株式会社ニイタカ 研究開発活動 (2015年5月期)

当連結会計年度における研究開発費は、総額2億8千4百万円となっております。
当社グループの研究開発は、主に親会社である当社が担っており、その体制は各種製品の開発を行う技術部製品開発一課及び二課、並びに基礎研究を担う基盤技術研究室で構成されております。
また、研究開発テーマはマーケティング部による起案、若しくは営業担当を通じてお客様から寄せられるご要望などから選択し、決定しております。
主な研究開発成果は次のとおりであります。

(1)衣料用抗菌剤入り柔軟仕上げ剤:抗菌ソフター
外食産業においてはダスターやユニフォームなどを自前で洗濯する店舗も多くあるため、それらに対応する製品を開発いたしました。
本製品は、家庭用洗濯機で使用する抗菌力のある柔軟仕上げ剤であります。
前期に上市した「液体洗たく洗剤N」と組み合わせて使用することで、きれいで清潔な洗い上がりが得られます。

(2)濃縮タイプ手洗い石けん液
前期に続いて、新たな有効成分IPMP(イソプロピルメチルフェノール)を配合した濃縮タイプの手洗い石けん液を開発し、医薬部外品の承認を得ました。
今後、子会社である株式会社ユーホーニイタカの製品も含めた製品の統廃合により、当社グループとしての合理化を進めてまいります。

(3)自動食器洗浄機用洗浄剤
①エンソリッドLWH
外食産業においては自動食器洗浄機が多用されております。この洗浄機の内部は適度な栄養分、温度、水分があるため、バクテリアが発生しやすく、それらがバイオフィルムと呼ばれる粘着性の付着物となって洗浄機内に付着すると、非常に不衛生になります。
本製品は、洗浄機用固形洗浄剤に塩素剤を付加することにより、塩素の作用で洗浄機内を清潔に保ちつつ、食器をきれいに洗い上げる洗浄剤であります。

②エンソリッドLAW
洗浄機の部品には、加工のしやすさなどの理由から砲金と呼ばれる材質が用いられることがあります。砲金は洗浄剤の主成分のアルカリやキレート剤、塩素剤に弱く、これらによって侵されることがあります。
本製品は、強力な洗浄力を持ちながら、砲金に対する保護成分を配合することにより、洗浄機を傷めることなく食器類をきれいに洗い上げます。
また、上記エンソリッドLWHと同様に塩素剤を付加しており、洗浄機内の衛生管理にも寄与する製品であります。

(4)食品添加物アルコール製剤
セキュアコール
今やアルコール製剤は、食品や食材を扱う環境の衛生管理の必需品となっております。
従来から販売されているアルコール製剤は、主成分のアルコールに少量の添加物を加えたものがほとんどで、アルコールの除菌力はありますが、汚れ成分に対しては効果的に作用しにくいものでした。
本製品は添加する界面活性剤の種類と量と組合せを最適化することにより、優れた除菌力とともに洗浄力を付与することができました。これにより、調理台などに油汚れが残っていても、除菌しながら油汚れも除去できる製品となりました。
なお、ノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルスに対する不活化効果も確認されております。