有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10055PP
積水化学工業株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、29,452百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。
(1)住宅事業
住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。
新築分野では、電気自動車(EV)の大容量蓄電池と太陽光発電システムを電力会社の電力網に系統連携することを実現(業界初)した「V to Heim」を発売(木質系:4月、鉄骨系:10月)。これにより、EVと電力会社からの電気の切替の都度発生していた瞬時停電を起こすことなく、EV、PV、電力会社の3電源を自由に最適利用することや、停電時におけるPVからEVへの充電が可能となり、先の東日本大震災のように数日に及ぶ大規模停電が発生した場合でも家電利用が連日可能となった。また、EVの高出力(最大6,000W)な電力利用が可能となるため、エアコンやエコキュート、IH調理器等も利用が可能で、ほぼ、日常生活並みの暮らしを送ることができる。
加えて、鉄骨系ユニット住宅では、当社オリジナルのPV一体型屋根システムを賃貸住宅にも展開。小規模な賃貸住宅であっても10kW超えの大容量PVを搭載することが可能となり、売電収益活用による賃貸住宅経営のリスク抑制と安心を提供する。
リフォーム分野では、①「スマートハウスリフォーム」、②「水まわり・内部改装リフォーム」、③「外装・高耐久化リフォーム」の3つの強化ポイントで開発を推進。既築邸向けの室内置き蓄電池の導入、太陽光発電対応強化、バスユニットの更新、庇のアルミ化工法、高意匠タイル外壁など、新築と同様にご入居者が安心して快適に住み続けられるリフォームメニューの拡充を行った。
当事業に係る研究開発費は4,883百万円である。
(2) 環境・ライフライン事業
環境・ライフライン事業では、高収益化に向け、開発ポートフォリオの充実を推進してきている。
官需向けには、独自の管路システム更生技術を更に進化させる研究開発を推進し、主に公共下水のマンホール用にRCP(FRPM管)を用いて耐震性を付与した「耐震マンホール更生工法」を上市した。また、ユニークなセンシング技術により多管種にも対応できる高精度漏水調査システム「高分子ピエゾ」を開発、上市した。
民需向けには、集合住宅等の排水横主管更生工法として、形状記憶樹脂を用いた「リノベライナー」を上市した。また、建築物件内への給水管導入部における地盤沈下に対する耐震性を高めた「エスロハイパーAW構造物耐震システム」を開発、関連樹脂管協会と都市再生機構との共同研究での性能検証を行い上市した。戸建住宅向けでは、災害時の非常用飲料水として活用できる「飲料水貯留システム」を上市した。今後も戸建住宅水廻りについて、「防災・安心パッケージ」をトータルコンセプトとしてアイテムを拡充していく。
一方、新規事業としては、熱エネルギー分野への展開を図っており、新開発の高採熱パイプを用いた水平採熱型の地中熱利用システムを上市した。先に上市している下水熱利用システムも含めて、新商品ブランドを「エスロヒートシステム」とし、省エネのキーとなる熱回収システムの展開を加速し、シナジー効果を発揮させて環境負荷低減を図っていく。
当事業に係る研究開発費は5,067百万円である。
(3) 高機能プラスチックス事業
高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成形加工品、メディカル関連の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。当連結会計年度の主な成果は以下のとおりである。
当期より、新戦略分野としてエレクトロニクス分野、車輌・輸送分野、ライフサイエンス分野、住インフラ材分野の4つを設定した。
エレクトロニクス分野では、スマートフォンやタブレット型PCなどをターゲットとしたモバイルソリューション関連の開発を強化している。具体的には、薄型化・狭額縁設計に対応した液晶用シール剤、耐衝撃フォームテープ、高機能・高透明両面テープ、回路基板と接合する異方導電ペースト(ハンダACP)などの製品において新製品開発が進捗し、順次上市を進めている。
また次の成長分野と位置づけるエネルギー関連では、LED用レジスト、リチウムイオン電池用セパレータなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。
車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネに対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品開発が進捗中であるほか、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。
ライフサイエンス分野では、機器ビジネスの更なる伸長のための新型機投入、がん領域等の新領域参入のための新製品開発を推進している。具体的には、当期はHPLC法を利用したグリコヘモグロビン分析装置RC20を発売し、糖尿病分野の拡大を目指している。薬物動態事業においては、新生児代謝異常検査など個別化医療への進出を進めている。
住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、日本初の不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かした用途開発を進めており、建築吹付用など順次上市を予定している。なお、FP事業推進部を2015年4月から耐火材料事業部に昇格させ、今後さらに事業の強化を図る。
当事業に係る研究開発費は15,877百万円である。
(4) その他事業
その他事業では、新しい事業創出を目指して、R&Dセンターで研究開発及び事業立ち上げを行っている。「住社会インフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。その一環として、フィルム型リチウムイオン二次電池とフィルム型色素増感太陽電池の2015年度中の上市を計画している。
