有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1006LT4
EPSホールディングス株式会社 事業等のリスク (2015年9月期)
対処すべき課題メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も合わせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特別な記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を含んでおりますので、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅しているものではありません。
(1) CRO業界に対する法的規制について
当社グループは、依頼者(主として製薬会社)から臨床試験の運営及び管理に係る業務の一部を受託するCRO業務を行っており、これについては医薬品医療機器等法及びそれに関連する厚生労働省令(厚生省令も含む。)(GCP=Good Clinical Practice、GPSP=Good Post-marketing Study Practice、GVP=Good Vigilance Practice)等の規制を受けています。この法律等は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保及び医療上特に必要性が高い医薬品及び医療機器の研究開発を促進するための規制や措置を定めており、治験の品質保証及び品質管理等の取扱いについても定めています。具体的には、依頼者、実施医療機関及び受託者であるCROは、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」、新たに2005年4月より施行された「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(共にGCPと称する。)、また2005年4月より改定された「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」、同時に新規に施行された「医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(共にGPSPと称する。)を遵守すること及びGCP調査等の対象になることが定められています。また、臨床試験データの品質と信頼性に関する最終責任は依頼者が負わねばなりませんが、CROは品質保証及び品質管理を履行して、その任に当たるものとも規定されています。
今後、規制が強化された場合、あるいは新たに規制が設けられた場合には、当社グループの財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)SMO事業に関連する法的規制の強化のリスク
SMO事業におけるCRC業務をはじめ、治験実施支援にかかるそれぞれの業務の遂行については、1997年に厚生省により定められたGCP省令等の関連法令を厳格に遵守して行う必要があります。医療機関の行う臨床試験がこれら諸規則を厳格に遵守した上で適正に実施されるよう、支援を行っていますが、今後、厚生労働省より同省令の内容に関する何らかの変更、もしくはその理解と運用に関する新たな指針等が出された場合、その法的規制の内容によっては業務の遂行に混乱が生じることにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(3)治験のグローバル化(国際共同治験)の伸展により国内臨床試験が減少するリスク
現在、医薬品の審査・承認制度は各国それぞれ異なっていますが、「日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH:International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)」において、新医薬品の承認審査データを相互活用する為の条件整備に向けた、海外臨床試験データの受入れに関するガイドラインが最終合意されたことにより、国内においても一定の確認試験を基に、海外臨床試験データを用いて承認申請を行うことが認められるようになりました。これに伴い、今後わが国の製薬業界においても治験のグローバル化がすすみ、製薬企業が高品質の臨床試験データを効率良く安価に入手できる国で重点的に臨床試験を実施するようになる場合には、それによって国内で実施される治験の総量が減少する可能性があります。現時点においてこうした対応は、外資系製薬会社の一部から徐々にその範囲を広げている状況にあり、Global Research 事業において治験のグローバル化に対応する体制を構築していますが、行政の対応を含む治験環境の変化によって、急激に国内での臨床試験が減少するような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4)製薬企業等の再編成により国内臨床試験が減少するリスク
CRO企業及びSMO企業の主な収益の源泉は、製薬企業の新医薬品開発に際して行われる臨床試験(治験)にかかる、各医療機関からのアウトソーシングによるものです。世界の製薬企業の間では経営環境の厳しさが増す中で、巨額な負担を伴う研究開発活動の効率化、及びマーケットシェアの拡大等に対応するために合併統合等の動きが活発化しており、国内の製薬企業においても、この流れを受けて統合・再編の動きが進む中で、主要な顧客である製薬企業の絶対数が減少しています。
当社グループは、特定の製薬企業に偏った取引状況ではなく、外資系企業を含む多くの製薬企業と取引しているため、顧客数の減少に関するリスクは限定的と考えておりますが、急激な統合・再編によって日本において実施される臨床試験が大幅に減少するような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(5)医療機関が独自に臨床試験を実施することにより受託機会が減少するリスク
現在、中小規模の医療機関においては、臨床試験実施の経験が乏しいことや臨床試験に従事するスタッフが不足している場合が多く、臨床試験の実施においてはSMOを利用することが一般的になっています。しかしながら、将来において医療機関の臨床試験管理体制が整備され、臨床試験の実施経験を積んだ人材の補強を行うことで独自で臨床試験を実施するようになった場合には、SMOへの委託が減少する可能性があります。予想以上に医療機関の体制整備が進んだ結果、委託の有用性が低下するような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(6)医療機関との提携拡大が停滞するリスク
