有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100571O
雪印メグミルク株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱およびビーンスターク・スノー㈱を中心にコーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている研究開発課題や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
原材料価格の高騰、円安による調達コストの上昇また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など当社を取り巻く環境は厳しさを増しており、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,780百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〔乳製品事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,631百万円です。
① 当社
バター・油脂カテゴリーでは、ロングセラーブランドである「ネオソフト」のさらなる活性化を図るべく、バター風味のコクやリッチな味わいを実現した「ネオソフト コクのあるバター風味」を発売いたしました。本商品は、日本食糧新聞社制定「第33回食品ヒット大賞・優秀ヒット賞」を受賞するなど、大変好評をいただきました。
プロセスチーズカテゴリーでは、粉チーズユーザーの不満点を解消するために、中身が固まってもほぐしやすい新包材を採用した新商品「雪印北海道100粉チーズ芳醇 お徳用」を発売いたしました。また、株式会社ロイズコンフェクトと当社の共同企画商品として「ROYCE' CHEESE DESSERT 6P」シリーズを発売いたしました。チョコレートとチーズの専門家である両社がコラボレーションすることで、今までに無いおいしさを味わえるチョコレートチーズデザートを実現することができました。また、伸長するおつまみ用チーズの更なる拡大を図るべく、芳醇ゴーダを配合することで、うまみのある味わいを実現した「うまみ ベビーチーズ」を発売いたしました。
ナチュラルチーズカテゴリーでは、昨年春に期間限定発売してご好評をいただきました、もっちりとした食感で“のび~る”チーズ料理「アリゴ(ALIGOT)」に冷めても固まりにくいように改良を加えて、今春も発売いたしました。今後も様々なチーズの新たな食シーンの提案を通して、日本におけるチーズの更なる普及・拡大を目指してまいります。
乳製品事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主においしさを構成する技術と当社独自の乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・マーガリン類の保存中に、油脂の組織変化が生じるメカニズムに関して、新たな知見を得ました。
・当社独自の機能性素材である「ホエイペプチドHW-3」の摂取と、運動を組み合わせることにより、筋肉合成が長時間促進される可能性を新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材である「ミルクセラミドMC-5」の摂取が、紫外線による皮膚の弾力性低下を抑制する可能性を新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材である「ミルクセラミドMC-5」が有する脂質代謝改善効果について、その作用メカニズムに関する新たな知見を得ました。
これらの研究成果は、Euro Fed Lipid Congress(開催地:フランス・モンペリエ市)、ACSM Conference on Integrative Physiology of Exercise(開催地:米国・フロリダ州)、日本栄養・食糧学会、AOCS Annual Meeting & Expo(開催地:米国・テキサス州)などの各学会で発表いたしました。
② ビーンスターク・スノー㈱
商品開発では、基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「ビーンスターク・すこやかM1」は、永年の母乳調査研究に基づき免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。9月には、このシリーズ商品として「ビーンスタークマム3つの乳酸菌」を発売いたしました。「ビーンスタークマム3つの乳酸菌」は、授乳期間中の母親が摂取することで、母乳を通じてお子様のアレルギー発症が抑えられる可能性が示唆された画期的な商品です。
