有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10053CG
野村ホールディングス株式会社 事業等のリスク (2015年3月期)
投資判断をされる前に以下に述べるリスクについて十分にご検討ください。以下に述べるリスクのいずれかが実際に生じた場合、野村のビジネスや財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。その場合、野村の株式の市場価格が下落し、投資家の皆さまが投資額の全部または一部を失う可能性があります。また、以下に述べられたリスク以外にも、現時点では確認できていない追加的なリスクや現在は重要でないと考えられているリスクも野村に影響を与え、皆さまの投資に影響を与える可能性があります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本有価証券報告書提出日(2015年6月25日)現在において判断したものです。
野村のビジネスは日本経済および世界経済の情勢および金融市場の動向により重大な影響を受ける可能性があります
野村のビジネスや収益は、以下のような日本経済および世界経済の情勢ならびに金融市場の動向により影響を受ける可能性があります。例えば、2008年のリーマンショックに端を発した世界的金融危機や、2011年のギリシャをはじめとするユーロ圏の周縁国における財政問題等は、世界の主要な金融市場に対し大きな影響を与えました。
また後述のように、各国の経済情勢や金融市場の動向は、経済的要因だけではなく、戦争、テロ行為、経済・政治制裁、世界的流行病、地政学的リスクの見通しまたは実際に発生した地政学的イベント、あるいは自然災害などによっても影響を受ける可能性があります。
仮に、このような事象が生じた場合、金融市場や経済の低迷が長期化し、野村のビジネスに影響が及ぶとともに、大きな損失が発生する可能性があります。また、金融市場や経済の低迷が長期化しない場合でも、市場のボラティリティの変化、野村がビジネスを行う国・地域における政府・金融当局による財政および金融政策(例として日本銀行による金融政策)についての変更など、環境の変化が野村のビジネス、財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、野村のビジネス・業務運営に影響を与える金融市場や経済情勢に関するリスクには以下のものが含まれます。
野村の仲介手数料やアセット・マネジメント業務からの収入が減少する可能性があります
金融市場や経済情勢が低迷すると、野村が顧客のために仲介する証券取引の取扱高が減少するため、仲介業務にかかる収入が減少する可能性があります。また、アセット・マネジメント業務については、多くの場合、野村は顧客のポートフォリオを管理することで手数料を得ており、その手数料額はポートフォリオの価値に基づいています。したがって、市場の低迷によって、顧客のポートフォリオの価値が下がり、解約等の増加や新規投資の減少が生じることによって、野村がアセット・マネジメント業務から得ている収入も減少する可能性があります。
野村の投資銀行業務からの収入が減少する可能性があります
金融市場や経済情勢の変動によって、野村の行う引受業務や財務アドバイザリー業務などの投資銀行業務における案件の数や規模が変化する可能性があります。これらの業務の手数料をはじめとして、投資銀行業務からの収入は、野村が取り扱う案件の数や規模により直接影響を受けるため、野村の投資銀行業務および当該業務における顧客等に好ましくない形で経済または市場が変動した場合には、これらの収入が減少する可能性があります。例えば、2011年には欧州の財政危機の深刻化および長期化により資金調達活動が低下したことを一因として、野村の2012年3月期および2013年3月期のインベストメント・バンキング収益合計(金融費用控除後)は前年比でそれぞれ15.9%減および15.0%減となりました。
野村の電子取引業務からの収入が減少する可能性があります
電子取引システムは、野村のビジネスにとって、少ないリソースで効率的に迅速な取引を執行するために必要不可欠なシステムです。これらのシステムを利用することにより、取引所またはその他の電子取引市場を介して効率的な執行プラットフォームおよびオンライン・コンテンツやツールを顧客に提供することが可能となります。取引手数料やスプレッド等を含むこれらの電子取引業務からの収入は、野村が取り扱う案件の数や規模により直接影響を受けるため、金融市場や経済情勢が変動した結果、顧客の取引頻度の低下または取引額の低下が生じた場合にはこれらの収入が減少する可能性があります。また、さまざまなキャピタルマーケット商品における電子取引の利用が増加しており、野村の電子取引業務の競争が激化することで、取引手数料やスプレッドに対する低下圧力が高まっております。電子取引により取引量は今後増加する可能性がありますが、取引手数料の低下を補填するほど十分でない場合は、野村の収入が減少する可能性があります。野村は今後も効率的な取引プラットフォームの提供に関する技術開発投資を続けていく予定ですが、電子取引の手数料の値下げ圧力が高まった場合には、当該投資から生み出される収益を最大限に確保できない可能性があります。
トレーディングや投資活動から大きな損失を被る可能性があります
