有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005CN2
日本電信電話株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)
(1)業績
連結業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
当連結会計年度における世界経済は、米国が引き続き堅調に推移したものの、欧州や新興国などでは一部に弱さもみられ、全体として緩やかな回復となりました。わが国経済は、消費税増税に伴い、個人消費など一部に弱さがみられましたが、全体としては底堅く推移しています。
情報通信市場では、光サービスやLTEサービス、Wi-Fiなどのブロードバンドを活用した、スマートフォン・タブレット端末などの様々な機器の普及とともに、ソーシャルメディアやクラウドサービスの利用が拡大しています。通信会社だけではなく、様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスの多様化や高度化が急速に進んでおり、こうした動きは先進国のみならず、途上国も含めた世界的な潮流となっています。
このような事業環境のなか、NTTグループは、2012年11月に策定した中期経営戦略「新たなステージをめざして」に基づき、グローバル・クラウドサービスの拡大およびネットワークサービスの競争力強化などに取り組みました。
《グローバル・クラウドサービス拡大の状況》
データセンターやIPバックボーンなどの情報通信基盤から、ICTマネジメント、アプリケーションに至るまで、総合的にクラウドサービスを提供できる企業グループとしての強みを活かし、グローバル・クラウドサービスの拡大に努めました。
○ グローバル・クラウドサービスの提供体制を強化するため、ICTソリューション提供事業者であるNexus IS, Inc.(本社:米国)、テクノロジー・コンサルティングサービス提供事業者であるOakton Limited(本社:豪州)、クラウド型ソリューション提供事業者であるSymphony Management Consulting, LLC(本社:米国)、セキュリティソリューション提供事業者であるInfoTrust AG(本社:スイス)をそれぞれ子会社化し、ドイツを中心とした欧州でデータセンターサービスを提供しているLux e-shelter 1 S.a.r.l.(本社:ルクセンブルク)の株式取得に関する契約を締結しました。
○ 世界的に需要が増大しているデータセンターサービスについて、海外では、マレーシアのサイバージャヤでサービスの提供体制を強化するとともに、インド経済の中心地であるムンバイでデータセンターの増設を開始しました。国内では、首都圏オフィスエリアからアクセスがしやすい品川でサービスを提供するとともに、首都圏のバックアップサイトなどとして今後の成長が見込まれる大阪で増設に着手しました。
○ NTTグループ各社の取り組みにより、HM Treasury(英国財務省)より様々なサプライヤーのコーディネーション、クラウドホスティング、アプリケーション管理サービスなどを受注しました。また、ドイツの自動車メーカーであるDaimler AGのERPシステムの開発や保守運用サービスを開始しました。さらに、全日本空輸株式会社からの受託により、同社グループの全世界の拠点などで利用するクラウド型の音声基盤サービスを提供しています。
《ネットワークサービス競争力強化の状況》
○ 固定通信分野においては、光アクセスインフラを幅広い分野の多様なサービスプレイヤーにお使いいただくことで、新たな価値創造によるICT市場の活性化を図るため、世界初の本格的な光アクセスのサービス卸である「光コラボレーションモデル」を導入し、様々な事業者の皆様が、当モデルを利用したサービスの提供を開始しました。
○ 移動通信分野においては、お客様のライフステージに合わせながら、長期にわたりお得にお使いいただける新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を開始し、初年度で1,783万契約に達しました。また、「光コラボレーションモデル」を活用した、光ブロードバンドサービス「ドコモ光」とスマートフォンや携帯電話をまとめてお得な料金でご利用いただける「ドコモ光パック」の提供を開始しました。さらに、LTEサービスを活用した、従来の通話よりも高音質で安定した音声通話サービス「VoLTE」の提供を開始しました。
○ 固定・移動通信サービスに関連するコストの削減に向けた取り組みを強化しました。具体的には、無派遣工事の拡大による光回線開通コストの削減や保守運用業務の更なる効率化を行うとともに、高性能な装置の導入や既存設備のスリム化などによる設備効率の更なる向上に努めました。また、「光コラボレーションモデル」などを踏まえ、マーケティングコストの効率化を進めました。
《CSR(企業の社会的責任)推進の状況》
社会の持続的発展に貢献するため、「NTTグループCSR憲章」に基づいて策定した8つの「NTTグループCSR重点活動項目」を定め、それらの定量指標を目標とした様々な活動に取り組むとともに、積極的な情報開示に努めています。
「低炭素社会の実現」に向け、ICTを活用した温室効果ガス削減に取り組んだ結果、世界最大級の気候変動に関する企業評価プログラムであるCDPから、企業の対応状況などの情報開示に最も優れた国内企業の1社として「CDLI(クライメート・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックス)」に2年連続で選定されたことに加え、国内の通信事業者では初めて気候変動に対応するパフォーマンスに優れた企業として、「CPLI(クライメート・パフォーマンス・リーダーシップ・インデックス)」にも選定されました。
「重要インフラとして高い安定性と信頼性の確保」に向けて、巨大地震の被災想定の見直しなどが実施されたことを受けた減災対策を推進し、グループ横断で長期停電への対策方針策定、自治体や外部機関と連携した防災訓練の実施などの取り組みを進めました。また、大規模災害の被災地において、避難所周辺などを短時間でWi-Fiエリア化し、通話やデータ通信を提供可能とする「移動式ICTユニット」を展開し、海外においても、台風で大きな被害を受けたフィリピン・セブ島において、同ユニットを活用した実証実験プロジェクトに参加しました。
環境・社会・ガバナンスなどの情報に対する投資家ニーズが高まっていることを踏まえ、アニュアルレポートにおける非財務情報を充実し、統合レポートとして発行しました。
このような取り組みもあり、世界的な社会的責任投資の指標である「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」におけるアジア・パシフィック分野の構成銘柄として選定されました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度のNTTグループの営業収益は11兆953億円(前期比1.6%増)となりました。また、営業費用は10兆108億円(前期比3.1%増)となりました。この結果、営業利益は1兆846億円(前期比10.6%減)、また、税引前当期純利益は1兆666億円(前期比17.6%減)、当社に帰属する当期純利益は、5,181億円(前期比11.5%減)となりました。
(注)当社の連結決算は米国会計基準に準拠して作成しております。
なお、各セグメントの概要は次のとおりです。
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメント及びその他の事業セグメントに区分しております。
