有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004FDX
サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2014年12月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
2014年3月、グループ研究戦略推進部、グループ技術知財戦略部の新設とともに、「サッポロビール社」及び「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の研究開発部門メンバーにより構成されたグループ横断的な研究開発体制、「サッポロイノベーションラボ」を立ち上げました。食品価値創造のための組織強化により、「食のメーカー」としての成長加速に引き続き貢献してまいります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は26億円です。
セグメントの状況は次のとおりです。
[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、今期より掲げた新たな経営ビジョンである「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を実現すべく、「サッポロビール社」の強みである原料へのこだわりや、永年培ってきた商品開発力、技術開発力を活かして、新たな価値創造に取り組んでまいりました。
ビールテイストについては、「麦とホップ」を「麦とホップ The gold」へフルリニューアルしました。世界で初めて「プリン体0.00」と「糖質0」を実現した「極ZERO」は、7月に発泡酒として再発売しました。ヱビスブランドでは、コンビニ限定の「ヱビスロイヤル セレクション」や、ギフト限定の「ヱビス 夏のコク」が、計画を大幅に超える実績となりました。
また、クラフトビール人気の高まりを背景として、5月にベルギーのホワイトビールの味わいを楽しめる新ジャンル「ホワイトベルグ」を発売し、若年層を中心に新たな需要を開拓しました。8月にはビール愛好家の皆様とSNSで共創した「百人のキセキ 至福のブラウンエール」をコンビニ限定で発売しました。
引き続き成長を続けるRTD市場に対しては、「バカルディ」ブランドの強化に加え、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」とのシナジーを発揮すべく、同社の基幹ブランドを活用した「キレートレモンサワー」を4月に発売しました。
また「ノーベル製菓社」とのコラボレーションによるRTD「男梅サワー」の好調を受け、より一層のお客様との接点の拡大を図るため、RTS商品である「男梅の酒」を7月に発売、当初計画の2倍以上の実績となりました。
国産ワインについても、若年層を中心に人気の高まりつつある「サングリア」カテゴリーにポレール「サングリア リコ」「サングリア リコ スパークリング」を投入し、新たな需要開拓に努めました。
2.研究開発について
国内酒類事業における研究開発は、醸造技術研究、感性科学研究、新規素材研究、品質保証分析研究等を幅広く担う「サッポロビール社」の価値創造フロンティア研究所と、原料研究を担うバイオ研究開発部が中心となって、新しい価値をお客様にお届けするための研究開発活動を推進しました。
醸造技術研究では、ビールの泡品質について長年広範囲に研究してきましたが、このたび、ビール原料である大麦の成分と泡品質との関係に関する研究、麦芽の製造工程や醸造工程における「泡持ち」を向上させる技術開発、そして生ビールサーバーの開発に関する一連の成果が日本農芸化学会より評価され、2015年度「農芸化学技術賞」の受賞が決定しました。
また、醸造技術を応用展開したバイオマスの資源化に関する技術開発において、国内外にテストプラントを設置して実用化の検討を進めています。国内の水素・メタン発酵技術開発では、「タカキベーカリー社」、「広島大学」、「広島ガス社」と共同で製パン工場残渣からのバイオ水素・メタン製造のオンサイト運転に向けた生成ガス利用試験を実施しました。バイオエタノール発酵では、「NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)」から受託されたタピオカデンプン工業廃棄物からのエタノール生産実証試験(国際エネルギー消費効率化等技術普及協力事業)のパイロットプラントを建築し、実用化の実現可能性試験を実施中です。
感性科学研究では、お客様の意識や嗜好を研究するために2012年4月に立ち上げたカスタマーインサイトラボから、実用化につながる技術が生まれつつあります。当ラボでは、店頭での商品の購入時の視線の動きを解析することで、お客様の興味・関心を理解し、商品開発等に情報をフィードバックするシステムを構築しました。また、ビール類の「コク」を人工の舌を用いて計測するコクセンサーを駆使して、主力商品の価値訴求のためのデータを提供しています。
