有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10051QR
株式会社ソケッツ 事業等のリスク (2015年3月期)
当社グループの経営成績、財政状態及び株価に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因について次のとおり記載しております。なお、以下の記載事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
(1)事業環境について
①インターネットに関する技術及びサービスの変化
当社グループは、携帯電話、スマートフォン及びPCを含むインターネット関連技術に基づいて事業を展開しております。インターネット関連業界では、新技術や新サービスが相次いで開発されており、また当社グループが属する携帯電話関連業界におきましても、技術及び顧客ニーズ等の変化の速度が速いという特徴があります。
このため、当社グループは積極的な研究開発を推進して、新たな技術やサービスの開発を進めております。しかし、研究開発の遅れ、顧客ニーズの見誤りや優秀な人材の確保の遅れ等により市場の変化に合った技術革新のスピードに適切に対応できない場合には、当社グループの技術及びサービスが陳腐化し競争力が低下することが考えられ、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
当社グループに関連した分野においては、通信速度の高速化、携帯電話及びスマートフォン端末の高機能化、作品(コンテンツ)の流通経路及び流通量の増加を背景として、携帯電話及びスマートフォン等のモバイル端末用アプリケーション及びシステム開発を手掛ける企業が、当社グループ以外にも存在しております。また、モバイルインターネットにおける通信速度の更なる高速化や開発環境のオープン化の流れも受け、今後ますます新規参入企業が増加することが予想されます。
当社グループでは、アプリケーションとサービスデータベースを連携させるビジネスモデルの構築をより強化し、他企業との差別化を図っております。また、同時に、サービスに関連する企画・開発・運用を一貫して行うことによって、サービスの質を確保するとともに、新規サービスの提供や新機能の実装を、効率的に実現しております。しかしながら、競合会社が当社グループを上回る開発スピードやサービスの質を実現した場合、当社グループのメディアビジネスにおける事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループのコンテンツ配信においても、ソーシャルゲーム運営企業に代表される多数の競合会社が既に存在し、今後も有料あるいは無料コンテンツを配信する有力な競合会社が登場してくる可能性があります。当社グループは、引き続きユーザーのニーズを汲んだより魅力あるコンテンツを配信し、メディアビジネスで培ったストリーミング技術等とMSDBをより活用した従来のコンテンツの枠を超えた新たな付加価値を提供していく方針でありますが、競合会社が当社グループを上回る魅力のあるサービスを提供した場合、あるいは価格競争が激化した場合には、当社グループ会員の減少等により当社グループコンテンツビジネスにおける事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の取引先への依存について
当社グループの当連結会計年度における全社売上高に占めるKDDI株式会社の割合は、下表の通り高い水準にあります。KDDI株式会社に対してはサービス開発・運営、アプリケーション開発、データベースの運用・保守等のメディアビジネスでの売上及びコンテンツビジネスの売上を計上しております。現状のメディアビジネスでは、主にKDDI株式会社向けにサービスや機能を提供し、同社を通じてユーザーに提供しており、同社の事業方針や意向が当社グループに与える影響は大きくなっております。なお、同社に対する販売実績は、各通信事業者の情報料回収代行サービスを利用して、ユーザーに有料情報サービスを提供するものが含まれております。
現状においては、主要販売先と良好な取引関係の維持に努めるとともにオリジナル自社サービス及びパートナー等へのサービスエンジンの提供に向けた開発、おすすめ紹介サービス等新たな提供先との取り組みを進めておりますが、何らかの要因による取引関係の悪化による契約解除となった場合、あるいはインターネット接続サービスに関する主要販売先の事業方針変更等があった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④売上計上の下半期偏重及びオリジナル自社サービスについて
当社グループのメディアビジネスにおける主な販売先である通信事業者との取引は、通常冬から春にかけて新機種や新サービスがリリースされるケースが多いため、契約締結及びサービス提供や検収が10月以降の下半期に偏る傾向があります。それに伴い、メディアビジネスにおける売上高も下半期に集中する傾向があります。ただし、昨今のスマートフォン向けサービス開発は、従来のフィーチャーフォン向けサービス開発より、開発期間が短く、通信会社等から様々な新しいサービスも数多く投入されていることから、市場環境及び競業環境を踏まえながら、サービス投入をしていく傾向が高まり、開始時期が流動的になりつつあります。通信事業者との取引において何らかの理由で、新しいサービス提供開始時期が遅延した場合、当該連結会計年度の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
オリジナル自社サービスの普及に向けたプロモーション等の施策の実施及びパートナーへのエンジン提供を図って参りますが、サービスの進捗状況によっては、先行費用が発生することから、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)表中の( )の数値は、上期、下期の構成比を記載しております。