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーション、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーション、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業等に係るその他のサービスが含まれております。
当連結会計年度における各事業の種類別セグメントの経営成績等は、次のとおりです。
■地域通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
地域通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTT東日本およびNTT西日本は、「フレッツ光」のサービスメニューの拡充やWi-Fiを通じた光の利用機会の拡大に加え、光アクセスサービスを様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」の開始などによる光・IP系サービスの推進に取り組み、収益基盤の確保に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①主なサービスの契約数など
○「フレッツ光」 :1,872万契約(対前連結会計年度:+67万契約)
○「ひかり電話」 :1,711万ch(対前連結会計年度:+85万ch)
○「フレッツ・テレビ」:134万契約(対前連結会計年度:+18万契約)
(注)「フレッツ光」、「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ」は、NTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
②光・IP系サービスの推進
《当連結会計年度に開始した主なサービスなど》
《当連結会計年度に合意した主な協業》
③お客様サービスの向上
○ ブロードバンドサービス全般に関するお客様からの幅広いお問い合わせに遠隔で対応する「リモートサポートサービス」が451万契約※となりました。(NTT東日本・NTT西日本)
※NTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスの契約数を含めて記載しております。
○ 毎月のご利用に応じたポイントや限定コンテンツなどの特典を提供する会員制プログラム「フレッツ光メンバーズクラブ」(NTT東日本)、「CLUB NTT-West」(NTT西日本)は会員数が合計で1,076万人となりました。
以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、IP系・パケット通信収入などが増加したものの、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少などにより、3兆5,055億円(前期比1.9%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、人件費の削減や経費の効率化などにより3兆3,367億円(前期比3.1%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,689億円(前期比32.7%増)となりました。
■長距離・国際通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
長距離・国際通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTコミュニケーションズは、事業ビジョン「ビジョン2015」のもと、世界中のお客様にとって最適なパートナーとして選ばれる真のリーディンググローバルプレイヤー(「Global ICT Partner」)となるべく取り組みました。法人のお客様に対しては、クラウドだけでなく、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーション、マネージドICTサービスなどを組み合わせた、通信事業者ならではのシームレスICTソリューションの提供に取り組みました。個人のお客様に対しては、利便性の高いアプリケーションや豊富なコンテンツを提供し、新たなライフスタイルの提案に取り組みました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①主なサービスの契約数
○「ひかりTV」 :301万契約(対前連結会計年度:+19万契約)
○「OCN」 :828万契約(対前連結会計年度:+13万契約)
○「ぷらら」 :296万契約(対前連結会計年度:△1万契約)
②グローバルサービス基盤の拡充
《当連結会計年度の主な取り組み》
○サービス提供体制の強化
・データセンターサービス「NexcenterTM」では、「マレーシア サイバージャヤ 4 データセンター」の提供を開始しました。また「インド ムンバイ 5 データセンター」、「大阪第5データセンター」、「バージニア アッシュバーン 2 (VA2) データセンター」の建設を開始しました。加えて、ドイツを中心とした欧州でデータセンターサービスを提供しているLux e-shelter 1 S.a.r.l.(本社:ルクセンブルク)の株式取得に関する契約を締結するなど、データセンター拠点を大幅に拡充しました。
・グローバルビジネスにおける情報セキュリティのマネジメント手法の確立から対策の導入、運用までを提供するトータルセキュリティサービスの強化と、ドイツ、スイスおよびオーストリアエリアの一層の基盤確立を目的とし、スイスの多国籍企業を顧客基盤にもつInfoTrust AG(本社:スイス)を子会社化しました。
○ネットワークの拡充
高品質で信頼性の高いIPバックボーンに対するニーズに応えるため、国際インターネット接続サービス「グローバルIPネットワーク」の新たな接続拠点を米国のボストンとタイのバンコクに開設しました。
長距離・国際通信事業セグメントにおける主な子会社であるDimension Dataは、全世界で利用可能なICTインフラソリューションとネットワークコミュニケーション、エンドユーザーコンピューティング、セキュリティ、データセンターといったサービスの提供に努めました。Dimension Dataは、システムインテグレーション、ICTアウトソーシング、ITaaS(IT-as-a-Service)などの様々な方法で、お客様にサービスを提供しております。
《当連結会計年度に開始した主なサービス》
③法人ビジネスの展開
《当連結会計年度に開始した主なサービス》
④個人向けサービスの展開
《当連結会計年度に開始した主なサービス》
以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内の固定音声関連収入の減少はあったものの、海外連結子会社の拡大に伴うシステムインテグレーション収入の増加などにより、1兆9,986億円(前期比10.4%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用の増加などにより、1兆8,851億円(前期比12.0%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,136億円(前期比10.9%減)となりました。
■移動通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