2014年には、消費者の性年代や食習慣が味覚の獲得やビールの嗜好性に与える影響についての研究成果が、日本味と匂学会第48回大会にて「優秀ポスター賞」を受賞しました。
新規素材研究では、「サッポロビール社」が新たに発見した「SBL88®」乳酸菌からあたらしい機能価値を見出しています。「SBL88®」は、腸でのセロトニン(’幸せホルモン’といわれる神経伝達物質の一つ)の放出を促進し、そのセロトニンを介して自律神経に作用することを世界で初めて発見しました。さらに自律神経に作用することで、肌の保湿につながる知見も得られました。本研究の成果は、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の豆乳乳酸菌発酵飲料「明日のキレイ」や「プルーンBiO」に活用されています。
品質保証分析研究では、価値創造フロンティア研究所品質保証部門と「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の食品安全分析センターとの協働体制を深め、グループワイドに安全・安心な製品をお届けできるよう、新規分析法の開発から定期的な原料・製品の分析を実施しております。
原料研究では、「サスカチュワン大学」と共同で品種開発した北米初のLOXレス大麦「CDC PolarStar」につづき、2014年には「CDC PlatinumStar」をカナダで品種登録しました。おなじく2014年には、「アデレード大学」と共同で開発した豪州初のLOXレス大麦「SouthernStar」の協働契約栽培を豪州で開始し、北海道でも国内初のLOXレス大麦「札育2号」の協働契約栽培を始めました。また、欧州でも共同開発品種を品種登録出願しました。今後は、国内外の広い地域から「旨さ長持ち麦芽」の安定供給を実現し、「サッポロ生ビール黒ラベル」のより一層の高品質化を目指していきます。
ホップでは、優良アロマタイプホップ「ふらのほのか」につづき、2014年にはユニークな香りのホップを新たに3品種登録申請しました。
国内酒類事業の研究開発費の金額は16億円です。
[食品・飲料事業]
「サッポロ飲料社」と「ポッカコーポレーション社」との経営統合により事業開始した「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」は2年目となり、研究開発本部の傘下に、新商品開発や新規素材探索、加工技術、機能性研究を担う中央研究所と味の科学研究を担う味の科学研究所を置き、それぞれお客様においしい「!(ひらめき)」をお届けするための研究開発活動を推進しました。
1.商品開発について
飲料商品では、統合後初のブランドとなる「GREEN SHOWER」を発売しました。当商品は爽やかで心地よいグリーンの香りの無糖炭酸水で、特長であるグリーンの香りには、「サッポロビール社」が2010年に品種登録したホップ「フラノビューティ」の香りを再現したフレーバーを使用しました。パッケージやコンセプト等を組み立てていく過程で調査を繰り返し、くつろぎやリラックス、リフレッシュの炭酸水というコンセプトで商品化しました。
また、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の強みであるレモンのおいしさと健康感を活かした飲料の「キレートレモン」ブランドでは、基幹商品の「キレートレモン」において、2001年の発売以来初めてとなる大きなリニューアルを9月に実施しました。美味しい酸っぱさを強化し、ビタミンCも1350mgに増量することで機能性ドリンクとしてさらに進化させました。また、夏場の熱中症対策飲料として「キレートレモン」ブランドから「キレートレモン ソルティスパークリング」を発売し、季節トレンドに合わせた商品開発を行いました。
スープ食品では、基幹ブランドである「じっくりコトコト」シリーズにおいて、具だくさんで食べ応えのある個食タイプを、コーン、クラムチャウダー、ビスクの3品で発売しました。「じっくりコトコト こんがりパン」シリーズは定番のフレーバーを基軸に、季節にあわせたフレーバーを随時商品化しました。
レモン食品では、「ポッカレモン100」シリーズが名古屋工場第三工場の本格稼働により品質向上を図りました。瓶タイプにおいては使いきりしやすい120mlサイズを投入し、また70mlサイズのプラボトルは適度な柔らかさで中身を出しやすくし、キャップもヒンジキャップへと変更する等、「ポッカレモン100」シリーズを2月にフルリニューアルしました。また、どこでも手軽にレモン果汁を味わっていただけるよう、常温で持ち運びができることをコンセプトとした10%レモン果汁入り飲料「ポッカレモンLemotte」を開発し、発売しました。
新規カテゴリーでは、介護関連の食品として、排泄介助の際の気苦労を軽減する粉末茶「少臭麗茶」や、粉末スープの技術を活かした栄養サポートスープ「メディッシュスープ」を開発し、発売しました。
2.研究開発について
『飲料、食品技術開発』
