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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004DDR

有価証券報告書抜粋 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 事業の内容 (2014年12月期)


沿革メニュー従業員の状況

当社の事業は、医薬品の研究開発を行い、開発早期段階において開発品を製薬会社等にライセンスアウトすることによって収益を獲得する創薬事業を展開しております。

当社事業の系統図は以下の通りです。

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(1)創薬事業について
① 新薬開発の流れ
一般的に新薬の開発に際しては、基礎研究、非臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいはアメリカ食品医薬品局(FDA)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造(輸入)承認申請、医薬品としての承認取得、薬価申請・収載を経て販売が開始され、患者様へ提供することが可能となります。このうち基礎研究活動は、新薬候補化合物の合成、スクリーニング(*)、スクリーニング毒性(*)の手続により実施されます。前述の基礎研究活動が終了した後、人に対する臨床試験の前に医薬品として満たすべき条件を、実験動物を用いて副作用及び安全性、安定性の検証を行う非臨床試験によって検証します。その後の臨床試験は、第Ⅰ相臨床試験、第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相臨床試験の段階をもって実施されます。(下図参照)

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② 創薬事業の概要
通常、新薬の研究開発過程において、非臨床試験から臨床試験へと開発が進捗するにしたがって、開発コストは大幅に増加し、また一定規模以上の自社臨床開発体制が必要となります。
当社は、研究開発活動の結果として、開発早期段階において開発品を製薬会社等へライセンスアウトしておりますが、これにより、臨床開発の推進に強みを持つ製薬会社等が開発を行うこととなり、自社での開発を継続する場合に比べて、早期の上市(*)が期待されるとともに、低コストでの開発体制を維持できます。
このように、当社の創薬事業の特徴は、一般的な医薬候補品を開発するベンチャー企業に比べ、比較的早期の研究開発段階においてライセンスアウトが達成される点にありますが、これは、当社が基礎研究段階から共同研究を実施できる技術力を有していることと、基礎研究段階において標的タンパク質が同定されて作用機序(*)が明らかになっていることにより、臨床開発における開発リスクが推測しやすくなることが要因と考えております。
当社の売上高は、主にライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、臨床開発進行に伴いその節目毎に受領するマイルストーン収入、製品上市後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入等によるものです。既に抗血小板剤「K-134」、緑内障治療剤「グラナテック®点眼液0.4%(開発コード:K-115)(以下、「グラナテック」)、緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」はいずれも製薬会社にライセンスアウト済みであり、「グラナテック」については、国内上市されております。これらのフロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入等を新規開発プロジェクトに投入することによって、次なる新規開発品の開発を進めております。
なお、ライセンスアウトについては、当社が保有する国内外の製薬会社等への独自のネットワークを利用し、新規開発品のライセンスアウトを行っております。

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売上高内容
フロントマネー収入ライセンスアウト時に受領する収入
マイルストーン収入臨床開発進行に伴いその節目毎に受領する収入
ロイヤリティ収入製品上市後販売額の一定比率を受領する収入

③ パイプラインについて
現在、製薬会社へのライセンスアウトが完了した当社が保有するパイプラインは以下の通りです。
ライセンスアウト済パイプライン
プロジェクト名開発中の新薬(対象疾患)開発段階ライセンスアウト先
K-134抗血小板剤
(閉塞性動脈硬化症(*))
国内後期第Ⅱ相臨床試験終了
米国前期第Ⅱ相臨床試験終了
興和株式会社
グラナテック緑内障治療剤
(緑内障・高眼圧症)
国内上市興和株式会社
H-1129
(WP-1303)
緑内障治療剤
(緑内障)
国内非臨床試験わかもと製薬株式会社

