シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10057ZB

有価証券報告書抜粋 TOPPANホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループ(当社及び連結子会社)は、21世紀のあるべき姿を定めた「TOPPAN VISION21」に基づき、各事業領域の基盤強化と市場ニーズを先取りした新商品の開発を積極的に推進している。
当社グループの研究開発は、総合研究所を中心に、事業(本)部の技術関連部門及び主要連結子会社が一体となり収益力の強化を図っている。各事業分野の新商品開発に注力するとともに、コストダウン、品質ロスミス削減へ向けての開発を各研究開発部門と進めている。また、次世代商品系分野についても総合研究所を中心に産官学との連携を図り、中長期の収益の柱となる新規事業創出に努めている。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は19,083百万円であり、セグメントにおける主な研究開発とその成果は次のとおりである。なお、研究開発費については、当社の本社部門及び総合研究所で行っている基礎研究にかかる費用を次の各セグメントに配分することができないため、研究開発費の総額のみを記載している。

(1) 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、株式会社村田製作所と共同でPUF(※1)技術を搭載した世界最小(W3.2mm×D3.2mm×H0.7mm)のICタグを開発し、小型電子機器の真贋判定向けにサンプル出荷を開始した。
また、大手銀行では初めてとなる、株式会社三井住友銀行による新規口座開設時のキャッシュカードの即時発行開始に伴い、当社は、システム全体の構築を担当する日本電気株式会社と連携し、主に即時発行が可能なカード発行機とソフトウェアを開発した。
マーケティング関連では、国内最大級の電子チラシポータルサイト「Shufoo!(シュフー)」において、国立大学法人京都大学大学院情報学研究科 新熊亮一准教授とともに、電子チラシの「次世代レコメンド配信サービス」を共同開発した。
また、BLE(※2)ビーコン(低消費電力の近距離無線技術BLEを利用した通信機器)を活用し、表示言語が自動で瞬時に切り替わるインバウンド向けデジタルサイネージシステムを開発した。
VR(バーチャルリアリティ)については、8Kを超えるリアルタイム生成映像出力を実現する高解像度・多画面対応型VR技術を開発した。「2014年国際放送機器展」では、本技術を用いた12KVRコンテンツが世界で初めてインタラクティブ上演された。

(2) 生活環境事業分野
包装関連では、空気の力で自立する口栓付き液体製品用スタンディングパウチ「エアホールドパウチ」が、日本包装技術協会の主催する「第38回木下賞 改善合理化部門」を受賞し、粉末衣料用洗剤「アタック高活性バイオEX つめかえパック」が、「第38回木下賞 研究開発部門」を受賞した。
また、当社と東洋紡株式会社の共同開発品であるメカニカルリサイクルPET(※3)フィルムを用いた、透明ハイバリアフィルム「GLフィルム」(※4)及びアルミ蒸着フィルムを、世界で初めて開発した。
さらに、世界初となる紙製容器でできた非常用マグネシウム空気電池「マグボックス」を、古河電池株式会社と共同で開発した。当社が「マグボックス」の紙製容器であるセル外装材ならびに外箱の開発・製造を、古河電池が「マグボックス」の開発・製造を行うことで共同開発を推進し、古河電池より販売を開始した。
バリアフィルムでは、透明バリアフィルム「GLフィルム」「PRIME BARRIER(プライムバリア)」に続く、新たな軽包装向けバリアフィルム「FRESHLIGHT(フレッシュライト)」を製品化した。第一弾として、高湿度下でもバリア性能を保持できるコーティングフィルム「FRESHLIGHT OPPタイプ」を開発し、サンプル出荷を開始した。
また、「GLフィルム」が使用されている「レンガ型アルミレス紙パック飲料容器」が、株式会社伊藤園が展開する野菜飲料の主力ブランド「充実野菜」の200ml紙パックに採用され、伊藤園、日本製紙株式会社と共同で、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会が主催する「2014年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 農林水産大臣賞」を受賞した。


(3) マテリアルソリューション事業分野
プリンテッドエレクトロニクス(※5)分野では、線幅とその間隙をそれぞれ10μm(マイクロメートル:10のマイナス6乗メートル)で形成する導電性材料による微細印刷技術を確立した。センサーや回路の高密度化・小型化が可能となり、小型軽量が求められるウェアラブル端末のほか、偽造防止等、プリンテッドエレクトロニクス以外の分野への応用も検討を進め、2017年度までに実用化を目指す。
また、従来、パソコンやタブレット端末などのモバイル機器向けに提供していた、小型から中型(10インチから27インチ)対応の静電容量方式の銅タッチパネルモジュールに加え、デジタルサイネージや電子黒板など大型モニター向けに55インチ銅タッチパネルモジュールを開発し、量産体制を確立した。

(4) その他
ライフサイエンス分野では、シスメックス株式会社とともに、当社の連結子会社である株式会社理研ジェネシス(※6)に出資し、個別化医療における遺伝子検査事業の発展のため、相互に協力していくことに合意した。
また、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルから、全自動でがん遺伝子の変異型の検出を行う小型全自動遺伝子解析システムを開発した。FFPEサンプルから直接、DNAを分離して取り出し、かつ遺伝子検査までの全工程を自動化するのに成功したことで、現状、主に検査センターや一部病院検査室で行われている検査が、誰でも簡便に行えるようになり、検査時間も約2時間と、従来の約4分の1に大幅に短縮される。
エネルギー分野では、富士通株式会社、株式会社三菱総合研究所の協力のもと、環境省「2014年度HEMS(※7)活用によるCO2削減ポイント構築推進事業」に参画した。家庭内のエネルギー消費実態からCO2削減行動を自動で評価するシステムを開発し、本事業の実証に活用している。
さらに、北九州スマートコミュニティ創造事業において、自立的なビジネスモデルの構築に向けた家庭向けエネルギー情報サービスに関する実証実験を、2014年度も実施することで、地域全体のピークオフ効果及び地域経済効果を検証し、またエネルギーサービスの提供事業者のマーケティングなどへの活用における有効性の確認を行った。
電子ペーパーでは、東北大学災害科学国際研究所と共同で、大型電子ペーパー掲示板を活用した地域情報連携に関する研究を開始した。平時及び災害時に、住民に的確な情報入手を促進させる新たな情報伝達の仕組みについて研究を行い、地域防災・減災に向けた情報伝達のあり方の実地検証を2015年度から実施する予定である。
また、プリンテッドエレクトロニクス技術の活用により、フレキシブル薄膜トランジスタを実現する印刷プロセス技術を確立し、薄く、軽く、かつ曲げることができるフレキシブル電子ペーパーを開発した。さらにはカラーフィルタ技術の活用により、部分的なカラー化も実現し、このフレキシブル電子ペーパーを使用した「レール型電子棚札」を試作開発した。

(※1)PUF:Physical Unclonable Function
(※2)BLE:Bluetooth Low Energy
(※3)メカニカルリサイクルPET:使用済みPETボトルを粉砕・洗浄した後に高温で溶融・減圧・ろ過などを行い、再びPET樹脂に戻したもの
(※4)GLフィルム:当社が独自に開発した透明蒸着ハイバリアフィルムの総称
(※5)プリンテッドエレクトロニクス:印刷技術を利用して電子回路などのエレクトロニクス製品を生産すること。
(※6)株式会社理研ジェネシス…独立行政法人理化学研究所が培った遺伝子解析技術を基盤として、株式会社理研ベンチャーキャピタルと当社の共同出資によって2007年に設立。
(※7)HEMS:Home Energy Management System



事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00692] S10057ZB)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。