野村は自己売買および顧客取引のために、債券市場や株式市場等で大きなトレーディング・ポジションと投資ポジションを保有しております。野村のポジションはさまざまな種類の資産によって構成されており、その中には株式、金利、通貨、クレジットなどのデリバティブ取引、さらに貸付債権、リバース・レポおよび不動産も含まれます。これらの資産が取引される市場の変動は、当該資産の価値に影響を与える場合があります。野村が資産を保有している場合(すなわちロング・ポジション)、これらの資産の価格が下落すると、野村が損失を被る可能性があります。また、野村が資産を保有せずに売却した場合(すなわちショート・ポジション)、それらの資産の価格が上昇すると、潜在的には重大な損失に晒される可能性があります。そのため、野村はさまざまなヘッジ手法を用いてポジションリスクの軽減に努めていますが、それでも資産の価格変動により、損失を被る可能性があります。また、金融市場や経済情勢が急激に変化するような場合には、金融システム全体に過度のストレスがかかり、市場が野村の予測していない動きをすることにより、野村は損失を被る可能性があります。
野村のビジネスは市場のボラティリティ水準の変化の影響を既に受けているか、または、将来、受ける可能性があります。野村のトレーディングビジネスの一部であるトレーディングや裁定取引の機会は市場のボラティリティの変化により作り出されます。したがって、ボラティリティが低下した場合、取引機会が減少し、これらのビジネスの結果に影響を与える可能性があります。一方、ボラティリティが上昇した場合は、トレーディング量やスプレッドを増加させることがありますが、これによりバリュー・アット・リスク(VaR)で計測されるリスク量が上昇し、野村はマーケットメイキングや自己勘定投資に伴って高いリスクに晒され、またはVaRの増加を避けるためにこれらのビジネスのポジションまたは取引量を減らすことがあります。
さらに野村は、資本市場における取引を円滑に進めるために、引受業務やトレーディング業務に伴い比較的大きなポジションを保有することがあります。また、野村が投資商品の開発を目的としてパイロット・ファンドを設定してポジションを保有し、投資商品の設定・維持を目的としてシード・マネーに出資を行うことがあります。野村は市場価格の変動によりこれらのポジションから大きな損失を被る可能性があります。
加えて、野村が担保を提供する取引においては、担保資産の価値の大幅な下落や、野村の格付の低下をはじめとした信用力の低下が発生した場合は、追加担保を必要とするなど取引コストの上昇および収益性の低下を招く可能性があります。一方、担保の提供を受ける取引においては、資産価値の下落が顧客取引の減少につながり、それに伴う収益性の低下を招く可能性があります。2015年3月31日現在、1ノッチないし2ノッチの格下げがあり、それ以外の変化はなかったと想定した場合、当社が、デリバティブ契約に関連して、追加担保提供を求められる見積もり合計額は、それぞれ約152億円と約394億円です。
証券やその他の資産に大口かつ集中的なポジションを保有することによって、野村は大きな損失を被る可能性があります
マーケット・メイク、ブロックトレード、引受業務、証券化商品の組成、第三者割当による新株予約権付社債等の買い取り業務、または、顧客ニーズに対応した各種ソリューション・ビジネス等においては、特定の資産を大口かつ集中的に保有することがあり、大きな損失を被る可能性があります。野村は多額の資金をこれらのビジネスに投じており、その結果、しばしば特定の発行者または特定の業界、国もしくは地域の発行者が発行する証券または資産に大口のポジションを保有することがあります。野村は、一般に、商業銀行、ブローカー・ディーラー、清算機関、取引所および投資会社といった金融サービス業に携わる発行者に対するエクスポージャーが大きくなる傾向があります。また、顧客や取引先とのビジネスにより、特定の国や地域の発行者が発行する証券を保有する場合があります。加えて、住宅および商業用不動産ローン担保証券などの資産担保証券についても、市場価格が変動すると、野村は大きな損失を被る可能性があります。
市場低迷の長期化が流動性を低下させ、大きな損失が生じる可能性があります
市場低迷が長期化すると、野村の業務に関連する市場において取引量が減少し、流動性が低下します。この結果、当該市場において、野村は、自己の保有する資産を売却またはヘッジすることが困難になるほか、当該資産の市場価格が形成されず、自己の保有する資産の時価を認識できない可能性があります。特に店頭デリバティブ等においてはポジションのすべてを適切に解消し、またはヘッジすることができない場合に大きな損失を被る可能性があります。さらに、市場の流動性が低下し、自己の保有するポジションの市場価格が形成されない場合、予期しない損失を生じることがあります。
ヘッジ戦略により損失を回避できない場合があります
野村はさまざまな方法や戦略を用い、多様な種類のリスクに対するエクスポージャーをヘッジしています。ヘッジ戦略が効果的に機能しない場合、野村は損失を被る可能性があります。野村のヘッジ戦略の多くは過去の取引パターンや相関性に根拠を置いています。例えば、ある資産を保有する場合は、それまでその資産の価値の変化を相殺する方向に価格が動いていた資産を保有することでヘッジを行っています。しかし野村は、さまざまな市場環境においてあらゆる種類のリスクに晒されており、過去の金融危機の際に見られたように、過去の取引パターンや相関性が維持されず、これらのヘッジ戦略が必ずしも十分に効果を発揮しない可能性があります。