⑤コンテンツビジネスにおける売掛金の回収について
当社グループのコンテンツビジネスにおいては、各通信事業者との契約に基づく情報料回収代行サービスを利用しており、エンドユーザーからの情報料回収を各通信事業者に依存しております。また、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ及びKDDI株式会社との契約では、情報料回収事業者が、自らの責任に拠らず情報料を回収できない場合には、当社グループへその旨を通知することによって情報料回収代行義務が免責されることとなっております。
このため、当社グループでは、これらの回収不能額について、過去の回収実績等から算定した回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、今後、各通信事業者との取引関係の悪化やユーザーの利用料支払い状況の悪化等何らかの原因で未回収額が増加した場合、貸倒引当金を超える損失を計上することとなり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)事業内容について
①外注先の確保について
当社グループでは、メディアビジネスにおける開発業務及びコンテンツビジネスにおける画像制作業務の一部等を外部に委託しております。
開発スピードの向上や開発コストの削減、またユーザーの嗜好性に合致した画像を継続的に提供するためには、今後も優秀な外部委託先を安定的に確保する必要があります。その確保のため、当社グループでは既存の外注先のみならず、新規外注候補先の選定を継続的に行っておりますが、今後優秀な外部委託先が安定的に確保できない場合、当社グループの開発・制作スケジュールに支障を来たし、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②プログラム等のバグ(不良箇所)について
当社グループのアプリケーション及びデータベースの開発に関しては、社内の検証専門チームに加えて、外部の検証専門企業も活用することにより、納品する際のテスト・検証について専用の体制を構築し、開発・品質管理体制の強化を図っております。
しかしながら、完全にプログラム等のバグを排除することは難しく、プログラム等に重大なバグが生じた場合、当該プログラム等を使用したソフトウェア等によるサービスの中断・停止等が生じる可能性があります。この場合、当社グループの信用力低下や取引先あるいはユーザーからの損害賠償の提起等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ソフトウェア資産の減損について
当社グループのメディアビジネスでは、アプリケーション、データベース及びエンジンを開発し、それらを活用したメディアサービスを推進しております。それらの開発に係るコストについては、資産性のあるものについては自社サービス用ソフトウェアとして無形固定資産に計上し、費用化すべきものは各連結会計年度において研究開発費として費用化しております。
自社サービス用ソフトウェアの開発及び研究開発については、プロジェクト推進体制を整備し、慎重な計画の立案・遂行に努めております。しかしながら、当該開発及び研究開発が市場のニーズと合わないことにより利用価値が低下する場合や、重大なバグ(不良箇所)等の発生によりソフトウェアとして機能しなくなる場合には、これらを減損処理する可能性があります。その場合、一時に多額の費用が発生するため、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
④システム障害・通信トラブルについて
当社グループのメディアビジネス及びコンテンツビジネスでは、ともにサーバーを利用し、機能やサービスを提供しております。サーバー運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を委託し、安全性を重視したネットワーク及びセキュリティシステムを構築し、24時間のサーバー監視をはじめ、セキュリティ対策ソフト及びシステムの導入を積極的に行っております。
しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウィルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバーへの過剰負荷等あらゆる原因によりサーバー及びシステムが正常に稼動できなくなった場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。この場合、当社グループサービスの提供先である通信事業者等との契約に基づき損害賠償の請求を受ける等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)組織体制について
①小規模組織であることについて
2015年3月31日現在における当社組織は、取締役6名(うち社外取締役2名)、監査役3名(うち社外勤監査役3名)、従業員65名であり、内部管理体制や業務執行体制も規模に応じたものとなっております。
このため、役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、当社グループの業務に支障を来たす可能性があります。
②人材の確保や育成について
当社グループにおいて優秀な社内の人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。
しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、また、必要な人材を確保できない可能性があります。また、必ずしも採用し育成した役職員が、当社グループの事業に寄与し続けるとは限りません。このような場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の役員への依存について
当社創業者である代表取締役浦部浩司は、当社の最高の経営責任者であり、事業の立案や実行等会社運営において、多大な影響を与えて参りました。
現在当社グループでは、事業規模の拡大にともなった権限の委譲や業務分掌に取り組み、同氏への依存度は低下しつつありますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等について
①法的規制について
現時点で、今後の当社グループ事業そのものに対する法的規制はないと認識しておりますが、インターネット、携帯電話及びスマートフォンを活用したサービスに関しては、その歴史が比較的浅いこともあり、不正アクセス対策、電子商取引におけるトラブル対策、知的財産権の保護等、今後新たな法令等の整備が行われる可能性があります。
例えば、2008年6月に「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が成立し、同法では、関係事業者の責務として青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくするための措置を講ずるとともに、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に資するための措置を講ずるよう努めることが課されました。
当該責務に基づく通信事業者の行うフィルタリングサービスによる、現在の当社グループ事業への影響は、当社グループの提供するサービスの主なユーザーが18歳以上であることから軽微でありますが、同法を始めとする今後の法令等の制定、改正あるいは社会情勢の変化によって既存の法令等の解釈に変更がなされ、当社グループの事業分野において新たな法的規制が発生した場合、当社グループの事業展開に制約を受けたり、対応措置をとる必要が生じる可能性があります。
②個人情報の取り扱いについて
当社グループが開発・提供する各種サービスの利用者は、携帯電話及びスマートフォンユーザーを中心とした個人であり、当社グループが運営を請け負うサービスにおけるユーザーサポート等において、氏名・電話番号等の当社グループサービスの利用者を識別できる個人情報を取得する場合があります。また、通常の取引の中で、業務提携先や業務委託先等取引先についての情報を得ております。
当社グループは、個人情報の管理強化のため、個人情報保護マネジメントシステムマニュアルの制定、役職員への周知徹底を図るとともに、これらの個人情報は、契約先である外部の大手データセンターへ格納し、高度なセキュリティ体制のもとで管理しております。
なお、2010年6月16日に財団法人日本情報処理開発協会より個人情報の適切な取り扱いを実施している事業者であることを認定する「プライバシーマーク(R)」使用許諾事業者の認定を受けております。
今後につきましても、社内体制整備とともに、外部のデータセンターと継続的にセキュリティ対策強化を行い、いかなる個人情報も流出しないよう細心の注意を払って参ります。しかしながら、当社グループ内管理体制の問題、または当社グループ外からの不正侵入及び業務提携や業務委託先等の故意または過失等により、これらのデータが外部へ漏洩した場合、当社グループの信用力低下やユーザーからの損害賠償の提起等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③知的財産権について
当社グループは、知的財産権の保護については、会社のコンプライアンス及び社会的責任において重要な課題であると認識しております。
開発、コンテンツの提供、日常業務でのソフトウェアの使用等の中で、当社グループの従業員による第三者の知的財産権の侵害が故意または過失により起きた場合、当社グループは損害賠償の提起等を受ける可能性があります。
当社グループがコンテンツビジネスにおいて提供するメール素材の商標や画像の知的財産権は当社グループが保有しておりますが、ダウンロードを行った月額有料会員ユーザーが他のサイト等に転用したり、第三者に提供される可能性があります。本件については、当社グループの法務担当部署が掲載の差し止め等の対応措置を講じておりますが、当社グループ所有画像等の不正使用が多発した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのゲームサービスや電子書籍販売等は、他社の使用許諾を受けて事業を行っております。権利の保有元とは良好な関係を維持しておりますが、何らかの理由で契約期間満了後に更新されない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前連結会計年度に135百万円及び当連結会計年度に440百万円の2期連続の経常損失を計上しております。また、あわせて当期純損失の計上及び営業活動のキャッシュ・フローのマイナスであることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
しかしながら、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(7)重要事象等及び当該事象を解消し又は改善するための対応策」に記載のとおり当社グループでは、当連結会計年度の期中から損益分岐点の引き下げに向けて構造改革に取り組んでおります。第3四半期連結会計期間からの取組みにより、第4四半期連結会計期間の後半から、収支改善及び営業活動のキャッシュ・フローのプラスに向けたその効果が一部現れてきております。本格的な取組みによる効果は、来期を計画しております。
