シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004YHI

有価証券報告書抜粋 東北電力株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1) 業績


東日本大震災以降,わが国のエネルギーを巡る環境は大きく変化した。国内の原子力発電所の長期停止に伴う化石燃料への依存度の高まりにより,多額の国富が流出し,わが国の経済活動やCO2排出量にも影響を及ぼしている。
昨年4月,国の中長期的なエネルギー政策の指針として,新たなエネルギー基本計画が策定された。この基本計画において,再生可能エネルギーは「重要な低炭素の国産エネルギー源」,また,原子力発電は「安全性の確保を大前提に,エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付けられている。
現在,これらを含めた各エネルギー源の電源としての特性を踏まえ,現実的かつバランスの取れたエネルギー需給構造の実現に向けて,国の長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)の検討が進められているところである。
また,電力システム改革については,本年4月,第1段階として,全国的な需給逼迫時の広域的な需給調整などを行う「電力広域的運営推進機関」が業務を開始した。来年には,第2段階として,小売分野における全面自由化がはじまり,大きな転換期を迎える。さらに,2020年には,第3段階となる送配電部門の法的分離(別会社化)が予定されている。
このようななかで,電気事業者は,かつてない環境変化のもとでの事業運営が求められている。


当社は,電力の安定供給を維持するために,需給両面にわたって取り組んできた。
供給面においては,需要が増大する夏場や冬場の供給力を確保するため,火力発電所の点検時期の調整や増出力運転,さらには設備増強など,あらゆる対策を積み重ねてきた。
一方,需要面においては,お客さまに効率的な電気のご使用や無理のない範囲での節電について,引き続きご協力をいただいた。
こうした需給両面にわたる対策などにより,万全とは言えないながらも電力の安定供給を維持することができた。
しかしながら,東日本大震災以降,原子力発電所が長期停止しているなかで,火力発電所は,経年化したものを含め高稼働状態が長期間にわたって続いている。この結果,設備トラブルが増加しており,安定供給については,未だ脆弱な状況が続いている。


当社は,原子力発電所の安全性向上に向けた取り組みとして,新規制基準などを踏まえた安全対策を設備と運用の両面から進めている。さらに,自主的かつ継続的な安全性の向上にも取り組んでいる。
設備面では,地震や津波に対する耐性強化や冷却機能に係る代替設備の設置など,設備の強化を図るとともに,多様化及び多重化という観点から,安全対策をさらに充実させていくこととしている。たとえば,女川原子力発電所において,想定津波高(海抜23.1メートル)に対して海抜約29メートルの防潮堤を設置する工事を行うなど,より厳しい条件を考慮した地震・津波対策を進めている。また,運用面では,厳冬期や夜間などの様々な条件下でより実践的な訓練を継続的に実施するなど,対応力の強化,充実に取り組んでいる。
こうした安全対策に関して,女川原子力発電所第2号機については,現在,原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が進められている。また,東通原子力発電所第1号機についても,昨年6月,適合性審査の申請を行った。なお,東通原子力発電所の敷地内断層における活動性について,原子力規制委員会の有識者会合において審議が進められてきたが,今後は適合性審査のなかで総合的かつ合理的な評価をいただけるよう,調査データに基づき説明を尽くしていく。
加えて,関係自治体との協定の締結などにより情報連絡をはじめとする連携を一層強化するとともに,原子力発電所における安全性向上への取り組みについて,地域の皆さまにご理解を深めていただくことが重要と考え,発電所を実際にご覧いただく取り組みも積極的に展開してきた。
このように,当社は,安全対策,国の審査への対応,地域の皆さまのご理解を深めていただくための取り組みを着実に進めている。

一方,女川原子力発電所において,昨年9月,原子力規制委員会による保安検査で,東日本大震災後の設備の健全性確認に係る第2号機の点検記録の一部に不備がある,との指摘を受けた。その後,すべての記録を調査したところ,多くの同様な記録不備が確認された。当社は,品質保証上の問題として重く受け止め,再発防止対策の確実な実行により,原子力品質保証活動の一層の強化に努めていく。


