エスケー化研株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行による追加金融緩和策によって、円安や株高が進み、輸出産業を中心とした企業収益の改善や設備投資の持ち直しの動きが見られましたが、消費税増税後の反動による需要減が見られ、消費の環境が不安定な状況のまま推移いたしました。一方、アジア経済は、中国経済のテンポが減少しており、ASEAN地域では、総じて足踏み状態となっております。
建築塗料業界におきましては、東日本大震災の復興需要、公共投資、耐震改修促進法による公共・民間建物の改修需要の拡大、首都圏を中心とした大規模再開発が予想されておりますが、一方、建築現場の労務者不足による工事の遅れ、需給バランスの崩れ、人件費の高騰等、厳しい市場環境が続いております。
このような状況の下、当社グループは、引き続き、新築市場だけでなく膨大な住宅ストックを抱えるリニューアル市場において、当社の技術革新による製品、超耐久・超低汚染塗料、環境問題に対応した省エネタイプの遮熱塗料等の各種機能性塗料、オリジナルの高意匠性塗材や耐火被覆・断熱材等の拡販に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績といたしましては、売上高は、海外子会社の売上は伸長しましたが、国内の消費税増税後の需要の減少などの影響で、906億50百万円(前年同期比4.5%減)となりました。利益面におきましては、技術革新による高付加価値製品の販売増強に努めてまいりましたが、人員の増強に伴う人件費の増加や急激な為替変動の影響等により、営業利益は、115億89百万円(同13.0%減)、経常利益は、141億71百万円(同2.3%減)、当期純利益は、92億92百万円(同1.9%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。
①建築仕上塗材事業
建築仕上塗材事業におきましては、新築需要が減少いたしました。主にリニューアル市場において超耐久性塗料や超低汚染機能で差別化された省エネタイプの遮熱塗料等の販売を行いましたが、消費税増税後の需要の反動減により、売上高は827億72百万円(同5.8%減)と前連結会計年度に比べて50億52百万円の減収となりました。セグメント利益は131億93百万円(同11.9%減)と前連結会計年度に比べて17億80百万円の減益となりました。
②耐火断熱材事業
耐火断熱材事業におきましては、大都市再開発地域における受注の拡大により、売上高は54億18百万円(同20.3%増)と前連結会計年度に比べて9億15百万円の増収となりました。セグメント利益は、4億59百万円(同11.6%減)と前連結会計年度に比べて60百万円の減益となりました。
③その他の事業
その他の事業におきましては、売上高は24億59百万円(同4.0%減)と前連結会計年度に比べて1億2百万円の減収となりました。セグメント利益は43百万円(同124.4%増)と前連結会計年度に比べて24百万円の増益となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金等価物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億14百万円増加(前連結会計年度比2.1%増)し304億61百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、85億65百万円(同8.0%減)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益141億71百万円(同2.3%減)、売上債権の減少額30億40百万円(前連結会計年度は25億58百万円の増加額)、為替差益18億90百万円(同159.9%増)、仕入債務の減少額19億15百万円(前連結会計年度は7億90百万円の増加額)、法人税等の支払額62億20百万円(同27.4%増)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、66億47百万円(同47.8%増)となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入371億50百万円(同100.0%増)、定期預金の預入による支出421億23百万円(同88.8%増)、固定資産の取得による支出16億93百万円(同115.3%増)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、18億14百万円(同27.6%減)となりました。
これは主に自己株式の取得による支出額9億86百万円(同38.9%減)、配当金の支払額8億27百万円(同6.8%増)によるものであります。