なお、構造改革の内容については、以下のとおりとなります。
①人員の見直し
第3四半期連結会計期間に実施いたしました。その結果、前連結会計年度末と比して約40人の人員の減少となっております。第4四半期連結会計期間の後半において人件費の圧縮が、徐々に効果として出始めており、本格的な効果を来期に見込んでおります。
②事務所スペースの見直し
人員の見直しを受けて事務所スペースの見直しも実施いたしました。既に2015年4月中旬から新オフィスで営業を開始しております。来期から賃料の削減効果を見込んでおります。
③外注加工費及びその他の経費の節減
開発及び運用体制におけるプロジェクトマネジメントの強化により外注加工費等の削減に取り組んでおります。当連結会計年度の後半から外注比率は低下傾向にあり、来期にかけてより一層の圧縮に努めて参ります。
また、事業資金面につきましても、キャッシュ・フローのプラスを見込んでおりますが、取引金融機関とは良好な関係にもあり、当面の事業資金の確保はなされていると判断しております。
以上から、上記施策により収支改善及びキャッシュ・フローのプラスが図られることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、「継続企業の前提に関する注記」の記載はしておりません。
(6)その他
ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
ストック・オプション制度は、会社の利益と、役職員個々の利益とを一体化し、ビジョンの共有や目標の達成等、職務における動機付けをより向上させること、また監査役においては適正かつ厳格な監査による企業価値向上の意欲を高めることを目的として導入したものであり、今後も資本政策において慎重に検討しながらも、基本的には継続的に実行していく考えであります。
新株予約権には一定の権利行使条件がついており、原則として当社株式上場日より1年間経過した日よりまたは上場後に付与したものについては、2年を経過した日より5年間をかけた段階的な行使としておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後もストック・オプションの付与を行なう可能性がありますので、この場合には更に1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は155,500株であり、同日現在の発行済株式総数2,458,000株の6.3%に相当しております。
ストック・オプションの詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
(1)事業環境について
①インターネットに関する技術及びサービスの変化
当社グループは、携帯電話、スマートフォン及びPCを含むインターネット関連技術に基づいて事業を展開しております。インターネット関連業界では、新技術や新サービスが相次いで開発されており、また当社グループが属する携帯電話関連業界におきましても、技術及び顧客ニーズ等の変化の速度が速いという特徴があります。
このため、当社グループは積極的な研究開発を推進して、新たな技術やサービスの開発を進めております。しかし、研究開発の遅れ、顧客ニーズの見誤りや優秀な人材の確保の遅れ等により市場の変化に合った技術革新のスピードに適切に対応できない場合には、当社グループの技術及びサービスが陳腐化し競争力が低下することが考えられ、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
当社グループに関連した分野においては、通信速度の高速化、携帯電話及びスマートフォン端末の高機能化、作品(コンテンツ)の流通経路及び流通量の増加を背景として、携帯電話及びスマートフォン等のモバイル端末用アプリケーション及びシステム開発を手掛ける企業が、当社グループ以外にも存在しております。また、モバイルインターネットにおける通信速度の更なる高速化や開発環境のオープン化の流れも受け、今後ますます新規参入企業が増加することが予想されます。
当社グループでは、アプリケーションとサービスデータベースを連携させるビジネスモデルの構築をより強化し、他企業との差別化を図っております。また、同時に、サービスに関連する企画・開発・運用を一貫して行うことによって、サービスの質を確保するとともに、新規サービスの提供や新機能の実装を、効率的に実現しております。しかしながら、競合会社が当社グループを上回る開発スピードやサービスの質を実現した場合、当社グループのメディアビジネスにおける事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループのコンテンツ配信においても、ソーシャルゲーム運営企業に代表される多数の競合会社が既に存在し、今後も有料あるいは無料コンテンツを配信する有力な競合会社が登場してくる可能性があります。当社グループは、引き続きユーザーのニーズを汲んだより魅力あるコンテンツを配信し、メディアビジネスで培ったストリーミング技術等とMSDBをより活用した従来のコンテンツの枠を超えた新たな付加価値を提供していく方針でありますが、競合会社が当社グループを上回る魅力のあるサービスを提供した場合、あるいは価格競争が激化した場合には、当社グループ会員の減少等により当社グループコンテンツビジネスにおける事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の取引先への依存について
