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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005898

有価証券報告書抜粋 ユニチカ株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、長年にわたり蓄積してきた技術力を基盤とし、新技術の開発、応用を進めて、多様化する社会のニーズに応える商品開発を図り、もって事業基盤の強化と新規事業の拡大を行うことを目標としている。
当連結会計年度の研究開発費は、3,940百万円であり、この中には中央研究所で行っている全社共通テーマの各事業部門に配賦できない費用977百万円が含まれている。
(1)高分子事業
フィルム関連において、柔軟性のある有機系バリア層をナイロンフィルムに積層した新規バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」を2015年1月にプレスリリースし、商品紹介を開始した。ボイル・レトルト用途に対する高いガスバリア性能と物理的ストレス耐性をあわせ持つことが特徴で、食品の色目保持効果が格段に高いことから、市場からの評価は良好である。すでに、一部の商品に採用されており、今後の展開が期待されている。
新規高耐熱性ポリアミドフィルム「EX」は、優れた耐熱性と加工性が認められ、開発品ながら、小型電子機器の部材用途に採用が急増している。また、当社独自のシリコーンフリー離型PETフィルム「ユニピール」も電子部材の製造工程などへの販売が拡大している。そのため、「EX」、「ユニピール」ともに増産体制の拡充を進めている。
樹脂関連では、当社固有のエンジニアリングプラスチックであるポリアリレート樹脂「Uポリマー」が、その広い温度域における性能、寸法の安定性から、スマートフォン、タブレット用途で適用が拡大、国内外で採用が広がっている。溶剤可溶タイプのポリアリレート樹脂「ユニファイナー」は優れた耐熱性と電気特性から、多用途で評価が進められており、早期実績化を目指している。高耐熱性ポリアミド樹脂である「ゼコット」は電気、自動車用途を中心に高評価なことから、今年度、宇治事業所(京都府)内に中量産プラントを増設、拡販準備を進めた。オレフィン系エマルションである「アローベース」は接着層、コーティング層としての高い汎用性、機能性から、食品、医療用包装材用途のみならず、電機、自動車分野にも広く適用され、順調に拡大している。ポリエステル樹脂としては、ダイレクトブロー用に開発した共重合品の採用が拡大しており、増産体制を確立した。接着剤・コート剤用共重合ポリエステルである「エリーテル」は電気・電子用途の海外需用の増加に伴い、海外での用途展開が進んでいる。また、2014年7月1日付でUイミド事業開発部を技術開発本部より移管、ポリイミドを商品群に加えることにより、高機能フィルム、コーティング用途への展開のさらなる加速を目指している。ナイロン樹脂はユニチカ独自技術との組み合わせによる、メタリック着色、ピアノブラック着色等の高外観グレード、発泡成形技術とマッチングさせた発泡成形用グレード、電子機器等の放熱材料として用いられる高熱伝導性樹脂等、樹脂の付加価値を高めた製品の展開を進めている。
不織布関連においてスパンボンドでは、極太の異形断面スパンボンドを「ディラ」の商標で上市した。その硬さと通気性からフィルター材、ワイパー材他、多様な用途への展開を図っている。また、「ディラ」の特長を活かして、他不織布、他素材との複合品の開発も行っている。農業分野へは遮熱材と複合した遮熱性シートや透明性を高めた高透光性シート、地温上昇抑制シートなど新たな用途への開発を進める一方、従来からのべたがけシートは多様なニーズに応えるべく新たな改良検討を行っている。土木分野では複合繊維「エルベス」のニードルパンチタイプ不織布でポリエチレン微多孔フィルムを挟んだガス透過性防水シートが、その性能の優位性から東北地方の除染廃棄物仮置き場に採用され、本年も引き続き順調に推移した。また、メガソーラー向けの雑草抑制の防草シート、電柱へのつる性植物の巻き付き防止シートなどの開発を行い、これらの販売に着手した。さらに、タイ国におけるスパンボンド新機台の増設も決定し、従来製品とは異なる用途へ向けての開発を進めている。スパンレースではコットン素材が持つ優位性から国内外衛材用途を中心に積極的に展開を行っているが、抗菌性や異形断面繊維を混ぜたワイパー分野向けなどの開発も進めている。また、小ロットから対応可能な独自の柄付け技術の確立を目指した検討を重ねており、今後もユーザーの要望に応える製品をタイムリーに提供できるよう開発を進めていく。
バイオマスプラスチック関連では、バイオマスプラスチックの普及に向けた研究開発を引き続き進めている。前述したスーパーエンジニアリングプラスチックである「ゼコット」は、バイオマスを原料とした樹脂であり、ポリ乳酸を用いた環境素材「テラマック」と共に、ユニチカの高い環境意識を象徴した製品としての役割も期待されている。用途開発においては、それぞれの特性をユーザーのニーズと一致させることに注力しており、「ゼコット」の電気、自動車用途への適用に加えて、「テラマック」の包装フィルム用マスターバッチなど、その成果を示す例が出てきている。実用化研究段階にあるポリ尿素は、植物由来のジアミンと二酸化炭素のみを原料として作られる。すなわち、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を直接固定化してなる究極の環境配慮型素材であるが、加えて、高い耐熱性を示すエンジニアリングプラスチックとしても注目されている。