ライセンスアウト済パイプラインの詳細は以下の通りです。
(イ)抗血小板剤「K-134」(対象疾患:閉塞性動脈硬化症)
本開発品は、1993年1月より当社代表取締役会長兼最高科学責任者 日高弘義と大塚製薬株式会社(以下、「大塚製薬」という。)の共同研究により、血管内膜肥厚抑制作用(*)を併せ持つ抗血小板剤として開発が開始されました。
本開発品は、動物実験及び第Ⅰ相臨床試験において有効な血小板凝集阻害作用(*)を有することが確認されているとともに、動物実験において血管内膜肥厚抑制作用を有することが確認されております。本開発品は、PDE (ホスホジエステラーゼ)(*)の強力な阻害剤(*)であるとともに、血小板のコラーゲン(*)受容体の1つであるCD36(*)及び血小板や血管壁に存在する細胞骨格タンパク質(*)の1つであるコフィリン(*)と結合することが、ドラッグ・ウエスタン法(*)により証明されております。これらの2つの標的タンパク質(CD36及びコフィリン)は、既存の販売されている抗血小板剤で結合するものはないことから、本開発品は既存のPDEの阻害作用を有する抗血小板剤とは異なる新規の作用機序も有するものと考えられます。
本開発品の全世界での権利は、2002年8月までに大塚製薬より当社へ全て譲渡され、当社は2002年9月に全世界の権利を興和株式会社(以下、「興和」という。)にライセンスアウトしました。その後は興和により、臨床試験が進められております。
閉塞性動脈硬化症に伴う間歇性跛行(*)症状を有する患者における歩行機能の改善が確認されており、当事業年度において興和により国内後期第Ⅱ相臨床試験が終了しました。本試験により、本剤投与の有効性は示唆されたものの、主要評価項目が達成できなかったため、興和にて今後の開発方針が検討されます。

(ロ)緑内障治療剤「グラナテック®点眼液0.4%(一般名:リパスジル塩酸塩水和物、開発コード:K-115)」
(対象疾患:緑内障・高眼圧症)
本開発品は、プロテインキナーゼ(*)の一種であるRhoキナーゼ(*)を選択的に阻害するイソキノリンスルホンアミド化合物(*)であり、眼圧下降作用による緑内障治療剤です。
本開発品は、緑内障治療剤における世界初の作用機序を有しており、Rhoキナーゼを阻害することにより、線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進することで眼圧を下降させます。国内で実施した原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の患者様を対象とした臨床試験において、本開発品は、単独での使用及び既存の緑内障・高眼圧症治療薬と併用での使用のいずれの場合でも、眼圧下降効果を示すことが確認されております。
当社は、2002年9月に本開発品の全世界の権利を興和にライセンスアウトしました。その後は興和により臨床試験が進められ、2014年9月に緑内障・高眼圧症を適応として国内製造販売承認を取得され、12月に上市されました。

(ハ)緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」(対象疾患:緑内障)
本開発品は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とする当社化合物ライブラリー(*)のシード化合物を基にして最適化された、緑内障を適応用途とする開発品です。当社独自技術であるドラッグ・ウエスタン法により、標的タンパク質は熱ショックタンパク質(*)Hsp90であることが特定されており、また、細胞内での化合物と標的タンパク質の結合様式等の分子薬理学(*)的研究が完了しております。
本開発品は、緑内障治療薬として新規作用メカニズムを有し、強い眼圧下降作用と神経保護作用を有することが確認されております。
2013年3月に、日本における開発・製造・使用及び販売の再実施許諾権付き独占的実施権をわかもと製薬株式会社(以下、「わかもと製薬」という。)にライセンスアウトし、2013年12月にわかもと製薬により国内非臨床試験が開始されました。

④ 新規開発品について
当社は、現在新規開発プロジェクトとして、シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトを進めております。(次表ご参照)
プロジェクト名開発中の新薬開発段階
シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトH-1129バックアップ化合物(緑内障治療剤)化合物最適化完了
眼科関連
神経系
循環器系
呼吸器系等
基礎研究

⑤ 創薬事業における当社技術と研究開発の特徴について
創薬事業における当社技術と研究開発の特徴は以下の通りです。

(イ)プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の開発
当社はプロテインキナーゼを中心とした阻害剤の研究開発を進めております。
プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達(*)機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、阻害剤を投与して細胞の機能をコントロールする開発手法を用いた阻害剤開発を進めることにより、有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。
当社は独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成し、スクリーニングするとともに、対象疾患におけるプロテインキナーゼの生理的役割の解明を行っております。

