有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005AMX
北浜キャピタルパートナーズ株式会社 事業等のリスク (2015年3月期)
対処すべき課題メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また発生した場合には的確な対応に努めていく所存であります。なお、本文中における将来に関する事項は、2015年3月31日現在において当社グループが判断したものであります。
A.当社グループの事業について
(a)経済環境・不動産市況が悪化する可能性について
当社グループの事業領域の柱の一つである金融市場につきましては、世界的な金融・経済危機の後、日本国内における経済の基礎的条件(株価や企業収益等)は順調に回復してきているものの、中国及び新興国における経済成長の減速、中東諸国における政情不安、EU諸国における経済不安により世界的な金融・経済不安が再発した場合、当社グループの投資活動ならびに当社グループが組成・運用する私募ファンド等の投資家及びノンリコースローンの出し手である金融機関の対応が停滞する可能性があり、当社グループの収益が圧迫されるおそれがあります。
また、当社グループにおいて、不動産市況の動向は大きな影響を持つ経済指標のひとつとなっております。当社グループでは不動産市況の影響を極力軽減すべく、市況の動きに注意を払うとともに、投資対象の多様化を図っておりますが、不動産市況が当社グループの予測を超え、当初想定した以上に資産価値が下落する事態となった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(b)大規模災害について
台風、津波、洪水、地震等の大規模自然災害の影響が、当社グループが保有する不動産、アセットマネージャーとして運用管理する不動産及び当社グループが保有している投資資産に及んだ場合には、各々の資産価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(c)借入金について
当社グループが管理・運用するSPCは、金融機関からのノンリコースローンにより資金を調達する場合があります。従来、当社グループのファイナンスアレンジメントによりノンリコースローンを調達する場合は、通常、固定金利にて調達を行っており、金利の上昇によるファンドパフォーマンスへの影響は排除しておりましたが、今後、当社グループが新規のSPC組成にあたって、ノンリコースローンにより資金調達する場合、金利上昇による支払利息の増加に伴い、SPCの収益等に影響を与えることにより、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が、自己勘定により不動産を取得する際には、金融機関からの借入れにより資金調達を行っております。当社の保有する不動産は、概ね借入金の金利等のコスト負担を上回る収益を上げておりますが、今後、当社グループが当初想定した以上の金利上昇局面が訪れ、不動産から得られる収益が低下した場合、借入金の返済が困難となる可能性があります。
(d)出資・貸付について
当社グループは、SPCへノンリコースローンに返済が劣後する匿名組合出資・投資事業有限責任組合出資、または貸付を行う場合があります。また、営業上の目的で事業会社へ出資または貸付を行う場合もあります。当該出資・貸付は、当社グループによる緻密なデュー・ディリジェンスに基づき行っておりますが、通常の販売債権等に比して信用リスクが高いと考えられていることや、出資・貸付先の財務状態の悪化等があった場合、投下資本等の回収が困難となることから、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(e)競合
当社が登録している第二種金融商品取引業において、競合他社との比較において相対的に魅力が低下した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(f)税務・会計制度について
不動産の流動化・証券化取引は、世界的な金融・経済危機により、その取引に係る税務・会計上の法規や基準等の制度は細部に至って規制が強化されております。当社グループでは、個別案件の取組に際し、取引に係る税務・会計上の処理及びスキームが及ぼす影響について、都度、税理士・公認会計士等の専門家とともに慎重な検討・判断を行っております。しかしながら、今後、取引に係る税務・会計制度が新たに制定された場合や現行法規等の解釈に変化が生じた場合には、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(g)ノンリコースローンにかかる補償のリスクについて
当社グループがアレンジメント及びアセットマネージメント業務を行うSPCが不動産を取得する場合、当該SPCは金融機関からノンリコースローンにより資金を調達する場合があります。
SPCがノンリコースローンにより資金を調達する際、当該SPC及びアセットマネージャー等借入側関係者による詐欺行為や故意・重過失による不法行為、環境に関する法令や危険物規制に関する法令の違反等、貸付人の要求する一定の事態が生じた場合、かかる事態より発生した貸付人の損害等を当社グループが補償するとした内容文書を貸付人へと提出するのが通常です。
上記補償責任は、ローン債務の履行を一般的に保証するものではありませんが、補償対象となる事態の発生により貸付人に損害が発生した場合には、当社グループが補償責任を負い、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(h)連結範囲の変更について
当社グループが管理・運用を行っているファンドは、2006年9月8日付で「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号)が公表されたことに伴い、2015年3月31日現在、北斗第15号投資事業有限責任組合、北斗第18号投資事業有限責任組合及び北斗第19号投資事業有限責任組合を連結対象としております。
また、2011年3月25日付で「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準委員会 企業会計基準第22号)が改正され、特別目的会社が子会社に該当しないという特例の要件が見直されたものの、当社グループ組成のSPCについては引き続き特例の要件を満たすことから子会社には該当しておりません。
しかしながら、今後、上記会計基準の変更等により、上記以外の当社グループ組成のファンド及びSPCが当社グループにより実質的な支配がなされているとみなされた場合には、当該ファンド及びSPCが連結対象となり、当社グループの財務状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(i)収益構造について
当社グループの主たる事業である投資事業、アセットマネージメント事業における主な収益は、当社の保有する不動産の賃料収入及びファンドからの管理フィーであります。今後、保有不動産、ファンド及びSPCの資産規模や運用額が順調に拡大した場合には、当社グループの収益に貢献する一方、当社グループが管理・運用するファンド及びSPCのパフォーマンスが様々な要因により低下することにより、当社グループが管理・運用するファンド及びSPCの評価が低下し、資産規模が順調に拡大しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