野村のリスク管理方針や手続が市場リスクの管理において十分に効果を発揮しない場合があります
リスクの特定、モニターおよび管理を行うための野村の方針や手続が十分な効果を発揮しない場合があります。例えば、野村のリスク管理方法の一部は過去の金融市場におけるデータの動きに基づいて設計、構築されていますが、将来の金融市場における個々のデータの振る舞いは、過去に観察されたものと同じであるとは限りません。その結果、将来のリスク・エクスポージャーが想定を超えて、大きな損失を被る可能性があります。また、野村が使用しているリスク管理方法は、市場、顧客等に関する公表情報または野村が入手可能な情報の評価をよりどころとしています。これらの情報が正確、完全、最新なものではなく、あるいは正しく評価されていない場合には、野村は、リスクを適切に評価できず、大きな損失を被る可能性があります。加えて、市場の変動などにより野村の評価モデルが市場と整合しなくなり、適正な評価やリスク管理が行えなくなる可能性があります。
市場リスクによって、その他のリスクが増加する可能性があります
前述の野村のビジネスに影響を与えうる可能性に加え、市場リスクがその他のリスクを増幅させる可能性があります。例えば、金融工学や金融イノベーションを用いて開発された金融商品に内在する諸リスクは市場リスクによって増幅されることがあります。
また、野村が市場リスクによりトレーディングで大きな損失を被った場合、野村の流動性ニーズが急激に高まる可能性があり、一方で、野村の信用リスクが市場で警戒され、資金の調達が困難になる可能性があります。
さらに、市場環境が悪化している場合に、野村の顧客や取引相手が大きな損失を被り、その財政状態が悪化した場合には、これらの顧客や取引相手に対する信用リスクのエクスポージャーが増加する可能性があります。
連結財務諸表に計上されているのれんおよび有形・無形資産にかかる減損が認識される可能性があります
野村は、事業の拡大等のため、企業の株式などを取得し、または企業グループの一部の事業を承継しており、野村が適切と判断した場合にはこれらを継続して行う見込みです。このような取得や承継は、米国会計原則に基づき、野村の連結財務諸表において、企業結合として認識され、取得価額は資産と負債に配分され、差額はのれんとしています。また、その他にも有形・無形資産を所有しております。
これらの企業結合などにより認識されたのれんおよび有形・無形資産に対して減損損失やその後の取引に伴う損益が認識される可能性があります。その場合、野村の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。例えば、野村は、2014年3月期および2015年3月期において、それぞれ2,840百万円と3,188百万円ののれんの減損を認識しております。
資金流動性リスクの顕在化によって野村の資金調達能力が損なわれ、野村の財政状態が悪化する可能性があります
資金流動性、すなわち必要な資金の確保は、野村のビジネスにとって極めて重要です。野村では、資金流動性リスクを市況の低迷等に伴う業績の悪化等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクと定義しております。即時に利用できるキャッシュ・ポジションを確保しておくことに加え、野村は、レポ取引や有価証券貸借取引、長期借入金の利用や長期社債の発行、コマーシャル・ペーパーのような短期資金調達先の分散、流動性の高いポートフォリオの構築などの方法によって十分な資金流動性の確保に努めています。しかし、野村は一定の環境の下で資金流動性の低下に晒されるリスクを負っています。
その内容は以下のとおりです。
野村が無担保あるいは有担保での資金調達ができなくなる場合があります
野村は、借り換えも含めた日常の資金調達において、短期金融市場や債券発行市場での債券発行、銀行からの借入といった無担保資金調達を継続的に行っています。また、トレーディング業務のための資金調達活動として、レポ取引や有価証券貸借取引といった有担保資金調達を行っています。これらの資金調達ができない場合、あるいは通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる場合、野村の資金流動性は大きく損なわれる可能性があります。例えば、野村の短期または中長期の財政状態に対する評価を理由に、資金の出し手が資金提供を拒絶する可能性があるのは、次のような場合です。
・多額のトレーディング損失
・市場の低迷に伴う野村の営業活動水準の低下
・規制当局による行政処分
・信用格付けの低下
上記に加え、資金の出し手側の貸付余力の低下、金融市場やクレジット市場における混乱、投資銀行業や証券ブローカレッジ業、その他広く金融サービス業全般に対する否定的な見通し、日本の国家財政の健全性に対する市場の否定的な見方など、野村に固有でない要因によって、野村の資金調達が困難になることもあります。
野村が資産を売却できなくなる可能性があります
