有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10051CC
Lマネジメント株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度における連結業績は、売上収益は6,785億73百万円(前連結会計年度比8%増)、営業利益は214億65百万円(前連結会計年度比38%増)、税引前当期利益は220億6百万円(前連結会計年度比50%増)、親会社株主に帰属する当期利益は132億50百万円(前連結会計年度比148%増)となり、いずれも前連結会計年度実績を上回った。当連結会計年度におけるセグメント別の状況は、次のとおりとなった。
① 国内物流
国内物流では、「プラットフォーム事業(※1)を中心とした国内事業の拡大」を図るべく、幅広い顧客ニーズに適応した効率的なロジスティクスオペレーションを構築するとともに、全体最適できめ細かなサービスの提供を図った。
当連結会計年度においては、前連結会計年度末の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減はあったが、建設機械・小売・高機能材分野など、多数の大型新規案件を稼働させたことにより、売上収益は前連結会計年度を上振れて推移した。
一方、収益面では、当第2四半期連結累計期間迄に稼働させた大型新規案件の初期投入コストの増加や傭車費用・作業費等の上昇の影響は、年度末迄には概ね改善したものの、その影響を補てんするまでには至らず、前連結会計年度を下振れて推移した。
また、昨年4月には茨城県内(建機保守部品)、6月には富山県内(医薬品等)、7月には埼玉県内、8月には静岡県内、本年1月には京都府内にそれぞれ小売関連顧客向けの物流施設を開設するなど、事業拠点の整備にも努めた。
なお、昨年7月には、東日本日立物流サービス株式会社(本社:茨城県)と日立物流フロンティア株式会社(本社:茨城県)の合併、10月には、首都圏日立物流サービス株式会社(本社:東京都)と日立物流オリエントロジ株式会社(本社:東京都)の合併を実施するなど、地域事業基盤の強化やさらなる経営効率の向上に努めた。
これらの結果、売上収益は、3,979億54百万円(前連結会計年度比2%増)、セグメント利益は、259億65百万円(前連結会計年度比0.2%減)となった。
※1. 同一業界の複数の顧客を対象に効率的な運営が可能となる共同保管・共同配送を提供する事業。
② 国際物流
国際物流では、「ネットワーク連携強化によるグローバル事業の拡大」を図るべく、グローバル化を進める顧客の調達から販売までのワンストップサービスの提供を図り、最適で高品質な物流システムの確立に努めた。
当連結会計年度においては、海外事業では、小売・家電・自動車関連分野などの新規案件を稼働させたことに加え、前期中に立上げた案件の本格稼働や、一昨年5月、7月、10月にそれぞれ連結化された米国のJames J. Boyle & Co.、香港のCDS Freight Holdings Ltd.、トルコのMars Lojistik Grup Anonim Sirketiの効果、さらには、アジア・中国における3PL案件の収益性向上などにより、事業規模とともに収益面でも大幅に拡大した。フォワーディング事業においても海外地域における海上・航空貨物の取扱い増加や、米国西岸の港湾混雑の影響による航空貨物輸出入物量の増加もあり、当事業全体として前年度を上振れて推移した。
また、本年1月には、インドネシアに日用品関連顧客向けの物流施設を開設し、本年2月には上海自由貿易試験区に貿易決済代行サービス等を行う現地法人を設立するなど、事業拠点の整備や高付加価値サービスの提供に努めた。
なお、昨年4月にはシンガポールの連結子会社であるHitachi Transport System (Asia) Pte. Ltd.とVANTEC WORLD TRANSPORT (S) PTE. LTD.の合併を実施し、本年1月にはタイ、マレーシアの連結子会社をそれぞれ統合(※2)するなど、当社グループ内における運営体制の強化やさらなる効率化にも努めた。
これらの結果、売上収益は、2,582億31百万円(前連結会計年度比20%増)となった。セグメント利益は、63億5百万円(前連結会計年度はセグメント損失74百万円)となった。
※2. タイではHitachi Transport System(Thailand),Ltd.とVANTEC WORLD TRANSPORT(THAILAND) CO., LTD. を
統合し、マレーシアではHitachi Transport System (Malaysia) Sdn. Bhd.とVANTEC WORLD TRANSPORT (M)
SDN. BHD.を統合し、それぞれ1月よりHitachi Transport System Vantec(Thailand),Ltd.、Hitachi
Transport System (Malaysia) Sdn. Bhd.として運営している。
③ その他
その他(物流周辺事業等)では、旅行代理店事業での海外渡航者の増加や、自動車関連事業での車両販売・リース案件の受託、ならびにシステム関連事業での新規システム開発の受託により、底堅く推移した。
これらの結果、売上収益は、223億88百万円(前連結会計年度比6%増)となった。セグメント利益は、28億35百万円(前連結会計年度比6%増)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末から9億30百万円増加し、345億44百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて64億83百万円増加し、322億66百万円の収入となった。
これは、主として当期利益147億89百万円、減価償却費及び無形資産償却費187億15百万円、その他の資産及びその他の負債の増減66億43百万円などによる資金の増加と、法人所得税の支払105億84百万円、売上債権の増加85億83百万円などにより資金が減少したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて34億98百万円増加し、198億86百万円の支出となった。
これは、主として有形固定資産及び無形資産の取得200億69百万円などにより資金が減少したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて88億3百万円減少し、120億65百万円の支出となった。