当社グループの当連結会計年度における全社売上高に占めるKDDI株式会社の割合は、下表の通り高い水準にあります。KDDI株式会社に対してはサービス開発・運営、アプリケーション開発、データベースの運用・保守等のメディアビジネスでの売上及びコンテンツビジネスの売上を計上しております。現状のメディアビジネスでは、主にKDDI株式会社向けにサービスや機能を提供し、同社を通じてユーザーに提供しており、同社の事業方針や意向が当社グループに与える影響は大きくなっております。なお、同社に対する販売実績は、各通信事業者の情報料回収代行サービスを利用して、ユーザーに有料情報サービスを提供するものが含まれております。
現状においては、主要販売先と良好な取引関係の維持に努めるとともにオリジナル自社サービス及びパートナー等へのサービスエンジンの提供に向けた開発、おすすめ紹介サービス等新たな提供先との取り組みを進めておりますが、何らかの要因による取引関係の悪化による契約解除となった場合、あるいはインターネット接続サービスに関する主要販売先の事業方針変更等があった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
相手先 | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
売上高(千円) | 全社売上高に占める割合(%) | |
KDDI株式会社 | 1,324,813 | 72.38 |
④売上計上の下半期偏重及びオリジナル自社サービスについて
当社グループのメディアビジネスにおける主な販売先である通信事業者との取引は、通常冬から春にかけて新機種や新サービスがリリースされるケースが多いため、契約締結及びサービス提供や検収が10月以降の下半期に偏る傾向があります。それに伴い、メディアビジネスにおける売上高も下半期に集中する傾向があります。ただし、昨今のスマートフォン向けサービス開発は、従来のフィーチャーフォン向けサービス開発より、開発期間が短く、通信会社等から様々な新しいサービスも数多く投入されていることから、市場環境及び競業環境を踏まえながら、サービス投入をしていく傾向が高まり、開始時期が流動的になりつつあります。通信事業者との取引において何らかの理由で、新しいサービス提供開始時期が遅延した場合、当該連結会計年度の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
オリジナル自社サービスの普及に向けたプロモーション等の施策の実施及びパートナーへのエンジン提供を図って参りますが、サービスの進捗状況によっては、先行費用が発生することから、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
売上高(百万円) | 売上総利益(百万円) | |||||
上期 | 下期 | 通期 | 上期 | 下期 | 通期 | |
2014年3月期 | 1,134 (51.6%) | 1,062 (48.4%) | 2,197 (100.0%) | 300 (72.9%) | 111 (27.1%) | 412 (100.0%) |
2015年3月期 | 911 (49.8%) | 918 (50.2%) | 1,830 (100.0%) | 26 (17.1%) | 130 (82.9%) | 157 (100.0%) |
⑤コンテンツビジネスにおける売掛金の回収について
当社グループのコンテンツビジネスにおいては、各通信事業者との契約に基づく情報料回収代行サービスを利用しており、エンドユーザーからの情報料回収を各通信事業者に依存しております。また、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ及びKDDI株式会社との契約では、情報料回収事業者が、自らの責任に拠らず情報料を回収できない場合には、当社グループへその旨を通知することによって情報料回収代行義務が免責されることとなっております。
このため、当社グループでは、これらの回収不能額について、過去の回収実績等から算定した回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、今後、各通信事業者との取引関係の悪化やユーザーの利用料支払い状況の悪化等何らかの原因で未回収額が増加した場合、貸倒引当金を超える損失を計上することとなり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)事業内容について
①外注先の確保について
当社グループでは、メディアビジネスにおける開発業務及びコンテンツビジネスにおける画像制作業務の一部等を外部に委託しております。
開発スピードの向上や開発コストの削減、またユーザーの嗜好性に合致した画像を継続的に提供するためには、今後も優秀な外部委託先を安定的に確保する必要があります。その確保のため、当社グループでは既存の外注先のみならず、新規外注候補先の選定を継続的に行っておりますが、今後優秀な外部委託先が安定的に確保できない場合、当社グループの開発・制作スケジュールに支障を来たし、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②プログラム等のバグ(不良箇所)について
当社グループのアプリケーション及びデータベースの開発に関しては、社内の検証専門チームに加えて、外部の検証専門企業も活用することにより、納品する際のテスト・検証について専用の体制を構築し、開発・品質管理体制の強化を図っております。
しかしながら、完全にプログラム等のバグを排除することは難しく、プログラム等に重大なバグが生じた場合、当該プログラム等を使用したソフトウェア等によるサービスの中断・停止等が生じる可能性があります。この場合、当社グループの信用力低下や取引先あるいはユーザーからの損害賠償の提起等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ソフトウェア資産の減損について