野村が資金を調達できない、もしくは資金流動性残高が大幅に減少するなどの場合、野村は期限が到来する債務を履行するために資産を売却するなどの手段を講じなければなりません。市場環境が不安定で不透明な場合には、市場全体の流動性が低下している可能性があります。このような場合、野村は資産を売却することができなくなる可能性や資産を低い価格で売却しなければならなくなる可能性があり、結果的に野村の経営成績や財政状態に影響を与える場合があります。また、他の市場参加者が同種の資産を同時期に市場で売却しようとしている場合には、野村の資産売却に影響を及ぼすことがあります。
信用格付の低下により、野村の資金調達能力が損なわれる可能性があります
野村の資金調達は、信用格付に大きく左右されます。格付機関は野村の格付けの引下げや取消しを行い、または格下げの可能性ありとして「クレジット・ウォッチ」に掲載することがあります。将来格下げがあった場合、野村の資金調達コストが上昇する可能性や、資金調達自体が制約される可能性があります。その結果、野村の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、日本の国家財政の健全性に対する市場の否定的な見方といった、野村に固有でない要因によっても、野村の資金調達が困難になることもあります。
市場リスクや資金流動性リスクだけではなく、イベント・リスクも野村のトレーディング資産や投資資産に損失を生じさせる可能性があります
イベント・リスクとは、事前に予測不能な出来事によりマーケットに急激な変動がもたらされた場合に発生する潜在的な損失をいいます。これらには、2001年9月11日の米国同時多発テロ、2007年以降の米国サブプライム問題、2008年秋の金融危機、2011年3月の東日本大震災、2011年に顕在化した米国や欧州諸国における財政問題、および2013年後半に発生したウクライナ問題などの社会的に重大な事象のほか、より個別具体的に野村のトレーディング資産や投資資産に損失を生じさせるおそれのある、次のような出来事が含まれます。
・主要格付機関による、野村のトレーディング資産や投資資産に関する信用格付の突然かつ大幅な格下げ
・野村のトレーディング戦略を陳腐化させ、競争力を低下させ、または実行不能にするような、トレーディング、税務、会計、金融規制、法律その他関連規則の突然の変更
・野村が関与する取引が予測不能な事由により遂行されないために野村が受取るべき対価を受取れないこと、または野村がトレーディングもしくは投資資産として保有する有価証券の発行会社の倒産や詐欺的行為もしくはこれらに対する行政処分等
野村に債務を負担する第三者がその債務を履行しない結果、損失を被る可能性があります
野村の取引先は、ローンやローン・コミットメントに加え、その他偶発債務、デリバティブなどの取引や契約により、野村に対して債務を負担することがあります。これら取引先が法的整理手続きの申請、信用力の低下、流動性の欠如、人為的な事務手続き上の過誤、政治的・経済的事象による制約など、さまざまな理由で債務不履行に陥った場合、野村は大きな損失を被る可能性があります。
信用リスクは、次のような場合からも生じます。
・第三者が発行する証券の保有
・証券、先物、通貨またはデリバティブの取引において、クレジット・デフォルト・スワップの取引相手であるモノライン(金融保証会社)など野村の取引相手に債務不履行が生じた場合や、決済機関、取引所、清算機関その他金融インフラストラクチャーのシステム障害により所定の期日に決済ができない場合
第三者の信用リスクに関連した問題には次のものが含まれます。
大手金融機関の破綻が金融市場全般に影響を与え、野村に影響を及ぼす可能性があります
多くの金融機関の経営健全性は、与信、トレーディング、清算・決済など、金融機関間の取引を通じて密接に連関しています。その結果、ある特定の金融機関に関する信用懸念や債務不履行が、他の金融機関の重大な流動性問題や損失、債務不履行を引き起こし、決済・清算機関、銀行、証券会社、取引所といった、野村が日々取引を行っている金融仲介機関にも影響を及ぼす可能性があります。また将来発生しうる債務不履行や債務不履行懸念の高まり、その他類似の事象が、金融市場や野村に影響を及ぼす可能性があります。国内外を問わず、主要な金融機関が流動性の問題や支払能力の危機に直面した場合、野村の資金調達にも影響を及ぼす可能性があります。
野村の信用リスクに関する情報の正確性や信用リスクの軽減のために受け入れている担保が十分であるという保証はありません
野村は信用に懸念のある顧客や取引相手、特定の国や地域に対するクレジットエクスポージャーを定期的に見直しています。しかし、債務不履行が発生するリスクは、粉飾決算や詐欺行為のように発見が難しい事象や状況から生じる場合があります。また、野村が取引相手のリスクに関し、すべての情報を手に入れることができない可能性があります。さらに、野村が担保提供を条件として与信をしている場合に、当該担保の市場価格が急激に下落すると、担保価値が減少し、担保不足に陥る可能性があります。
野村の顧客や取引相手が政治的・経済的理由から野村に対する債務を履行できない可能性があります
カントリー・リスクや地域特有のリスク、政治的リスクは、市場リスクのみならず、信用リスクに影響を与える可能性があります。現地市場における混乱や通貨危機のように、ある国または地域における政治的・経済的問題はその国や地域の顧客・取引相手の信用力や外貨調達力に影響を与え、結果として野村に対する債務の履行に影響を与える可能性があります。
金融業界は激しい競争に晒されています