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の中央研究所では、コーヒー等の飲料やレモン、スープ等の食品の中身設計や容器開発、素材の探索等商品の高付加価値に繋がる研究や、新たな価値を提供する素材の探索・機能性研究、製造加工技術、分析技術研究等幅広い領域の研究活動に取り組みました。
機能性研究の分野では、8月の日本食品科学工学会第61回大会において「塩JOYサポート」のヒトにおける熱中症予防の効果として「電解質飲料の事前摂取が暑熱暴露時の心臓負荷へ与える影響」を発表しました。
製造加工技術の研究では、「トウモロコシ澱粉の流動層造粒工程の解析-バインダ供給速度および噴霧圧が流動含水率および顆粒の成長に及ぼす影響」日本食品工学会誌,vol.13,No.4,pp127-136(2012)、「水蒸気-水二層バインダによる流動層造粒における加水量削減技術の開発」日本食品工学会誌,vol.15,No.1,pp25-35(2014)の論文、及び「造粒方法及び造粒装置」(特許登録番号5019661)の特許に対して、8月の日本食品工学会第15回大会において「産学連携賞」を受賞しました。
製造加工技術研究からの発展として、「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構」及び「フロンティアエンジニアリング社」と共同で開発した交流高電界殺菌技術を「ポッカレモン100」製造ラインへ業界で初めて実用化し、新製品の製造を開始しました。
また、交流高電界殺菌技術が「ポッカレモン100」シリーズに及ぼす風味向上の有効性について9月の第57回果汁技術研究発表会及び10月の第24回清涼飲料研究会にて発表しました。
なお、この交流高電界殺菌技術に対して日本農芸化学会より評価され、2015年度「農芸化学技術賞」の受賞が決定しました。
分析技術面では、残留農薬の迅速、簡易な分析手法に取組み、その内容を12月の第108回日本食品衛生学会学術講演会において「QuEChERS抽出法(※)と固相精製を用いた茶の残留農薬分析の検討」として発表いたしました。
『 味(おいしさ)の科学 』
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の味の科学研究所では、味・香り(おいしさ)を科学的に評価するという目標のもと、官能評価や機器分析を用いた定量化の研究を進め、その成果を商品の味・香り(おいしさ)の評価に活かし、より魅力的な商品作りに繋げています。さらにサッポログループ各社の研究開発部門と連携し、広く商品価値を定量評価し、より一層お客様にご満足いただける商品の開発を進めて参ります。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は9億円です。
(※)QuEChERS抽出法:Quick(迅速)、Easy(簡単)、Cheap(安価)、Effective(効果的)、Rugged(堅牢性)、Safe(安全)の頭文字を合わせたもの。残留農薬を短時間で分析するために開発され、欧米を初め日本でも広く採用されている分析方法。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は26億円です。
セグメントの状況は次のとおりです。
[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、今期より掲げた新たな経営ビジョンである「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を実現すべく、「サッポロビール社」の強みである原料へのこだわりや、永年培ってきた商品開発力、技術開発力を活かして、新たな価値創造に取り組んでまいりました。
ビールテイストについては、「麦とホップ」を「麦とホップ The gold」へフルリニューアルしました。世界で初めて「プリン体0.00」と「糖質0」を実現した「極ZERO」は、7月に発泡酒として再発売しました。ヱビスブランドでは、コンビニ限定の「ヱビスロイヤル セレクション」や、ギフト限定の「ヱビス 夏のコク」が、計画を大幅に超える実績となりました。
また、クラフトビール人気の高まりを背景として、5月にベルギーのホワイトビールの味わいを楽しめる新ジャンル「ホワイトベルグ」を発売し、若年層を中心に新たな需要を開拓しました。8月にはビール愛好家の皆様とSNSで共創した「百人のキセキ 至福のブラウンエール」をコンビニ限定で発売しました。
引き続き成長を続けるRTD市場に対しては、「バカルディ」ブランドの強化に加え、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」とのシナジーを発揮すべく、同社の基幹ブランドを活用した「キレートレモンサワー」を4月に発売しました。
また「ノーベル製菓社」とのコラボレーションによるRTD「男梅サワー」の好調を受け、より一層のお客様との接点の拡大を図るため、RTS商品である「男梅の酒」を7月に発売、当初計画の2倍以上の実績となりました。
国産ワインについても、若年層を中心に人気の高まりつつある「サングリア」カテゴリーにポレール「サングリア リコ」「サングリア リコ スパークリング」を投入し、新たな需要開拓に努めました。