研究開発では、「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでおります。
「ビーンスタークマム3つの乳酸菌」を摂取することで、母乳中のTGF-β量が増えることを確認した調査結果は、「授乳婦への乳酸菌・ビフィズス菌投与による母乳成分への影響」(日本食品免疫学会、10月、東京大学)にて学術報告いたしました。
このほか、専門学会での外部発表では、母乳の免疫成分(新生児栄養フォーラム・神戸)や酵母抽出物の免疫改善効果(日本栄養・食糧学会・札幌)、乳ペプチドとテアニン摂取による睡眠改善効果(日本睡眠学会・徳島)について講演いたしました。
さらに、妊産婦向けセミナー(横浜)、日本リンパ学会(東京)での講演、病産院会報誌(大阪)、日本応用糖質学会誌や学術専門誌の「小児内科」へ研究成果の記事を寄稿いたしました。
〔飲料・デザート類事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,364百万円です。
・ 当社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、日本の牛乳の新定番として牛乳の需要拡大に貢献すべく、従来のミルクにはないおいしさを楽しめる「雪ミルク」を発売いたしました。「雪ミルク」では、新たに開発した“シルキーミルク製法”により、“さらさら飲めて、ふわっと香る、シルクのような口当たり”を実現しました。また、この“シルキーミルク製法”の技術は、日本食糧新聞社制定「第28回新技術・食品開発賞」を受賞するなど、新しいタイプの牛乳市場への提案として高い評価をいただきました。
カップ飲料商品では、ジューススタンドのミキサーで作ったような、ふんわり、とろっとした食感が楽しめる乳飲料として「MilQ Stand(ミルクスタンド)」シリーズを新たに発売しました。
果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、野菜飲料において伸張している “果実を訴求し、野菜を摂りつつ、おいしく飲める野菜ミックス飲料”として「Dole® Vegetable 野菜&パインフルーツMix 100%」、「Dole® Vegetable 野菜&ベリーフルーツMix 100%」を発売いたしました。
ヨーグルトカテゴリーでは、乳酸菌研究において様々な健康効果が明らかになっている当社独自の2つのプロバイオティクス乳酸菌、「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を使用した商品開発および商品力向上に引き続き注力しております。「恵megumi」ブランドにおいては、4ポットタイプの新商品として、健康イメージが高いフルーツを組み合わせた「ナチュレ恵megumi いちじく ざくろ+プルーン」を発売いたしました。
さらには健康美容食品市場の拡大を背景に、当社独自の機能性素材「ミルクセラミドMC-5」を配合した美容系フルーツヨーグルトの新商品として「ミルクのうるおいヨーグルトいちじくざくろ」を発売いたしました。
デザートカテゴリーでは、ミルクのおいしさを追求し、濃厚な風味と食感を味わえる新定番デザートとして「特濃ミルクプリン」を発売いたしました。また、当社独自の特許技術を活用した多層デザート「重ねドルチェ」シリーズにおいて、「重ねドルチェ ヨーグルトスイーツ」では新たな味の組み合わせのおいしさを提案し、基幹フレーバーの「重ねドルチェ ティラミス」では季節に合わせた風味改良を行い、市場での定着化をさらに進めました。
飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「牛乳、乳飲料」、「ヨーグルト」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」が有する内臓脂肪蓄積抑制効果について、その作用メカニズムに関する新たな知見を得ました。
・当社独自の乳酸菌である「ヘルベティカス菌SBT2171」が、免疫系の過剰な活性化を制御し、関節炎症状を軽減する可能性を新たに見出しました。
・ホイップクリームなどの気泡を含む食品において、油脂の特性が気泡の安定性に影響を与えるメカニズムに関して、新たな知見を得ました。
・当社独自の機能性素材であり、骨代謝改善効果が認められている「乳塩基性タンパク質(MBP®)」が、軟骨細胞の増殖を促進する可能性を新たに見出しました。
