株式会社クシム 業績等の概要 (2015年3月期)

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、政府の経済政策や企業業績の回復などから株価も上昇基調となり緩やかな景気回復傾向となっております。
当社では、主力事業であるiLearning事業において、IT技術者向け資格取得のための学習ソフトウエア(iStudyシリーズ)の売上高は、技術者の資格取得離れ等の影響により年々減少しており、新たな主力製品として、企業向け社員学習総合管理システム(iStudy Enterprise Server)の販売拡大に注力してまいりました。iStudy Enterprise Serverは、お客様にご利用いただける限り、利用費用、保守及び運用サポート費用を継続的にいただくことができるストック型ビジネス(契約期間に応じて契約金額を月額按分して売上計上)と、新規導入時に発生する導入支援費用やオプション製品等、納品と同時に売上を一括計上するフロー型ビジネスから構成されております。
iStudy Enterprise Serverのストック型ビジネス売上高については、当連結会計年度において当社全体固定費用の54.6%を賄える利益を生み出すまで成長しておりますが、iStudyシリーズの売上高が想定を上回るペースで落ち込んでいることと、iStudy Enterprise Serverの新規案件獲得が価格競争の激化により苦戦したことによりフロー型ビジネス売上高が計画を下回りました。
その結果、売上高、利益とも前期に比べ大幅に下回りました。売上高は963,263千円(前期比9.6%減)、営業損失30,214千円(前期は45,283千円の利益)、経常損失34,428千円(前期は42,925千円の利益)、当期純損失41,047千円(前期は36,244千円の利益)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。

(iLearning事業)

iLearning事業におきましては、個人、法人向けeラーニング学習コンテンツ「iStudyシリーズ」の売上高が落ち込んでいること、企業の社員の総合学習システムである「iStudy Enterprise Server」の新規案件獲得が価格競争激化により計画を下回ったことにより、当連結会計年度の売上高、利益は、前期を大幅に下回りました。
その結果、売上高は384,445千円(前期比21.5%減)、セグメント損失68,992千円(前期は20,591千円の利益)となりました。

(Learning事業)

Learning事業におきましては、オラクル認定定期研修売上高は、前期に比べ11.5%減少いたしました。一方、企業向け定額制研修(SEカレッジ)及び情報処理資格試験対策研修(独習ゼミ)、研修申込代行サービス(Learning Service)が好調に推移いたしました。
その結果、売上高は382,659千円(前期比6.8%増)、セグメント利益28,975千円(前期比7.4%減)となりました。

(人材紹介・派遣事業)

人材紹介・派遣事業におきましては、IT技術者の派遣及び業務請負売上高が前期に比べ大きく落ち込んだものの、医療業界向け人材紹介が好調に推移いたしました。利益率の高い人材紹介売上高が伸長したことにより利益は前期に比べ大きく改善いたしました。
その結果、売上高は196,158千円(前期比9.8%減)、セグメント利益9,633千円(前期は6,752千円の損失)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて35,999千円減少し、399,794千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、10,124千円(前期は95,300千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失34,045千円、減価償却費12,727千円、法人税等の支払額11,751千円、売上債権の減少14,331千円、前受収益の増加12,543千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は16,289千円(前期は61,685千円の支出)となりました。これは定期預金の預入れ10,019千円、固定資産の取得による支出6,173千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は9,585千円(前期は290千円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額8,986千円によるものであります。