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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10059A7

有価証券報告書抜粋 王子ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、全体の研究開発を推進するイノベーション推進本部と各事業会社の研究開発部門、各工場の研究技術部等が機動的に連携しながら取り組んでいます。イノベーション推進本部は、ユーザーのニーズを迅速に取り入れた新製品開発から、明日の王子グループを支えるチャレンジングな新事業・新製品創出の担い手として、革新的価値の創造を目指した研究開発を行っています。当連結会計年度末における当社の保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内1,457件、海外408件です。また保有商標権の総数は国内676件、海外570件です。
当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。

グループ全体の既存事業の競争力強化として、パルプ、抄紙、塗工、紙物性の各分野で、蓄積・体系化された技術を基に、新製品開発及び品質改善に取り組んでいます。国内工場では、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図り、海外事業への水平展開も進めています。
(1)生活産業資材
産業資材事業の白板紙では、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、異物欠陥削減等の品質・操業性改善を推進しました。この国内工場で培った基盤技術については、カンパニーの枠を越え、アジア、オセアニア、北米・南米、ヨーロッパの各海外拠点へ水平展開を進めています。また、紙器用板紙の加工適性に関する強度解析を行い、品質を改善しました。
生活消費財事業では、ティシュ原紙のパルプ処方変更、薬品、及び調成工程の最適化により、ティシュの手触り感を向上させました。
当事業に係る研究開発費は636百万円です。

(2)機能材
機能材事業では、研究開発型ビジネスの形成を目指し、王子グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した機能性シート・フィルム分野での新製品開発を進めています。
特殊紙事業では、炭素繊維等を使用した高機能性シートの成長分野への展開を進めており、炭素繊維乾式不織布の委託生産を開始しました。また、直接シリコーン加工が可能な剥離紙原紙について、より高いシリコーンバリア性をオンマシンで付与できる技術を開発し、製品への応用展開を進めています。
イメージングメディア事業では、セキュリティ性を付与した磁気層不要の乗車券用感熱紙を開発し、市場への投入を開始しました。さらに、感熱紙の新しい用途発展に向けた技術開発を行うとともに、海外拠点も含め、新製品開発、コストダウンに繋がる技術支援を進めています。
粘着事業では、新たな市場開拓として自動車や建材の分野に目を向け、自動車部品用の加飾フィルムや構造接着用テープの開発を行っています。また、タッチパネルに用いられる各種高機能フィルムの開発を進めており、印刷適性を付与した飛散防止フィルムやセンサー用ベースフィルムを中心にスマートフォンやノートPC等に採用が進んでいます。
フィルム事業では、2軸延伸ポリプロピレンフィルムのノウハウを生かした新たな高機能フィルムの開発や、塗工設備を活用したノンシリコーン軽剥離フィルム等の開発を進めています。また、ハイブリッド車向け等のコンデンサー用極薄ポリプロピレンフィルムでは、次世代に向けたさらなる薄物化や高耐電圧化を進めています。新規フィルム製品の異方性拡散シート「ナノバックリング」、等方性拡散シート「パルーチェ」は各種LED光源の拡散シートとして採用が広がりつつあります。
当事業に係る研究開発費は2,734百万円です。

(3)資源環境ビジネス
海外植林分野では、海外植林地の生産性向上と植林木の品質向上を目指し、ユーカリ及びアカシアについてクローン植林の推進に取り組んでいます。優良クローンの早期選定や、施肥時期及び量の見極めができる派生技術として新しいクローン識別法を開発し、現地に適用しています。また、総合林産業の推進に向け、木材乾燥等木材加工技術開発も進めています。
王子製紙株式会社米子工場に設置したバイオリファイナリー効率的一体型連続工業プロセスでは、溶解パルプの実機生産と並行してフルフラールの同時製造の実証試験を行っています。溶解パルプは、レーヨンやアセテートの原料として今後の需要増が期待でき、フルフラールは将来のバイオプラスチック原料として期待されています。
当事業に係る研究開発費は426百万円です。

(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、東南アジア産木材チップ及び安価な輸入薬品の利用推進、欠点・断紙削減等の操業性改善、燃焼灰の処理技術確立による廃棄物の有効利用等を推進し、収益向上に繋げています。また、インクジェットフォーム用紙では、インクジェットデジタル印刷機に適した「手帳用薄物IJ用紙」、及び優れた圧着ハガキ適性を付与した「OKH-ライトニング」を開発しました。
当事業に係る研究開発費は1,336百万円です。

(5)その他
新事業の創出として、保有する資産やこれまでに培ってきたノウハウを生かし、グループ全体のイノベーションを牽引しています。
ナノ解繊技術を利用したセルロースナノファイバーのスラリー及び透明シートの有望な用途について、要求性能を満たすための要素技術の開発や、効率的な製造プロセスの開発を進めています。
ナノ加工では、ドット型周期微細構造を表面に賦形するナノドットアレイ技術を開発し、反射防止機能付与、LEDや有機ELの光取り出し効率向上等の用途で多くの引き合いをいただき、一部試験販売を開始します。
バイオリソース関連では、未利用森林資源等の木質バイオマスを用い、パルプ化技術、酵素と微生物によるバイオ技術を組み合わせる当社独自のバイオエタノール生産方法を開発しました。製造コストの削減や事業性評価の検討を進めています。
また、北海道下川町にて薬用植物栽培の研究を進めています。薬用植物は、ほとんどを中国からの輸入に依存しており、国産化が期待されています。ユーカリやアカシアで培った植栽技術を取り入れ、成長性と薬効成分量が優れた薬用植物の開発を進めています。
水環境の維持・再生のため、2014年7月に国内外における水処理事業の展開に向けて水環境研究所を設立しました。王子グループがこれまでに蓄積してきた節水や生物処理等の水処理の実績、ノウハウをもとに、要求に応じた水処理システムの提案ができるように開発を進めています。
その他に係る研究開発費は5,358百万円です。
なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費はここに含まれます。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00642] S10059A7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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