当社グループのSMO事業は、全国の医療機関との間で臨床試験等に関する業務提携基本契約を締結し、多種多様な領域において、臨床試験の実施にかかる支援サービスの提供を行っています。同業他社との間で提携医療機関の獲得競争が激化した場合や、予期せぬ事態により新規の医療機関との提携が進まなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(7)CRO事業に関連する競争激化のリスク
わが国においてCRO業界が注目されるようになったのは、新薬開発の基準を新たに定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(新GCP=Good Clinical Practice)が1998年4月に全面実施されてからです。新GCPではインフォームド・コンセントの厳格化、治験審査委員会の強化や、管理システムの明確化等を定めています。このため製薬会社の業務量が多くなり、臨床試験に係る業務のCROへのアウトソーシング化が活発になっています。国際的に新薬開発競争が激化する中、国内の臨床試験の実施基準は強化の方向にあり、製薬会社の新薬の研究開発費負担は増大しています。このため、CROへのアウトソーシングは今後も拡大すると当社は考えています。提供するサービスの品質・迅速化の点からCRO及びSMOに対する信頼性を一段と高めること、その要員を確保することを前提にすれば現実的に委託外注費のウエイトは更に高まって、市場規模は拡大を辿ると考えています。そのため、CRO業界は、今後更なる拡大が見込まれていることから、多くの医療・医薬品関連企業や情報系企業が参入する可能性があり、新規参入企業との競争が激化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)参入障壁が低いことによる競争激化のリスク
臨床試験の支援業務サービスを提供するSMO市場は、一般に大きな設備投資を必要としないため参入障壁が低く、過去においても新規または異業種からの新規参入があります。ここで、SMO事業を遂行する上では、GCP省令をはじめとする関連法令や諸規則による厳格な基準を継続的に充足する必要があり、これを満たす為には、規則等に適切に対応し得る高い品質管理体制や業務経験等の積上げが要求されるため、当社グループの業務における優位性は相応に維持できるものと考えています。しかし、こうした優位性に対抗し得るような高い能力を持った業者の参入が相次ぎ、これらによる競争の激化に伴い、販売価格が大幅に下落するような状況が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(9)被験者の健康被害によるリスク
臨床試験に参加している被験者に健康被害が生じた場合、一義的には治験依頼者である製薬企業等が治療に要する費用やその他の損失を補償することがGCP省令で義務付けられております。しかし、これらの被害が当社グループの故意または重大な過失に起因する場合には、製薬企業や医療機関から被験者の健康被害に関連して損害賠償請求を受ける可能性があり、また状況によっては被験者本人からクレームを受けることも考えられます。これに対して当社グループでは、治験支援業務における品質管理体制と教育体制の充実を図る一方で、保険加入により損害賠償請求に対する一定額のリスク回避を行っておりますが、それにもかかわらず予期せぬ健康被害等の事態が発生した場合には、損害賠償補償の発生や、風評等の悪化により当社業務への信頼が毀損することによって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(10)情報セキュリティ管理のリスク
当社グループでは、治験関連業務の実施において、製薬企業等の新薬開発事業にかかる情報や被験者の個人情報等といった機密情報に接する機会が多いため、保有する情報資産についてのセキュリティ管理については厳格な管理体制を確立した上で、更に日々継続的に管理水準の向上を図っています。しかしながら、こうした管理体制が十分に機能せず、何らかの理由でこれらの情報が流失した場合には、被験者、医療機関並びに製薬企業等より損害賠償請求を受ける可能性があると共に、当社グループに対する業務上の信頼が毀損することにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(11)人材ビジネスにおける許認可及び法的規制のリスク
国内事業において実施している人材派遣業務については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働派遣法)」に基づき一般労働者派遣事業の許可を取得しております。「労働者派遣法」は、派遣事業を行う事業主が欠格事由に該当した場合や違法行為を行った場合、派遣事業の認可取消しや業務停止となる可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンスの徹底に努めておりますが、万一、法令等に抵触する場合は、業績が影響を受ける可能性があります。
(12)人材確保が困難となるリスク
当社グループでは、事業の遂行にあたっては医学や薬学、IT技術等の専門的な知識・経験を有する優秀な人材の確保が重要となります。人材の採用が計画通りに行われない場合や、何らかの理由で多数の離職者が発生した場合、更に法令等の改正により業務の遂行に関して特定の国家資格の取得が義務付けられるような場合には、人材確保が困難となり業務の遂行に支障が生じることから、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(13)持株会社としてのリスク
当社グループは、2015年1月1日付で持株会社制へ移行しました。これにより、当社の果たす役割はグループの各セグメントに対する支援と評価、グループ経営資源の適正配置等、当社グループ全体の統括管理機能を担うこととなりました。当社は安定的な収益を確保するため、子会社からの配当金及び適正な経営支援料を得ておりますが、子会社の収益動向によっては、当社の財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
対処すべき課題財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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