株式会社東天紅 業績等の概要 (2015年2月期)

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、消費増税の影響が長引き、実質賃金の減少や円安に伴う燃料高、異常気象の影響によって、個人消費が大きく低迷しており、政府によるデフレ脱却と経済の再生の実効が待たれ、想定以上に厳しい状況で推移いたしました。
当業界におきましては、企業間競争の激化に加え、原材料価格の高騰など、依然として厳しい経営環境が続いております。
こうした状況のもとで、当社は、2015年2月、新「上野店」を竣工、開店し、新たな50年の旗艦店として一歩を踏み出しました。
また、セールス活動の再構築と徹底強化により、既存顧客の囲い込みに加え、官公庁・各種団体、業績好調な業種などの新規開拓セールスを継続的に実行してまいりました。
次に、婚礼ブランド「LUCIS(ルーキス)」「Coeur et Coeur(クーレクール)」「LA VIE CLAIR(ラ ヴィ クレール)」に加え、他の店舗においても、好調に推移しております顔合わせ、食事会、二次会等の婚礼事業のさらなる強化を図りました。
また、2014年5月より改装に着手いたしました「オペラシティ東天紅」は、9月にリニューアルオープンし、順調に推移しております。なお、この改装時期にあわせて、「オペラシティ海燕亭」を閉店いたしました。
加えて、千葉県松戸市所在の当社所有社員寮・研修センター、並びに、大阪市所在の関西寮を廃止するなどの事業構造改革を進めました。なお、松戸寮跡地については、賃貸マンションを建設し、本年8月より賃貸開始を予定しております。
そして、2015年2月に開店した新「上野店」は、高い耐震性能と環境性能を備え、地下1階地上9階建て、1階が駐車場、2階にフロント、カフェ、ショップを配し、3階には最大500名までご利用いただける大宴会場、4階には小宴会場、5階には大中小宴会場、6階と8階にはウエディングバンケット、7階にはチャペル、ドレスサロン、ブライズルームとウエディングカウンター、9階には中国料理ダイニング「ルーキスガーデン」と日本料理ダイニング「海燕亭」という複合飲食施設が完成いたしました。
なお、旧「上野店」の土地は、2015年2月に東京建物株式会社へ売却を完了しております。建物解体後の跡地、約900坪については、同社が建設する36階建ての高層住宅棟へと生まれ変わり、2019年の入居開始が予定されております。
また、「横浜店」は2014年12月に閉鎖いたしました。
しかしながら、当事業年度は消費増税による景気回復の遅れ、また新「上野店」建設工事の影響などもあり、宴会部門、婚礼部門共に売上高の減少となった結果、売上高は前年同期比6.4%減の59億2,192万円となりました。また、利益面では、円安や人手不足による諸コスト上昇により、営業損失は5億6,747万円(前年同期は営業損失1億5,578万円)、経常損失は6億1,258万円(前年同期は経常損失1億8,044万円)となりましたが、上野店土地建物の売却益の計上により、当期純利益は前年同期比912.1%増の21億2,504万円となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は21億1,867万円となり前事業年度末と比較して16億8,687万円の増加となりました。
これは税引前当期純利益28億9,210万円の計上並びに事業構造改革費用、減価償却費の計上があったものの、新「上野店」の固定資産取得並びに借入金の返済等によるものであります。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は7億8,634万円となりました。(前年同期は1億799万円の支出)
これは主に、税引前当期純利益の計上があったものの、上野店土地及び建物の売却、減価償却費並びに事業構造改革費用の計上などによるものであります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動より得られた資金は、33億3,934万円となりました。(前年同期は6億6,335万円の支出)
これは主に、上野店土地及び建物の売却及び新「上野店」の固定資産取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、8億6,612万円となりました。(前年同期は5億270万円の収入)
これは主に、借入金の返済によるものであります。