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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005BQI

有価証券報告書抜粋 株式会社新日本科学 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2015年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 概要
医薬品業界におきましては、製薬企業が選択と集中をより一層すすめることによるパイプラインの絞込み、また外部リソースを有効活用する動きが明確になってきております。
当社は顧客から選ばれるパートナーとなるべく、顧客ニーズにこたえるサービスの深化と質の継続的な向上を目指しております。米国前臨床事業は、徹底した内部体制の見直しと組織改革を行い、積極的な営業展開を実施した結果、受注額は順調に増加しております。国内前臨床事業は、顧客満足度を高めることに注力し、果敢なイノベーション戦略を展開した結果、前連結会計年度を上回る受注を獲得しております。国内臨床事業はPharmaceutical Product Development LLC(以下「PPD」)との合弁事業によりグローバル臨床試験の実施体制を構築しております。また、米国臨床事業については営業利益の単年度黒字化を実現しております。
また、昨年6月に第2回目の第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の発行を行いました。本調達により、顧客とのパートナーシップを築くために必要となる投資に充当していく予定です。
こうした状況の中、当連結会計年度における売上高は17,835百万円と前連結会計年度に比べて908百万円(5.4%)の増加となりました。営業損失は636百万円(前連結会計年度:営業損失723百万円)、経常利益は155百万円(前連結会計年度:経常損失154百万円)、当期純損失は1,385百万円(前連結会計年度:当期純損失754百万円)となりました。
② 前臨床事業
国内前臨床事業では、複数の顧客から新たなプロジェクト開始の情報を受けており、大型試験の受注も順調に増加してきております。このような中、利益および利益率も前期に比べて改善されております。米国前臨床事業のSNBL U.S.A., Ltd.は、顧客からの信頼回復に努めるとともに、試験実施体制の整備に人材と費用を投入してきており、受注額は前連結会計年度比で倍増しております。受注した試験のスケジュール等の影響により、試験稼働の平準化に時間を要しているものの、今後の業績の改善に向けて受注活動を強化しております。
当社グループは、霊長類を用いた研究受託に関しては、その技術力の高さと背景データの豊富さに定評があること、加えて、受託試験業界では唯一、自家繁殖場(カンボジア、中国)を有することにより高品質動物を安定的に供給できる体制を確立していること、また、動物愛護の視点からAAALACインターナショナル(国際実験動物管理公認協会)による認証を獲得していることなど、明確な差別化戦略が効を奏して世界の主要クライアントから高い評価が定着しており、継続した受注獲得に寄与しています。
そうした中で、売上高は11,877百万円と前年同期に比べて720百万円(6.5%)の増加となりました。営業損失は783百万円(前年同期:営業損失731百万円)となりました。
③ 臨床事業
国内においては、2014年12月24日に公表した『PPD(米国臨床CRO)との簡易会社分割(合弁事業の開始)』でお知らせしておりますとおり、2015年4月1日に当社(臨床事業)を分割会社とし、PPD の日本子会社ピー・ピー・ディー・ジャパン株式会社を分割承継法人(分割後の商号;株式会社新日本科学PPD)とする会社分割を行い、日本でのグローバル臨床試験の実施体制を構築しております。
そうした中で、売上高は5,527百万円と前年同期に比べて343百万円(6.6%)の増加となりました。営業利益は655百万円と前年同期に比べて187百万円(40.2%)の増加となりました。
④ トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)について、米国でPhaseⅡ臨床試験を完了したグラニセトロン経鼻剤(開発コード:TRG,制吐薬)、米国でPhaseⅠ臨床試験を完了したゾルミトリプタン経鼻剤(開発コード:TRZ,偏頭痛薬)における臨床実績が高く評価され、国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に応用するための技術評価試験の実施が増えております。
併せて、インフルエンザワクチンの注射液剤を固化して粉体で安定的に鼻腔に投与する新技術の研究開発に成功しています。インフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)は、注射器や針が不要であるだけでなく、室温保管が可能です。さらに、経鼻ワクチンは、重症化を阻止する血中特異的IgG抗体を誘導するだけでなく、分泌型IgA産生を高め、感染予防に重要である粘膜免疫を強化することから、注射ワクチンよりも高い感染予防効果が期待され、ウィルスがある程度変異しても有効性が維持できると推測されています。インフルエンザウイルス各種に対する幅広い交叉性が示され、より強力な免疫が誘導される効果が期待できます。今後、当社では、TR-Fluを含めた経鼻ワクチンの研究をさらに注力してまいります。
これまでの研究開発実績から当社の経鼻投与基盤技術が種々の薬剤に対して幅広く応用できることが実証されたことにより、大手を含む国内外の複数の製薬企業が保有する化合物に当社の技術を応用する技術評価試験の実施が活発化しております。技術評価試験における良好な成績をもとに、現在、技術供与のライセンス契約や共同研究の契約締結に向けた交渉を積極的に進めております。
当社は、これらの契約では、当社は契約時締結一時金の他、開発段階等に応じたマイルストーンを収受することと、当該経鼻製剤の販売後のロイヤリティ支払いを受けることになります。
そうした中で、売上高は52百万円と前年同期に比べて219百万円(80.6%)の減少となりました。営業損失は357百万円(前年同期:営業損失338百万円)となりました。
⑤ メディポリス事業
当社は、鹿児島県指宿市において、環境やヘルスケアに配慮する社会的事業である、メディポリス事業を行っております。再生可能エネルギーの固定価格買取制度の施行等地球温暖化防止、純国産エネルギーの創出推進という国のエネルギー政策をうけて、保有するメディポリス指宿の敷地内において1,500kw級のバイナリー型地熱発電所を建設し、当連結会計年度において売電事業を開始いたしました。また、メディポリス指宿において自然と健康をテーマにした指宿ベイテラス HOTEL&SPAを運営しております。
そうした中で、売上高は417百万円と前年同期に比べて47百万円(12.7%)の増加となりました。営業損失は179百万円(前年同期:営業損失170百万円)となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、GLPやGCPといった法的規制に対する適合性の調査等で高い評価を受けております。しかしながら、クライアントの創薬開発競争が激化し国際化、高度化及び大型化してゆく中で、当社グループは、サービスの質を継続的に高めていくと共に、グローバル化し複雑化してゆく顧客ニーズに対し的確に対応しつつ成長を維持していくために、設備、人材面での投資が不可欠となっております。人材の育成には時間を要する部分があり、また施設に対する投資も規模の経済性の観点からも先行的に行う必要が生じます。