移動通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTドコモは、モバイル領域における競争力の強化に向けて、新料金プランの開始、LTEサービスによるネットワークの進化および高機能で魅力的なデバイス(端末)の提供などに取り組みました。また、スマートライフ領域においては、dマーケットの更なる充実や様々な事業者との協業・提携など、お客様のスマートライフを支える新サービスの拡大を進めました。加えて、2015年3月には、光ブロードバンドサービス「ドコモ光」および「ドコモ光パック」を開始しました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①主なサービスの契約数
お客様の多様なニーズにお応えするため、スマートフォン・タブレット端末、ウェアラブル端末やWi-Fi端末などラインナップの充実に努めました。
○携帯電話契約数 :6,660万契約(対前連結会計年度:+349万契約)
(再掲)LTE(「Xi」) :3,074万契約(対前連結会計年度:+878万契約)
(再掲)「FOMA」 :3,585万契約(対前連結会計年度:△529万契約)
(注)携帯電話契約数、LTE(「Xi」)契約数および「FOMA」契約数には通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
②サービスエリアの拡大
○エリア充実を図るため、全国のLTE基地局数を55,300局から97,400局にまで増設しました。また、高速化の更なる推進に向け、受信時最大速度100Mbps以上に対応したLTE基地局数を3,500局から57,700局にまで拡大しました。
○LTEサービスを活用し、従来の通話よりも高品質で安定した音声通話サービスを提供する「VoLTE」を開始しました。また、次世代ネットワークLTE-Advancedを使用した受信時最大225Mbpsの通信サービスを「PREMIUM 4GTM」として提供開始しました。
③スマートライフ領域への取り組み
○着用することで心拍数や心電位などの生体情報取得を可能にする繊維素材「hitoe(ヒトエ)」を活用したウェア型の計測用デバイスとアプリケーションの連携により、計測したデータを記録・管理し、お客様のトレーニングをサポートするサービス「Runtastic for docomo」をruntastic GmbH(本社:オーストリア)と共同開発し、提供を開始しました。
○Tesla Motors, Inc.(本社:米国)の日本国内向け電気自動車「モデルS」に、車載情報通信サービスのプラットフォームおよびデータ通信回線を提供する契約を同社と締結しました。
以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、スマートライフ事業などが拡大したものの、「月々サポート」や新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の影響などに伴い移動音声関連収入等が減少したことなどにより4兆3,834億円(前期比1.7%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、コスト効率化を推進したものの、端末機器原価などの収益連動費用の増加等により3兆7,476億円(前期比2.8%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、6,358億円(前期比22.2%減)となりました。
■データ通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
データ通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTデータは、グローバルで多様なICTサービスを効率的に提供する企業グループへと進化し、「Global Top 5(売上高1.5兆円超)」、「EPS(1株当たり当期純利益)200円」を実現するべく、2012年度から2015年度までの中期経営計画を策定し、注力分野である「新規分野拡大・商品力強化」、「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」、「全体最適の追求」に取り組んでいます。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①経営施策の取り組み状況
○管理業務に要する費用を対象に、業務の標準化・効率化・集約化をはじめ、組織の再編・統合や経営資源の流動化と最適配置に着実に取り組みました。
②事業活動の取り組み状況
○ドイツの自動車メーカーであるDaimler AGと、グローバルなERPシステムの保守運用、追加システム開発の戦略パートナーとして、複数年契約を締結し、サービスの提供を開始しました。
○日本のインフラソリューションを輸出する一環として、日本国内における貿易手続き・通関システムのノウハウなどを活用し、ミャンマー版貿易手続き・通関システムの開発を同国政府より受注しました。
○バチカン図書館と初期契約を締結したデジタルアーカイブ事業において、同館所蔵の貴重な手書き文献をデジタル画像化し、同館のウェブサイトにて公開を開始しました。
○パートナー事業者としてプロジェクトを推進してきた、東京電力株式会社のスマートメーター運用管理システムを活用したサービスが順次提供開始されました。また、電力広域的運営推進機関の電力システム改革推進に向けた「スイッチング支援システム」を受注しました。
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、海外連結子会社の増加や新規顧客開拓および既存顧客向けシステムにおける規模拡大などにより1兆5,110億円(前期比12.4%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、不採算案件が減少したものの、収益連動費用の増加などにより1兆4,247億円(前期比11.7%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、864億円(前期比27.2%増)となりました。
■その他の事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
その他の事業においては、不動産事業の減収などにより、当連結会計年度の営業収益は1兆2,722億円(前期比4.2%減)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、収益連動費用の減少などにより、1兆2,048億円(前期比5.3%減)となりました。この結果、営業利益は、675億円(前期比20.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、2兆3,918億円の収入となりました。前期比では、3,361億円(12.3%)減少しておりますが、これは、銀行休業日の影響に加え、営業利益が減少したことなどによるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」については、1兆8,686億円の支出となりました。前期比では、2,382億円(11.3%)支出が減少しておりますが、これは、設備投資や出資による支出が減少したことなどによるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」については、6,780億円の支出となりました。前期比では、556億円(8.9%)支出が増加しておりますが、これは、自己株式取得の減少や借入債務の増加があった一方で、子会社株式の取得が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末におけるNTTグループの現預金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して1,353億円(13.7%)減少し、8,492億円となりました。