野村のビジネスは激しい競争に晒されており、この状況は今後も続くことが予想されます。野村は、取引執行能力や商品・サービス、イノベーション、評判(レピュテーション)、価格など多くの要因において競争しており、特に、仲介業務、引受業務などで激しい価格競争に直面しています。
商業銀行、大手銀行の系列証券会社や外資系証券会社との競争が激化しています
1990年代後半から、日本の金融業界では規制緩和が進みました。2004年12月1日から施行されている証券取引法の改正(2007年9月30日より金融商品取引法に改称)により、銀行およびその他の金融機関がブローカレッジ業務に参入可能となりました。また、2009年6月1日から施行されている金融商品取引法の改正により、商業銀行と証券会社間のファイアーウォール規制が緩和され、競合他社は関係のある商業銀行とより密接に協業することができるようになり、銀行やその他の金融機関は、規制緩和前に比較して、資金調達や投資信託の分野において競争力を増しています。とりわけ、日本の大手商業銀行の系列証券会社や外資系証券会社は、セールス・トレーディング、投資銀行業務、リテールビジネスの分野において、野村のシェアに影響を及ぼしています。
金融業界の統合・再編、各種業務提携や連携の進展により競争が激化しています
金融業界における金融機関同士の統合・再編が進み、大手の商業銀行、その他幅広い業容を持つ金融機関が、その傘下に証券業を有することとなっています。近年では大手金融グループが銀行および証券会社の連携をより一層強化し、ローン、預金、保険、証券ブローカレッジ業務、資産運用業務、投資銀行業務など、グループ内での幅広い種類の商品・サービスの提供を進めており、これら金融機関グループの競争力が野村に対し相対的に高まる可能性があります。これら金融機関グループは、市場シェアを獲得するために、商業銀行業務その他金融サービスの収入により投資銀行業務や証券ブローカレッジ業務を補う可能性があります。また、グループの垣根を越えた商業銀行と証券業との提携等も進むなど、これらの金融機関グループの事業拡大や提携等による収益力の向上などにより、野村の市場シェアが低下する可能性があります。
海外の競合他社との競争や経営資源配分の適正化の不結実により、野村のグローバルな経営戦略が功を奏しない可能性があります
海外には多くのビジネスの機会およびそれに伴う競争が存在します。野村は、これらのビジネス機会を有効に活用するため、米国、欧州、アジアなどの重要な海外市場において競合金融機関と競争しています。このような競争に向けて、野村は海外ビジネスの強化のため、2008年にリーマン・ブラザーズの欧州、中東の一部の事業およびアジアの事業を承継し、またそれらの地域および米国において業務の再構築と拡大を行うために多大な経営資源を投資してきました。しかしながら、その後、世界経済が低迷し、金融規制および監督の強化が進展する等の環境変化が生じています。野村は、厳しい環境に対応するため、経営資源配分の適正化および効率性を追求し、収益性の向上に努めています。このような取組みについて十分な効果が得られなかった場合は、野村のビジネス、財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。
野村のビジネスは、重大なリーガル・リスク、規制上のリスクおよびレピュテーション・リスクに影響される可能性があります
野村が重大な法的責任を負うことまたは野村に対する行政処分がなされることにより、財務上の影響を受け、または野村のレピュテーションが低下し、その結果、ビジネスの見通し、財務状況や経営成績に悪影響を与える可能性があります。また、野村や野村が業務を行う市場に適用される規制に重要な変更がなされた場合、これが野村のビジネスに影響を与える可能性があります。
野村はさまざまな法的責任を負う可能性があります
野村は、ビジネスにおいてさまざまなリーガル・リスクに晒されています。これらのリスクには、金融商品取引法およびその他の法令における有価証券の引受けおよび勧誘に関する責任、有価証券その他金融商品の売買から生じる責任、複雑な取引条件に関する紛争、野村との取引にかかる契約の有効性をめぐる紛争ならびにその他の業務に関する法的賠償請求等が含まれます。
市場の低迷の長期化または市場に重大な影響を与えるイベントの発生により、野村に対する請求が増加することが予想され、また、重大な訴訟を提起されることもありえます。これらの訴訟費用は高額にのぼる可能性もあり、訴訟により野村のレピュテーションが悪化する可能性もあります。さらに、違法行為にあたると断定できない場合であっても、その取引手法によっては社会的非難の対象となってしまう場合もあります。これらのリスクの査定や数量化は困難であり、リスクの存在およびその規模が認識されない状況が相当期間続く可能性もあります。野村に対する主な訴訟その他の法的手続きについては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]20 コミットメント、偶発事象および債務保証」をご参照ください。
野村に適用のあるさまざまな規制により業務が制限され、また行政処分等や損失を受ける可能性があります
