大成株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安が一段と加速したことによる輸出の拡大、訪日外国人旅行者数の増加によるサービス収支改善が見られ、また株式市況の好転や原油価格下落などにより全体としては、緩やかな回復傾向にあります。今後も設備投資の増加や賃上げ・雇用環境のさらなる改善が続いていくと見られ、長期的に見ると景気も安定的に推移していくものと見込まれます。
ビルメンテナンス業界におきましては、景気回復を背景に都心部ではオフィス需要が旺盛で新規物件が増加していますが、新規物件にテナントが集中する一方で市場全体を見ると多くの物件では空室率の改善が乏しく、賃借料が上昇に転じていないため、収益面では引き続き厳しい状況が続いております。
そのような環境のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、ビルメンテナンス事業につきましては、当連結会計年度に獲得した一宮市役所本庁舎、高山グリーンホテル、ウェスティンホテル仙台、日立製作所中央研究所、コートヤード・バイ・マリオット東京ステーションホテル、虎ノ門ヒルズ、大阪マリオット都ホテル、丸の内北口ビルディングなどの新規物件やホテルの高稼働、さらには当連結会計年度より100%子会社である㈱ティ・クリアを連結子会社化したことにより増収となりました。
またクリーン業務を中心に立ち上げ費用の縮小や作業効率改善による原価削減などにより増益となりました。
リニューアル工事事業につきましては、東京地区を中心に新規取引先からの受注が増加したものの予定していた工事の中止や延期の影響もあり減収減益となりました。
不動産ソリューション事業につきましては、既存の指定管理事業物件における収入の減少や、東京地区における不動産ソリューション推進部の新設などの影響もあり減収減益となりました。
結果、当連結会計年度の業績は、売上高191億50百万円(前連結会計年度比4.5%増)、営業利益2億43百万円(同2.9%減)、経常利益3億48百万円(同5.7%増)となり、また投資有価証券償還益を計上し当期純利益は3億30百万円(同74.2%増)となりました。前連結会計年度との比較においては、増収増益(当期純利益ベース)となりました。
セグメント別の業績につきましては、ビルメンテナンス部門(クリーン・設備管理・セキュリティ)を業態別に前連結会計年度と比較しますと、クリーン業務は8.2%の増収、設備管理業務は3.6%の増収、セキュリティ業務は2.4%の減収となり、ビルメンテナンス部門の売上高といたしましては169億79百万円(前連結会計年度比5.3%増)、営業利益は15億79百万円(同3.0%増)となりました。
リニューアル工事部門につきましては、売上高は16億23百万円(同1.7%減)、営業利益は53百万円(同33.4%減)となりました。
不動産ソリューション部門につきましては、売上高は5億47百万円(同0.3%減)となり、営業損失は5百万円(前連結会計年度は、27百万円の営業利益)となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は19億14百万円となり、前連結会計年度末より2億59百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度において非連結子会社であった株式会社ティ・クリアを第1四半期連結会計期間から連結の範囲に含めたことにより、資金は63百万円増加しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は4億30百万円(前年同期は3億20百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5億37百万円、減価償却費1億34百万円、仕入債務の増加額74百万円、利息及び配当金の受取額98百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額2億98百万円、法人税等の支払額1億96百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は2億87百万円(前年同期は1億45百万円の減少)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入1億50百万円、投資有価証券の売却による収入1億54百万円、投資有価証券の償還による収入5億55百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出2億15百万円、投資有価証券の取得による支出7億96百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は1億17百万円(前年同期は1億42百万円の減少)となりました。主な増加要因は、長期借入金の借入による収入2億50百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払額1億円であります。