なお、詳細につきましては、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(参考情報)指定電気通信役務損益状況等
事業会社における基礎的電気通信役務損益明細表及び指定電気通信役務損益明細表は次のとおりであります。
1.NTT東日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務以外の電気通信役務に含まれる電報は、営業収益14,063百万円、営業費用12,919百万円、営業利益1,144百万円であります。
(2)指定電気通信役務損益明細表
2.NTT西日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務以外の電気通信役務に含まれる電報は、営業収益15,455百万円、営業費用13,441百万円、営業利益2,014百万円であります。
(2)指定電気通信役務損益明細表
3.NTTコミュニケーションズ
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務以外の電気通信役務に含まれる電報は、営業収益120百万円、営業費用45百万円、営業利益75百万円であります。
連結業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 109,252 | 110,953 | 1,701 | 1.6% |
営業費用 | 97,115 | 100,108 | 2,992 | 3.1% |
営業利益 | 12,137 | 10,846 | △1,291 | △10.6% |
税引前当期純利益 | 12,942 | 10,666 | △2,276 | △17.6% |
当社に帰属する 当期純利益 | 5,855 | 5,181 | △674 | △11.5% |
当連結会計年度における世界経済は、米国が引き続き堅調に推移したものの、欧州や新興国などでは一部に弱さもみられ、全体として緩やかな回復となりました。わが国経済は、消費税増税に伴い、個人消費など一部に弱さがみられましたが、全体としては底堅く推移しています。
情報通信市場では、光サービスやLTEサービス、Wi-Fiなどのブロードバンドを活用した、スマートフォン・タブレット端末などの様々な機器の普及とともに、ソーシャルメディアやクラウドサービスの利用が拡大しています。通信会社だけではなく、様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスの多様化や高度化が急速に進んでおり、こうした動きは先進国のみならず、途上国も含めた世界的な潮流となっています。
このような事業環境のなか、NTTグループは、2012年11月に策定した中期経営戦略「新たなステージをめざして」に基づき、グローバル・クラウドサービスの拡大およびネットワークサービスの競争力強化などに取り組みました。
《グローバル・クラウドサービス拡大の状況》
データセンターやIPバックボーンなどの情報通信基盤から、ICTマネジメント、アプリケーションに至るまで、総合的にクラウドサービスを提供できる企業グループとしての強みを活かし、グローバル・クラウドサービスの拡大に努めました。
○ グローバル・クラウドサービスの提供体制を強化するため、ICTソリューション提供事業者であるNexus IS, Inc.(本社:米国)、テクノロジー・コンサルティングサービス提供事業者であるOakton Limited(本社:豪州)、クラウド型ソリューション提供事業者であるSymphony Management Consulting, LLC(本社:米国)、セキュリティソリューション提供事業者であるInfoTrust AG(本社:スイス)をそれぞれ子会社化し、ドイツを中心とした欧州でデータセンターサービスを提供しているLux e-shelter 1 S.a.r.l.(本社:ルクセンブルク)の株式取得に関する契約を締結しました。
○ 世界的に需要が増大しているデータセンターサービスについて、海外では、マレーシアのサイバージャヤでサービスの提供体制を強化するとともに、インド経済の中心地であるムンバイでデータセンターの増設を開始しました。国内では、首都圏オフィスエリアからアクセスがしやすい品川でサービスを提供するとともに、首都圏のバックアップサイトなどとして今後の成長が見込まれる大阪で増設に着手しました。
○ NTTグループ各社の取り組みにより、HM Treasury(英国財務省)より様々なサプライヤーのコーディネーション、クラウドホスティング、アプリケーション管理サービスなどを受注しました。また、ドイツの自動車メーカーであるDaimler AGのERPシステムの開発や保守運用サービスを開始しました。さらに、全日本空輸株式会社からの受託により、同社グループの全世界の拠点などで利用するクラウド型の音声基盤サービスを提供しています。
《ネットワークサービス競争力強化の状況》
○ 固定通信分野においては、光アクセスインフラを幅広い分野の多様なサービスプレイヤーにお使いいただくことで、新たな価値創造によるICT市場の活性化を図るため、世界初の本格的な光アクセスのサービス卸である「光コラボレーションモデル」を導入し、様々な事業者の皆様が、当モデルを利用したサービスの提供を開始しました。
○ 移動通信分野においては、お客様のライフステージに合わせながら、長期にわたりお得にお使いいただける新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を開始し、初年度で1,783万契約に達しました。また、「光コラボレーションモデル」を活用した、光ブロードバンドサービス「ドコモ光」とスマートフォンや携帯電話をまとめてお得な料金でご利用いただける「ドコモ光パック」の提供を開始しました。さらに、LTEサービスを活用した、従来の通話よりも高音質で安定した音声通話サービス「VoLTE」の提供を開始しました。
○ 固定・移動通信サービスに関連するコストの削減に向けた取り組みを強化しました。具体的には、無派遣工事の拡大による光回線開通コストの削減や保守運用業務の更なる効率化を行うとともに、高性能な装置の導入や既存設備のスリム化などによる設備効率の更なる向上に努めました。また、「光コラボレーションモデル」などを踏まえ、マーケティングコストの効率化を進めました。
《CSR(企業の社会的責任)推進の状況》
社会の持続的発展に貢献するため、「NTTグループCSR憲章」に基づいて策定した8つの「NTTグループCSR重点活動項目」を定め、それらの定量指標を目標とした様々な活動に取り組むとともに、積極的な情報開示に努めています。
「低炭素社会の実現」に向け、ICTを活用した温室効果ガス削減に取り組んだ結果、世界最大級の気候変動に関する企業評価プログラムであるCDPから、企業の対応状況などの情報開示に最も優れた国内企業の1社として「CDLI(クライメート・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックス)」に2年連続で選定されたことに加え、国内の通信事業者では初めて気候変動に対応するパフォーマンスに優れた企業として、「CPLI(クライメート・パフォーマンス・リーダーシップ・インデックス)」にも選定されました。
「重要インフラとして高い安定性と信頼性の確保」に向けて、巨大地震の被災想定の見直しなどが実施されたことを受けた減災対策を推進し、グループ横断で長期停電への対策方針策定、自治体や外部機関と連携した防災訓練の実施などの取り組みを進めました。また、大規模災害の被災地において、避難所周辺などを短時間でWi-Fiエリア化し、通話やデータ通信を提供可能とする「移動式ICTユニット」を展開し、海外においても、台風で大きな被害を受けたフィリピン・セブ島において、同ユニットを活用した実証実験プロジェクトに参加しました。
