有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10050MB
美津濃株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、経営理念と長期経営方針に基づき、グローバル戦略に沿った商品の開発を基本的なコンセプトとしております。そのためには、スポーツ工学及びスポーツ科学の研究を基盤として基幹技術や素材の研究・開発を行うことが中核的な活動であり、そのことにより生産技術の蓄積が進み、プロダクション機能の強化が果たされるものと考えております。
現在、研究開発活動の体制は、スポーツ品の製造に関しては、基礎研究・機能研究など広範で中長期的な視点で研究開発を行う当社の研究開発部と各グローバルプロダクト部門(アパレル、フットウエア、イクイップメント)の開発セクションを中心として、MIZUNO USA,INC.の開発部門やミズノテクニクス株式会社の技術部門、セノー株式会社開発本部などもその役割を担って推進しております。基盤技術や素材・製品の研究開発にあたっては、独自の研究に加え、多くの大学の研究室や取引先企業の研究開発機関等とも密接に連携を図り協力関係のもと遂行しております。
また、最近においては長年スポーツで培った技術をスポーツ以外の分野でも活用すべくライフイノベーション分野への応用展開にも力を入れております。ミズノのスポーツテクノロジー、商品・サービスを通じて健康・快適・安全の領域でより多くの人が生きがいや喜びを感じ幸せに暮らす事に貢献出来るよう研究開発を進めています。ミズノグループでの研究開発に携わる人員はグループ全体で222名であります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は30億7千1百万円であり、研究開発の主な活動は次のとおりであります。研究開発活動は大部分が日本において行われているため、セグメントごとの記載ではなく、商品別に記載することとしております。
(1)アパレル
スポーツウエアでは、人体各部が受ける太陽光照射量を解析することで、太陽光を遮蔽する遮熱性素材と、汗処理と通気性に優れた素材を効果的に配置した、クーリング効果に優れたウエアを開発しました。また、競技用スイムウエアでは、筋骨格シミュレーションを用いてより効率的なフラット姿勢保持設計を導き、織組織によって表面に溝構造を形成することで、水との摩擦抵抗を低減した新低抵抗素材を採用したを開発しました。
また、ナイロンに特殊加工を施すことで吸湿性を向上させ、気化熱による放熱性を向上したや、制菌加工により抗菌防臭性に加えて、部屋干し臭にも対応したを開発しました。
(2)フットウエア
サッカーにおいては、岡崎慎司選手(ドイツ FSVマインツ05)の「キレのあるターン」をサポートする屈曲特性に優れた軽量スパイクを開発いたしました。
ランニングでは、年々参加者が増えているフルマラソンを目指すランナーなどに向け、クッション性と耐摩耗性を強化し、シリーズ最軽量となったランニングシューズや、斬新なグラフィックデザインを採用したステップアップシューズを発売いたしました。
野球では、一歩目の加速に着目して研究したスパイクを、バレーボールでは、「より高く跳ぶ」を科学し、インフィニティウエーブを搭載したを投入いたしました。
ウォーキングでは、オンタイムに相応しい清潔感と程よいラフさを兼ね備えたビジネスカジュアルシューズを発売いたしました。
ゴルフでは、ダイヤルを回すことでミリ単位の締め付け調整が可能な、Boaテクノロジー社(米国)のBoaⓇクロージャーシステムを搭載したを投入いたしました。
(3)イクイップメント
野球グラブでは捕球時の手首背面部(ベロ部)の挙動を検証し、ポジションや握り方に因る捩れや突っ張り感を軽減する形状の「AXIベロ」を開発しました。硬式野球用グラブに搭載し発売しております。軟式野球用FRP(繊維強化プラスティック)製バットでは、自社従来モデルに比べ反発係数を3.8%向上かつ打球部を約12%軽量化させたを開発いたしました。
ソフトボール用FRP製バットでは、バランスとスイングスピードに着目し,ボール初速アップを目指した新設計Dual Weight Technologyを搭載した「X」を開発いたしました。また、米国向けバットでは、打球部にウレタン材を使用することで、スピン量アップと円管方向(上下方向)のスイートエリア拡大を実現したと、打球部に部分肉厚設計を施し、長手方向のスイートエリア拡大を実現したを野球用バットとして初めて米国市場に投入しました。
ソフトテニスラケットでは「DEEP IMPACT」シリーズにおいて、”喰いつき”性能を維持しながらも、しまりあるスピードボールを可能にするという新ストリングパターンの設計を採用したモデルと、2種類の高弾性カーボンを組み合わせたハイブリッド新素材HB55により面安定を高めたの設計を採用したモデルを開発いたしました。
(4)ゴルフ
ゴルフクラブでは、中上級者向けのシリーズから、ウッドではこだわりの打感と飛距離性能を追求したドライバー、アイアンでは、進化した軟鉄鍛造チタンマッスルバック鍛造アイアン、打感だけでなく高弾道の飛びを実現した深重心設計の鍛造アイアン、抜けの良さと最適スピンを追求した鍛造ウェッジなどを開発いたしました。
初級者から上級者まで幅広いプレーヤー向けのシリーズでは、シリーズとして、プレーヤーに合わせた最大飛距離を調整できる可変機構を持ったドライバー、ウェーブソール設計で高初速を実現したフェアウェイウッドやユーティリティー、パワーフレーム設計で打感と反発を高次元で両立させたキャビティーバック軟鉄鍛造アイアンと鋳造アイアンを開発いたしました。
(5)スポーツ機器(体育館用装置、トレーニング機器)
セノー株式会社が製造する体育館用装置に関しては、各地域の体育館に対して行った保守点検や設置などで得られた経験・データをもとに、非構造部材耐震化の研究を進めております。主に吊り下げ式バスケットゴールや壁面型バスケットゴールなど、落下した際の危険性が非常に大きい製品に対し、その防止策を研究するとともに、防振機能の付与やすべりの防止などを複合的に持たせた装置を開発しました。
また、トレーニング機器については、「日本人の体格に合うマシンづくり」「高齢者にやさしいマシンづくり」の研究を進めました。低体力ユーザーのための低負荷トレーニングを実現したコードレスバイクや、体にやさしい「電磁負荷」を採用したトレーニングマシンなど、今後ますます高まることが予想される健康ニーズに対応しております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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