当事業に係る研究開発費は1,677百万円である。
(2)機能材事業
ガラス繊維関連では、産業資材用途で顧客ニーズに応えたガラスクロス、及びそれら処理加工品の製品開発を進め、ユーザーから好評価をいただいている。また、電子材料用途では、超薄クロスの生産技術革新に取り組むと共に、高性能な新規ICクロスも開発中である。
活性炭繊維関連では、液相分野においては、浄水器用及び工業フィルター用の高性能化とコストダウンにより国内外での競争力の強化を図っている。また、気相分野においては、自動車用に加え、空気清浄機やマスクなど、空気脱臭用の高性能化とコストダウンにより海外展開を進めていく。
当事業に係る研究開発費は453百万円である。
(3)繊維事業
繊維事業においては、ベビー、子供服用肌着として2つの異なるコットンの特性を活かした芯鞘構造糸「ロールス」を開発した。やさしい肌触りと適度なハリコシを実現した特殊複重層紡績糸であり、ベビー・子供服大手のファミリアと共同で「ロールス」の特長を活かした新生児肌着用ニット素材を新たに開発した。(2015年4月から販売開始)
ドレスシャツ用素材としては、機能性に優れたポリエステル繊維のまわりを肌触りの良い上質なコットンで包み込んだ特殊複重層紡績糸「パルパー」の細番手の優しいタッチが快適な「パルパープレミアム」を開発した。防シワ性、吸水速乾性等の機能性に優れ、かつ、コットンの風合いを活かした次世代のシャツ素材である。また、2015年に40周年を迎えるロングセラーの「パルパー」は2014年度の繊研合繊賞の特別賞を受賞した。
スポーツ衣料、ドレスシャツ用素材としては、部屋干し臭の原因菌の一つといわれるモラクセラ菌に対する制菌加工素材「モイストドライ」を開発した。一般社団法人繊維評価技術協議会が認定するSEK制菌加工マークの基準をクリアし、ドレスシャツ用途に展開中である。
ユニフォーム素材としては、従来綿混素材では蛍光発色や輝度をクリアすることが困難とされていたが、染料や助剤の選定、染色・仕上げ工程の見直しを実施することで、ユニフォームの主力素材であるポリエステル65%・綿35%でISO規格による高視認性基準をクリアした素材を開発した。
産業資材用素材としては、当社の熱融着ポリエステルを用いて、道路及び施設周辺内への小動物の侵入を防止する防護ネット「シャットアウト」を開発した。従来の防護ネットは鉄筋格子が主流であったが、芯鞘複合構造の熱融着特殊ポリエステルフィラメント繊維を用いることで軽量化を実現。荷降ろし工数の軽減や、現地でネットを簡単に切断できるなどの施工性が高く評価されている。
他には、3Dプリンター用フィラメントの開発・上市をおこなっている。3Dプリンターの中で最も普及している「Material Extrusion方式(熱で融解した造形材料を少しずつ積み重ねていく方式)」に使用されるものである。弊社では世界でもいち早くポリ乳酸などのバイオマスプラスチックの成形に取り組み、「テラマック」の商標でバイオマスプラスチック事業を行ってきたが、3Dプリンター用フィラメントはそのバイオマスプラスチック事業で培ったポリ乳酸成形技術と釣り糸やガットといった従来からの繊維事業で培ったモノフィラメント製造技術とを融合したものである。その特徴としてはポリ乳酸成形技術による光沢や透明性、そしてモノフィラメント製造技術による真円性、耐屈曲性や配向(結晶)性を有し、業界で初めてクリアで易取扱い性(耐折れ性)に優れた3Dプリンター用フィラメントとして好評であり、国内外からの引き合いに対応している。
当事業に係る研究開発費は560百万円である。
(4)その他
生活健康事業関連では、生活健康事業部が美容素材として幅広く展開していたこんにゃくセラミド、砂糖の吸収を抑えるL-アラビノース、家畜飼料に少量添加することでサルモネラ菌や大腸菌などの家畜の腸管への定着を抑制するマンノース含有飼料「コッコエース」、カルシウムの吸収促進によって骨の健康を助けるラクトビオン酸含有食品原料など、多くの食品機能素材を販売してきた。また、当該事業部では骨粗しょう症予防や美白が期待され、美容・健康分野で注目の食品原料であるβ-クリプトキサンチンを温州みかんより濃縮する技術を確立し、事業化を進めてきた。しかしながら、2015年3月31日に、当該事業部は新中期経営計画で重点志向する事業領域への経営資源の更なる集中のために株式会社ダイセルに譲渡した。
メディカル事業関連では、高分子技術で培った技術をもとにして、ウロキナーゼを固定化した抗血栓性材料、ベニズワイガニなどの甲殻類の殻から抽出したキチンをベースにした各種のキチン関連製品などユニークな医用材料を医療の場に提供してきた。また、常温よりも高い温度で生育する好熱菌に注目して従来の酵素の常識を超えた耐熱性の酵素の精製に成功し、この耐熱性酵素を利用して、安定性が大幅に向上した各種の臨床検査薬を提供してきた。しかしながら、2015年3月31日に、当該事業部は新中期経営計画で重点志向する事業領域への経営資源の更なる集中のためにニプロ株式会社に譲渡した。
当事業に係る研究開発費は271百万円である。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00527] S1005898)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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