(ロ)当社独自の標的タンパク質の同定方法であるドラッグ・ウエスタン法の活用
当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。
この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、一回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。
ドラッグ・ウエスタン法を活用した際の効果は、以下の通りと考えられます。

a. 有効性:高い有効性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。新薬候補化合物の標的タンパク質を早期に同定することによって、その新薬候補化合物の作用機序が明らかになり、その結果から、有効な新薬候補化合物の開発へとつなげていくことが可能になると考えております。

b. 安全性:副作用や他の医薬品との相互作用の予測により、高い安全性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。早期に標的タンパク質を同定することによって、副作用が起こるメカニズムの推測もしやすくなり、それにより、安全性の高い新薬候補化合物の開発が可能となります。また、作用メカニズムが明らかになることにより、他の薬剤との併用の可能性の分析がしやすくなり、薬としての利用機会の拡大とリスクの低減につながりやすいと考えます。

既にこの方法を用いて、当社のパイプラインの抗血小板剤「K-134」、緑内障治療剤「H-1129(WP-1303)」についても標的タンパク質が同定されました。
なお、ドラッグ・ウエスタン法については、「薬物の生体内における標的蛋白の遺伝子の検出方法」として特許登録されております。

(ハ)細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学に関する経験及びノウハウの活用
当社代表取締役会長兼最高科学責任者 日高弘義は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で二つの医薬品の誕生に貢献しております。当社は設立以来、日高弘義のこうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行っております。
当社の新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。

(ニ)提携関係を活用した研究開発体制
当社は、各分野を専門領域に持つ研究者で構成される当社科学顧問のメンバー(当事業年度末現在9名で構成)や国立大学法人三重大学との産学官連携講座(後述「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」参照)による共同研究等の提携関係を構築し、技術の取り込みを図っております。こうした企業外部との提携関係を活用することによって、効率的な研究開発体制を構築することが可能となっております。

当社と外部機関との関係図(研究開発体制)

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(アルファベット、あいうえお順)

* CD36
血小板膜に存在するコラーゲン受容体の1つでコラーゲンと結合することによって血小板凝集機能の引き金となるタンパク質の1つです。

* PDE(ホスホジエステラーゼ)
cAMP(サイクリックエーエムピーといい、細胞内で酵素反応を進めるための情報伝達を担う因子。細胞の成長、増殖、分化に密接に関連している。)を分解する酵素で細胞内情報伝達に重要な役割を担っており、1~11まで存在します。

* Rhoキナーゼ
タンパク質リン酸化(*)酵素(プロテインキナーゼ)の1つであり、Rho-ROCK情報伝達に基づく多彩な細胞応答の制御機構に関与する酵素です。

* イソキノリンスルホンアミド化合物
当社が開発している化合物の有する骨格(形)の名称です。

* 化合物ライブラリー
化合物ライブラリーとは、当社が長年にわたり蓄積してきた新薬候補化合物のタネの基となる化合物群です。これらの化合物の一つ一つは特徴的な性質を有しており、これらを基として、基礎研究や新薬候補化合物発見に役立てます。

* 間歇性跛行
閉塞性動脈硬化症により引き起こされる典型的な症状で、通常は下肢筋肉への動脈血供給における閉塞性病変が原因となって血流障害が引き起こされ、歩行運動により虚血性の疼痛を発生させます。この疼痛は一定の運動量で引き起こされ、安静により数分以内に緩和される特徴があります。跛行症状の治療には、下肢血行動態の改善を目的とした監視下運動療法、薬物療法または血行再建術があります。

* 血管内膜肥厚抑制作用
血管内膜肥厚とは、血管壁の損傷により血管壁が厚くなることであり、その結果血液が通る道が細くなり血液がつまりやすくなります。この血管内膜肥厚を抑制することは動脈硬化を防ぐためには重要であると考えられており、その抑制作用を血管内膜肥厚抑制作用と言います。

* 血小板凝集阻害作用
血小板の主要な機能の1つである凝集機能を抑える作用を言います。

* 抗血小板剤
抗血小板剤とは血小板(血液の成分の1つで血液の凝固や止血に重要な役割を果たしている成分)が有する機能の1つである凝集機能を阻害(抑制)する薬です。

* コフィリン
血管に存在する細胞骨格タンパク質であり、このタンパク質に何らかの影響が生じると血小板構造が変化し、それによって血小板の凝集機能が活性化すると考えられております。