とりわけ、日本よりもはるかに巨大な市場を有する米国等の海外クライアントからのニーズに迅速かつ的確に対応してゆくためには、海外の規格や法的規制に対応可能な体制を整えることが戦略的に重要であると考えております。海外の規格や基準に適合性をもつためには、十分なる準備や適合性に関する調査への対応が必要であります。
従って、事業のグローバルな競争力の向上と事業規模拡大のためには、これらに継続的に取り組む必要があり、その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3) 戦略的現状と見通し
これらの状況を踏まえて当社グループは、強固な地位を占める国内事業に加えて、より需要の大きな米国市場及びアジアにおいて事業拡大を図る方針であります。
国内では顧客である製薬会社の固定費削減やリストラクチャリングに伴い、戦略的提携やパートナーシップの機運が徐々に台頭してきており、顧客ニーズにこたえるサービスの深化と質の継続的な向上を図り、当社としてもこれまでより一歩踏み込んだ関係を顧客と構築していく方針です。
米国の前臨床事業においては、経営体制および現場オペレーションは体系的に再構築が完了し、法令の遵守に加えて、専門的な科学知識や高品質のサービスがお客様に速やかに提供できるよう体制を整えております。
臨床事業においては、近年日本国内に限定した臨床試験の実施から、多国間で同時に臨床試験を行う国際共同治験(グローバル試験)に主体が移りつつあり、世界トップクラスの臨床CROであるPPDのグローバルネットワークを通じて、グローバル試験を含む幅広い試験の受託体制を強化すべくPPDと日本での事業を統合しております。
アジアにおいては、日米の前臨床事業への品質の高い実験動物供給拠点として、さらなる強化を図ってまいります。
(4) 財政状態の分析
当連結会計年度における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ646百万円(1.6%)増加して、40,552百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が減少したものの、受取手形及び売掛金並びにたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ260百万円(1.4%)増加して、19,010百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ385百万円(1.8%)増加して21,541百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,517百万円(5.2%)増加し、30,908百万円となりました。流動負債は、短期借入金および前受金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ3,394百万円(21.3%)増加して19,325百万円となりました。固定負債は、長期借入金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ1,876百万円(13.9%)減少して11,582百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が増加したものの、当期純損失を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べ871百万円(8.3%)減少し、9,643百万円となりました。
(5)資本の財源及び資金流動性に関する分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べて2,476百万円(25.5%)減少して、7,252百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、2,156百万円と、前連結会計年度に比べて535百万円(33.1%)の使用増加となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純損失398百万円、減価償却費1,391百万円、減損損失518百万円、為替差益1,174百万円、たな卸資産の増加額1,694百万円及び法人税の支払額895百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,092百万円と、前連結会計年度末に比べて679百万円(38.4%)の使用減少となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,408百万円、有形固定資産売却による収入484百万円および投資有価証券の取得による支出191百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、506百万円と、前連結会計年度末に比べて5,631百万円(91.7%)の獲得減少となりました。主な内訳は、短期借入金の増加額2,526百万円、長期借入れによる収入4,771百万円および長期借入金の返済による支出6,707百万円であります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、ここ数年の世界的な新薬開発における国際化、大型化、高度化等の動向に鑑みますと、環境の変化に対応して経営施策を機動的かつ柔軟に展開していくことが要求されております。
前臨床事業におきましては、より付加価値が高く、かつ顧客満足度の高いサービスを、効率的かつ迅速に提供していく方針です。この前提条件として、より品質の高い実験動物を顧客ニーズに従い安定供給していく重要性が一層高まってきているために、国内、米国をはじめ中国、アジア地域の当社施設からの安定的な供給体制の確立に取り組んでおります。市場規模が日本の数倍あると予想される米国でのビジネスチャンスを逃さぬよう、当社グループの総力を挙げて米国子会社SNBL U.S.A., Ltd.の再生に取り組んでおります。
臨床事業におきましては、世界トップクラスの臨床CROであるPPDと日本における臨床事業を統合し、国内における臨床試験の実施体制を強化するとともに、PPDの有するグローバルネットワークを通じて、グローバル試験を含む幅広い試験の受託体制を強化し、事業の拡大を進めております。
トランスレーショナル リサーチ事業におきましては、創薬型の医薬品開発支援事業へのパラダイムシフトを進めるべく、製薬会社へのライセンス技術導出に向けた取り組みを強化しております。
医薬品開発プロセスにおいて、創薬研究から、前臨床事業、臨床事業までを総合的に展開していくと共に、市場につきましても、国内のみならずより需要の大きな北米市場についても前臨床事業から臨床事業へのバリューチェーンを構築し、中期的成長性を確保していくことが今後の方針であります。

研究開発活動株式の総数等


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