有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10052BX
東急建設株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
セグメントごとの研究開発は次のとおりである。なお、「建設事業(建築)」及び「建設事業(土木)」の研究開発費は、建設事業共通でかかる費用のため、「建設事業」として記載している。
[建設事業]
研究開発活動については、受注確保と施工品質向上のため、現場の目線に立ち、技術部門が連携協働し、当社ビジョンと中期経営計画を踏まえ、重点事業分野と基盤技術分野を中心に技術優位性とコスト優位性のある開発技術の早期実用化を目指した。当連結会計年度においては、以下を重点技術分野として、研究開発を進めた。
① 重点事業分野
Ⅰ.渋谷再開発事業 ・掘削土揚重技術 ・近接施工管理等の総合管理システム
Ⅱ.東日本大震災の復旧復興事業 ・放射能汚染水の除染技術 ・災害廃棄物の仮置場技術
② 基盤技術分野
Ⅰ.施工技術 ・省力化 ・工期短縮 ・解体技術 ・ICTロボット技術 ・総合評価対応技術
Ⅱ.鉄道建設 ・人工地盤 ・周辺環境対策 ・空間利用技術
Ⅲ.安全安心強靭化 ・地震対策 ・延命化技術
Ⅳ.快適空間 ・室内環境 ・高齢者対応技術
Ⅴ.環境共生 ・省エネルギー ・汚染対策技術
更に、大学、公共研究機関及び関連企業との共同研究をはじめとする社外連携を進め、競争的資金の活用等により研究開発の効率を高めている。
当連結会計年度における研究開発費は、518百万円である。
主な研究開発成果は次のとおりである。
(1) 長期間供用した鉄道RC高架橋の性能評価に関する研究
1927年に供用を開始、その間に増改築され、2013年に使命を終えた高架橋から切り出した実部材を対象に、経年による材料変化や力学的性能を評価することで、既設構造物の維持管理方法に有用となる知見を得る研究を開始した。老朽化が進むインフラの維持補修や管理に役立てる。(2) 掘削土砂揚重システムの開発
限られた敷地内での掘削土砂搬出作業は他の搬入車両動線の妨げになり、結果的に工事の遅延に繋がる。この問題を解決するため、掘削土砂を効率的に定量搬出する装置を開発した。掘削土砂の垂直移動と水平移動を分離・連携させ、一連の作業を半自動化させることで効率的に掘削土砂を搬出する。
(3) 高性能運搬台車の開発
大型重量PC床板を設置施工するため、揚重可能な高性能運搬台車を開発し現場に適用した。現場の効率化を図れる大型重量PC部材の取付けは、クレーンを使用して作業員が数名で行うことが一般的であるが、敷地にあまり余裕がない場合は大型クレーンの設置が困難である。そこでPC床板を積載し、自走、揚重、位置の微調整、据付けまで安全に施工できる特殊な運搬台車を開発し、現場に導入し、大きな省力・省人化施工を可能にした。
(4) 乾式外装システム「プラスリム工法」を現場に適用
自社開発の乾式外装システム「プラスリム工法」を用いて、タイル仕上げ外壁(築27年経過、小口タイル張り)の外壁リニューアル工事を実施した。「プラスリム工法」は、既存外壁にアンカー固定したアルミ製の下地に、薄型のGRCパネル(ガラス繊維補強セメント板)を嵌め込んで取り付けるスリムな乾式外壁被覆改修工法である。パネルを足場上に電動ウインチにて揚重し、簡易な治具でレールにセットし、人力でパネルをスライドして位置決めを行い、短工期で外壁リニューアル工事を完了した。
(5) 建築の内装施工品質管理システムの開発
タブレットパソコンを使用して内装施工の品質管理を行うシステムを開発した。施工中の建物内で内装施工と設計図とを照合し、相違点や問題点をいち早く見出し、迅速に対応することで施工品質を確保するとともに施工効率の向上が可能である。
(6) 地震観測を活用した地震災害時の建物継続使用可否判断システムの実用化
地震観測を活用した地震災害時の建物継続使用可否判断システムの開発に着手した。先駆けて、当社の本社部門が入る渋谷地下鉄ビルに地震観測装置を設置しており,2014年1月から観測を開始し、4月から本格稼動している。これまでに震度3以上の7回の地震の揺れを観測し、建物継続使用可否判断システムのBCP活用に向け、実用化に大きく前進した。(7) 無線LANの通信環境を改善するための電磁波シールド壁の実用化へ前進
無線LANの通信環境を改善する電磁波シールド壁を開発し、実用化に目処をつけた。この電磁波シールド壁は、石膏ボードの表面に電磁波を遮蔽するアルミ箔を格子状に敷設することで、隣室等から侵入する干渉電波を軽減し、室内の無線LAN通信環境の劣化を緩和する。同時に室内から隣室への干渉電波も軽減する。本技術は、混信や通信速度の低下が生じにくい快適な無線LAN通信環境を携帯電話の通信機能は維持しながら構築できる。(8) 外壁タイル高速劣化診断システム「タイルドクター」
㈱ソーキ及びティスコ㈱と共同開発済みのトータルステーションを活用した外壁タイル高速劣化診断システム「タイルドクター(登録商標)」に関し、日本建築仕上学会より評価報告書を受領した。今回の評価は、外壁タイルの剥離を検知する機器やロボットとしては、学識経験者等による第三者評価を受けた初めてのケースである。本報告書においては、「タイルドクター」をセメントモルタルによるタイル後張り工法の外壁診断に適用する場合、通常の打音調査とほぼ同程度の判定精度を持った診断自動化装置であると結論付けている。(9) 「緑化に伴うリスク表示システム」の開発
㈱石勝エクステリアと共同で「緑化に伴うリスク表示システム」を開発した。本システムは、緑化計画に伴うメリット・デメリットを数値化し、視覚的に表示する。一般的に緑化のメリットは、地域生態系や生態系サービス保全への寄与、景観の向上等であるが、デメリットとして害虫の発生やメンテナンスコストの増加がある。今回、従来十分に考慮されてこなかった害虫の発生リスクに着目し、対象敷地内に植栽した樹種に応じてリスクを表示するシステムを開発した。生物多様性に配慮した設計提案に活用していく。(10) 「トンネル全断面点検・診断システム」の開発
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの公募である戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術で、当社を研究代表者として東京大学、湘南工科大学と共同提案した「トンネル全断面点検・診断システム」が2014年9月に採択された。ロボット技術を活用した本システムを2014年度から5年間で開発する。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。
[不動産事業等]
研究開発活動は、特段行われていない。
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