株式会社東京商品取引所 業績等の概要 (2015年3月期)

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などの影響もありましたが、株価の回復が進み、基調的に緩やかな回復を続けております。
商品市場におきましては、2014年度上期は、為替のボラティリティが低水準で推移し、商品市場も全般的に限定的な値動きに終始したことから取引高は低調に推移しましたが、下期になると、米国の量的金融緩和政策第3弾(QE3)終了後の利上げ観測、EU及び中国の景気後退懸念、石油市場全般における需給緩和による原油価格の急落など、為替市場・商品市場ともに高ボラティリティ環境へ転換したことから、取引高は大幅に改善しました。
このような環境のなかで、当社グループは、当社市場の活性化に向け、各種施策に取り組んだ結果、2014年度下期の取引高は大幅に増加したものの、上期の不振が響き、当社市場の取引高は2,268万枚(前期比5.2%減)にとどまりました。
これにより、当連結会計年度の業績は、営業収益2,728,583千円(前年同期比4.4%減)、営業損失958,568千円(前期同期比29.4%減)、経常利益は131,939千円(前年同期は876,004千円の経常損失)、当期純利益は41,430千円(前年同期は912,567千円の当期純損失)となりました。
なお、セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 取引所事業
当社市場の取引高減少による定率参加料収入の減少等によって、当事業部門における営業収益は2,498,050千円(前年同期比4.4%減)となりました。

② 清算事業
株式会社日本商品清算機構が清算を行っている2014年度の商品取引所の取引高は2,301万枚(前年同期比4.9%減)、店頭デリバティブ取引等の債務引受件数は0.1万枚でありました。これにより、当事業部門における営業収益は230,532千円(前年同期比4.7%減)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は2,801,286千円(前年同期比1,859,121千円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益131,939千円の計上、減価償却費421,797千円の計上及び利息及び配当金の受取額429,037千円の計上等がありましたが、受渡代金の減少2,516,193千円、受取利息及び受取配当金(有価証券利息を含む。)1,023,839千円の計上等がありましたことによるものです。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は61,105千円(前年同期は367,312千円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出3,800,000千円、定期預金の払戻による収入4,800,000千円、有価証券の売却による収入1,050,125千円、無形固定資産の取得による支出1,750,680千円、有形固定資産の取得による支出321,597千円及び従業員に対する貸付金の回収による収入45,945千円等によるものです。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は72,000千円(前年同期比260千円減)となりました。これは長期借入金72,000千円の返済によるものです。

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べ2,812,181千円減少の2,824,242千円となりました。