金融業界は広範な規制を受けています。野村は、国内において政府機関や自主規制機関の規制を受けるとともに、海外においては業務を行っているそれぞれの国の規制を受けています。また、野村のビジネスの拡大とともに、適用される政府機関や自主規制機関の規制も増加する可能性があります。さらに、金融規制の体系の複雑化が進み、ある一国の規制が、当該国以外の活動に域外適用される可能性も増加しています。これらの規制は、広く金融システムの安定や金融市場・金融機関の健全性の確保、野村の顧客および野村と取引を行う第三者の保護等を目的としており、自己資本規制、顧客保護規制、市場行動規範などを通じて野村の活動を制限することがあります。この他、従来の金融関連法制に加え、広く国際的な政治経済環境や政府当局の規制・法執行方針等によっても、野村のビジネスに適用・影響する法令諸規制の範囲が拡大する可能性があります。また、野村は法令諸規制を遵守するための対策を講じておりますが、法令諸規制に抵触することを完全には防ぐことができない可能性があり、仮に法令違反等が発生した場合には、罰金、一部の業務の停止、社内管理態勢の改善等にかかる命令、もしくは営業認可の取消しなどの処分を受ける可能性があります。野村が行政上の処分または司法上の決定・判決等を受けた場合、野村のレピュテーションが悪化する可能性があります。また、それらの処分により、顧客、特に公的機関が野村との金融取引を行わない決定をした場合は、たとえ命令等の処分が解除された後であっても、一定期間、野村がビジネスの機会を喪失する可能性があります。
金融システム・金融セクターに対する規制強化の進行が、野村のビジネス、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります
野村のビジネスに適用される規制が導入・改正・撤廃される場合、野村は、直接またはその結果生じる市場環境の変化を通じて影響を受けることがあります。規制の導入・改正・撤廃により、野村の全部または一部の事業を継続することの経済合理性がなくなる可能性、もしくは規制の対応に膨大な費用が生じる可能性があります。
特に米国におけるドッド・フランク法や欧州連合・英国における各種の金融規制強化策など、さまざまな金融規制改革が進行しています。これらの制度改正の詳細および野村への影響は、政府・監督機関により策定される最終的な規制によります。
加えて、野村に適用される会計基準や自己資本比率・流動性比率・レバレッジ比率等に関する規制の変更が、野村のビジネス、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。バーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委員会」)によるバーゼルⅢと呼ばれる規制パッケージを始めとして、新たな規制の導入または既存の規制の強化が、G-20、金融安定理事会(以下「FSB」)、証券監督者国際機構(以下「IOSCO」)、バーゼル委員会等の国際組織あるいは野村が業務を行う各国の政府機関や自主規制機関によって検討または決定されております。これらの規制が野村に適用される場合、野村の資金調達コストが上昇する、あるいは野村のビジネス、資金調達活動や野村の株主の利益に影響を及ぼすような資産売却、資本増強もしくは野村のビジネスの制限を行わなければならない可能性があります。なお、金融当局が認定するグローバルにシステム上重要な銀行(以下「G-SIBs」)の対象およびG-SIBsに対する追加的な自己資本規制等は、FSBおよびバーゼル委員会により毎年見直されております。さらに、G-20首脳会合は、G-SIBsの枠組を国内のシステム上重要な銀行(以下「D-SIBs」)まで拡張するようFSBおよびバーゼル委員会に対して要請し、2012年10月、バーゼル委員会は、D-SIBs に関する評価手法およびより高い損失吸収力の要件に関する一連の原則を策定し、公表しました。FSBおよびIOSCOによる銀行・保険会社以外のグローバルなシステム上重要な金融機関(以下「NBNI G-SIFIs」)の選定方法についても協議がなされております。今後当社がG-SIBs、D-SIBsもしくはNBNI G-SIFIsの対象となる場合、上記のコスト負担や影響が加重される可能性があります。
経営状況、法的規制の変更などにより、繰延税金資産の計上額の見直しが行われ、野村の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります
野村は、一定の条件の下で、将来における税金負担額の軽減効果を有すると見込まれる額を繰延税金資産として連結貸借対照表に計上しております。今後、経営状況の悪化、法人税率の引下げ等の税制改正、会計原則の変更などその回収可能性に変動が生じる場合には、野村の連結貸借対照表に計上する繰延税金資産を減額する可能性があります。その結果、野村の経営成績および財政状態に影響が生じる可能性があります。繰延税金資産の内訳につきましては「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1) [連結財務諸表][連結財務諸表注記]15 法人所得税等」をご参照ください。
役職員または第三者による不正行為や詐欺により、野村のビジネスに影響が及ぶ可能性があります