当事業に係る研究開発費は3,624百万円である。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、29,452百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。
(1)住宅事業
住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。
新築分野では、電気自動車(EV)の大容量蓄電池と太陽光発電システムを電力会社の電力網に系統連携することを実現(業界初)した「V to Heim」を発売(木質系:4月、鉄骨系:10月)。これにより、EVと電力会社からの電気の切替の都度発生していた瞬時停電を起こすことなく、EV、PV、電力会社の3電源を自由に最適利用することや、停電時におけるPVからEVへの充電が可能となり、先の東日本大震災のように数日に及ぶ大規模停電が発生した場合でも家電利用が連日可能となった。また、EVの高出力(最大6,000W)な電力利用が可能となるため、エアコンやエコキュート、IH調理器等も利用が可能で、ほぼ、日常生活並みの暮らしを送ることができる。
加えて、鉄骨系ユニット住宅では、当社オリジナルのPV一体型屋根システムを賃貸住宅にも展開。小規模な賃貸住宅であっても10kW超えの大容量PVを搭載することが可能となり、売電収益活用による賃貸住宅経営のリスク抑制と安心を提供する。
リフォーム分野では、①「スマートハウスリフォーム」、②「水まわり・内部改装リフォーム」、③「外装・高耐久化リフォーム」の3つの強化ポイントで開発を推進。既築邸向けの室内置き蓄電池の導入、太陽光発電対応強化、バスユニットの更新、庇のアルミ化工法、高意匠タイル外壁など、新築と同様にご入居者が安心して快適に住み続けられるリフォームメニューの拡充を行った。
当事業に係る研究開発費は4,883百万円である。
(2) 環境・ライフライン事業
環境・ライフライン事業では、高収益化に向け、開発ポートフォリオの充実を推進してきている。
官需向けには、独自の管路システム更生技術を更に進化させる研究開発を推進し、主に公共下水のマンホール用にRCP(FRPM管)を用いて耐震性を付与した「耐震マンホール更生工法」を上市した。また、ユニークなセンシング技術により多管種にも対応できる高精度漏水調査システム「高分子ピエゾ」を開発、上市した。
民需向けには、集合住宅等の排水横主管更生工法として、形状記憶樹脂を用いた「リノベライナー」を上市した。また、建築物件内への給水管導入部における地盤沈下に対する耐震性を高めた「エスロハイパーAW構造物耐震システム」を開発、関連樹脂管協会と都市再生機構との共同研究での性能検証を行い上市した。戸建住宅向けでは、災害時の非常用飲料水として活用できる「飲料水貯留システム」を上市した。今後も戸建住宅水廻りについて、「防災・安心パッケージ」をトータルコンセプトとしてアイテムを拡充していく。
一方、新規事業としては、熱エネルギー分野への展開を図っており、新開発の高採熱パイプを用いた水平採熱型の地中熱利用システムを上市した。先に上市している下水熱利用システムも含めて、新商品ブランドを「エスロヒートシステム」とし、省エネのキーとなる熱回収システムの展開を加速し、シナジー効果を発揮させて環境負荷低減を図っていく。
当事業に係る研究開発費は5,067百万円である。
(3) 高機能プラスチックス事業
高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成形加工品、メディカル関連の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。当連結会計年度の主な成果は以下のとおりである。
当期より、新戦略分野としてエレクトロニクス分野、車輌・輸送分野、ライフサイエンス分野、住インフラ材分野の4つを設定した。
エレクトロニクス分野では、スマートフォンやタブレット型PCなどをターゲットとしたモバイルソリューション関連の開発を強化している。具体的には、薄型化・狭額縁設計に対応した液晶用シール剤、耐衝撃フォームテープ、高機能・高透明両面テープ、回路基板と接合する異方導電ペースト(ハンダACP)などの製品において新製品開発が進捗し、順次上市を進めている。
また次の成長分野と位置づけるエネルギー関連では、LED用レジスト、リチウムイオン電池用セパレータなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。
車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネに対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品開発が進捗中であるほか、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。
ライフサイエンス分野では、機器ビジネスの更なる伸長のための新型機投入、がん領域等の新領域参入のための新製品開発を推進している。具体的には、当期はHPLC法を利用したグリコヘモグロビン分析装置RC20を発売し、糖尿病分野の拡大を目指している。薬物動態事業においては、新生児代謝異常検査など個別化医療への進出を進めている。
住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、日本初の不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かした用途開発を進めており、建築吹付用など順次上市を予定している。なお、FP事業推進部を2015年4月から耐火材料事業部に昇格させ、今後さらに事業の強化を図る。
当事業に係る研究開発費は15,877百万円である。
(4) その他事業
その他事業では、新しい事業創出を目指して、R&Dセンターで研究開発及び事業立ち上げを行っている。「住社会インフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。その一環として、フィルム型リチウムイオン二次電池とフィルム型色素増感太陽電池の2015年度中の上市を計画している。
当事業に係る研究開発費は3,624百万円である。
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