有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100596Z
株式会社伊予鉄グループ 業績等の概要 (2015年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や金融政策の効果により、景気は緩やかな回復基調にあるものの、消費税率引き上げによる個人消費の伸び悩みに加え円安に伴う原材料価格の上昇が続くなど、先行き不透明な状況で推移した。このような情勢のなか、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)では地域社会の期待や要請に応えることが安定的かつ持続的な成長に繋がることから、安全を最大の使命とした経営理念のもとCSR(企業の社会的責任)を果たすべく「ひと・まち・環境」を推進キーワードに各種施策を展開した。
これらの施策を実施し、事業の効率化を進め業績の向上に努めた結果、営業収益は前連結会計年度に比べ、1.9%増の553億5,297万1千円となったが、鉄道線各駅美化改修工事による修繕費の増加などにより、経常利益は16億1,334万6千円(前連結会計年度比4.6%減)、当期純利益は9億2,930万4千円(前連結会計年度比19.5%減)となった。
セグメントごとの業績は次のとおりである。
① 交通部門
鉄軌道事業では、鉄道事業は、さらなる「安全・安心・快適」を提供するため、行政と連携しゲリラ豪雨による地下浸水対応訓練に加え、地震による火災や津波を想定した旅客避難誘導訓練を行うなど災害対策に努めた。安全輸送対策としては、レール交換やまくらぎ敷設工事などを計画的に実施した。また、3月には余戸駅舎の建替えを行い、スロープや多目的トイレを新たに設置しバリアフリー化の推進に努めた。愛大医学部南口駅では、周辺の宅地造成による乗降客数の増加に対応するため、3月末に駅舎を新築すると同時に有人駅にし利便性の向上を図った。さらにサービス向上の具体策として、快適にご利用いただくため駅施設の美化に努めるとともに、トイレの改修を順次実施した。なお、省エネ対策として駅舎及びホーム照明設備のLED化を進めた。
営業面では、夏休みに鉄道線の各駅をめぐるスタンプラリーを実施したほか、花火大会など沿線諸行事の旅客需要に応じた増便を行い増収に努めた。また自転車と公共交通の連携による観光振興策として、郊外電車に自転車を解体せず車内に持ち込める「サイクルトレイン」の実証実験を土日祝日限定で行い、本年4月からは本格運行を開始した。
一方、軌道事業は、市内中心部の交通が輻輳するなか、市内電車と坊っちゃん列車の定時性向上を目的としたダイヤ改正を2月から実施した。また、各所で催された諸行事と連携して臨時便を運行したほか、坊っちゃん列車では夏休みなどの多客時に増便ダイヤで運行するなど利便性の向上を図った。さらに、増加傾向にある外国人観光客のニーズに応えるため、市内電車では全国初となる無料のWi‐Fi(公衆無線LAN)サービスを始め、英語による車内放送も3月から開始した。
行政と連携した事業として、愛媛・広島両県の共催で行われたイベント「瀬戸内しまのわ2014」を広報するラッピング電車及び松山市の「花園町通りにぎわい創出事業」の一環としてイルミネーション電車を運行した。
なお、鉄軌道事業では昨年4月からの消費税率引き上げに伴い、増税分を転嫁した運賃改定を実施した。
以上の結果、鉄軌道事業営業収益は前年度に比べ0.8%減の31億1,426万1千円となった。
自動車事業では、乗合自動車事業は、バスロケーションシステムのデータを活用し、松山市や地域住民との公共交通ワークショップによる協議を踏まえ、路線再編やダイヤ改正を行い運行の効率化を図った。また、ドライブレコーダーを追加導入し事故防止及びエコドライブ教育に努めるとともに、運転士の接遇研修や各種事故防止訓練を計画的に実施した。
営業面では、坊っちゃんスタジアムで開催のプロ野球公式戦をはじめ、県総合運動公園で開催されたサッカーJ2公式戦や沿線諸行事と連携して臨時バスを運行するなど旅客誘致に努めた。また、お客さまが快適に利用できるように、松山市駅高速バス待合所や森松営業所のトイレを改修するなど、施設及び車両の美化を推進した。一方、行政と連携した小学校での「エコ交通まちづくり教室」を開催するなど、電車・バスが人と環境にやさしい乗り物であることをアピールし利用促進に努めた。また観光振興策として四国の観光地を紹介する旅行ガイドのウェブサイト「ミシュラン・グリーンガイド・SHIKOKU」の開設にあわせ、道後温泉本館などを描いたラッピングバスの運行を開始した。
高速バス部門については、格安航空会社への対策として、新たな需要が見込まれる横浜(東京線)及びユニバーサル・スタジオ・ジャパン、有馬温泉(大阪線)に停留所を新設したほか、早期割引運賃を東京線に設定した。さらに、インターネットを活用したチケット販売網を拡大し、新規顧客の獲得を目指した。また、衝突被害軽減ブレーキシステムなどを備えた車両3両を導入し安全性の向上に取組んだ。
