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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10057JX

有価証券報告書抜粋 東洋紡株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、「環境、ライフサイエンス、高機能で、社会に貢献する価値を、創造しつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、長年培ってきたコア技術である「重合・変性」、「加工」、「バイオ」をより発展させるとともに、各技術を組み合わせ、融合させることで、新製品や新技術の創出に注力しました。
当社グループの研究開発は、セグメントごとに担当事業部が直接運営する事業部研究部門と、中長期的視点から次代を担う新製品・新技術を開発する全社共通のコーポレート研究部門とに大別されます。これらの研究開発のマネジメントは事業開発企画室が担当し、各部門相互の連携を図りながら、当社グループの総合力を発揮した研究開発活動を推進しました。

(フィルム・機能樹脂事業)
包装用フィルム分野では、高強度で薄肉化が可能な熱収縮性ポリエステルフィルム“スペースクリーン”、飲料向けでは日本で初めてのポリエステル系縦収縮ラベル、高耐熱高剛性ポリプロピレンフィルム、タフネス性を有した高強度ポリエステルフィルム、無機二元蒸着バリアフィルム“エコシアール”などの新商品、新技術の開発を進めました。また、環境を意識したバイオポリエステルフィルムやリサイクルポリエステルフィルムも上市しました。さらに、食品用途以外では、折れるポリエステルフィルム“オリエステル”が、ショッピングバックや折り紙、ブックカバーなどへの採用が進みました。
工業用フィルム分野では、液晶ディスプレイ用のバックライト光源のLED化が進むなか、LED光源の特徴との組み合わせにより、虹むらを解消し、画像の再現性を高める超複屈折フィルム“コスモシャイン SRF”を開発、上市し、液晶テレビ用途に順調に販売を拡大しました。さらに、カーナビ用のタッチパネル用途にも採用され、着実に裾野を広げました。また、タッチパネル向けなどにハードコーティング加工時の干渉むら発生を抑制したポリエステルフィルム、新規ハイクリーン離型フィルム、従来品より高い耐久性(耐加水分解性)を有する太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム“シャインビーム”など製品ラインナップの拡充を進めたほか、リサイクルレジンを使用した工業用メカニカルリサイクルPETフィルム、タッチペンの耐久性を向上した電子辞書用透明導電性フィルムを開発しました。新設したハイブリッド型ポリエステルフィルム製造設備では、蒸着用ポリエステルフィルムや薄物の工業用フィルムなどの本格生産を開始しました。
重金属を含まず環境に優しいポリエステル重合触媒“TOYOBO GS Catalyst”については、これまでのホモPET系から共重合PET系への適用を拡大しました。フィルム、ボトル、接着剤用途に加え、海外大手メーカーからの要請により特殊繊維や特殊成型用途での開発が進みました。触媒ライセンス事業については、海外大手PETメーカーでの試作が進み、本生産化に向けた検討が具体化しました。
エンジニアリングプラスチック分野では、自動車用途で年々高まる軽量化要求に応えるべく種々の素材にて開発を進めました。高機能性ポリアミド“グラマイド”では従来に比べ大幅に耐熱性を改善した“HRシリーズ”の開発に成功しました。また、高機能性ポリエステルエラストマー“ペルプレン”では超耐熱グレードの採用が拡大し、新たに高透湿・防水フィルム用途の開発も進みました。さらに、高機能性ポリエステル樹脂“バイロペット”ではランプエクステンション用に海外での採用を拡大し、ダイレクト蒸着材の開発が進みました。バイオマス原料を用いた高融点ポリアミド樹脂“バイロアミド”については、LED、SMTコネクタでの採用が拡大したほか、自動車用途での採用が始まりました。
高機能共重合ポリエステル樹脂“バイロン”および高耐熱共重合ポリアミドイミド樹脂“バイロマックス”では電気電子製品用途の粘接着剤やインキバインダーの開発を進めました。特に市場が好調なスマートフォン部材周辺の開発に取り組み、フレキシブル印刷回路用の接着剤やディスプレイの保護フィルム用粘着剤、細線化を必要とするタッチパネルモジュールの導電ペーストインキ、同筐体の加飾インキの高機能化などの課題を解決し、新規採用獲得や販売拡大を進めることができました。太陽電池バックシート接着剤では、屋外耐久性の更なる長期化を達成するべく、“バイロン”の樹脂設計と接着剤処方で劣化抑制の技術を確立しました。変性ポリオレフィン樹脂“ハードレン”では水系塗料用の樹脂開発を行い、国内外の事業拡大を進めることができました。また、“バイロン”と“ハードレン”の技術連携により新規接着剤の開発を進めており、電気電子用途などでの提案を開始しました。
以上、当事業に係る研究開発費は51億円であります。

