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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004EIZ

有価証券報告書抜粋 株式会社クラレ 研究開発活動 (2014年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループにおける研究開発活動は、企業ミッション「私たちクラレグループは、独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します」に基づいて、社内カンパニー・事業部・連結子会社に所属するディビジョン研究開発とコーポレート研究開発との緊密な連携の下に推進されています。
中期経営計画「GS-Ⅲ」に掲げた「独創性の高い技術により全地球的課題に効果的な解決策を提供する」のコンセプトに則り、技術革新を通じ新たな製品・用途開発を行うことで業容を拡大するとともに将来の成長を目指します。「GS-Ⅲ」では「強い素材の開発と成型加工技術の深化・横展開」、「社内で保有しない技術の外部活用」、「カンパニーと関係会社の協働強化」を重点方針として掲げます。本方針に基づき、新事業創出を目指す「高い市場成長力」をもつ分野として定めた、環境(水処理を含む)、エネルギー、光学・電子材料の重点領域において、早期に収益への貢献を果たすことを目指し、「長期企業ビジョン」で描いた「世界に存在感を示すスペシャリティ化学企業の実現」を目指します。また、2013年4月からは新事業開発のスピードアップを図るため、従来の新事業開発本部を研究開発本部と新事業開発本部に分割しました。研究開発本部は、新事業の創出および基盤技術の強化拡大に注力し、新たな新事業開発本部は、電子材料、成形部材等の重点テーマの早期事業化を目指しています。
コーポレート研究開発は、くらしき研究センター、つくば研究センターおよびクラレリサーチ&テクニカルセンター(KRTC:米国およびドイツ)を擁し、世界規模の体制で運営しています。生産技術に関しては、技術開発センターにおいて「原理原則と現場感覚の最適融合」による生産技術開発を推進しています。ディビジョン研究開発は、社内カンパニー・事業部・連結子会社が各事業所に研究開発部署を有しています。コーポレート研究開発とディビジョン研究開発は密接に連携し、基幹事業の強化および新事業の開発加速のために活動を推進しています。これらを合わせた当社グループ(当社および連結子会社)の研究開発人員数は891人です。当連結会計年度のセグメントごとの研究開発費は、ビニルアセテート4,470百万円、イソプレン1,035百万円、機能材料1,561百万円、繊維1,251百万円、トレーディング107百万円、その他877百万円、全社共通(コーポレート研究開発)4,871百万円、合計14,174百万円になります。

セグメントごとおよびコーポレートの研究開発活動を示すと次のとおりです。
[ビニルアセテート]
・ポバール樹脂、ポバールフィルム、PVBフィルム、樹脂の酢酸ビニルチェーンについては、世界のリーディングカンパニーとして、国内外の研究開発部署が連携し、新規用途開発、新商品開発、新規生産技術開発も併せて、研究開発活動を推進しています。
・ポバール樹脂では、特殊変性技術を活かして、石油・天然ガス掘削現場で使用される高性能銘柄の開発を拡大しています。
・水溶性ポバールフィルムはDuPont社から買収したビニルアセテート関連事業(GLS事業)の原料を使用していることから、原料に遡及した開発を加速することで、買収のシナジー効果を発現させていきます。
・ガスバリア材料では、金属缶・ガラス瓶代替が可能な新商品として、スーパーバリア材料AP、耐レトルト性のある透明バリアフィルムなど積極的に新規用途開発に取り組んでいます。最近では水蒸気バリア性能を大幅に向上させた新銘柄CFを上市しており、一層の用途拡大を目指します。また、より厳しい環境規制に対応すべくガソリンバリア性能を一層向上させたプラスチック燃料タンク用銘柄LVを上市しており、地球環境保全に貢献していきます。

[イソプレン]
・エラストマー関連では、新規に植物由来の原料ファルネッセンを用いた液状ゴムを開発しています。タイヤ原料に配合すると燃費向上につながることから、地球環境に貢献する液状ゴムとして、国内及び海外の大手タイヤメーカーで評価が進んでいます。
・イソプレンケミカル関連では、独自性の高いC4ケミストリーをさらに進化させた化学品として、殺菌剤や特殊インキ関連の材料開発、ならびに精密有機合成技術を基盤にした半導体フォトレジスト用材料など機能性化学品の創出に取り組んでいます。
・耐熱性ポリアミド樹脂では、自動車分野での市場浸透が進むと共に、耐熱性・耐光性の高いLED部材用新銘柄の開発に取り組んでいます。

[機能材料]
・メタクリル樹脂については、差別化ポリマーの拡充とメタアクリル系樹脂を活用した新規用途開発、新商品開発を主体に研究開発活動を行っています。
・メディカル事業では、クラレノリタケデンタル株式会社の無機/有機の技術の融合による新規歯科材料の開発に注力しており、CAD/CAMなど歯科のデジタル化の流れにも対応しています。人工骨インプラントの用途拡大と、新規材料の開発を進めています。
・人工皮革については、環境対応型革新プロセス(CATS)で上質な商品、特長を生かした新規用途開発により、ユーザー評価を進めています。

[繊維]
・PVA繊維については、革新プロセス(VIP)によるフィラメントの基礎技術を確立し、実証プラント建設、ならびに新規素材の開発を目指しています。FRC(セメント補強材)は、新商品によるアジア、中南米等の新規ユーザーが拡大しました。また、軽量な成型品の展開も進めています。
・高強力繊維については、コスト合理化と品質安定化を図るべく新規プロセスの開発を進めています。
・新型不織布については、伸縮包帯用途を中心に新規ユーザーの開拓に取り組んでいます。
・難燃繊維(ポリエーテルイミド繊維)は、耐熱性、低発煙性や分散染料可染等の特長があり、航空機や自動車等の高温断熱材やコンポジット、ならびに高視認性防護製品の展開を図っていきます。


