塩水港精糖株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢には一定の改善が見られるものの、消費税増税後の個人消費の低迷に加え、急激な円安の進行もあって依然として先行き不透明な状況にあります。
砂糖業界におきましても、個人消費マインドの冷え込みと夏場の天候不順等の影響によって、砂糖消費量の漸減傾向が続き、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは基幹事業である砂糖事業並びにバイオ事業における売上高・利益計画の達成に向けて全力で取り組んで参りました結果、当期の業績及びセグメントごとの業績は以下のとおりとなりました。

①砂糖事業

海外原糖市況は、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限、1ポンド当たり)において17.77セントで始まり、天候懸念により一時値を上げ5月中旬には18.28セントの高値をつけました。その後主要生産国であるブラジル中南部のサトウキビ収穫ペースが順調であったことから下げ基調に転じ、ドル高・レアル安や原油価格の下落も加わったことから3月末には11.91セントまで値を下げ、結局11.93セントで当期を終了しました。
国内市中価格(日本経済新聞掲載、上白糖大袋1kg当たり)は、期初185～186円で始まり、同水準のまま当期を終了しました。
国内精糖及び異性化糖などの国内販売は、第1四半期での消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動を大きく受けた上、需要期における天候不順等の影響により売上高は前年同期を下回りました。
この結果、砂糖事業の売上高は24,238百万円(前連結会計年度比3.4%減)、セグメント利益は1,539百万円(前連結会計年度比4.8%減)となりました。

②バイオ事業

オリゴ糖事業
家庭用「オリゴのおかげ」の商品価値の啓蒙と正しい使い方などの理解普及に努めサンプリングなどを積極的に実施しましたが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動等により、売上高は前年同期をやや下回りました。
サイクロデキストリン事業
食品分野のほか、非食品分野への拡販に努めました。また、血糖値上昇抑制と体脂肪蓄積抑制作用を有する「サラシア属植物」を原料とする加工製品「サラシア属植物エキス末」の販売にも努めました。
さらに、弊社のバイオ商材を活用した「ボン・デ・パルル さ姫の香り」の商品開発を行い上市しました。
この結果、バイオ事業の売上高は1,365百万円(前連結会計年度比2.2%減)、セグメント利益は広告宣伝費等の計上により69百万円(前連結会計年度比50.3%減)となりました。

③不動産賃貸事業

関西製糖株式会社への大阪工場設備の賃貸及びニューESRビル事務所の一部賃貸等を行い、所有不動産の活用に努めました結果、売上高は787百万円(前連結会計年度比7.9%減)、セグメント利益は60百万円(前連結会計年度比26.6%増)となりました。

以上の結果、当期の売上高は26,319百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は572百万円(前連結会計年度比24.8%減)、経常利益は581百万円(前連結会計年度比0.5%減)、当期純利益は317百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて108百万円増加し、1,477百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,023百万円(前連結会計年度比98百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益588百万円、減価償却費688百万円、売上債権の減少額326百万円等による資金の増加があった一方で、仕入債務の減少額348百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、323百万円(前連結会計年度は368百万円の資金支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出340百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、599百万円(前連結会計年度は616百万円の資金支出)となりました。
これは主に、借入金の返済による純支出437百万円、配当金の支払162百万円等による資金の減少があったことによるものであります。