等を通じた調査・確認を適宜実施し、事業展開並びに特許戦略の決定判断をしておりますが、当社は多岐にわたる研究開発活動や事業展開を推進していることから、知的財産権に関して訴訟・クレームが発生しないという保証はありません。
現在、当社事業に関して知的財産権についての第三者との間での訴訟やクレームの発生の認識はしておりません。しかしながら、研究開発を主力とした事業を展開する当社において、知的財産権の侵害等に関して全ての問題発生を回避することは困難であり、かかる問題が発生した場合には、他社への損害賠償金やロイヤリティーの支払い、差止請求などによりに当社の事業展開に支障がでる可能性があり、その結果、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(10) 資本等施策に関する事項
① ストックオプションについて
当社の取締役に対して、業績向上や企業価値の増大に関する意欲や士気を高めること等を目的として、会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づき、2014年10月22日開催の取締役会において、新株予約権(有償ストック・オプション)の発行を決議しております。
これらの新株予約権は2015年7月31日現在、合計で2,440,000株となり、発行済株式総数及び新株予約権等の潜在株式の合計の7.8%に相当しております。当該新株予約権は予め定められた業績目標を達成した場合にのみ行使されるものですが、これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することで、株式の需給バランスの変動が発生し、株価の一時的な変動・下落要因となる可能性があります。当社では今後も優秀な人材の確保のため、ストックオプションも含めた役職員等の意識向上の施策を実施する方針であります。

② 配当政策について
当社では、会社設立以来現在に至るまで事業資金の流出を避け、内部留保の充実に努めるため利益配当は実施しておりません。今後も研究開発活動を継続することが企業価値の増加につながるものと認識しており、研究開発への積極的な先行投資のための資金確保重視の観点から、当面の間、利益配当は実施しない方針であります。ただし、株主への利益還元については、重要な経営課題であると位置づけており、今後の経営成績や資金状況等を勘案し利益配当を検討する所存であります。


対処すべき課題研究開発活動


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