[トレーディング]
・ポリエステル長繊維については、①ふんわり・柔らかい高級タオルの製造に欠かせない特殊水溶性繊維や、②環境対応素材の一環として、染色加工時のCO2排出量を削減したに水との親和性の高いエバールを複合した肌に優しいをラインナップに加え販売を展開するなど、機能性・環境をキーワードにした独自素材の開発、用途開発に注力しています。

[その他]
・アクア事業推進本部では、中空糸ろ過膜を用いた様々な水の製造・回収、ポリビニルアルコール(PVA)ゲルを用いた産業排水の処理・回収、海洋生態系保全のための海水処理などを通して、「高品質で安全な水の提供」と「環境負荷の低減」に貢献する素材・装置・技術開発に取り組んでいます。また、食品残渣(生ごみ)を少なくするため、ゲルに住まわせた微生物で水と炭酸ガスに分解する装置を開発しました。この装置及びゲルの販売を促進します。
・クラレケミカル株式会社では、「Ecology&Amenity」を企業コンセプトとし、「環境・エネルギー」分野をメインターゲットに、活性炭や炭素材料を用いた新規用途開発に取り組んでいます。
・クラレプラスチックス株式会社では、当社の研究・開発部門と連携し、スチレン系エラストマーを使用した家電・電子部品ならびに自動車部品、建材、生活用品、スポーツ用品等の用途での樹脂用コンパウンド、ポバールフィルムでの多層化加工やエバールフィルムでの特殊コーティング加工をした新規フィルム、成型加工技術を利用したスマートハウス向け断熱換気ダクト等の開発を推進しています。

[コーポレート研究開発]
・コーポレート研究開発は、市場成長が期待される「水・環境」、「エネルギー」、「電子・光学」分野を重点注力分野とし、新規事業の創出と育成に注力しています。

・リチウムイオン二次電池(LiB)の研究・市場開発を加速するため、2012年8月に株式会社クレハの子会社である株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(KBMJ)へ資本参加し、また同年8月にクラレケミカル株式会社とKBMJによる生産合弁会社である株式会社バイオハードカーボンを設立しました。岡山県備前市に年産1,000トンのバイオハードカーボン生産設備を建設し、これを足掛かりに、今後急速な拡大が見込まれるハイブリッド車や電気自動車などの車載用市場向けの電池負極材の開発を一層加速してまいります。一方、これ以外に電池材料の開発につきましても、技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)に参画し、電池部材の評価・解析を通じ、開発の加速を図っています。

・炭酸ガス回収・貯留のための膜分離技術開発に向け、地球環境産業技術研究機構(RITE)他2社と共同で設立した次世代型膜モジュール技術研究組合において、RITEが保有する技術をベースに当社の独自素材・技術を組み合わせた分離膜を開発し、目標性能を達成しました。今後本組合では、分離膜の更なる性能向上を図るとともに、実機型膜モジュールおよび膜分離システムの開発を進めます。

・独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画し、多孔性金属錯体(MOF)を用いて低エネルギー負荷で炭酸ガス等の混合ガスよりガス資源を分離・濃縮し、高効率活用することを目指した研究を行ってきました。実用に即した評価条件で良好な結果が得られ、社外ユーザーでの評価を進めています。今後は、社外ユーザーとのキャッチボールを加速し、実用化に向けた検討を進めます。

・新規アクリル系の特殊フィルムの開発において、アクリルの透明性を生かしながら、新たな機能を付与させた製品の用途開拓を推進しています。展示会においては、多くの顧客からサンプル供給の要求を受けるなど、注目を集めています。光学や加飾分野での採用が見込まれ、市場投入に向けた販売体制の準備を進めています。

・将来の成長領域での有望な新技術探索機能を強化する目的で、2011年よりカリフォルニア州シリコンバレーに拠点を設け、当社とシナジーのある技術を保有するベンチャー企業等と積極的に技術交流を進めてきました。その一環として、2013年に太陽電池やディスプレイ向けの超防湿フィルム開発のベンチャー企業であるVitriflex Inc. への出資を完了し、戦略的パートナーシップを締結しました。

・当社の微細成形技術を用いて、高い集光効率の集光型太陽光発電システム向けレンズを開発しました。さらなる高効率化を追及すると共に市場開拓にも注力し、特に中東や中国市場への発電システム設置計画に合わせたレンズ供給体制の確立を加速します。

・光源にLEDを用いるエッジライト方式の導光板開発が進み、高い照度、配光特性のコントロールおよび異方出射特性などの特長を生かしたLED照明への採用を加速します。照明メーカーとのコラボレーションを通じ、省エネ、薄型、軽量であることを生かした照明設計を図り、採用実績の拡大を進めます。

・当社の微細成形技術を用いて開発したマイクロ空間細胞培養プレートの市場評価が進み、がんの創薬スクリーニング用途、および、再生医療細胞培養用途での実用化に向け、産学一体となってより具体的な取り組みを進めていきます。

・液晶ポリマーフィルムは優れた高周波回路基板材料として市場で認められており、モバイルコミュニケーション端末用途で採用がさらに拡大しました。2014年度は西条事業所の生産能力増強設備を稼動させ、事業拡大の基礎を作りました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00876] S1004EIZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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