これらの研究成果は日本食品免疫学会、International Symposium on Lactic Acid Bacteria(開催地:オランダ)、日本分子生物学会、日本油化学会、日本栄養・食糧学会などの各学会で発表するとともに、「ガセリ菌SP株」および「ビフィズス菌SP株」を使用した「ナチュレ恵megumi」をはじめとする「恵megumi」ブランド商品や、「MBP®」を使用した「毎日骨太」ブランド商品など基幹商品の価値向上に活用いたしました。
さらに、北海道大学遺伝子病制御研究室に開設している当社寄附講座「プロバイオティクス・イムノロジー研究部門」においては、プロバイオティクス菌がもたらす疾病予防機能の評価および作用機序の解明を目指した研究を行っております。本寄附講座では、「ガセリ菌SP株」のインフルエンザウイルス感染予防効果、免疫系を活性化させる効果、およびモデル動物の寿命延長効果について新たな知見を見出すなどの研究成果をあげており、日本食品免疫学会、日本分子生物学会、International conference on beneficial microbes(開催地:マレーシア)などの学会にて発表いたしました。
〔飼料・種苗事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は784百万円です。
・ 雪印種苗㈱
「農業と環境」への貢献をめざして、牧草・飼料作物種子や乳牛用・肉牛用の配・混合飼料製品、また、良質なサイレージ発酵を促す乳酸菌資材などの酪農畜産に係る分野を中心に、安全・安心や低コスト生産をサポートする緑肥作物や野菜種子などの畑作園芸分野、豊かな生活と環境に配慮した芝草種子・緑化技術などの環境緑化分野まで、幅広い分野で研究開発を進めております。
飼料事業分野では、代用乳の低コスト素材を利用した製品「まるまるみるく」を北海道先行で販売を開始いたしました。また、随時哺乳ロボット用代用乳「ロボジャック」等の製品も切り替える予定であります。自給飼料有効活用技術の確立では一昨年に引き続き、消化率の高いペレニアルライグラス混播サイレージのコスト削減効果が確認され、本草種混播の有効性が証明されました。肉牛用飼料関係では、ビタミンB群給与により脂肪交雑が改善されることが確認でき、新規のプレミックス製品の検討に着手しました。乳酸菌関係では、二次発酵抑制乳酸菌の開発テーマ2件を外部機関と取り組んでおり、経過は順調であります。自社開発の二次発酵抑制乳酸菌は実規模サイレージを調整し、二次発酵抑制効果と牛への影響を確認し、2015年度販売の予定であります。
種苗事業分野では、北海道の基幹牧草であるチモシーは、早生品種「ホライズン」の後継品種「マオイ」の登録手続きが完了しました。また、糖含量の高いオーチャードグラス「北海30号」が優良品種に認定され、今度安定して良質なグラスサイレージ生産が期待されます。都府県の基幹牧草であるイタリアンライグラスは、低硝酸系統「タチユウカ」の登録手続きが完了しました。販売は2016年を予定しております。
トウモロコシは、都府県では遅播用「王夏」後継として「PI2008」、120日後継の「SM1023」と「SH3786」の3品種を品種採択しました。北海道では「LG3264」が優良品種になりました。緑肥作物ではチャガラシ「辛神」の麦立ち枯れ病に対する効果が現地において実証され、拡売に寄与しました。また、ジャガイモシスト線虫抑制「ポテモン」(野生トマト)を品種採択し、栽培指導を徹底できる顧客へ販売することにいたしました。また、北海道指導参考事項に決定いたしました。野菜種子は、主力作物であるエダマメは、豊熟の味わいシリーズ第1弾の「味風香」の販売を開始し、初年目の販売は順調でした。豊熟の味わいシリーズ2品種目の「SB1020」(仮称:夏風香)の試作結果も良好で、2016年度から販売する予定です。ダイコン「春宴」の品質が評価され、順調に拡売しております。コマツナ「CM-10」は、品種名「のりちゃん」として販売を開始いたしました。
環境緑化事業分野では、芝生用ケンタッキーブルーグラス「ヌーブループラス」の越夏性が優れることから「アワード」後継品種として2015年度から販売する予定であります。
当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。
原材料価格の高騰、円安による調達コストの上昇また国内生乳生産量の減少による乳原料不足など当社を取り巻く環境は厳しさを増しており、このような環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心として「おいしさ」と「健康機能」の追及を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,780百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