環境・社会・ガバナンスなどの情報に対する投資家ニーズが高まっていることを踏まえ、アニュアルレポートにおける非財務情報を充実し、統合レポートとして発行しました。
このような取り組みもあり、世界的な社会的責任投資の指標である「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」におけるアジア・パシフィック分野の構成銘柄として選定されました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度のNTTグループの営業収益は11兆953億円(前期比1.6%増)となりました。また、営業費用は10兆108億円(前期比3.1%増)となりました。この結果、営業利益は1兆846億円(前期比10.6%減)、また、税引前当期純利益は1兆666億円(前期比17.6%減)、当社に帰属する当期純利益は、5,181億円(前期比11.5%減)となりました。
(注)当社の連結決算は米国会計基準に準拠して作成しております。
なお、各セグメントの概要は次のとおりです。
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメント及びその他の事業セグメントに区分しております。
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーション、その他が含まれております。
長距離・国際通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーション、その他が含まれております。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売が含まれております。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションが含まれております。
また、その他の事業セグメントには、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業等に係るその他のサービスが含まれております。
当連結会計年度における各事業の種類別セグメントの経営成績等は、次のとおりです。
■地域通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 35,723 | 35,055 | △668 | △1.9% |
営業費用 | 34,451 | 33,367 | △1,084 | △3.1% |
営業利益 | 1,272 | 1,689 | 416 | 32.7% |
地域通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTT東日本およびNTT西日本は、「フレッツ光」のサービスメニューの拡充やWi-Fiを通じた光の利用機会の拡大に加え、光アクセスサービスを様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」の開始などによる光・IP系サービスの推進に取り組み、収益基盤の確保に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①主なサービスの契約数など
○「フレッツ光」 :1,872万契約(対前連結会計年度:+67万契約)
○「ひかり電話」 :1,711万ch(対前連結会計年度:+85万ch)
○「フレッツ・テレビ」:134万契約(対前連結会計年度:+18万契約)
(注)「フレッツ光」、「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ」は、NTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。
②光・IP系サービスの推進
《当連結会計年度に開始した主なサービスなど》
サービス名など | 概 要 |
光コラボレーションモデル (NTT東日本・NTT西日本) | NTT東日本、NTT西日本の光アクセスサービスを様々なサービス提供事業者に卸提供するサービス |
O2Oクラウドサービス (NTT東日本) | 飲食業や小売業などを営む事業者向けのWi-Fiを活用したアプリケーションサービス |
オフィス安心パック (NTT西日本) | 中堅・中小企業のお客様を対象に、ICTサポートのニーズにきめ細やかにお応えし、オフィスのヘルプデスクとして、お客様をサポートするサービス |
ギガらくWi-Fi (NTT東日本) | 中堅・中小企業のお客様が求めるオフィスのWi-Fi環境を実現するメニューをあらかじめ用意し、Wi-Fiアクセスポイント装置とその導入から運用までのサポートを組み合わせて提供するサービス |
思い出アルバム on フレッツ (NTT西日本) | ビデオテープや写真などをデジタル化し、クラウド上に保管することで、インターネットを通じてパソコンなどで視聴可能とするサービス |
《当連結会計年度に合意した主な協業》
協業先企業 | 概 要 |
日本航空株式会社 (NTT東日本) | 海外発日本行きJAL便航空券の購入者を対象に、JAL海外地区ホームページにて、NTT東日本が提供するWi-Fiスポットサービス「光ステーション」に14日間無料で接続可能なIDとパスワードの提供を開始 |
株式会社第一興商 (NTT西日本) | NTT西日本が提供する「光BOX+(情報機器)」を使用して、株式会社第一興商が展開する業務用通信カラオケ「LIVE DAM」の音源をそのままご家庭に提供する「光カラオケBOX+@DAM」の提供を開始 |
③お客様サービスの向上
○ ブロードバンドサービス全般に関するお客様からの幅広いお問い合わせに遠隔で対応する「リモートサポートサービス」が451万契約※となりました。(NTT東日本・NTT西日本)
※NTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスの契約数を含めて記載しております。
○ 毎月のご利用に応じたポイントや限定コンテンツなどの特典を提供する会員制プログラム「フレッツ光メンバーズクラブ」(NTT東日本)、「CLUB NTT-West」(NTT西日本)は会員数が合計で1,076万人となりました。
以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、IP系・パケット通信収入などが増加したものの、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少などにより、3兆5,055億円(前期比1.9%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、人件費の削減や経費の効率化などにより3兆3,367億円(前期比3.1%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,689億円(前期比32.7%増)となりました。
■長距離・国際通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 18,099 | 19,986 | 1,887 | 10.4% |
営業費用 | 16,824 | 18,851 | 2,026 | 12.0% |
営業利益 | 1,275 | 1,136 | △139 | △10.9% |
