有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10054HL
住友ベークライト株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)
(1) 業績
単位:億円前 期 | 当 期 | 増 減 | ||
金 額 | 率 | |||
連結売上高 | 2,060 | 2,097 | 36 | 1.8% |
連結営業利益 | 107 | 109 | 2 | 1.9% |
連結経常利益 | 115 | 113 | △2 | △2.0% |
連結当期純利益 | 65 | 71 | 6 | 9.5% |
なお、前期においては北米および中国・台湾・アセアン地域の連結子会社17社について、決算期を従来の12月から3月に変更したため、15ヶ月間の業績結果が織り込まれています。また、発生した事業年度において全額損益処理している退職年金の数理計算差異も含まれており、これらの影響額は次のとおりです。
一部子会社決算期変更・退職年金数理計算差異の影響額(概算)
単位:億円
前 期 | 当 期 | 増 減 | ||
決算期変更 | 数理計算差異 | 数理計算差異 | 金 額 | |
連結売上高 | 165 | ― | ― | △165 |
連結営業利益 | 14 | 15 | 4 | △25 |
連結経常利益 | 15 | 15 | 4 | △26 |
連結当期純利益 | 10 | 9 | 3 | △17 |
上記影響額を除いた実質ベースの売上高・利益(概算)
単位:億円
前 期 | 当 期 | 増 減 | ||
金 額 | 率 | |||
連結売上高 | 1,896 | 2,097 | 201 | 10.6% |
連結営業利益 | 79 | 105 | 27 | 33.9% |
連結経常利益 | 86 | 109 | 23 | 27.2% |
連結当期純利益 | 46 | 69 | 23 | 49.8% |
当期の世界経済は、米国では緩やかな景気拡大が続きましたが、欧州は域内での金融不安などから回復が足踏み状態になり、中国をはじめ新興国においても拡大基調が鈍化しました。日本経済は消費増税の影響により大きく落ち込み、その後回復基調で推移したものの全体としては低調でした。
当社グループを取り巻く経営環境は、半導体においては、スマートフォンやタブレットなどの多機能型携帯端末が牽引し堅調に推移しました。自動車においては、北米や中国が引き続き堅調でしたが、欧州は回復に力強さがなく、国内も低調に推移しました。国内の住宅着工件数は、消費増税前の駆け込み需要の反動減により減少しました。
当社グループはこのような経営環境の中、身の丈経営の実践によりスリム化した企業体質の維持に努めるとともに、次の方針を掲げて新たなる成長に向け総合力を結集して取り組んでまいりました。
①国内既存事業の再生、ビジネスモデルの転換
②新規事業立ち上げ、創生
③海外事業の収益力強化、規模拡大
この結果、当期の経営成績につきましては、連結売上高は、主力の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料や高機能プラスチックの販売増に加え、Vaupell Holdings, Inc.およびその関係会社の買収や円安による押上げもあり、2,096億59百万円と、前期比で1.8%、36億12百万円の増収となりました。
損益についても、半導体関連材料などの売上増により、連結営業利益は前期比で1.9%増の109億4百万円となり、連結経常利益は、為替差益の減少等により、前期比で2.0%減の112億63百万円となりました。連結当期純利益は、前期比で9.5%増の71億13百万円となりました。
なお、前述しました前期一部子会社の決算期変更影響等を除いた実質ベースでみますと、連結売上高は前期比で10.6%の増収、連結営業利益は33.9%、連結経常利益は27.2%、連結当期純利益は49.8%のいずれも増益となりました。
(セグメント別販売状況)
セグメント別販売状況は、前述の実質ベースの連結売上高についての前期比較を記載しております。① 半導体関連材料
[連結売上高 47,221百万円(前連結会計年度比 11.3%減)、連結営業利益 6,088百万円(同2.0%減)]
単位:億円
前 期 | 当 期 | 増 減 | ||
金 額 | 率 | |||
実質ベースの連結売上高 概算 | 462 | 472 | 10 | 2.2% |
実質ベースの連結営業利益 概算 | 47 | 60 | 13 | 26.6% |
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料および半導体用液状樹脂は、多機能型携帯端末向けの需要が堅調に推移したことに加え、中国市場における拡販効果やMUF(モールドアンダーフィル)用途など戦略新製品の寄与および円安効果もあり、売上高は増加しました。
半導体パッケージ基板材料「LαZ®」は、主要顧客での新機種切り替えなどの影響を受け、売上高は減少しました。
② 高機能プラスチック
[連結売上高 94,525百万円(前連結会計年度比 8.0%増)、連結営業利益 4,722百万円(同6.0%増)]
単位:億円
前 期 | 当 期 | 増 減 | ||
金 額 | 率 | |||
実質ベースの連結売上高 概算 | 787 | 945 | 159 | 20.1% |
実質ベースの連結営業利益 概算 | 38 | 46 | 8 | 21.1% |
フェノール樹脂成形材料、工業樹脂および成形品は、自動車用途で北米や中国での需要が堅調であったほか、欧州も厳しい環境の中でも緩やかながら回復傾向で推移し、国内も消費増税の影響に伴う需要低迷を円安に伴う輸出が下支えしたこと、Vaupell Holdings, Inc.およびその関係会社の航空機内装部品事業も加わり、売上高は増加しました。
銅張積層板は、民生機器が市況低迷で低調であったものの、車載用が堅調に推移したことに加え、LED照明用途の拡販が寄与し、売上高は増加しました。
③ クオリティオブライフ関連製品
[連結売上高 67,113百万円(前連結会計年度比 4.0%増)、連結営業利益 2,968百万円(同16.1%減)]
単位:億円
前 期 | 当 期 | 増 減 | ||
金 額 | 率 | |||
実質ベースの連結売上高 概算 | 639 | 671 | 32 | 5.0% |
実質ベースの連結営業利益 概算 | 30 | 28 | △2 | △5.4% |
医療機器製品は、主力のドレナージ向けが堅調であったことに加え、「オルフィス CV キット®」や「クリオドレーンバック®」などの戦略製品が好調に推移し、売上高は増加しました。
ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用途でジェネリック薬の普及に伴う需要増により好調を維持し、産業用途もスマートフォンなどの好調な販売を受け、売上高は増加しました。
ポリカーボネート樹脂板、塩化ビニル樹脂板のプレート製品は、サングラス用途を中心とする偏光板に加え、高速道路や産業機械向けの透光板やポリカ板などが伸長し、売上高は増加しました。
防水関連製品は、リフォーム向けが堅調に推移したものの、住宅需要低迷の影響が大きく、売上高は減少しました。
④ その他
[連結売上高 798百万円(前連結会計年度比 6.1%増)、連結営業利益 72百万円(同-)]
連結売上高は8億円となり連結営業利益は1億円となりました。
なお、昨年6月12日付で買収したVaupell Holdings, Inc.およびその関係会社の航空機内装部品事業、医療機器事業の売上高につきましては、昨年7月から本年3月までの9カ月分を計上しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ86億25百万円増加し、499億66百万円となりました。①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は156億72百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上および売上債権の減少による収入と、仕入債務の減少および法人税等の支払による支出の結果であります。前年同期と比べると21億80百万円の収入の減少となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に用いた資金は363億53百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の結果であります。前年同期と比べると211億33百万円の支出の増加となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は234億67百万円となりました。
これは主に、長期借入れによる収入と、配当金の支払による支出の結果であります。前年同期と比べると207億45百万円の収入の増加となりました。
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