当社グループのメディアビジネスでは、アプリケーション、データベース及びエンジンを開発し、それらを活用したメディアサービスを推進しております。それらの開発に係るコストについては、資産性のあるものについては自社サービス用ソフトウェアとして無形固定資産に計上し、費用化すべきものは各連結会計年度において研究開発費として費用化しております。
自社サービス用ソフトウェアの開発及び研究開発については、プロジェクト推進体制を整備し、慎重な計画の立案・遂行に努めております。しかしながら、当該開発及び研究開発が市場のニーズと合わないことにより利用価値が低下する場合や、重大なバグ(不良箇所)等の発生によりソフトウェアとして機能しなくなる場合には、これらを減損処理する可能性があります。その場合、一時に多額の費用が発生するため、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
④システム障害・通信トラブルについて
当社グループのメディアビジネス及びコンテンツビジネスでは、ともにサーバーを利用し、機能やサービスを提供しております。サーバー運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を委託し、安全性を重視したネットワーク及びセキュリティシステムを構築し、24時間のサーバー監視をはじめ、セキュリティ対策ソフト及びシステムの導入を積極的に行っております。
しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウィルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバーへの過剰負荷等あらゆる原因によりサーバー及びシステムが正常に稼動できなくなった場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。この場合、当社グループサービスの提供先である通信事業者等との契約に基づき損害賠償の請求を受ける等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)組織体制について
①小規模組織であることについて
2015年3月31日現在における当社組織は、取締役6名(うち社外取締役2名)、監査役3名(うち社外勤監査役3名)、従業員65名であり、内部管理体制や業務執行体制も規模に応じたものとなっております。
このため、役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、当社グループの業務に支障を来たす可能性があります。
②人材の確保や育成について
当社グループにおいて優秀な社内の人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。
しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、また、必要な人材を確保できない可能性があります。また、必ずしも採用し育成した役職員が、当社グループの事業に寄与し続けるとは限りません。このような場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の役員への依存について
当社創業者である代表取締役浦部浩司は、当社の最高の経営責任者であり、事業の立案や実行等会社運営において、多大な影響を与えて参りました。
現在当社グループでは、事業規模の拡大にともなった権限の委譲や業務分掌に取り組み、同氏への依存度は低下しつつありますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等について
①法的規制について
現時点で、今後の当社グループ事業そのものに対する法的規制はないと認識しておりますが、インターネット、携帯電話及びスマートフォンを活用したサービスに関しては、その歴史が比較的浅いこともあり、不正アクセス対策、電子商取引におけるトラブル対策、知的財産権の保護等、今後新たな法令等の整備が行われる可能性があります。
例えば、2008年6月に「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が成立し、同法では、関係事業者の責務として青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくするための措置を講ずるとともに、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に資するための措置を講ずるよう努めることが課されました。
当該責務に基づく通信事業者の行うフィルタリングサービスによる、現在の当社グループ事業への影響は、当社グループの提供するサービスの主なユーザーが18歳以上であることから軽微でありますが、同法を始めとする今後の法令等の制定、改正あるいは社会情勢の変化によって既存の法令等の解釈に変更がなされ、当社グループの事業分野において新たな法的規制が発生した場合、当社グループの事業展開に制約を受けたり、対応措置をとる必要が生じる可能性があります。
②個人情報の取り扱いについて
当社グループが開発・提供する各種サービスの利用者は、携帯電話及びスマートフォンユーザーを中心とした個人であり、当社グループが運営を請け負うサービスにおけるユーザーサポート等において、氏名・電話番号等の当社グループサービスの利用者を識別できる個人情報を取得する場合があります。また、通常の取引の中で、業務提携先や業務委託先等取引先についての情報を得ております。
当社グループは、個人情報の管理強化のため、個人情報保護マネジメントシステムマニュアルの制定、役職員への周知徹底を図るとともに、これらの個人情報は、契約先である外部の大手データセンターへ格納し、高度なセキュリティ体制のもとで管理しております。