長距離・国際通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTコミュニケーションズは、事業ビジョン「ビジョン2015」のもと、世界中のお客様にとって最適なパートナーとして選ばれる真のリーディンググローバルプレイヤー(「Global ICT Partner」)となるべく取り組みました。法人のお客様に対しては、クラウドだけでなく、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーション、マネージドICTサービスなどを組み合わせた、通信事業者ならではのシームレスICTソリューションの提供に取り組みました。個人のお客様に対しては、利便性の高いアプリケーションや豊富なコンテンツを提供し、新たなライフスタイルの提案に取り組みました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①主なサービスの契約数
○「ひかりTV」 :301万契約(対前連結会計年度:+19万契約)
○「OCN」 :828万契約(対前連結会計年度:+13万契約)
○「ぷらら」 :296万契約(対前連結会計年度:△1万契約)
②グローバルサービス基盤の拡充
《当連結会計年度の主な取り組み》
○サービス提供体制の強化
・データセンターサービス「NexcenterTM」では、「マレーシア サイバージャヤ 4 データセンター」の提供を開始しました。また「インド ムンバイ 5 データセンター」、「大阪第5データセンター」、「バージニア アッシュバーン 2 (VA2) データセンター」の建設を開始しました。加えて、ドイツを中心とした欧州でデータセンターサービスを提供しているLux e-shelter 1 S.a.r.l.(本社:ルクセンブルク)の株式取得に関する契約を締結するなど、データセンター拠点を大幅に拡充しました。
・グローバルビジネスにおける情報セキュリティのマネジメント手法の確立から対策の導入、運用までを提供するトータルセキュリティサービスの強化と、ドイツ、スイスおよびオーストリアエリアの一層の基盤確立を目的とし、スイスの多国籍企業を顧客基盤にもつInfoTrust AG(本社:スイス)を子会社化しました。
○ネットワークの拡充
高品質で信頼性の高いIPバックボーンに対するニーズに応えるため、国際インターネット接続サービス「グローバルIPネットワーク」の新たな接続拠点を米国のボストンとタイのバンコクに開設しました。
長距離・国際通信事業セグメントにおける主な子会社であるDimension Dataは、全世界で利用可能なICTインフラソリューションとネットワークコミュニケーション、エンドユーザーコンピューティング、セキュリティ、データセンターといったサービスの提供に努めました。Dimension Dataは、システムインテグレーション、ICTアウトソーシング、ITaaS(IT-as-a-Service)などの様々な方法で、お客様にサービスを提供しております。
《当連結会計年度に開始した主なサービス》
サービス名 | 概 要 |
Strategic Discovery Workshop | Strategic Discovery Workshopは、ビジネスとITの間にあるギャップを特定しそれに対処するために、会社のビジネス部門の幹部とIT部門の幹部との戦略的な関わりを促進するサービスです。このサービスは、ビジネス部門とIT部門の幹部を集め、主要な目標、ロードマップや行動計画について共通理解と合意を形成していくためのファシリテイテッド・ワークショップへの参加機会を提供します。 |
Security Architecture Assessment | Security Architecture Assessmentは、お客様が事業の変革につながる機会を特定することを支援するコンサルティング主導のサービスです。同サービスは、アーキテクチャアプローチを用いて、お客様の現在の状況を理解するための対話型ワークショップに始まり、将来実現したい状況へ到達するための最終目標を設定します。このアプローチでは、コンサルティングサービスを通じて、Dimension Dataのセキュリティマネージドサービスや戦略的ベンダーパートナーシップに繋がる提案を行います。 |
Managed Services Enterprise Network 1.0 | Managed Services Enterprise Networkは、お客様の組織が、自社のITネットワークインフラを、柔軟に、コスト効率高く、リアルタイムに積極的に運用管理することを支援するサービスです。また、高い専門性を有するエンジニアにより管理された高度な統合型のサービス管理の技術を提供します。 |
Managed Services Data Centre | Managed Services Data Centreは、ITIL(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)準拠のサービスレベル管理の技能を有する経験豊富なデータセンター技術者による監視・報告・分析を通じて、継続的かつリアルタイムの可用性・キャパシティ管理をお客様の組織に提供するサービスです。また、自動化されたインシデント管理は、タイムリーな報告や問題管理のための専門的な技術・ITスキルへのアクセスを提供します。 |
③法人ビジネスの展開
《当連結会計年度に開始した主なサービス》
サービス名 | 概 要 | |
Arcstar Contact Center | 顧客対応業務を行うコンタクトセンターにおいて、オペレーター席数の増減や利用する機能を柔軟に変更することができるクラウドサービス | |
Arcstar Universal One アドバンストオプション 仮想アプライアンスタイプ | 従来、オンプレミスに専用の設備を設置する必要があったファイアウォールやアプリケーション高速化などのネットワーク機能をクラウド型で提供するオプションサービス | |
Global Management One | ネットワークからクラウドプラットフォーム、アプリケーションに至るNTTコミュニケーションズグループのサービスやお客様のオンプレミス機器、他社サービスなどすべてのICT環境をグローバル共通の仕様、品質で運用管理するとともに、一元的な受付窓口を提供するサービス |
④個人向けサービスの展開
《当連結会計年度に開始した主なサービス》
サービス名 | 概 要 |
OCN 光 | NTT東日本とNTT西日本が提供する「光コラボレーションモデル」を活用した、光ブロードバンドサービスとインターネット接続サービス「OCN」を一括でご利用できるサービス |
以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内の固定音声関連収入の減少はあったものの、海外連結子会社の拡大に伴うシステムインテグレーション収入の増加などにより、1兆9,986億円(前期比10.4%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用の増加などにより、1兆8,851億円(前期比12.0%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,136億円(前期比10.9%減)となりました。
■移動通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 44,612 | 43,834 | △778 | △1.7% |
営業費用 | 36,440 | 37,476 | 1,037 | 2.8% |
営業利益 | 8,172 | 6,358 | △1,815 | △22.2% |
移動通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTドコモは、モバイル領域における競争力の強化に向けて、新料金プランの開始、LTEサービスによるネットワークの進化および高機能で魅力的なデバイス(端末)の提供などに取り組みました。また、スマートライフ領域においては、dマーケットの更なる充実や様々な事業者との協業・提携など、お客様のスマートライフを支える新サービスの拡大を進めました。加えて、2015年3月には、光ブロードバンドサービス「ドコモ光」および「ドコモ光パック」を開始しました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①主なサービスの契約数