〔乳製品事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,631百万円です。
① 当社
バター・油脂カテゴリーでは、ロングセラーブランドである「ネオソフト」のさらなる活性化を図るべく、バター風味のコクやリッチな味わいを実現した「ネオソフト コクのあるバター風味」を発売いたしました。本商品は、日本食糧新聞社制定「第33回食品ヒット大賞・優秀ヒット賞」を受賞するなど、大変好評をいただきました。
プロセスチーズカテゴリーでは、粉チーズユーザーの不満点を解消するために、中身が固まってもほぐしやすい新包材を採用した新商品「雪印北海道100粉チーズ芳醇 お徳用」を発売いたしました。また、株式会社ロイズコンフェクトと当社の共同企画商品として「ROYCE' CHEESE DESSERT 6P」シリーズを発売いたしました。チョコレートとチーズの専門家である両社がコラボレーションすることで、今までに無いおいしさを味わえるチョコレートチーズデザートを実現することができました。また、伸長するおつまみ用チーズの更なる拡大を図るべく、芳醇ゴーダを配合することで、うまみのある味わいを実現した「うまみ ベビーチーズ」を発売いたしました。
ナチュラルチーズカテゴリーでは、昨年春に期間限定発売してご好評をいただきました、もっちりとした食感で“のび~る”チーズ料理「アリゴ(ALIGOT)」に冷めても固まりにくいように改良を加えて、今春も発売いたしました。今後も様々なチーズの新たな食シーンの提案を通して、日本におけるチーズの更なる普及・拡大を目指してまいります。
乳製品事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主においしさを構成する技術と当社独自の乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。
主な研究成果は以下の通りです。
・マーガリン類の保存中に、油脂の組織変化が生じるメカニズムに関して、新たな知見を得ました。
・当社独自の機能性素材である「ホエイペプチドHW-3」の摂取と、運動を組み合わせることにより、筋肉合成が長時間促進される可能性を新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材である「ミルクセラミドMC-5」の摂取が、紫外線による皮膚の弾力性低下を抑制する可能性を新たに見出しました。
・当社独自の機能性素材である「ミルクセラミドMC-5」が有する脂質代謝改善効果について、その作用メカニズムに関する新たな知見を得ました。
これらの研究成果は、Euro Fed Lipid Congress(開催地:フランス・モンペリエ市)、ACSM Conference on Integrative Physiology of Exercise(開催地:米国・フロリダ州)、日本栄養・食糧学会、AOCS Annual Meeting & Expo(開催地:米国・テキサス州)などの各学会で発表いたしました。
② ビーンスターク・スノー㈱
商品開発では、基幹商品の新生児からの乳児用調製粉乳「ビーンスターク・すこやかM1」ならびに9か月齢からのフォローアップミルク「ビーンスターク・つよいこ」を発売しています。「ビーンスターク・すこやかM1」は、永年の母乳調査研究に基づき免疫機能の研究成果を込めた粉ミルクです。9月には、このシリーズ商品として「ビーンスタークマム3つの乳酸菌」を発売いたしました。「ビーンスタークマム3つの乳酸菌」は、授乳期間中の母親が摂取することで、母乳を通じてお子様のアレルギー発症が抑えられる可能性が示唆された画期的な商品です。
研究開発では、「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品をお客様にご提供するために、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などを調査研究し、粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん商品、お母さんのための母親商品、シニア世代の健康をサポートする機能性食品などの幅広い研究・商品開発に取り組んでおります。