(産業マテリアル事業)
自動車関連分野では、国内に加えタイ、中国、北米などの拠点でエアバッグ用基布のグローバル供給体制を整備し、同基布の仕様の統一化を開始しました。
超高強力ポリエチレン繊維“ダイニーマ”では、LNGタンカーなどの大型船舶係留ロープ向けに開発した高強度タイプの採用が広がりました。
機能フィルター分野では、PM2.5などの粒子除去機能に加えて、抗ウィルスや抗アレルゲンなどの機能を備えた新タイプの自動車キャビンフィルター用濾材を開発し、販売を開始しました。環境関連装置では、低ランニングコストで運転できる窒素脱着式VOC吸着回収装置を開発しました。
スパンボンド分野では、当社グループ各社と震災復興プロジェクトを組み、除染・放射能汚染廃棄物処理に関しての資材開発に取り組んでいます。その中で、セシウム吸着で高い性能を備える“コスモフレッシュ”は、海水中でもその性能を保持することから、海水浄化に期待されており、フィールド試験を開始しました。
三次元スプリング構造体“ブレスエアー”では、欧州の生産工場で現地のニーズに基づいて開発した製品が、マットレス用途やアウトドア用途で採用され、欧州での事業が拡大しつつあります。また国内では、当社の快適性評価技術を活かした新製品の開発が、多岐にわたる用途で進んでいます。
衛生材料分野では、紙おむつ、ナプキン向けに、ソフトで肌にやさしいプレミアム不織布用原綿を開発し、海外展開を図りました。また、耐熱繊維“プロコン”では、火力発電所に使われる集塵フィルター用として、高集塵性能を得られる原綿のバリエーション充実や、フィルターの耐用年数を伸ばせる高強度化による差別化を進め、拡販を進めております。
以上、当事業に係る研究開発費は10億円であります。

(ライフサイエンス事業)
バイオケミカル分野では、主力の血糖測定用酵素について新製品のマーケット展開を行い、全般的に高い評価を受けました。診断システムでは、クリニック向けの小型免疫検査システム用試薬の銘柄を追加しました。バイオ研究試薬では、食品衛生検査用試薬の開発を行い、国内販売を開始しました。
医療機器分野では、神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”について、顔面神経など四肢末梢神経以外の神経への適用に向け取り組んでいます。また、合成系生体適合性材料“セックワン”をコーティング処理した小児用カテーテルについて製造販売承認を取得し、販売を開始しました。
人工腎臓用中空糸膜分野では、血液濾過用非対称膜の品揃えおよび血液透析用非対称膜の開発を進めました。
水処理膜分野では、海水淡水化用逆浸透膜モジュールの高性能化および市場での競争力強化を進めました。また、正浸透技術を利用した新たな膜の開発とその実用化研究を進めています。
以上、当事業に係る研究開発費は11億円であります。

(衣料繊維事業)
スポーツ分野では、アウトドア向けとして軽量・風合いに優れたシルファイン織物に羽毛漏れ耐久性を向上させた“シルファインエール”や、熱線反射保温生地“メタルギア”のバリエーションを拡充し、販売を開始しました。ポリエステル100%ストレッチャブル生地“テクニスタ48”のテキスタイルバリエーションを拡充し、スポーツシャツ、水着への採用が進みました。さらに、国際柔道連盟の新ルールに適合した柔道着をスポーツ衣料メーカーと共同開発し、販売を開始しました。
中東民族衣装向け生地においては、長短複合紡績技術などを生かした素材開発を進めました。
インナー分野では、着用快適性を向上させるための機能性付与技術をさらに進化させました。
紡績糸では、ポリエステル特化原綿を用い、防透け性に優れた“トライクール”や、風合いに優れた“スレンダーシックス”を投入し、販売を開始しました。さらに、羽毛に替わる粒状詰めわた新素材“グレンゲラン”を発表し、スポーツ衣料、寝装品などへの展開を進めています。
以上、当事業に係る研究開発費は4億円であります。

(全社共通)
全社共通の研究開発組織であるコーポレート研究所は、当社グループの次代を担う新製品・新技術の開発を行うだけでなく、各種分析・評価業務やコンピューターシミュレーションによる解析業務を通じて、研究開発を側方より支援する全社研究インフラとしての機能も有しています。また、当社の研究開発力の向上、研究開発のスピードアップを図るため、ナショナルプロジェクトへの参画や外部機関とのオープンイノベーション活動を積極的に進めております。
当社の高分子重合技術や成形加工技術を駆使した耐熱性・寸法安定性に優れる新規ポリイミドフィルムについては、ハイエンド製品への採用が始まりました。ユーザーおよび用途の拡大のため、一層の研究開発およびマーケティング活動を進めていきます。
新規機能性水処理膜については、引き続きユーザー評価およびフィールド試験を実施し、実用化に向けた検討を行い、マーケティング活動に必要なデータの収集に努めました。また、衣料繊維の開発の中で培ってきた「快適性評価技術」については、フィルムやシート材料等の製品開発に活用されるようになり、コア技術の深化・融合による新製品の開発を引き続き推進しました。
以上、全社共通のコーポレート研究に係る研究開発費は32億円です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00525] S10057JX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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