お客様の多様なニーズにお応えするため、スマートフォン・タブレット端末、ウェアラブル端末やWi-Fi端末などラインナップの充実に努めました。
○携帯電話契約数 :6,660万契約(対前連結会計年度:+349万契約)
(再掲)LTE(「Xi」) :3,074万契約(対前連結会計年度:+878万契約)
(再掲)「FOMA」 :3,585万契約(対前連結会計年度:△529万契約)
(注)携帯電話契約数、LTE(「Xi」)契約数および「FOMA」契約数には通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
サービス名 | 概 要 | |
カケホーダイ&パケあえる | 国内の音声通話を定額にする「カケホーダイ」、パケット(データ)通信量をご家族で分け合える「シェアパック」、ご利用年数に応じた割引サービス「ずっとドコモ割」、25歳以下のお客様を応援する「U25応援割」の4つを柱とした新料金プラン | |
dデリバリー | 出前・フード宅配サービス | |
dマガジン | 電子雑誌の定額読み放題サービス | |
ドコモ光 | 「ドコモ光」単独型 | NTT東日本とNTT西日本が提供する「光コラボレーションモデル」を活用した、光ブロードバンドサービス |
ISP料金一体型 | NTT東日本とNTT西日本が提供する「光コラボレーションモデル」を活用した、光ブロードバンドサービスとインターネット接続サービスを一括でご利用できるサービス | |
ドコモ光パック | 「ドコモ光」のご利用料金と「カケホーダイ&パケあえる」を組み合わせることで、「ドコモ光」とスマートフォン・携帯電話をまとめてお得な料金でご利用いただける割引サービス |
②サービスエリアの拡大
○エリア充実を図るため、全国のLTE基地局数を55,300局から97,400局にまで増設しました。また、高速化の更なる推進に向け、受信時最大速度100Mbps以上に対応したLTE基地局数を3,500局から57,700局にまで拡大しました。
○LTEサービスを活用し、従来の通話よりも高品質で安定した音声通話サービスを提供する「VoLTE」を開始しました。また、次世代ネットワークLTE-Advancedを使用した受信時最大225Mbpsの通信サービスを「PREMIUM 4GTM」として提供開始しました。
③スマートライフ領域への取り組み
○着用することで心拍数や心電位などの生体情報取得を可能にする繊維素材「hitoe(ヒトエ)」を活用したウェア型の計測用デバイスとアプリケーションの連携により、計測したデータを記録・管理し、お客様のトレーニングをサポートするサービス「Runtastic for docomo」をruntastic GmbH(本社:オーストリア)と共同開発し、提供を開始しました。
○Tesla Motors, Inc.(本社:米国)の日本国内向け電気自動車「モデルS」に、車載情報通信サービスのプラットフォームおよびデータ通信回線を提供する契約を同社と締結しました。
以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、スマートライフ事業などが拡大したものの、「月々サポート」や新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の影響などに伴い移動音声関連収入等が減少したことなどにより4兆3,834億円(前期比1.7%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、コスト効率化を推進したものの、端末機器原価などの収益連動費用の増加等により3兆7,476億円(前期比2.8%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、6,358億円(前期比22.2%減)となりました。
■データ通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 13,439 | 15,110 | 1,672 | 12.4% |
営業費用 | 12,759 | 14,247 | 1,487 | 11.7% |
営業利益 | 679 | 864 | 184 | 27.2% |
データ通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTデータは、グローバルで多様なICTサービスを効率的に提供する企業グループへと進化し、「Global Top 5(売上高1.5兆円超)」、「EPS(1株当たり当期純利益)200円」を実現するべく、2012年度から2015年度までの中期経営計画を策定し、注力分野である「新規分野拡大・商品力強化」、「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」、「全体最適の追求」に取り組んでいます。主な取り組みの状況は以下のとおりです。
①経営施策の取り組み状況
○管理業務に要する費用を対象に、業務の標準化・効率化・集約化をはじめ、組織の再編・統合や経営資源の流動化と最適配置に着実に取り組みました。
②事業活動の取り組み状況
○ドイツの自動車メーカーであるDaimler AGと、グローバルなERPシステムの保守運用、追加システム開発の戦略パートナーとして、複数年契約を締結し、サービスの提供を開始しました。
○日本のインフラソリューションを輸出する一環として、日本国内における貿易手続き・通関システムのノウハウなどを活用し、ミャンマー版貿易手続き・通関システムの開発を同国政府より受注しました。
○バチカン図書館と初期契約を締結したデジタルアーカイブ事業において、同館所蔵の貴重な手書き文献をデジタル画像化し、同館のウェブサイトにて公開を開始しました。
○パートナー事業者としてプロジェクトを推進してきた、東京電力株式会社のスマートメーター運用管理システムを活用したサービスが順次提供開始されました。また、電力広域的運営推進機関の電力システム改革推進に向けた「スイッチング支援システム」を受注しました。
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
サービス名 | 概 要 | |
BizXaaS オムニチャネル | 従来ECサイトや実店舗などで個別に管理していた商品情報、顧客情報、在庫情報、注文情報の一元管理を可能とするクラウドサービス |
以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、海外連結子会社の増加や新規顧客開拓および既存顧客向けシステムにおける規模拡大などにより1兆5,110億円(前期比12.4%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、不採算案件が減少したものの、収益連動費用の増加などにより1兆4,247億円(前期比11.7%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、864億円(前期比27.2%増)となりました。
■その他の事業セグメント
セグメント業績の概要(2014年4月1日~2015年3月31日) (単位:億円)
2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増減 | 増減率 | |
営業収益 | 13,285 | 12,722 | △563 | △4.2% |
営業費用 | 12,724 | 12,048 | △677 | △5.3% |
営業利益 | 561 | 675 | 114 | 20.3% |