B.当社グループの事業体制について
(a)特定個人への依存度について
過年度において当社が行った事業のリストラクチャリングにおいて、当社人員についても削減を行った結果、現在のところ、代表取締役社長を含む特定役職員に対する依存度はより高くなっており、何らかの理由により代表取締役社長を含む特定役職員のうちのいずれかが業務遂行不可能となった場合、当社グループの業績及び今後の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(b)小規模組織であることについて
当社グループは2015年3月31日現在において、従業員29名と組織が小さく、内部管理体制も当該組織規模に応じたものになっております。これまでも事業拡大に伴い人員増強を図って参りましたが、引き続き内部管理体制もそれにあわせて強化・充実させていく予定であります。
しかしながら、採用活動が計画どおり進行しない場合、事業規模に適した組織体制の構築で遅れが生じ、その結果、当社グループの業務遂行及び事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
(c)人材の確保・維持について
当社グループの業務は高度なノウハウを必要とする特殊な業種でありますので、当社グループの成長速度に伴い人材の確保を進めることは、経営上の重要な課題となっております。今後も、事業拡大に伴い積極的に優秀な人材の採用、社内教育は継続していく方針ですが、現在在職している人材が一度に流出するような場合、または当社グループの求める人材が十分に確保できなかった場合、今後の事業拡大及び将来性に影響を及ぼす可能性があります。
C.法的規制について
当社グループが行う事業につきましては、直接的または間接的に以下の法令等による規制を受けております。しかしながら、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、また、当社グループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が取得している以下の許認可(登録)につき、2015年3月31日現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識しておりますが、今後、欠格事由または取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの業務に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(a)当社グループの事業活動に直接的または間接的に関係する主な法的規制
法令等名 | 監督官庁 | 事業へのリスク |
宅地建物取引業法 | 大阪府 | 当社グループが、投資対象不動産を取得・売却する際に宅地建物取引業者として媒介・仲介業務を行う場合や、資産流動化に関する法律に基づき特定目的会社からアセットマネージメント業務を受託する場合には、宅地建物取引業法上の宅地建物取引業者の免許が必要となるため、当社では、宅地建物取引業者の免許を取得しております。 将来何らかの理由で、業務の停止事由、免許の取消事由に該当する問題が発生した場合には、業務停止命令又は免許の取消処分を受ける可能性があります。 |
金融商品取引法 | 近畿財務局 | 有価証券(匿名組合持分、任意組合持分および投資事業有限責任組合持分等)に対する投資家顧客に対し、投資に関する助言または代理を行う場合には、当該業務は、金融商品取引法上の投資助言・代理業に該当するため、当社では、投資助言・代理業の登録を行っております。 同法第2条第2項有価証券の売買を行う場合には、その業務は、同法上の第二種金融商品取引業に該当するため、当社では、第二種金融商品取引業の登録を行っております。 将来何らかの理由で、業務改善命令、業務停止又は登録取消に該当する事由が発生した場合には、業務改善命令、業務停止又は登録取消処分を受ける可能性があります。 |
資産の流動化に関する法律 | 近畿財務局 | 特定目的会社や特定目的信託を用いて資産を保有し、その資産を担保に社債やその他有価証券を発行したり、現物不動産または信託受益権の譲渡等により資産の流動化を行う場合には同法の規制を受け、規制に該当する何らかの問題が発生した場合には、当該業務に支障をきたす可能性があります。 |
投資事業有限責任組合契約に関する法律・有限責任事業組合に関する法律・商法・民法 | 経済産業省 法務省 | 当社が、投資事業有限責任組合契約法上の有限責任組合出資持分、有限責任事業組合契約法上の有限責任組合出資持分、商法上の匿名組合出資持分及び民法上の任意組合出資持分といったみなし有価証券を取り扱う上で同法の規制を受け、規制に該当する何らかの問題が発生した場合には、当該業務に支障をきたす可能性があります。 |
(b)当社グループの得ている免許・登録等
①当社
関係法令 | 対象業務 | 許認可(登録)番号 | 有効期限 |
宅地建物取引業法 | 宅地建物取引業 | 大阪府知事 (2)第51756号 | 2010年9月8日~ 2015年9月7日 |
金融商品取引法 | 第二種金融商品取引業 投資助言・代理 | 近畿財務局 (金商)第361号 | なし |
D.継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において、営業利益6百万円、当期純利益57百万円を計上し、黒字転換しておりますが、経常損益では、38百万円の経常損失を計上しております。当連結会計年度においては、営業損失136百万円、経常損失225百万円、当期純損失265百万円を計上しております。このため、継続的な収益を計上するには至っておりません。
これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループは、当該事象又は状況を改善・解消すべく、以下のとおり、安定した収益の確保、コスト削減、財務基盤の強化及び資金の確保等により安定した経営を図って参ります。
引き続き業務提携先との不動産の流動化事業、仲介及び各種アドバイザリー業務に加え、事業会社及び事業並びに工学技術等を対象とした投資や、更にそこから発展するであろう事業への投資を進めていくことによる新たな収益の獲得を目指し、また、資本参加や業務提携による事業会社とのビジネスマッチング及びコンサルティング事業等を通じて、国内のみならず海外における事業展開による収益の増加を図ります。
さらに、継続して役員報酬の減額や業務提携先との協働をはじめとした業務の効率化を図るなど、安定的な収益に見合った組織体制・コスト構造への転換を一層進めて参ります。
当社グループは、以上の対応策を実行して参りますが、安定した収益の確保には未だ至っておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
対処すべき課題財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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