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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10058LP

有価証券報告書抜粋 株式会社ZOZO 事業等のリスク (2015年3月期)


対処すべき課題メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析



投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
①事業内容に係わるリスクについて
a.特定事業への高い依存度について
現在、当社グループは「ZOZOTOWN」等のECサイトの運営を主力事業としており、事業の継続的な発展の前提条件として、インターネットに接続するためのブロードバンド環境の普及及び携帯端末を使ったインターネットヘの接続環境の普及によるインターネットの利用者の増加が必要と考えております。
しかしながら、インターネットの利用に関する新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、又は利用料金の改定を含む通信事業者の動向などの要因により、ブロードバンド環境や携帯端末を使ったインターネットヘの接続環境の発展が阻害される場合、又はECサイト運営の遂行が困難になった場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.システムトラブルについて
当社グループの主力事業はECサイトの運営であり、ECサイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、ECサイトの安定的な運用のためのシステム強化、セキュリティ強化及び複数のデータセンターへサーバーを分散配置する等の対策を行っております。しかしながら、地震、津波、火災などの自然災害、事故、停電など予期せぬ事象の発生によって、当社グループの設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合、又は物流機能が麻痺した場合は当社グループの事業活動が不可能になります。また、当社グループ若しくはインターネット・サービス・プロバイダーのサーバーが何らかの原因によって作動不能となること、又は外部からの不正な手段によるサーバーヘの侵入などの犯罪や役職員の過誤によるネットワーク障害が発生する可能性があります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的損害が生じるほか、サーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引停止等については、当社グループに対する訴訟や損害賠償など、当社グループの事業、経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
c.サイトの健全性の維持について
当社グループでは「WEAR」を通じてソーシャルネットワーキングサービス(以下、「SNS」といいます。)を提供しております。これらのサービスでは、会員同士がインターネット上でコミュニケーションを図っており、係るコミュニケーションにおいては他人の所有権、知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。当社グループは、このような各種トラブルを未然に防ぐ努力として以下のような禁止事項を利用規約に明記すると共に、利用規約の遵守状況を常時モニタリングしており、本サービスの健全性の維持に努めております。
・ 規約、法令、規則若しくは条例に反する行為又はこれらの行為を教唆、誘引、勧誘し、若しくは幇助、助長する行為
・ 会員登録又は登録内容の変更の際に、虚偽の内容又は第三者の情報を利用して申請する行為
・ 本サービスの円滑な運営を妨げる行為又は本サービスに支障をきたすおそれのある行為
・ 第三者のユーザーID又はパスワードを不正に使用する行為
・ 1つのアカウントを複数人で利用する行為
・ 1人の会員が複数のアカウントを設定又は保有する行為
・ 第三者若しくは当社に対して何らかの損害、損失又は費用を生じさせる行為又はこれらのおそれのある行為
・ 第三者若しくは当社の著作権等の知的財産権、営業秘密、ノウハウ、肖像権、人格権、名誉権、プライバシー権、パブリシティ権その他の権利を侵害する行為又はそれらのおそれのある行為
・ 自殺、自傷行為、薬物乱用等を教唆、誘引、勧誘、又は幇助、助長するおそれのあるコンテンツを投稿する行為
・ グロテスク、暴力的な写真、その他一般の方にとって不快に感じると当社が合理的に判断するコンテンツを投稿する行為
・ 露出度の高い動画・画像(モザイク・ぼかし等を入れたものも含みます。)等当社が猥褻と判断するコンテンツを投稿する行為
・ 猥褻な動画、画像等を内容とするコンテンツ又は第三者の誹謗・中傷にあたるおそれのあるコンテンツを投稿する行為
・ 猥褻な動画又は画像(児童ポルノを含みます。)等を内容とするコンテンツ又は第三者の誹謗・中傷にあたるおそれのあるコンテンツを作成する行為
・ 性交、性交類似行為その他の猥褻な行為を目的とした売春、出会い等を勧誘、誘引又は助長する行為又はこれらを目的としたメールアドレスの交換
・ 出会い系サイト、アダルトサイト、年齢制限のあるサイトその他の違法・有害サイトに誘導する情報(単にリンクを貼る行為を含みます。)を掲載する行為
・ 人種、民族、性別、社会的身分、宗教、信条等について、差別につながる又は差別を助長するコンテンツを投稿する行為
・ 虚偽の内容又は第三者の誤認・混同を生じさせる内容のコンテンツを投稿する行為
・ 公序良俗に反する行為又はそのおそれのある行為
・ 本サービスを通じて入手したコンテンツ等を私的使用の範囲外で使用する行為
・ 第三者の個人情報を当社及び当該第三者に無断で取得、蓄積、保存、販売、頒布、公開等する行為