「ビーンスタークマム3つの乳酸菌」を摂取することで、母乳中のTGF-β量が増えることを確認した調査結果は、「授乳婦への乳酸菌・ビフィズス菌投与による母乳成分への影響」(日本食品免疫学会、10月、東京大学)にて学術報告いたしました。
このほか、専門学会での外部発表では、母乳の免疫成分(新生児栄養フォーラム・神戸)や酵母抽出物の免疫改善効果(日本栄養・食糧学会・札幌)、乳ペプチドとテアニン摂取による睡眠改善効果(日本睡眠学会・徳島)について講演いたしました。
さらに、妊産婦向けセミナー(横浜)、日本リンパ学会(東京)での講演、病産院会報誌(大阪)、日本応用糖質学会誌や学術専門誌の「小児内科」へ研究成果の記事を寄稿いたしました。
〔飲料・デザート類事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,364百万円です。
・ 当社
牛乳・乳飲料カテゴリーにおいては、日本の牛乳の新定番として牛乳の需要拡大に貢献すべく、従来のミルクにはないおいしさを楽しめる「雪ミルク」を発売いたしました。「雪ミルク」では、新たに開発した“シルキーミルク製法”により、“さらさら飲めて、ふわっと香る、シルクのような口当たり”を実現しました。また、この“シルキーミルク製法”の技術は、日本食糧新聞社制定「第28回新技術・食品開発賞」を受賞するなど、新しいタイプの牛乳市場への提案として高い評価をいただきました。
カップ飲料商品では、ジューススタンドのミキサーで作ったような、ふんわり、とろっとした食感が楽しめる乳飲料として「MilQ Stand(ミルクスタンド)」シリーズを新たに発売しました。
果汁・野菜・清涼飲料カテゴリーでは、野菜飲料において伸張している “果実を訴求し、野菜を摂りつつ、おいしく飲める野菜ミックス飲料”として「Dole® Vegetable 野菜&パインフルーツMix 100%」、「Dole® Vegetable 野菜&ベリーフルーツMix 100%」を発売いたしました。
ヨーグルトカテゴリーでは、乳酸菌研究において様々な健康効果が明らかになっている当社独自の2つのプロバイオティクス乳酸菌、「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」を使用した商品開発および商品力向上に引き続き注力しております。「恵megumi」ブランドにおいては、4ポットタイプの新商品として、健康イメージが高いフルーツを組み合わせた「ナチュレ恵megumi いちじく ざくろ+プルーン」を発売いたしました。
さらには健康美容食品市場の拡大を背景に、当社独自の機能性素材「ミルクセラミドMC-5」を配合した美容系フルーツヨーグルトの新商品として「ミルクのうるおいヨーグルトいちじくざくろ」を発売いたしました。
デザートカテゴリーでは、ミルクのおいしさを追求し、濃厚な風味と食感を味わえる新定番デザートとして「特濃ミルクプリン」を発売いたしました。また、当社独自の特許技術を活用した多層デザート「重ねドルチェ」シリーズにおいて、「重ねドルチェ ヨーグルトスイーツ」では新たな味の組み合わせのおいしさを提案し、基幹フレーバーの「重ねドルチェ ティラミス」では季節に合わせた風味改良を行い、市場での定着化をさらに進めました。
飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行ない、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「牛乳、乳飲料」、「ヨーグルト」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。
主な研究は以下の通りです。
・当社独自のプロバイオティクス菌である「ガセリ菌SP株」が有する内臓脂肪蓄積抑制効果について、その作用メカニズムに関する新たな知見を得ました。
・当社独自の乳酸菌である「ヘルベティカス菌SBT2171」が、免疫系の過剰な活性化を制御し、関節炎症状を軽減する可能性を新たに見出しました。
・ホイップクリームなどの気泡を含む食品において、油脂の特性が気泡の安定性に影響を与えるメカニズムに関して、新たな知見を得ました。
・当社独自の機能性素材であり、骨代謝改善効果が認められている「乳塩基性タンパク質(MBP®)」が、軟骨細胞の増殖を促進する可能性を新たに見出しました。
これらの研究成果は日本食品免疫学会、International Symposium on Lactic Acid Bacteria(開催地:オランダ)、日本分子生物学会、日本油化学会、日本栄養・食糧学会などの各学会で発表するとともに、「ガセリ菌SP株」および「ビフィズス菌SP株」を使用した「ナチュレ恵megumi」をはじめとする「恵megumi」ブランド商品や、「MBP®」を使用した「毎日骨太」ブランド商品など基幹商品の価値向上に活用いたしました。