野村は、役職員または第三者による不正行為というリスクに晒されています。野村の役職員が、上限額を超えた取引、限度を超えたリスクの負担、権限外の取引や損失の生じた取引の隠蔽等の不正行為を行うことにより、野村のビジネスに影響を及ぼす可能性があります。また、不正行為には、インサイダー取引、情報伝達行為や取引推奨行為等の役職員または第三者による非公開情報の不適切な使用・漏洩も含まれ、その結果、野村が行政処分を受け、もしくは法的責任を負う可能性、または野村のレピュテーションや財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2012年8月、当社子会社である野村證券株式会社(「野村證券」)は、公募増資案件にかかる法人関係情報に関する管理態勢に不備が認められた等として、金融庁から業務改善命令を受けました。これに対して、野村證券は改善策を策定し、同年12月末までにすべての施策を実施しており、再発防止に向けて内部管理態勢の一層の強化・充実に取り組んでいます。
野村は、不正行為を防止または発見するための対策を講じていますが、これらの対策により役職員による不正行為を常に防止または発見できるとは限らず、また、不正行為の防止・発見のために取っている予防措置がすべての場合に効果を発揮するとは限りません。そのような不正行為の結果として野村に対する行政上の処分または司法上の決定・判決等が行われれば、野村は一定期間、ビジネスの機会を喪失する可能性があり、また、顧客、特に公的機関が野村との取引を行わない決定をした場合は、たとえ処分等が解除された後であっても、ビジネスの機会を喪失する可能性があります。
また、野村は、第三者が行う詐欺的行為に直接または間接に巻き込まれる可能性があります。野村は、投資、融資、保証、その他あらゆる種類のコミットメントを含め、幅広いビジネス分野で多くの第三者と日々取引を行っているため、こうした第三者による詐欺や不正行為を防止し、発見することが困難な場合があります。
これらによる損失が多額になる可能性があり、また野村に対する信頼が損なわれるおそれもあります。
不適切な利益相反の処理または特定により、野村に影響を及ぼす可能性があります
野村は、多様な商品およびサービスを個人、企業、他の金融機関および政府機関を含む幅広い顧客に対して提供するグローバルな金融機関です。それに伴い、野村の日々の業務において利益相反が発生するおそれがあります。利益相反は、特定の顧客へのサービスの提供が野村の利益と競合・対立する、または競合・対立するとみなされることにより発生します。また、適切な非公開情報の遮断措置または共有がされていない場合、グループ内で行われる複数の取引について、特定の顧客との取引とグループ各社の取引または他の顧客との取引が競合・対立する、または競合・対立するとみなされることにより利益相反が発生するおそれがあります。野村は利益相反を処理および特定するための利益相反管理体制を整備していますが、適切に対処、特定または開示することができなかった場合、またはできていないとみなされた場合には、野村のレピュテーションが悪化し、現在または将来の顧客を失う可能性があります。また、利益相反の発生により規制措置、または訴訟の提起を受ける可能性があります。
野村のビジネスは、さまざまなオペレーショナル・リスクの影響を受けます
野村は、オペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反にかかるリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する野村グループ各社のレピュテーションの悪化にかかるリスクを含みます。野村は、例えば、次のようなオペレーショナル・リスクに晒されています。これらのリスクが現実のものとなった場合、野村は経済的損失、事業の中断、第三者からの提訴、行政処分、事業への制約、罰金、またはレピュテーションの悪化といった事態に陥る可能性があります。
・有価証券の取引の実行、確認または決済がなされないリスク
・役職員による正確な事務処理がなされないリスク、例えば取引所に対する誤発注のリスク
・策定しているコンティンジェンシープランの想定を上回る規模の災害やテロ行為等により、野村の施設やシステムが被災し、または業務の継続が困難になるリスク
・感染症により業務遂行に支障が生じるリスク
・野村または第三者のコンピューターシステムのダウン、誤作動などシステムの障害またはシステムへの不正侵入、誤用、コンピューターウイルス、もしくはサイバー攻撃によるリスク
野村のビジネスは、個人および機密情報を野村のシステムにおいて安全に処理、保存、送受信できる環境に依拠しています。野村は、野村のシステム上にある情報にアクセスしこれを入手することを企図した、または野村のサービスにシステム障害その他の損害をもたらすことを企図した不正アクセス、コンピューターウイルスもしくは破壊工作ソフトその他のサイバー攻撃の標的になる可能性があります。これらの脅威は、人為的なミスまたは技術的不具合から発生する場合もありますが、従業員などの内部関係者または海外の非国家主体および過激派組織などの第三者の悪意もしくは不正行為により発生する場合もあります。また、野村のシステムが相互接続している外部事業者、証券取引所、決済機関またはその他の金融機関のいずれかがサイバー攻撃その他の情報セキュリティ侵害の対象となった場合、野村にもその悪影響が及ぶ可能性があります。当該事象により、野村のシステム障害、信用の失墜、顧客の不満、法的責任、法の強制執行または追加費用が生じる可能性があり、上記事象のいずれかまたはその全部により野村の財政状態および事業運営に悪影響が及ぼされる可能性があります。