しかしながら、今後急速に利用会員数が増加し、これらのサービス内においてトラブルが発生した場合には、利用規約の内容に関わらず、当社グループが法的責任を問われる場合があります。また、当社グループの法的責任が問われない場合においても、トラブルの発生自体がサイトのブランドイメージの悪化を招き、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
d.取り扱いブランドについて
当社グループでは、「ZOZOTOWN」等において多くの顧客の嗜好に合う有力ブランドの商品を取り扱っております。当社グループとブランドとの関係は良好であり、何ら問題は生じておりませんが、今後ブランドの事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化等を起因とした商品供給量及び委託量の減少、契約の不履行若しくは取引の中止等があった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
e.顧客の嗜好への対応について
当社グループは、流行に敏感な顧客層に支持されるブランドに加え、ファッションに対して先鋭的な感性を持つ顧客層に支持されたブランドを取り扱っております。当社グループとしては多くの顧客の嗜好に応えるべく、取扱ブランドの拡大を図っておりますが、先鋭的な顧客の嗜好が変化した場合には、新たなファッション嗜好に対応するブランドや商材を扱っていく必要性が生じることも考えられ、当社グループが顧客の嗜好の変化に対応できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
f.返品について
当社グループは「ZOZOTOWN」等において2009年12月1日に改正、施行された「特定商取引に関する法律」に基づき返品に関するルールを定めております。返品の受け入れにあたっては、返送品の処理等による追加的な費用や、商品発送から返品を受けるまでの期間において販売機会損失が発生することから、想定以上の返品が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
g.競合について
当社グループは、ファッション関連商材を取り扱うEC事業者として、単なる商品の流通だけではなく、ECサイトの利便性及びデザイン性を高めること並びに消費者及び商品サプライヤー(ブランド)と密な関係を構築することで、他のアパレルEC事業者との差別化を図っております。しかしながら、EC市場の拡大に伴い、他のファッション関連商材を取り扱うEC事業者の拡大、ブランド自らインターネット通信販売へ参入及びその他新規事業者の参入等により、新たな高付加価値サービスの提供等がなされた場合、更なる競争の激化が予想され、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、これら競争の激化が、サービスの向上をはじめとした競合対策に伴うコスト増加要因となることで、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
h.特定の業務委託に対する依存度の高さについて
当社グループは、商品購入者からの販売代金の回収業務について、クレジットカード決済分及びコンビニ決済分をGMOペイメントゲートウェイ㈱に、また代金引換決済分をヤマトフィナンシャル㈱に委託しております。提出日現在において、これらの代金回収委託業者との間で何ら問題は生じておりませんが、今後各社の事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化並びに取引条件の変更等があった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
i.自社EC支援事業について
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、アパレルメーカーが独自に運営するECサイトのシステム開発、物流等を受託する自社EC支援事業を行っております。
当社グループに委託しているブランドが自ら、若しくは他社の支援によりECサイトを立ち上げ、運営することとなった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
j.物流機能の強化について
当社グループの商品取扱量の増加に応じて、物流に関わる業務システムの効率化及び商品管理スタッフや画像撮影スタッフの確保の対応が必要となります。これらの対応が商品取扱量の増加に追いつかない場合には、意図的に商品在庫数や自社EC支援の社数及び「ZOZOTOWN」等に掲載する商品数を物流が対応可能な業務量に合わせてコントロールする必要がありますが、これらが事業機会や販売機会のロスに繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②経営に係わるリスクについて
a.法的規制について
(a)インターネット事業及びECサイトの運営について
当社グループでは、主力事業であるECサイト「ZOZOTOWN」等の運営において「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「知的財産法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」による法的規制を受けております。当社グループは、社内管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令の改正又は新たな法令の制定が行われた場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(b)ファッション関連商材の販売について