さらに、北海道大学遺伝子病制御研究室に開設している当社寄附講座「プロバイオティクス・イムノロジー研究部門」においては、プロバイオティクス菌がもたらす疾病予防機能の評価および作用機序の解明を目指した研究を行っております。本寄附講座では、「ガセリ菌SP株」のインフルエンザウイルス感染予防効果、免疫系を活性化させる効果、およびモデル動物の寿命延長効果について新たな知見を見出すなどの研究成果をあげており、日本食品免疫学会、日本分子生物学会、International conference on beneficial microbes(開催地:マレーシア)などの学会にて発表いたしました。
〔飼料・種苗事業〕
当連結会計年度の研究開発費の総額は784百万円です。
・ 雪印種苗㈱
「農業と環境」への貢献をめざして、牧草・飼料作物種子や乳牛用・肉牛用の配・混合飼料製品、また、良質なサイレージ発酵を促す乳酸菌資材などの酪農畜産に係る分野を中心に、安全・安心や低コスト生産をサポートする緑肥作物や野菜種子などの畑作園芸分野、豊かな生活と環境に配慮した芝草種子・緑化技術などの環境緑化分野まで、幅広い分野で研究開発を進めております。
飼料事業分野では、代用乳の低コスト素材を利用した製品「まるまるみるく」を北海道先行で販売を開始いたしました。また、随時哺乳ロボット用代用乳「ロボジャック」等の製品も切り替える予定であります。自給飼料有効活用技術の確立では一昨年に引き続き、消化率の高いペレニアルライグラス混播サイレージのコスト削減効果が確認され、本草種混播の有効性が証明されました。肉牛用飼料関係では、ビタミンB群給与により脂肪交雑が改善されることが確認でき、新規のプレミックス製品の検討に着手しました。乳酸菌関係では、二次発酵抑制乳酸菌の開発テーマ2件を外部機関と取り組んでおり、経過は順調であります。自社開発の二次発酵抑制乳酸菌は実規模サイレージを調整し、二次発酵抑制効果と牛への影響を確認し、2015年度販売の予定であります。
種苗事業分野では、北海道の基幹牧草であるチモシーは、早生品種「ホライズン」の後継品種「マオイ」の登録手続きが完了しました。また、糖含量の高いオーチャードグラス「北海30号」が優良品種に認定され、今度安定して良質なグラスサイレージ生産が期待されます。都府県の基幹牧草であるイタリアンライグラスは、低硝酸系統「タチユウカ」の登録手続きが完了しました。販売は2016年を予定しております。
トウモロコシは、都府県では遅播用「王夏」後継として「PI2008」、120日後継の「SM1023」と「SH3786」の3品種を品種採択しました。北海道では「LG3264」が優良品種になりました。緑肥作物ではチャガラシ「辛神」の麦立ち枯れ病に対する効果が現地において実証され、拡売に寄与しました。また、ジャガイモシスト線虫抑制「ポテモン」(野生トマト)を品種採択し、栽培指導を徹底できる顧客へ販売することにいたしました。また、北海道指導参考事項に決定いたしました。野菜種子は、主力作物であるエダマメは、豊熟の味わいシリーズ第1弾の「味風香」の販売を開始し、初年目の販売は順調でした。豊熟の味わいシリーズ2品種目の「SB1020」(仮称:夏風香)の試作結果も良好で、2016年度から販売する予定です。ダイコン「春宴」の品質が評価され、順調に拡売しております。コマツナ「CM-10」は、品種名「のりちゃん」として販売を開始いたしました。
環境緑化事業分野では、芝生用ケンタッキーブルーグラス「ヌーブループラス」の越夏性が優れることから「アワード」後継品種として2015年度から販売する予定であります。
当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。
経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
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- 関係会社の状況
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- 発行済株式総数、資本金等の推移
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- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
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