有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004DDR
株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 研究開発活動 (2014年12月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社の研究開発活動はプロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の開発を行っております。基礎研究領域に特化し、新規開発品の創製に経営資源を集中させるほか、それを支える研究開発体制の整備に努めております。
当事業年度における研究開発費は96百万円となっており、以下に記載の通り研究開発活動を実施いたしました。
(1)研究開発の特徴について
① プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の開発
当社はプロテインキナーゼを中心とした阻害剤の研究開発を進めております。
プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、阻害剤を投与して細胞の機能をコントロールする開発手法を用いた阻害剤開発を進めることにより、有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。
当社は独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成し、スクリーニングするとともに、対象疾患におけるプロテインキナーゼの生理的役割の解明を行っております。
② 当社独自の標的タンパク質同定方法であるドラッグ・ウエスタン法の活用
当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。
この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、一回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。
既にこのドラッグ・ウエスタン法を用いて、当社のパイプラインの抗血小板剤「K-134」、緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」についても標的タンパク質が同定されました。
③ 細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学に関する経験及びノウハウの活用
当社代表取締役会長兼最高科学責任者 日高弘義は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で二つの医薬品の誕生に貢献しております。当社は設立以来、日高弘義のこうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行っております。
当社の新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。
(2)当社研究開発体制について
当社は、効率的な研究開発を可能とするための社内体制と社外提携関係による研究開発協力体制を構築しております。
① 社内研究開発体制
当社の研究開発体制は、開発研究所(生物科学、合成化学及び開発企画管理の各グループによって構成)において新薬候補化合物探索活動等を行うほか、製薬会社等との情報交換及びライセンスアウトに関する業務、事業開発及び臨床開発に関する業務を行っております。
② 社外提携関係
当社は、各分野を専門領域に持つ研究者で構成される当社科学顧問のメンバーや国立大学法人三重大学との産学官連携講座による共同研究等の提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ、技術の取り込みを図っております。また、基礎研究における原薬の製造や毒性試験等の実施においても、業務受託企業を積極的に活用しております。
(3)研究開発活動について
シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトにつきましては、「H-1129」バックアップ化合物の化合物最適化を完了し、作用メカニズムの解明を進めました。
ライセンスアウト済パイプラインにつきましては、ライセンスアウト先の興和株式会社により、抗血小板剤「K-134」の国内後期第Ⅱ相臨床試験が終了しました。本試験により、本剤投与の有効性は示唆されたものの、主要評価項目が達成できなかったため、興和株式会社にて今後の開発方針が検討されます。また、「グラナテック」につきましては、緑内障・高眼圧症を適応として、9月に国内製造販売承認を取得され、12月に新発売されました。さらに、ライセンスアウト先のわかもと製薬株式会社により、緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」の国内非臨床試験が実施されました。
当社は、既にライセンスアウトされている開発品に対し、ライセンスアウト先の製薬会社との協力体制の下、順調な臨床試験の推進を支援し、当該開発品の早期上市を図るべく取り組んでおりますが、抗血小板剤「K-134」、緑内障治療剤「グラナテック(国内の緑内障・高眼圧症を適応とした領域を除く)」、緑内障治療剤「H-1129 (WP-1303)」の臨床開発にかかる研究開発費は、ライセンスアウト先の資金により賄われており、当社において研究開発費負担は発生しておりません。
当事業年度における研究開発費は96百万円となっており、以下に記載の通り研究開発活動を実施いたしました。
(1)研究開発の特徴について
① プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の開発
当社はプロテインキナーゼを中心とした阻害剤の研究開発を進めております。
プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、阻害剤を投与して細胞の機能をコントロールする開発手法を用いた阻害剤開発を進めることにより、有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。
当社は独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成し、スクリーニングするとともに、対象疾患におけるプロテインキナーゼの生理的役割の解明を行っております。
② 当社独自の標的タンパク質同定方法であるドラッグ・ウエスタン法の活用
当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。
この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、一回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。
既にこのドラッグ・ウエスタン法を用いて、当社のパイプラインの抗血小板剤「K-134」、緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」についても標的タンパク質が同定されました。
③ 細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学に関する経験及びノウハウの活用
当社代表取締役会長兼最高科学責任者 日高弘義は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で二つの医薬品の誕生に貢献しております。当社は設立以来、日高弘義のこうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行っております。
当社の新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。
(2)当社研究開発体制について
当社は、効率的な研究開発を可能とするための社内体制と社外提携関係による研究開発協力体制を構築しております。
① 社内研究開発体制
当社の研究開発体制は、開発研究所(生物科学、合成化学及び開発企画管理の各グループによって構成)において新薬候補化合物探索活動等を行うほか、製薬会社等との情報交換及びライセンスアウトに関する業務、事業開発及び臨床開発に関する業務を行っております。
② 社外提携関係
当社は、各分野を専門領域に持つ研究者で構成される当社科学顧問のメンバーや国立大学法人三重大学との産学官連携講座による共同研究等の提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ、技術の取り込みを図っております。また、基礎研究における原薬の製造や毒性試験等の実施においても、業務受託企業を積極的に活用しております。
(3)研究開発活動について
シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトにつきましては、「H-1129」バックアップ化合物の化合物最適化を完了し、作用メカニズムの解明を進めました。
ライセンスアウト済パイプラインにつきましては、ライセンスアウト先の興和株式会社により、抗血小板剤「K-134」の国内後期第Ⅱ相臨床試験が終了しました。本試験により、本剤投与の有効性は示唆されたものの、主要評価項目が達成できなかったため、興和株式会社にて今後の開発方針が検討されます。また、「グラナテック」につきましては、緑内障・高眼圧症を適応として、9月に国内製造販売承認を取得され、12月に新発売されました。さらに、ライセンスアウト先のわかもと製薬株式会社により、緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」の国内非臨床試験が実施されました。
当社は、既にライセンスアウトされている開発品に対し、ライセンスアウト先の製薬会社との協力体制の下、順調な臨床試験の推進を支援し、当該開発品の早期上市を図るべく取り組んでおりますが、抗血小板剤「K-134」、緑内障治療剤「グラナテック(国内の緑内障・高眼圧症を適応とした領域を除く)」、緑内障治療剤「H-1129 (WP-1303)」の臨床開発にかかる研究開発費は、ライセンスアウト先の資金により賄われており、当社において研究開発費負担は発生しておりません。
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