これは、主として長期借入債務による調達107億12百万円などによる資金の増加と、長期借入債務の返済112億79百万円、非支配持分からの子会社持分取得46億61百万円、リース債務の返済35億61百万円などにより資金が減少したことによるものである。
(3) 並行開示
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は次のとおりである。なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていない。
① 要約連結貸借対照表
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | ||
資産の部 | |||
流動資産 | 169,037 | 182,695 | |
固定資産 | |||
有形固定資産 | 159,207 | 171,507 | |
無形固定資産 | 71,690 | 67,370 | |
投資その他の資産 | 27,799 | 28,476 | |
固定資産合計 | 258,696 | 267,353 | |
資産合計 | 427,733 | 450,048 | |
負債の部 | |||
流動負債 | 127,175 | 142,470 | |
固定負債 | 119,157 | 118,643 | |
負債合計 | 246,332 | 261,113 | |
純資産の部 | |||
株主資本 | 169,365 | 174,463 | |
その他の包括利益累計額 | △682 | 2,251 | |
少数株主持分 | 12,718 | 12,221 | |
純資産合計 | 181,401 | 188,935 | |
負債純資産合計 | 427,733 | 450,048 |
② 要約連結損益計算書
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
売上高 | 624,504 | 677,108 | |
売上原価 | 563,046 | 613,505 | |
売上総利益 | 61,458 | 63,603 | |
販売費及び一般管理費 | 40,466 | 42,405 | |
営業利益 | 20,992 | 21,198 | |
営業外収益 | 1,030 | 1,969 | |
営業外費用 | 2,061 | 1,549 | |
経常利益 | 19,961 | 21,618 | |
特別利益 | 914 | 345 | |
特別損失 | 5,386 | 2,366 | |
税金等調整前当期純利益 | 15,489 | 19,597 | |
法人税等合計 | 9,657 | 7,169 | |
少数株主損益調整前当期純利益 | 5,832 | 12,428 | |
少数株主利益 | 399 | 1,496 | |
当期純利益 | 5,433 | 10,932 |
③ 要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
少数株主損益調整前当期純利益 | 5,832 | 12,428 | |
その他の包括利益合計 | 3,711 | 3,046 | |
包括利益 | 9,543 | 15,474 | |
(内訳) | |||
親会社株主に係る包括利益 | 8,408 | 13,865 | |
少数株主に係る包括利益 | 1,135 | 1,609 |
④ 要約連結株主資本等変動計算書
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
株主資本 | |||
当期首残高 | 169,168 | 169,365 | |
会計方針の変更による累積的影響額 | △2,446 | - | |
会計方針の変更を反映した当期首残高 | 166,722 | 169,365 | |
当期変動額 | 2,643 | 5,098 | |
当期末残高 | 169,365 | 174,463 | |
その他の包括利益累計額 | |||
当期首残高 | 159 | △682 | |
会計方針の変更による累積的影響額 | △3,816 | - | |
会計方針の変更を反映した当期首残高 | △3,657 | △682 | |
当期変動額 | 2,975 | 2,933 | |
当期末残高 | △682 | 2,251 | |
少数株主持分 | |||
当期首残高 | 5,577 | 12,718 | |
会計方針の変更による累積的影響額 | △470 | - | |
会計方針の変更を反映した当期首残高 | 5,107 | 12,718 | |
当期変動額 | 7,611 | △497 | |
当期末残高 | 12,718 | 12,221 | |
純資産合計 | |||
当期首残高 | 174,904 | 181,401 | |
会計方針の変更による累積的影響額 | △6,732 | - | |
会計方針の変更を反映した当期首残高 | 168,172 | 181,401 | |
当期変動額 | 13,229 | 7,534 | |
当期末残高 | 181,401 | 188,935 |
⑤ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 25,689 | 31,578 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △24,595 | △19,860 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,038 | △11,648 | |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1,506 | 858 | |
現金及び現金同等物に係る増減額(△は減少) | 562 | 928 | |
現金及び現金同等物の期首残高 | 33,052 | 33,614 | |
現金及び現金同等物の期末残高 | 33,614 | 34,542 |
⑥ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) |
