有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100545Y
東亜建設工業株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループにおきましては、現在、環境・防災・リニューアル技術に重点をおいて研究開発を推進しております。当連結会計年度における研究開発費は777百万円であります。また、主な研究開発成果は次のとおりであります。
(国内土木事業・国内建築事業及び海外事業)
現在開発中の工法は、地盤をかく乱することで粘土地盤の細かな内部構造を破壊し、荷重に対する体積圧縮量を増やすという原理を用いた、従来に無い新しい工法です。昨年までに国内および東南アジア諸国での特許権取得を目指した出願手続を完了し、実用化に向けた研究開発を進めています。また港湾空港技術研究所や大学と連携して研究開発を行う枠組みも構築し始めており、今後研究開発がより進むものと考えております。
①既存の施工機械を用いて、現在までに埋立が終了した処分場やこれから供用を開始する処分場を対象にした工法です。
②新たな土砂処分場の建設は、環境影響や建設に要する時間やコストを考慮すると困難であり、既存の土砂処分場の容量を増大することが可能な工法です。
③かく乱対象とする地盤の深さに対して、その15~20%を圧縮することが可能で、新規処分場の建設や土砂処分費用を考慮すると費用対効果の高い工法です。
④土砂の外洋投棄はロンドン条約で規制されており、さらに港湾施設の開発が急速に進められている東南アジア地域などでも土砂処分場確保は問題となってきております。今後は海外でも高まることが予想される「土砂処分場の容量増大、延命化」のニーズに対応できる工法です。
散水ノズル、散水フレーム、水タンク、風向風速計、粉じん計、散水制御盤から構成され、風向・風速や粉じん濃度を常時監視し、必要に応じて散水する装置です。
①粉じん低減効果が最大となる散水時の水滴径と水滴の放出角度を設計に反映することにより、1基あたりの散水範囲を従来技術よりも拡大致しました。
②風向・風速や粉じん濃度の値に応じて散水するため、少ない散水量で粉じんの低減が可能です。
③現場の粉じん発生状況に応じて自動的に散水されるため、作業の負担を軽減できます。
④夏場の熱中症対策にも有効です。
接合部における上部工の一部をはつり、はつり取った箇所と鋼管杭の表面を一体として、高強度・高靭性・高耐久性の特長を併せ持つ超高強度繊維補強モルタル(タフリード)により巻き立てる工法です。
①タフリードにより上部工と鋼管杭を一体化することにより、接合部における鋼管断面の曲げ耐力の回復・向上を確実に期待できます。
②タフリードは非常に緻密な材料であるので、鋼管杭の腐食に対して優れた防食性能を発揮します。また、タフリードの表面に複数の微細ひび割れが生じることがありますが、水分が供給される海洋環境下ではひび割れ部を閉塞する性質が発揮されるので、長期にわたって防食性能を維持できます。
③タフリードは流木等の漂流物に対する衝撃や、繰返しの波浪による磨耗等に強い材料であるので、被覆防食材として優れた耐久性を発揮します。
④タフリードは従来の巻立て材に比べて耐久性に優れるため、本工法の適用によりライフサイクルコストの低減が可能です。
しかし、疑似的な空調機音が心地よいと感じられる音ではないため、カウンセリング室など、利用者の心身が過敏な状態にあることが想定される室内では、会話のプライバシーに配慮するだけでなく、マスキング音量や音質に対する慎重さが強く求められます。そこで当社では、幅広い場面で利用することを目的として、喧騒感を軽減したサウンドマスキング手法のシステムづくりを目指しています。
①iPadやiPodなどのモバイル機器をコントローラに用いて、市販のワイヤレススピーカーからマスキング音を発生させるシステムを構築致しました。マスキング音の種類や発生範囲を用途に合わせて自在に選択し、組合せることが可能になります。
②広帯域の雑音から作成される疑似空調機音には、音声の母音を聞き取りにくくする中低音域と喧噪感を感じやすい高音域とが含まれます。音声の子音に相当する中高音域のマスキング音を弱めて、代わりに自然の中の流水、野鳥、虫の音など心地よい中高音を重ねることによって、喧騒感が軽減された親しみのあるマスキング音を用意しています。
③被験者に単語が聞き取れたかを質問して回答を得る言語了解度などの主観的評価に加えて、物理量測定による音声明瞭度などの客観的評価に基づくことによって、適切なマスキング音量に調節可能な評価フローを提供します。
(その他)
研究開発活動は特段行っておりません。
(国内土木事業・国内建築事業及び海外事業)
(1)土砂の減容化工法(土砂処分場の容量増大、延命化工法)
国内の港湾地域からは毎年約2,000万m3の浚渫土砂が発生しており、都市部からは建設発生土が大量に発生しています。そのため、土砂処分場の容量は各地で逼迫した状況にあります。このような背景から、当社は土砂処分場の容量増大、延命化を目的とした「土砂の減容化工法」の開発に数年前より取り組んできました。現在開発中の工法は、地盤をかく乱することで粘土地盤の細かな内部構造を破壊し、荷重に対する体積圧縮量を増やすという原理を用いた、従来に無い新しい工法です。昨年までに国内および東南アジア諸国での特許権取得を目指した出願手続を完了し、実用化に向けた研究開発を進めています。また港湾空港技術研究所や大学と連携して研究開発を行う枠組みも構築し始めており、今後研究開発がより進むものと考えております。