貸切自動車事業は、公益社団法人日本バス協会の貸切バス事業者安全性評価認定制度において、安全に対する取組みが高く評価され「セーフティバス」の認定を受けた。また、四国八十八ヶ所霊場開創1200年を記念したバスツアーや選抜高校野球全国大会への選手送迎及び応援バスの運行をはじめ、県内の各種イベントに対し積極的な渉外活動を展開し増収に努めた。
なお、昨年4月からの消費税率引き上げに伴い、乗合自動車事業では増税分を転嫁した運賃改定を実施したほか、貸切自動車事業では安全コスト等を反映した新たな運賃・料金制度へ移行した。
以上の結果、自動車事業営業収益は前年度に比べ2.1%増の41億4,451万4千円となった。
乗用自動車事業では、公共交通機関として安全・安心・快適を基本に社会的責任を果たすべく安全輸送に取り組んだ。また、ハンディ端末方式のICカードシステムやスマートフォン配車・タクシーコールなど多様なサービスを展開し効率的な営業に努めた。
以上の結果、乗用自動車事業営業収益は前年度に比べ0.7%減の5億9,820万5千円となった。
この結果、交通部門の営業収益は前連結会計年度に比べ0.6%増の75億9,696万1千円(消去後)となった。
(営業成績)
種別 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | |
営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
鉄軌道事業 | 3,114,261 | △0.8 |
自動車事業 | 4,144,514 | 2.1 |
乗用自動車事業 | 598,205 | △0.7 |
消去 | 260,020 | 6.0 |
営業収益 | 7,596,961 | 0.6 |
(鉄軌道事業の運輸成績)
種別 | 単位 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | 対前期増減率(%) | |
営業日数 | 日 | 365 | 0.0 | |
営業キロ | キロ | 43.5 | 0.0 | |
客車走行キロ | キロ | 5,342,249 | △1.1 | |
延人キロ | 千キロ | 86,226 | △0.7 | |
旅客人員 | 定期 | 千人 | 7,659 | 0.6 |
定期外 | 千人 | 10,747 | △0.6 | |
計 | 千人 | 18,407 | △0.1 | |
旅客運輸収入 | 定期 | 千円 | 925,240 | △0.3 |
定期外 | 千円 | 1,951,378 | △1.1 | |
計 | 千円 | 2,876,618 | △0.8 | |
運輸雑収 | 千円 | 237,642 | △0.1 | |
収入合計 | 千円 | 3,114,261 | △0.8 | |
乗車効率 | % | 14.1 | 0.7 |
(注) 乗車効率の算出は | 延人キロ | による |
客車走行キロ×平均客車定員 |
(自動車事業の運輸成績)
種別 | 単位 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | 対前期増減率(%) |
営業日数 | 日 | 365 | 0.0 |
走行キロ | 千キロ | 14,057 | △0.8 |
旅客人員 | 千人 | 8,527 | 0.7 |
旅客運送収入 | 千円 | 3,781,474 | 1.1 |
運送雑収 | 千円 | 363,039 | 14.1 |
収入合計 | 千円 | 4,144,514 | 2.1 |
(乗用自動車事業の運輸成績)
種別 | 単位 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | 対前期増減率(%) |
営業日数 | 日 | 365 | 0.0 |
走行キロ | 千キロ | 3,708 | △5.8 |
旅客人員 | 千人 | 667 | △5.0 |
旅客運送収入 | 千円 | 585,537 | △0.2 |
運送雑収 | 千円 | 12,668 | △19.1 |
収入合計 | 千円 | 598,205 | △0.7 |
② 流通部門
百貨店業では、「北海道の物産展」等の物産展をはじめ「南洋ミクロネシアの水族館」等の催事や、「バレンシアガ」の新規導入や輸入食品売場の改装を実施し、入店客数及び売上高の拡大を図った。
以上の結果、百貨店業営業収益は前年度に比べ1.3%減の348億347万8千円となった。
自動車販売修理業では、公共工事等による建設用途車輌の旺盛な需要に後押しされ、トラック販売台数が前年を上回った。また、アフターマーケットにおいて整備部門も好調に推移した。
以上の結果、自動車販売修理業営業収益は新たに伊予鉄オート㈱を連結子会社に含めたこともあり、前年度に比べ25.9%増の65億4,360万3千円となった。
この結果、流通部門の営業収益は前連結会計年度に比べ1.7%増の404億1,420万2千円(消去後)となった。
(営業成績)
種別 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | |
