シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005BQI

有価証券報告書抜粋 株式会社新日本科学 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の研究開発活動は、科学技術の急速な進展により医薬品の開発環境が大きく変化している中、新しい環境にも迅速に対応した質の高い開発支援ができるよう、当社グループの各セグメントにおいて最先端と思われる技術を開発利用しております。
当連結会計年度における研究開発費は、739,355千円であり、各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) 前臨床事業
当社の安全性研究所及び薬物代謝分析センター並びにSNBL U.S.A., Ltd.では、迅速で質の高い試験成績を委託者に提供できるよう、バックグラウンドデータの蓄積や解析を行うだけではなく、事前検討の実施や新技術獲得のための基礎研究や技術改良に日々取り組んでおります。また、いずれの施設も動物福祉に積極的に取り組み、第三者機関により動物福祉適合施設として認証されております。
医薬品の主流が、低分子化合物から抗体医薬に代表されるバイオ医薬品の開発及びiPS細胞に代表される再生医療に移行する中で、当社は、これらの業界の動きに対応するため、種々の検討を先駆けて実施しております。例えば、抗体医薬ではこれまで日本では受託できる機関がなかった組織交差性試験を立ち上げ、抗体の特性評価をより詳細に実施するためのキャピラリー電気泳動やELISAの自動測定装置であるGyrolabでの受託も開始しております。さらに、既存技術より高い感度でバイオマーカーを測定できる高感度免疫分析装置を導入致しました。また、抗体医薬は霊長類のみに効果がみられるものが多く、日本で唯一の霊長類を用いた生殖発生毒性試験を実施できる施設として、次世代への影響を評価する試験実績を増やしております。また、霊長類の感染実験が実施可能な施設を活用し、インフルエンザやエイズワクチンなどに関して企業や大学との共同研究を行っており、フェレットやマウスを用いた感染実験も確立しております。更に、霊長類を用いたリウマチモデル、骨粗しょう症モデルやパーキンソン病モデルは既に確立しており、新たに多発性硬化症モデル、脳梗塞モデル、脳高次機能評価モデル、黄斑変性モデルや緑内障モデルについても検討を開始し、一部の疾患モデルについては受託を開始しております。今後もiPS細胞に代表されるような新しい創薬ニーズに適応可能なビジネスモデルの確立にも着手して参ります。
その他、ヒトでの薬効や毒性の指標となるバイオマーカーについても検討しており、骨、肝臓や腎臓におけるバイオマーカーの測定法の研究も積極的に行っております。特に近年では動物福祉の高まりから、動物を傷つけることなく様々な臓器の観察が可能なMRI、CT、血管造影装置などイメージング関連機器を業界に先駆けて導入し、バイオマーカーとして受託試験で利用しております。また、循環器、皮膚の実験に有用なブタを用いた研究を行っており、最新の血管造影装置を用いてステント留置試験の受託を開始しました。
なお、研究成果については海外や国内の多くの学会等において発表したり、国内外の学術雑誌へ論文として掲載されたりしております。
以上の活動における研究開発費は、574,484千円であります。

(2) 臨床事業
当社の臨床事業部は、開発業務受託機関として製薬企業等が実施する臨床試験の運営及び管理に関する業務を製薬企業等から受託しております。当社は製薬企業等から臨床試験を受託するにあたり、当該臨床試験に関する対象疾患等についての情報並びにデータを得て支援業務にあたっております。こうした臨床試験に携わる上での事前の検討及び情報収集に関わる費用を研究開発費として、57,950千円を計上しております。
(3) トランスレーショナル リサーチ事業
ⅰ)経鼻投与技術
当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)について、米国でPhaseⅡ臨床試験を完了したグラニセトロン経鼻剤(開発コード:TRG,制吐薬)、米国でPhaseⅠ臨床試験を完了したゾルミトリプタン経鼻剤(開発コード:TRZ,偏頭痛薬)における臨床実績が高く評価され、これまでに、海外の製薬企業3社に対して、粉末経鼻製剤の全世界における独占的開発権及び販売権を導出した実績があります。また、国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に応用するための技術評価試験(フィジビリティ試験)の実施も増えております。
併せて、インフルエンザワクチンの注射液剤を固化して粉体で安定的に鼻腔に投与する新技術の研究開発に成功し、非臨床試験でその予防効果を確認しました。インフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)は、注射器や針が不要であるだけでなく、室温で保管できることに加えて、感染予防に重要である粘膜免疫(分泌型IgA産生)を高めることから、注射ワクチンよりも高い感染予防効果が期待されており、更にウイルスがある程度変異しても有効性が維持できると推測されています。このような優位性により、インフルエンザウイルス各種に対し幅広い交叉性を有し、より強力な免疫を誘導する効果が期待できます。また、オランダのISA Therapeutics社から提供を受けた子宮頸がん治療薬を当社経鼻投与技術に応用して、子宮頸がん発症予防のためのワクチン経鼻製剤の研究にも着手いたしました。今後、当社では、経鼻ワクチンの研究開発をさらに進めてまいります。
これまでの研究開発実績から当社の経鼻投与基盤技術が種々の薬剤に対して幅広い応用可能性が実証されたことにより、大手を含む国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に当社の技術を応用するフィジビリティ試験の実施が活発化しております。フィジビリティ試験における良好な成績をもとに、現在、技術供与のライセンス契約や共同研究の契約締結に向けた交渉を積極的に進めております。

ⅱ)核酸医薬開発
核酸医薬開発に関しては、持分法適用関連会社のWAVE LIFE SCIENCES PTE. LTD.と共同で、核酸医薬の立体制御技術(キラル核酸合成技術)を用いて創製した新規のキラル核酸アジュバントの研究開発にも取り組んでおります。対象となる疾患領域は様々ですが、特に、がん治療への応用を優先ターゲットとして、有力候補配列の選定や効果の検証を実施しております。
以上の活動における研究開発費は、99,979千円であります。

(4) その他の事業
その他の事業に係る研究開発費は、6,940千円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05385] S1005BQI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。