2.研究開発について
国内酒類事業における研究開発は、醸造技術研究、感性科学研究、新規素材研究、品質保証分析研究等を幅広く担う「サッポロビール社」の価値創造フロンティア研究所と、原料研究を担うバイオ研究開発部が中心となって、新しい価値をお客様にお届けするための研究開発活動を推進しました。
醸造技術研究では、ビールの泡品質について長年広範囲に研究してきましたが、このたび、ビール原料である大麦の成分と泡品質との関係に関する研究、麦芽の製造工程や醸造工程における「泡持ち」を向上させる技術開発、そして生ビールサーバーの開発に関する一連の成果が日本農芸化学会より評価され、2015年度「農芸化学技術賞」の受賞が決定しました。
また、醸造技術を応用展開したバイオマスの資源化に関する技術開発において、国内外にテストプラントを設置して実用化の検討を進めています。国内の水素・メタン発酵技術開発では、「タカキベーカリー社」、「広島大学」、「広島ガス社」と共同で製パン工場残渣からのバイオ水素・メタン製造のオンサイト運転に向けた生成ガス利用試験を実施しました。バイオエタノール発酵では、「NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)」から受託されたタピオカデンプン工業廃棄物からのエタノール生産実証試験(国際エネルギー消費効率化等技術普及協力事業)のパイロットプラントを建築し、実用化の実現可能性試験を実施中です。
感性科学研究では、お客様の意識や嗜好を研究するために2012年4月に立ち上げたカスタマーインサイトラボから、実用化につながる技術が生まれつつあります。当ラボでは、店頭での商品の購入時の視線の動きを解析することで、お客様の興味・関心を理解し、商品開発等に情報をフィードバックするシステムを構築しました。また、ビール類の「コク」を人工の舌を用いて計測するコクセンサーを駆使して、主力商品の価値訴求のためのデータを提供しています。
2014年には、消費者の性年代や食習慣が味覚の獲得やビールの嗜好性に与える影響についての研究成果が、日本味と匂学会第48回大会にて「優秀ポスター賞」を受賞しました。
新規素材研究では、「サッポロビール社」が新たに発見した「SBL88®」乳酸菌からあたらしい機能価値を見出しています。「SBL88®」は、腸でのセロトニン(’幸せホルモン’といわれる神経伝達物質の一つ)の放出を促進し、そのセロトニンを介して自律神経に作用することを世界で初めて発見しました。さらに自律神経に作用することで、肌の保湿につながる知見も得られました。本研究の成果は、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の豆乳乳酸菌発酵飲料「明日のキレイ」や「プルーンBiO」に活用されています。
品質保証分析研究では、価値創造フロンティア研究所品質保証部門と「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の食品安全分析センターとの協働体制を深め、グループワイドに安全・安心な製品をお届けできるよう、新規分析法の開発から定期的な原料・製品の分析を実施しております。
原料研究では、「サスカチュワン大学」と共同で品種開発した北米初のLOXレス大麦「CDC PolarStar」につづき、2014年には「CDC PlatinumStar」をカナダで品種登録しました。おなじく2014年には、「アデレード大学」と共同で開発した豪州初のLOXレス大麦「SouthernStar」の協働契約栽培を豪州で開始し、北海道でも国内初のLOXレス大麦「札育2号」の協働契約栽培を始めました。また、欧州でも共同開発品種を品種登録出願しました。今後は、国内外の広い地域から「旨さ長持ち麦芽」の安定供給を実現し、「サッポロ生ビール黒ラベル」のより一層の高品質化を目指していきます。
ホップでは、優良アロマタイプホップ「ふらのほのか」につづき、2014年にはユニークな香りのホップを新たに3品種登録申請しました。
国内酒類事業の研究開発費の金額は16億円です。
[食品・飲料事業]
「サッポロ飲料社」と「ポッカコーポレーション社」との経営統合により事業開始した「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」は2年目となり、研究開発本部の傘下に、新商品開発や新規素材探索、加工技術、機能性研究を担う中央研究所と味の科学研究を担う味の科学研究所を置き、それぞれお客様においしい「!(ひらめき)」をお届けするための研究開発活動を推進しました。
1.商品開発について
飲料商品では、統合後初のブランドとなる「GREEN SHOWER」を発売しました。当商品は爽やかで心地よいグリーンの香りの無糖炭酸水で、特長であるグリーンの香りには、「サッポロビール社」が2010年に品種登録したホップ「フラノビューティ」の香りを再現したフレーバーを使用しました。パッケージやコンセプト等を組み立てていく過程で調査を繰り返し、くつろぎやリラックス、リフレッシュの炭酸水というコンセプトで商品化しました。