営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
百貨店業 | 34,803,478 | △1.3 |
自動車販売修理業 | 6,543,603 | 25.9 |
消去 | 932,878 | 32.2 |
営業収益 | 40,414,202 | 1.7 |
③ 不動産部門
不動産賃貸業では、消費税率引き上げによる個人消費の落ち込みに加え、郊外大型商業施設との競合などによる、いよてつ髙島屋の来店客減少により隣接する駐車場収入が減少した。一方、発電事業として2013年12月に東温市樋口に建設した太陽光発電所は、順調に稼働し安定した収益を確保した。
この結果、不動産部門の営業収益は前連結会計年度に比べ0.0%増の14億4,644万円(消去後)となった。
(営業成績)
種別 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | |
営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
不動産賃貸業 | 3,157,443 | △4.7 |
消去 | 1,711,002 | △8.3 |
営業収益 | 1,446,440 | 0.0 |
④ その他部門
航空代理店事業では、全日本空輸㈱の営業系総代理店として店頭販売及び航空券の配達サービスに努めるとともに、インターネットを活用した法人向けサービスである「出張航空券手配システム」の販路拡大に取組んだ。また松山市内営業所の業務効率化を図るため、航空券販売業務をまつちかタウン内に移転した㈱伊予鉄トラベルに移管し、窓口業務を3月28日に閉鎖した。
以上の結果、航空代理店事業営業収益は前年度に比べ22.2%増の5,227万5千円となった。
飲食業では、愛媛県立中央病院の利便施設としてレストラン等の営業を開始するとともに、既存店舗のリニューアルやメニュー見直しを行い増収に努めた。
以上の結果、飲食業営業収益は前年度に比べ1.4%減の31億9,361万4千円となった。
旅行業では、国内旅行は宮島チャーター船や東京ドームへの都市対抗野球応援ツアーを企画し集客に努めた。海外旅行は香港への大口社員旅行など法人団体の受注及び台湾プログラムチャーターが好調に推移した。順拝旅行は四国霊場開創1200年効果により順調に推移した。
以上の結果、旅行業営業収益は前年度に比べ27.2%増の1億2,551万5千円となった。
労働者派遣業では、官公庁事業終了により厳しい状況で推移したが、低利益率案件の見直し、新規案件の受託に努めた。
以上の結果、労働者派遣業営業収益は前年度に比べ13.5%減の20億1,408万2千円となった。
前払式特定取引業(友の会事業)では、会員獲得キャンペーンを実施するなど新規会員の獲得を目指した。
以上の結果、前払式特定取引業営業収益は前年度に比べ0.2%減の1億9,342万7千円となった。
当連結会計年度より新たに加わったスポーツ業では、スケート営業において高知県・南予方面の学校への営業効
果や低年齢層からのスケート教室の充実により増収を図った。
以上の結果、スポーツ業営業収益は7億4,123万6千円となった。
この結果、その他部門の営業収益は前連結会計年度に比べ6.1%増の58億9,536万6千円(消去後)となった。
(営業成績)
種別 | 当連結会計年度 (26/4~27/3) | |
営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
航空代理店事業 | 52,275 | 22.2 |
飲食業 | 3,193,614 | △1.4 |
旅行業 | 125,515 | 27.2 |
労働者派遣業 | 2,014,082 | △13.5 |
前払式特定取引業 | 193,427 | △0.2 |
スポーツ業 | 741,236 | ― |
消去 | 424,786 | 23.8 |
営業収益 | 5,895,366 | 6.1 |
(注) スポーツ業は、当連結会計年度より新たに連結の範囲に含めたため、対前期増減率を記載していない。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、120億9,063万2千円(対前連結会計年度末17億181万4千円増加)となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は39億5,089万3千円(対前連結会計年度10億1,952万5千円増加)となった。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11億9,068万9千円(対前連結会計年度5億7,791万6千円減少)となった。これは主に有形固定資産の取得によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億9,923万8千円(対前連結会計年度9億3,041万9千円増加)となった。これは主に短期借入金の返済によるものである。
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