その他の事業においては、不動産事業の減収などにより、当連結会計年度の営業収益は1兆2,722億円(前期比4.2%減)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、収益連動費用の減少などにより、1兆2,048億円(前期比5.3%減)となりました。この結果、営業利益は、675億円(前期比20.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、2兆3,918億円の収入となりました。前期比では、3,361億円(12.3%)減少しておりますが、これは、銀行休業日の影響に加え、営業利益が減少したことなどによるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」については、1兆8,686億円の支出となりました。前期比では、2,382億円(11.3%)支出が減少しておりますが、これは、設備投資や出資による支出が減少したことなどによるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」については、6,780億円の支出となりました。前期比では、556億円(8.9%)支出が増加しておりますが、これは、自己株式取得の減少や借入債務の増加があった一方で、子会社株式の取得が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末におけるNTTグループの現預金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して1,353億円(13.7%)減少し、8,492億円となりました。
キャッシュ・フローの状況 | (単位:億円) |
区 分 | 2014年3月期 連結会計年度 (2013年4月1日から 2014年3月31日まで) | 2015年3月期 連結会計年度 (2014年4月1日から 2015年3月31日まで) | 増 減 | 増減率 |
営業活動による キャッシュ・フロー | 27,279 | 23,918 | △3,361 | △12.3% |
投資活動による キャッシュ・フロー | △21,068 | △18,686 | 2,382 | 11.3% |
財務活動による キャッシュ・フロー | △6,224 | △6,780 | △556 | △8.9% |
現預金及び現金同等物 の期末残高 | 9,845 | 8,492 | △1,353 | △13.7% |
なお、詳細につきましては、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(参考情報)指定電気通信役務損益状況等
事業会社における基礎的電気通信役務損益明細表及び指定電気通信役務損益明細表は次のとおりであります。
1.NTT東日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
第16期(2014年4月1日から2015年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) |
基礎的電気通信役務 | 238,530 | 275,605 | △37,074 |
基礎的電気通信役務以外の電気通信役務 | 1,386,526 | 1,257,560 | 128,965 |
合計 | 1,625,057 | 1,533,165 | 91,891 |
(2)指定電気通信役務損益明細表
第16期(2014年4月1日から2015年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) | |||
指 定 電 気 通 信 役 務 | 特定電気通信役務 | 音 声 伝 送 役 務 | 基本料 | 302,985 | 318,332 | △15,347 |
市内・市外通信 | 30,208 | 24,505 | 5,702 | |||
公衆電話 | 3,903 | 4,794 | △891 | |||
その他 | 6,432 | 4,135 | 2,297 | |||
小計 | 343,529 | 351,768 | △8,238 | |||
特定電気通信役務以外の指定電気通信役務 | FTTHアクセスサービス | 448,701 | 391,297 | 57,403 | ||
専用役務 | 24,297 | 21,617 | 2,680 | |||
その他 | 135,003 | 99,608 | 35,394 | |||
小計 | 608,003 | 512,524 | 95,478 | |||
小計 | 951,533 | 864,292 | 87,240 | |||
指定電気通信役務以外の電気通信役務 | 673,524 | 668,872 | 4,651 | |||
合計 | 1,625,057 | 1,533,165 | 91,891 |
2.NTT西日本
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
第16期(2014年4月1日から2015年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) |
基礎的電気通信役務 | 243,329 | 279,177 | △35,847 |
基礎的電気通信役務以外の電気通信役務 | 1,171,991 | 1,113,670 | 58,321 |
合計 | 1,415,321 | 1,392,847 | 22,473 |
(2)指定電気通信役務損益明細表
第16期(2014年4月1日から2015年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) | |||
指 定 電 気 通 信 役 務 | 特定電気通信役務 | 音 声 伝 送 役 務 | 基本料 | 305,316 | 325,654 | △20,337 |
市内・市外通信 | 28,070 | 22,981 | 5,088 | |||
公衆電話 | 3,545 | 4,724 | △1,179 | |||
その他 | 6,591 | 4,671 | 1,919 | |||
小計 | 343,523 | 358,032 | △14,508 | |||
特定電気通信役務以外の指定電気通信役務 | FTTHアクセスサービス | 371,948 | 358,293 | 13,654 | ||
専用役務 | 22,015 | 19,295 | 2,719 | |||
その他 | 121,129 | 95,255 | 25,873 | |||
小計 | 515,093 | 472,845 | 42,247 | |||
小計 | 858,616 | 830,877 | 27,739 | |||
指定電気通信役務以外の電気通信役務 | 556,704 | 561,969 | △5,265 | |||
合計 | 1,415,321 | 1,392,847 | 22,473 |
3.NTTコミュニケーションズ
(1)基礎的電気通信役務損益明細表
第16期(2014年4月1日から2015年3月31日まで) |
役務の種類 | 営業収益(百万円) | 営業費用(百万円) | 営業利益(百万円) |
基礎的電気通信役務 | 20 | 45 | △24 |
基礎的電気通信役務以外の電気通信役務 | 699,138 | 617,148 | 81,989 |
合計 | 699,158 | 617,194 | 81,964 |
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
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