* コラーゲン(collagen)
真皮、靱帯、腱、骨、軟骨等を構成するタンパク質の1つで、体内の全タンパク質の約1/3を占めております。血小板の凝集惹起物質の1つであり、コラーゲン(collagen)を阻害することで血小板凝集作用が抑制されます。

* 細胞骨格タンパク質
細胞には、細胞の形態を維持するための繊維状構造である細胞骨格がありますが、その中に存在するタンパク質を細胞骨格タンパク質と言います。

* 細胞内情報伝達
神経やホルモン等の細胞外からのシグナル(信号)を細胞内の必要な箇所へ伝えるシステムのことを言います。別の言い方では、シグナル伝達とも言います。

* 作用機序
薬物が作用する仕組みのことを言います。近年は薬物作用の明確化の重要性が高まっており、この作用機序の解明が新薬開発において注目されております。

* 上市(じょうし)
新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)ことを言います。

* スクリーニング
新薬の候補化合物を開発するには、多数の候補化合物の中から効果があり安全性が高いものを選び出すことが必要となります。このような多数の化合物から新薬の候補を探す一連の流れをスクリーニングと言います。

* スクリーニング毒性
細菌を用いる復帰突然変異試験(遺伝毒性の1つで、化学物質の発癌性や遺伝子に与える変化を、細菌を用いてテストする試験)、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(遺伝毒性の1つ。細菌だけでは動物と一致しないこともあるので、人為的に生体外で培養した動物の体内細胞を用いて異常がないかテストする試験)及びほ乳類を用いる28日間の反復毒性試験(ラット等の動物に一定期間毎日反復投与したときに現れる生体機能及び形態の変化を観察する試験)を指します。

* 阻害剤
生体内の様々な酵素分子に結合して、その酵素の活性を低下若しくは消失させる物質を指します。医薬品としては、この酵素の活性を低下若しくは消失させることにより、病気の治療薬として利用しております。

* 同定
単離した化学物質が何であるかを決定することを指します。

* ドラッグ・ウエスタン法
薬物の標的タンパク質の同定に使うバイオテクノロジーを応用した手法で、当社が発明し特許を保有しております。複雑なタンパク質精製プロセスを介せず、薬物が結合する少量のタンパク質を検出し、その遺伝子を同定することにより標的タンパク質を見出すことができる方法です。

* 熱ショックタンパク質(Heat Shock Protein)
細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現が上昇して細胞を保護するタンパク質の一群であり、「Hsp90」などのように、その分子量によりそれぞれの分子の名前がつけられています。

* 標的タンパク質
薬物が作用する相手のタンパク質を標的タンパク質と呼びます。生体はタンパク質が生体内で相互に作用することによって機能しておりますが、多くの病気はタンパク質の異常な働きによって引き起こされております。これらの病気には標的となるタンパク質が必ずあると考えられております。

* プロテインキナーゼ
ATP(アデノシン三リン酸と言われ、体内で作られる高エネルギー物質)等の生体のエネルギーの元となる低分子物質等のタンパク質分子にリン酸基を付加する(リン酸化)酵素です。タンパク質をリン酸化するキナーゼをプロテインキナーゼと呼び、タンパク質以外のものをリン酸化するものをキナーゼと言います。

* 分子薬理学
薬理学とは薬物が生体に対して、どのように影響を与えて効果を発揮しているかを調べたり、薬物を用いて生体の機能を明らかにする学問のことです。分子薬理学とはその薬理学の調査の対象を生物の化学的性質を失わない最小の構成単位、つまり遺伝子の単位で調べる学問です。

* 閉塞性動脈硬化症
動脈硬化(動脈が肥厚し硬化した状態)により主に下肢の大血管が慢性に閉塞することによって、軽い場合には冷感、重症の場合には下肢の壊死にまで至ることがある病気を言います。軽度の場合には抗血小板剤が処方されることが多く、症状が悪化するにつれて他の薬剤を使用します。

* 緑内障・高眼圧症
緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患であり、日本の中途失明原因の第一位(2005年)となっております。また、高眼圧症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。
現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、「眼圧を下降すること」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が第1選択とされております。

* リン酸化
タンパク質にリン酸基を付加させる化学反応であり、化学反応によりタンパク質の働きを調節すると考えられております。

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