(会計方針の変更) (有形固定資産の減価償却方法の変更) 従来、当社及び一部の国内連結子会社は、有形固定資産の減価償却方法について、不動産賃貸事業用資産及び建物(建物附属設備を除く)については定額法、その他の有形固定資産については定率法を採用していたが、当連結会計年度より不動産賃貸事業用資産及び建物(建物附属設備を除く)以外のその他の有形固定資産の減価償却方法を定額法に変更している。 当社グループは、中期経営計画である2015年ビジョンの達成に向けた取組として、グローバルな生産体制へのシフト等に伴い国内生産・物量の平準化が進む主要顧客の取り込みを進め、また、小売、生活関連分野の顧客の占める比率を拡大していくこととしており、当社グループが取り扱う物量の変動は低位となると見込んでいる。さらに、当社グループは同一業界の複数の顧客を対象に共同保管・共同配送を実施することで効率的な運営が可能となるプラットフォーム事業の拡大を推進しており、設備の空室・陳腐化リスクの低減による、設備稼動の安定化を見込んでいる。これらのための国内における新規設備が、主に当連結会計年度に本格稼働するため、当社及び一部の国内連結子会社の有形固定資産の減価償却方法を定額法に変更することが使用実態をより適切に反映するとの判断に至った。なお、減価償却方法の変更に伴い、一部の有形固定資産について、除却時点の価値の検討に基づき残存価額を備忘価額とする見直しを行っている。 この変更により、従来の方法によった場合に比べ、当連結会計年度の減価償却費は265百万円増加し、営業利益は258百万円減少し、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ265百万円減少している。 (退職給付に関する会計基準等の適用) 「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2012年5月17日。)が2013年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度よりこれらの会計基準等を適用し、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する方法に変更し、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を退職給付に係る負債に計上した。また、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更した。 退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な扱いに従って、当連結会計年度の期首において、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上したことに伴う影響額をその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に加減している。また、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金に加減している。 この結果、当連結会計年度の期首において、退職給付に係る負債が28,617百万円、退職給付に係る資産が2,423百万円計上されるとともに、その他の包括利益累計額が3,816百万円減少し、利益剰余金が2,446百万円減少している。なお当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微である。 |
当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
(会計方針の変更) (企業結合に関する会計基準等の適用) 「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)、「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)及び「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」(会計制度委員会報告第8号 2014年11月28日)等が2014年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度よりこれらの会計基準等(ただし、連結会計基準第39項に掲げられた定めを除く。)を適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更した。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更している。 連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得関連費用若しくは連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法に変更している。 企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)及び事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用している。 なお、連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針第26-4項に定める経過的な取扱いに従っており、比較情報の組換えは行っていない。 この結果、当連結会計年度末の資本剰余金が2,822百万円減少している。なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微である。 |
⑦ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこ
れらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却に関する事項)
日本基準では、効果の及ぶ期間にわたってのれんを償却していたが、IFRSではのれんの償却を行わないため、「販売費及び一般管理費」が前連結会計年度1,835百万円、当連結会計年度において1,759百万円減少している。
(退職給付に係る費用)
日本基準では、発生した数理計算上の差異及び過去勤務費用を一定の期間で償却していた。IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は純損益として認識することが求められている。そのため、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」合計が前連結会計年度711百万円、当連結会計年度において653百万円減少している。
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