当社グループは、ECサイト「ZOZOTOWN」等においてファッション関連商材の販売を行っており、「製造物責任法」及び「家庭用品品質表示法」等による法的規制を受けております。当社グループは、社内管理体制の構築及び取引先との契約内容にこれらの法令遵守義務事項を盛り込んでおりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合には、当社グループのブランドイメージの低下及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(c)知的財産権について
当社グループは、運営するサービスの名称を商標として登録しており、今後もインターネットサイト上で新たなサービスを行う際には、必要に応じて関連する名称の商標の登録を行っていく方針です。また、当社グループが運営するインターネットサイト上に掲載する画像については、第三者の知的財産権を侵害しないよう監視・管理を行っており、「ZOZOTOWN」等で販売している商品については、第三者の知的財産権を侵害していないことを取引先より契約書において表明保証して頂いておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(d)個人情報保護について
当社グループはECサイト「ZOZOTOWN」等での通信販売及び「WEAR」の運営を通じて保有した会員の個人情報並びに自社EC支援事業の受託を通じて保有する個人情報を管理しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱業者としての義務を課されております。
当社グループは個人情報の第三者への漏洩、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報保護規程及び個人情報管理に関連する規程やマニュアルを制定することにより「個人情報保護マネジメントシステム」に準拠した管理体制を確立しております。また、全社員を対象とした個人情報に関する教育を通じて個人情報の取扱いに関するルールを周知徹底し、個人情報保護に関する意識の向上を図ることで、同法及び関連法令等の法令遵守に努めております。なお、当社は2007年10月に財団法人日本情報処理開発協会より、プライバシーマークの認定・付与を受けており、2014年3月期に更新しております。システム面においては個人情報を管理しているサーバーは物理的なセキュリティ設備が強固な外部データセンターにて管理されており、更には外部からの不正アクセスに対するセキュリティの強化及び個人情報の閲覧にアクセス制限を設ける等により、厳重に個人情報の管理を行っております。
しかしながら、個人情報が当社グループ関係者、業務委託先等の故意又は過失により外部へ流出した場合、又は外部からの不正なアクセスや想定していない事態によって個人情報の外部流出等が発生した場合には、適切な対応を行うために相当な費用負担、当社グループヘの損害賠償請求、当社グループ並びに当社サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
b.特定の経営者への依存について
当社グループ設立の中心人物であり、設立以来の事業推進者である代表取締役前澤友作は、ファッション及びEC事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に同氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等により、経営組織の強化に取組んでおりますが、何らかの理由により同氏による当社グループの業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
c.人材の確保について
当社グループの継統的な成長を実現させるためには、優秀な人材を十分に確保し、育成することが重要な要素の一つであると認識しております。そのため、積極的な新卒社員の採用、中途社員の採用及びアルバイト社員の受け入れ並びに社内公募制度の拡充及び社内教育体制の構築を行う等、優秀な人材の獲得、育成及び活用に努めております。
しかしながら、当社グループが求める優秀な人材を計画通りに確保出来なかった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
d.訴訟等について
当社グループは、提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループが保有する個人情報の管理不徹底等の人為的ミスの発生、第三者からの不正アクセスによる情報流出又はシステム障害及び販売した商品の不備等に起因して、訴訟を受ける可能性があります。その訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額によっては当社グループの事業及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
e.自然災害について
当社グループの本社及び主たる物流拠点は千葉県内にあり、当地域内において地震、津波等の大規模災害が発生したことにより本社又は物流拠点が被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性や、物流拠点において保管している商品が販売不能になる可能性、顧客への商品の発送及び配送が円滑に実施できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
f.のれんの減損について
当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを連結貸借対照表に計上しております。当該のれんについては将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

対処すべき課題財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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