なお、2010年6月16日に財団法人日本情報処理開発協会より個人情報の適切な取り扱いを実施している事業者であることを認定する「プライバシーマーク(R)」使用許諾事業者の認定を受けております。
今後につきましても、社内体制整備とともに、外部のデータセンターと継続的にセキュリティ対策強化を行い、いかなる個人情報も流出しないよう細心の注意を払って参ります。しかしながら、当社グループ内管理体制の問題、または当社グループ外からの不正侵入及び業務提携や業務委託先等の故意または過失等により、これらのデータが外部へ漏洩した場合、当社グループの信用力低下やユーザーからの損害賠償の提起等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③知的財産権について
当社グループは、知的財産権の保護については、会社のコンプライアンス及び社会的責任において重要な課題であると認識しております。
開発、コンテンツの提供、日常業務でのソフトウェアの使用等の中で、当社グループの従業員による第三者の知的財産権の侵害が故意または過失により起きた場合、当社グループは損害賠償の提起等を受ける可能性があります。
当社グループがコンテンツビジネスにおいて提供するメール素材の商標や画像の知的財産権は当社グループが保有しておりますが、ダウンロードを行った月額有料会員ユーザーが他のサイト等に転用したり、第三者に提供される可能性があります。本件については、当社グループの法務担当部署が掲載の差し止め等の対応措置を講じておりますが、当社グループ所有画像等の不正使用が多発した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのゲームサービスや電子書籍販売等は、他社の使用許諾を受けて事業を行っております。権利の保有元とは良好な関係を維持しておりますが、何らかの理由で契約期間満了後に更新されない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前連結会計年度に135百万円及び当連結会計年度に440百万円の2期連続の経常損失を計上しております。また、あわせて当期純損失の計上及び営業活動のキャッシュ・フローのマイナスであることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
しかしながら、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(7)重要事象等及び当該事象を解消し又は改善するための対応策」に記載のとおり当社グループでは、当連結会計年度の期中から損益分岐点の引き下げに向けて構造改革に取り組んでおります。第3四半期連結会計期間からの取組みにより、第4四半期連結会計期間の後半から、収支改善及び営業活動のキャッシュ・フローのプラスに向けたその効果が一部現れてきております。本格的な取組みによる効果は、来期を計画しております。
なお、構造改革の内容については、以下のとおりとなります。
①人員の見直し
第3四半期連結会計期間に実施いたしました。その結果、前連結会計年度末と比して約40人の人員の減少となっております。第4四半期連結会計期間の後半において人件費の圧縮が、徐々に効果として出始めており、本格的な効果を来期に見込んでおります。
②事務所スペースの見直し
人員の見直しを受けて事務所スペースの見直しも実施いたしました。既に2015年4月中旬から新オフィスで営業を開始しております。来期から賃料の削減効果を見込んでおります。
③外注加工費及びその他の経費の節減
開発及び運用体制におけるプロジェクトマネジメントの強化により外注加工費等の削減に取り組んでおります。当連結会計年度の後半から外注比率は低下傾向にあり、来期にかけてより一層の圧縮に努めて参ります。
また、事業資金面につきましても、キャッシュ・フローのプラスを見込んでおりますが、取引金融機関とは良好な関係にもあり、当面の事業資金の確保はなされていると判断しております。
以上から、上記施策により収支改善及びキャッシュ・フローのプラスが図られることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、「継続企業の前提に関する注記」の記載はしておりません。
(6)その他
ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
ストック・オプション制度は、会社の利益と、役職員個々の利益とを一体化し、ビジョンの共有や目標の達成等、職務における動機付けをより向上させること、また監査役においては適正かつ厳格な監査による企業価値向上の意欲を高めることを目的として導入したものであり、今後も資本政策において慎重に検討しながらも、基本的には継続的に実行していく考えであります。
新株予約権には一定の権利行使条件がついており、原則として当社株式上場日より1年間経過した日よりまたは上場後に付与したものについては、2年を経過した日より5年間をかけた段階的な行使としておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後もストック・オプションの付与を行なう可能性がありますので、この場合には更に1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は155,500株であり、同日現在の発行済株式総数2,458,000株の6.3%に相当しております。
ストック・オプションの詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E22461] S10051QR)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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