野村は、システムのモニタリングおよびアップデートを行うためかなりの経営資源を継続的に投入し、かつシステム保護のため情報セキュリティ対策を講じていますが、実施しているそれらの管理手段や手続が、将来のセキュリティ侵害から野村を十分に保護できる保証はありません。サイバー上の脅威は継続的に進化しており、現在の管理手段や手続は不十分となる可能性があるため、将来的にはシステム修正または強化のため、追加の経営資源を投入しなければならない可能性があります。
野村の保有する個人情報の漏洩により、野村のビジネスに影響が及ぶ可能性があります
野村は業務に関連して顧客から取得する情報を保管、管理しています。近年、企業が保有する個人情報および記録への不正アクセスや漏洩にかかる事件が多数発生していると報じられています。
野村は個人情報の保護に関する法令諸規則に基づき、個人情報の保護に留意し、セキュリティ対策を講じておりますが、仮に個人情報の重大な不正漏洩が生じた場合には、野村のビジネスにさまざまな点で影響が及ぶ可能性があります。例えば、個人情報の漏洩(業務委託先による漏洩を含む)により顧客に損失が生じた場合には、野村は顧客からクレームや損害賠償請求を受ける可能性があります。また、自主的に、もしくは行政上の命令その他の規制上の措置の対応として行うセキュリティ・システムの変更、または野村のブランド・イメージやレピュテーションの悪化の防止・抑制のために行う広報活動により、追加的な費用が発生する可能性があります。また、不正漏洩の結果、野村に対するレピュテーションが悪化することによって、新規顧客が減少したり既存顧客を喪失したりするとともに、問題に対処するために追加的な費用が発生する可能性があります。
当社は持株会社であり、当社の子会社からの支払に依存しています
当社は、配当金の支払や負債の支払の資金について、当社の子会社から受領する配当金、分配金およびその他の支払に依存しています。会社法などの法規制により、子会社への資金移動または子会社からの資金移動が制限される可能性があります。特に、ブローカー・ディーラー業務を行う子会社を含め、多くの子会社は、親会社である持株会社への資金の移動を停止または減少させる、あるいは一定の状況においてそのような資金の移動を禁止するような、自己資本規制を含む法規制の適用を受けています。例えば、当社のブローカー・ディーラー子会社である野村證券、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルInc、ノムラ・インターナショナルPLCおよびノムラ・インターナショナル(ホンコン)LIMITEDは、自己資本規制の適用を受けており、当社への資金移動が制限される可能性があります。これらの法規制は当社の債務履行に必要となる資金調達の方法を制限する可能性があります。
投資持分証券・トレーディング目的以外の負債証券について野村が期待する収益を実現できない可能性があります
野村は多額の投資持分証券・トレーディング目的以外の負債証券を保有しています。米国会計原則では、市場環境によって投資持分証券・負債証券にかかる多額の未実現損益が計上されることがあり、このことが野村の損益に大きな影響を与えます。市場の環境によっては、野村はこれらの株式・負債証券を売却したい場合にも、期待どおり迅速には、また望ましい水準では売却できない可能性があります。
連結財務諸表に計上されている関連会社およびその他の持分法投資先の株価が一定期間以上大幅に下落した場合には減損が認識される可能性があります
野村は上場している関連会社およびその他の持分法投資先の株式に投資しており、この投資は持分法で連結財務諸表に計上されています。米国会計原則では、野村が保有する関連会社の株式の公正価値(市場価格)が一定期間を超えて下落した場合において、価格の下落が一時的ではないと野村が判断したときには、野村は対応する会計年度に減損を認識しなければなりません。このことは、野村の経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
野村が提供したキャッシュ・リザーブ・ファンドや債券に損失が生じることで顧客資産が流出する可能性があります
野村は、リスク許容度の異なる顧客のさまざまなニーズに応えるために多くの種類の商品を提供しています。マネー・マネジメント・ファンド(MMF)やマネー・リザーブ・ファンド(MRF)といったキャッシュ・リザーブ・ファンドは低リスク商品と位置づけられています。このようなキャッシュ・リザーブ・ファンドなどは、金利上昇および資金の解約動向による損失の発生やファンドのポートフォリオに組み込まれた債券がデフォルトに陥ることにより、元本割れを起こす場合があります。さらに、野村が提供した債券が債務不履行に陥り、利息や元本の支払が遅延する場合があります。野村が提供したこれら商品に損失が生じた場合、野村は顧客の信頼を失う可能性があり、ひいては野村が保管する顧客からの預かり資産の流出につながる可能性があります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03752] S10053CG)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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