三洋化成工業株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)

当社グループ(当社及び連結子会社)は、パフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)を通じて社会に貢献することを基本戦略として、基盤となる技術の深耕、新製品開発ならびに顧客への対応力の強化等、積極的な研究開発活動を行っております。
現在、当社グループの研究開発は、事業研究本部、開発研究本部、研究業務本部、各分社R&D及び連結子会社のSDPグローバル㈱、サンノプコ㈱、サンアプロ㈱の研究部門で推進しており、研究開発人員数はグループ全体で436名であり、これは当社グループ全人員の約四分の一に当たります。
当連結会計年度における研究開発の成果の1つとして、「ポリメタクリレート系粘度指数向上剤に好適な環境負荷の少ない固体酸触媒によるメタクリレートモノマーの製造法の開発」で第67回近畿化学協会化学技術賞受賞しました。グループ全体の研究開発費は、55億1千5百万円であり、各セグメントにおける主な研究開発成果は次のとおりであります。

(1) 生活・健康産業関連分野
本分野では、生活に密着した日用品向けの多様なニーズにきめ細かく対応するシャンプー基材や洗剤用の界面活性剤応用製品や、紙オムツ用高吸水性樹脂、臨床検査試薬キットならびに医療用機材などの製品を開発しております。主な成果としては、血液凝固能に依存せず体組織に含まれる水と反応し柔軟な皮膜をつくる非生物由来のウレタン素材の止血剤「Hydrofit」の症例実績拡大に向け活動を推進したことや紙オムツの薄型化に貢献する高吸水性樹脂「サンウエットSG」の改良品を開発したことなどがあげられます。

(2) 石油・輸送機産業関連分野
本分野では、自動車シートクッション用ポリウレタンフォーム原料や潤滑油・燃料油の添加剤など自動車関連の化学品、および切削油といった金属加工用薬剤などの製品を開発しております。主な成果としては、自動車シート用ウレタンフォームの耐久性を向上できるフォーム用原料「プライムポールFL」、低毒性で生分解性に優れた潤滑油「ノバルーブPEV」を上市したことなどがあげられます。

(3) プラスチック・繊維産業関連分野
本分野では、電子部品搬送トレーなどに使用される永久帯電防止剤や、樹脂用の顔料分散剤、モデル用合成木材といったプラスチック関連製品、化学繊維やガラス・炭素繊維などの各種繊維用の薬剤などを開発しております。主な成果としては、薄膜化により優れた透湿性が得られる透湿防水布用ウレタン樹脂「サンプレンH」、低温での成形が可能で適用樹脂を拡大した永久帯電防止剤「ペレクトロンLMP」を上市したことなどがあげられます。

(4) 情報・電気電子産業関連分野
本分野では、複写機やプリンター用のトナーバインダーや電子部品製造用の工程薬剤あるいはコンデンサ用電解液など情報・電気電子産業に使用される製品を開発しております。主な成果としては、精密洗浄に対応したハードディスク基板用洗浄剤「ケミクリーンPR」を上市したことや、電子材料用に長波長対応の高感度特殊リン系の光酸発生剤を開発したことなどがあげられます。

(5) 環境・住設産業関連分野他
本分野では、環境浄化用の水処理薬剤や、住宅用断熱材に用いられるポリウレタンフォーム原料、建築シーラント原料などの製品を開発しております。主な成果としては、建築用塗膜防水剤に好適なウレタン樹脂用原料「サンニックスPF」、断熱ボードなどの難燃性を向上させる硬質ウレタンフォーム用原料「ノンフレポールPE」を上市したことなどがあげられます。