当社は,これまでも,グループ企業とともに再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでおり,水力発電,地熱発電,風力発電の導入実績は,国内の電力会社のなかでも最高水準となっている。また,太陽光発電についても,本年1月には,原町太陽光発電所(1,000キロワット)が営業運転を開始している。
再生可能エネルギーは,発電時にCO2を排出しないなどのメリットがあるものの,風力発電や太陽光発電は気象条件によって出力が大きく変動するという特性もあることから,電気の品質を保つための周波数変動対策を行い,安定供給に支障が生じないようにして導入を進めてきた。
しかしながら,太陽光発電については,昨年,国の固定価格買取制度のもと,当社送電網への接続申し込みが急激に増加したことにより,安定供給への支障が懸念される事態となった。このため,国による制度の運用見直しを踏まえ,事業者の皆さまに時間単位のきめ細かな出力制御などをお願いすることにより,電気の品質を維持できるようにしたうえで接続手続きを進めることとした。
こうしたなか,本年2月には,国の補助事業を活用し,西仙台変電所に大型蓄電池システムを設置して周波数変動対策等の実証事業を行うとともに,出力予測技術の精度向上などを進め,事業者の皆さまのご負担が極力少なくなるよう最大限取り組んでいく。


当社は,東日本大震災以降,甚大な設備被害に加え,原子力発電所の長期停止に伴う燃料費の大幅な増加などにより,自己資本が大きく減少するなど,財務状況が急激に悪化した。
こうしたなか,人事制度の見直しによる人件費の抑制,効果的な燃料調達による燃料費の抑制,「調達改革委員会」による資材・役務の調達価格低減など,徹底した効率化に取り組んできた。
このように,あらゆる分野で効率化に取り組んだ結果,当年度は,2013年の電気料金値上げ申請時に織り込んだ年平均806億円の効率化に,料金認可時の査定で上積みされた333億円を加えた,合計1,100億円を超える効率化を達成することができた。
しかしながら,設備の経年化対策などの工事に加え,大規模自然災害への備えなども考慮すると,未だ収益基盤は安定している状況ではない。今後も,中長期的に効果が持続する構造的なコスト低減の取り組みを加速し,早期に収益基盤の安定化を図っていく。


当連結会計年度の企業グループの収支については,収益面では,当社において,販売電力量は減少したものの,料金改定や燃料費調整額に加え,再生可能エネルギー発電促進賦課金の影響などにより,電灯・電力料が増加したことなどから,売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べ1,431億円(7.0%)増の2兆1,820億円,経常収益は前連結会計年度に比べ1,435億円(7.0%)増の2兆1,901億円となった。
一方,費用面では,安定供給維持のための修繕費や購入電力料は増加したものの,減価償却費や人件費の減少のほか,経費全般にわたり効率化の実施に努めたことなどから,経常費用は前連結会計年度に比べ659億円(3.3%)の増加にとどまり,2兆734億円となった。
この結果,経常利益は前連結会計年度に比べ775億円(198.7%)増の1,166億円となった。
また,当期純利益は当社の退職給付制度改定益142億円及び東京電力福島第一原子力発電所における事故に起因する営業損害等に係る受取損害賠償金54億円を特別利益に計上したことなどから,前連結会計年度に比べ421億円(123.0%)増の764億円となった。


当連結会計年度におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりである。

[電気事業]
売上高は,販売電力量は減少したものの,料金改定や燃料費調整額に加え,再生可能エネルギー発電促進賦課金の影響などにより,電灯・電力料が増加したことなどから,前連結会計年度に比べ1,165億円(6.4%)増の1兆9,350億円となった。一方,営業費用は,安定供給維持のための修繕費や購入電力料は増加したものの,減価償却費や人件費の減少のほか,経費全般にわたり効率化の実施に努めたことなどから,前連結会計年度に比べ602億円(3.5%)の増加にとどまり,1兆7,932億円となった。
この結果,営業利益は前連結会計年度に比べ563億円(65.9%)増の1,418億円となった。

[建設業]
売上高は,受注工事が増加したことなどから,前連結会計年度に比べ446億円(18.4%)増の2,868億円となった。一方,営業費用は,受注工事の増加に伴う工事原価の増加などから,前連結会計年度に比べ254億円(10.3%)増の2,731億円となった。
この結果,営業利益は前連結会計年度に比べ192億円増の136億円となった。

[その他]
売上高は,製造業において増加したことなどから,前連結会計年度に比べ214億円(11.0%)増の2,167億円となった。一方,営業費用は,製造業における増加などから,前連結会計年度に比べ100億円(5.2%)増の2,026億円となった。
この結果,営業利益は前連結会計年度に比べ114億円(420.4%)増の141億円となった。


(2) キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が増加したことなどから,前連結会計年度に比べ1,377億円(58.3%)増の3,742億円の収入となった。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出は減少したものの,前連結会計年度並みの2,477億円の支出となった。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の償還による支出が増加したことなどから,前連結会計年度の収入から支出に転じ,2,112億円の支出(前連結会計年度は454億円の収入)となった。

この結果,現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は,前連結会計年度末残高に比べ848億円(25.8%)減の2,445億円となった。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04501] S1004YHI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。