また、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の強みであるレモンのおいしさと健康感を活かした飲料の「キレートレモン」ブランドでは、基幹商品の「キレートレモン」において、2001年の発売以来初めてとなる大きなリニューアルを9月に実施しました。美味しい酸っぱさを強化し、ビタミンCも1350mgに増量することで機能性ドリンクとしてさらに進化させました。また、夏場の熱中症対策飲料として「キレートレモン」ブランドから「キレートレモン ソルティスパークリング」を発売し、季節トレンドに合わせた商品開発を行いました。
スープ食品では、基幹ブランドである「じっくりコトコト」シリーズにおいて、具だくさんで食べ応えのある個食タイプを、コーン、クラムチャウダー、ビスクの3品で発売しました。「じっくりコトコト こんがりパン」シリーズは定番のフレーバーを基軸に、季節にあわせたフレーバーを随時商品化しました。
レモン食品では、「ポッカレモン100」シリーズが名古屋工場第三工場の本格稼働により品質向上を図りました。瓶タイプにおいては使いきりしやすい120mlサイズを投入し、また70mlサイズのプラボトルは適度な柔らかさで中身を出しやすくし、キャップもヒンジキャップへと変更する等、「ポッカレモン100」シリーズを2月にフルリニューアルしました。また、どこでも手軽にレモン果汁を味わっていただけるよう、常温で持ち運びができることをコンセプトとした10%レモン果汁入り飲料「ポッカレモンLemotte」を開発し、発売しました。
新規カテゴリーでは、介護関連の食品として、排泄介助の際の気苦労を軽減する粉末茶「少臭麗茶」や、粉末スープの技術を活かした栄養サポートスープ「メディッシュスープ」を開発し、発売しました。
2.研究開発について
『飲料、食品技術開発』
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の中央研究所では、コーヒー等の飲料やレモン、スープ等の食品の中身設計や容器開発、素材の探索等商品の高付加価値に繋がる研究や、新たな価値を提供する素材の探索・機能性研究、製造加工技術、分析技術研究等幅広い領域の研究活動に取り組みました。
機能性研究の分野では、8月の日本食品科学工学会第61回大会において「塩JOYサポート」のヒトにおける熱中症予防の効果として「電解質飲料の事前摂取が暑熱暴露時の心臓負荷へ与える影響」を発表しました。
製造加工技術の研究では、「トウモロコシ澱粉の流動層造粒工程の解析-バインダ供給速度および噴霧圧が流動含水率および顆粒の成長に及ぼす影響」日本食品工学会誌,vol.13,No.4,pp127-136(2012)、「水蒸気-水二層バインダによる流動層造粒における加水量削減技術の開発」日本食品工学会誌,vol.15,No.1,pp25-35(2014)の論文、及び「造粒方法及び造粒装置」(特許登録番号5019661)の特許に対して、8月の日本食品工学会第15回大会において「産学連携賞」を受賞しました。
製造加工技術研究からの発展として、「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構」及び「フロンティアエンジニアリング社」と共同で開発した交流高電界殺菌技術を「ポッカレモン100」製造ラインへ業界で初めて実用化し、新製品の製造を開始しました。
また、交流高電界殺菌技術が「ポッカレモン100」シリーズに及ぼす風味向上の有効性について9月の第57回果汁技術研究発表会及び10月の第24回清涼飲料研究会にて発表しました。
なお、この交流高電界殺菌技術に対して日本農芸化学会より評価され、2015年度「農芸化学技術賞」の受賞が決定しました。
分析技術面では、残留農薬の迅速、簡易な分析手法に取組み、その内容を12月の第108回日本食品衛生学会学術講演会において「QuEChERS抽出法(※)と固相精製を用いた茶の残留農薬分析の検討」として発表いたしました。
『 味(おいしさ)の科学 』
「ポッカサッポロフード&ビバレッジ社」の味の科学研究所では、味・香り(おいしさ)を科学的に評価するという目標のもと、官能評価や機器分析を用いた定量化の研究を進め、その成果を商品の味・香り(おいしさ)の評価に活かし、より魅力的な商品作りに繋げています。さらにサッポログループ各社の研究開発部門と連携し、広く商品価値を定量評価し、より一層お客様にご満足いただける商品の開発を進めて参ります。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は9億円です。
(※)QuEChERS抽出法:Quick(迅速)、Easy(簡単)、Cheap(安価)、Effective(効果的)、Rugged(堅牢性)、Safe(安全)の頭文字を合わせたもの。残留農薬を短時間で分析するために開発され、欧米を初め日本でも広く採用されている分析方法。
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