①既存の施工機械を用いて、現在までに埋立が終了した処分場やこれから供用を開始する処分場を対象にした工法です。
②新たな土砂処分場の建設は、環境影響や建設に要する時間やコストを考慮すると困難であり、既存の土砂処分場の容量を増大することが可能な工法です。
③かく乱対象とする地盤の深さに対して、その15~20%を圧縮することが可能で、新規処分場の建設や土砂処分費用を考慮すると費用対効果の高い工法です。
④土砂の外洋投棄はロンドン条約で規制されており、さらに港湾施設の開発が急速に進められている東南アジア地域などでも土砂処分場確保は問題となってきております。今後は海外でも高まることが予想される「土砂処分場の容量増大、延命化」のニーズに対応できる工法です。
(2)自動粉じん低減システムの開発
建設工事では、工事の種類や現場の条件によってさまざまな粉じんが発生します。工事に伴って発生する粉じんが、周辺環境へ悪影響を及ぼさないよう管理するため、各種粉じん対策技術が開発されています。とくに散水装置の粉じん対策は、現場において大量の水が必要になることや、散水範囲が限られるなどの課題がありました。このため当社は、(株)テクノコアと共同で散水により水滴のカーテンを形成し、透過する粉じんを低減する「自動粉じん低減システム」を開発致しました。散水ノズル、散水フレーム、水タンク、風向風速計、粉じん計、散水制御盤から構成され、風向・風速や粉じん濃度を常時監視し、必要に応じて散水する装置です。
①粉じん低減効果が最大となる散水時の水滴径と水滴の放出角度を設計に反映することにより、1基あたりの散水範囲を従来技術よりも拡大致しました。
②風向・風速や粉じん濃度の値に応じて散水するため、少ない散水量で粉じんの低減が可能です。
③現場の粉じん発生状況に応じて自動的に散水されるため、作業の負担を軽減できます。
④夏場の熱中症対策にも有効です。
(3)桟橋鋼管杭の巻立て補強工法「タフリードPJ工法」
桟橋の上部工と鋼管杭の接合部(以下、接合部)では、地震力や船舶接岸力等の外力の影響により劣化損傷している事例が見られます。接合部において杭が劣化損傷すると桟橋の安全性に大きく影響するため、適切に補修・補強する必要があります。そこで当社は、接合部において劣化損傷した杭断面を確実に補強できる『タフリードPJ工法』を開発致しました。本工法の概要と特長は以下のとおりです。接合部における上部工の一部をはつり、はつり取った箇所と鋼管杭の表面を一体として、高強度・高靭性・高耐久性の特長を併せ持つ超高強度繊維補強モルタル(タフリード)により巻き立てる工法です。
①タフリードにより上部工と鋼管杭を一体化することにより、接合部における鋼管断面の曲げ耐力の回復・向上を確実に期待できます。
②タフリードは非常に緻密な材料であるので、鋼管杭の腐食に対して優れた防食性能を発揮します。また、タフリードの表面に複数の微細ひび割れが生じることがありますが、水分が供給される海洋環境下ではひび割れ部を閉塞する性質が発揮されるので、長期にわたって防食性能を維持できます。
③タフリードは流木等の漂流物に対する衝撃や、繰返しの波浪による磨耗等に強い材料であるので、被覆防食材として優れた耐久性を発揮します。
④タフリードは従来の巻立て材に比べて耐久性に優れるため、本工法の適用によりライフサイクルコストの低減が可能です。
(4)プライバシー確保が求められる室内のサウンドマスキングシステムの開発
建築においては、従来、建物外部からの騒音に対する遮音性能が重視されてきましたが、秘匿性の高い会話が交わされる会議室などでは、建物内部から隣室への会話内容の漏えい防止が新たな課題となっています。さらに、会話のプライバシーを守りたいという要望は、病院や薬局の待合室、銀行や行政機関の窓口のような遮る壁のないオープンなスペースにも数多く存在しています。その背景には、建物の遮音性能の向上や空調機騒音の低減などによって、静寂な室内環境が確保できるようになり、わずかに聞き取れる程度の会話が気になってしまうようになったことも要因に挙げられます。このようなスペース・居室では、空調機音に似せた小音量の効果音(マスキング音)を発生させて、会話を聞き取りにくくするサウンドマスキング手法が有効とされています。しかし、疑似的な空調機音が心地よいと感じられる音ではないため、カウンセリング室など、利用者の心身が過敏な状態にあることが想定される室内では、会話のプライバシーに配慮するだけでなく、マスキング音量や音質に対する慎重さが強く求められます。そこで当社では、幅広い場面で利用することを目的として、喧騒感を軽減したサウンドマスキング手法のシステムづくりを目指しています。
①iPadやiPodなどのモバイル機器をコントローラに用いて、市販のワイヤレススピーカーからマスキング音を発生させるシステムを構築致しました。マスキング音の種類や発生範囲を用途に合わせて自在に選択し、組合せることが可能になります。
②広帯域の雑音から作成される疑似空調機音には、音声の母音を聞き取りにくくする中低音域と喧噪感を感じやすい高音域とが含まれます。音声の子音に相当する中高音域のマスキング音を弱めて、代わりに自然の中の流水、野鳥、虫の音など心地よい中高音を重ねることによって、喧騒感が軽減された親しみのあるマスキング音を用意しています。
③被験者に単語が聞き取れたかを質問して回答を得る言語了解度などの主観的評価に加えて、物理量測定による音声明瞭度などの客観的評価に基づくことによって、適切なマスキング音量に調節可能な評価フローを提供します。
(その他)
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