有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005ZG8
ショーボンドホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年6月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、多様化する社会及び客先からのニーズに迅速に対応し、市場に密着した研究開発を行っています。当連結会計年度の研究開発費としては291百万円を投入しました。
なお、当企業集団における研究開発活動は、おもに「国内建設」に係わるものであり、セグメントに区分して記載していません。
1. コンクリート床版上面含浸材の開発
道路橋RC床版は雨水の浸透や自動車荷重の繰り返しにより劣化が進行します。床版上面からの水分の浸入を止めることは,RC床版の長寿命化対策として非常に有効な工法です。この材料は,床版上面の脆弱層やひび割れの補修効果を高めるため粘度を低くし,また交通規制をできるだけ短くするため硬化時間を短く調整しています。現在,色々な現場に材料を提供しています。舗装打ち換え時に施工可能な簡易な工法であり,全国の地方自治体においても需要が見込まれます。
2. 鋼桁疲労亀裂対策工法の開発
鋼桁の疲労亀裂の進展を遅らせて,構造物の延命化を図る工法の検討を行いました。高度な技能を持たない素人でも作業ができることを念頭に開発しました。接着剤を塗った鋼桁の亀裂部に,接着剤を塗った炭素繊維シート成型板を貼るだけで作業が完了します。貼合わせてすぐに接着力が発現し始めるため、施工時間の制約がありません。実験により,大幅に構造物の寿命が延びることを確認しました。
3. コンクリートブロック壁高欄の剥落対策工法
経年の影響により劣化が進んだコンクリートブロック壁高欄では,車両通行時の振動により破片が落下して第3者に危害を及ぼす恐れがあります。高耐候性めっき鋼板を波型に加工して耐荷力を高め,この鋼板で壁高欄を両側から挟み込むことを考えました。壁高欄を鋼板で両側から挟むだけなので,施工性も良好で,費用耐効果に優れています。この高耐候性めっき鋼板は美観的にすぐれており景観性も良好です。
4. 電気防食工法の水掛かり部対策
塩害は,コンクリート構造物の劣化現象の1つです。電気防食工法は,塩害損傷が著しいコンクリート構造物の対策に有効な工法であり,今後も需要が増えると考えています。この工法はコンクリート構造物に電気を流すものですが,波しぶきが掛かる場所など水分多いところでは電流量に差が生じ品質管理が難しいことがあります。一方,当社では,コンクリート保護工法として,コンクリート表面からの水分の浸入を防止するシラン系の撥水剤を保有しております。この材料を組み合わせることで電流の偏りが解消することがわかりました。今後も構造物を末永く使えるように改良を重ね、社会に貢献したいと考えています。
5. 高耐候性めっき鋼板用接着剤の開発
高耐候性めっき鋼板は,塗装塗替えの必要がなく耐久性のある材料です。この材料を鋼板補強工法として使用するために,接着性に優れる接着剤の開発を行いました。一般的には,接着剤を注入して鋼板と構造物を一体化させますが,施工手間を少なくするため鋼板を置くだけの圧着工法用として製品を仕上げました。性能と施工性が相まって,この製品の需要が増えると考えています。各種新材料との組み合わせも考えながら製品の開発を行っています。
なお,研究開発活動は主に連結子会社のショーボンド建設株式会社で行われており,その他の子会社では研究開発活動は特段行っていません。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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