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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10052LF

有価証券報告書抜粋 武田薬品工業株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析



当社は、医薬事業を中心に、幅広い研究開発活動を展開しております。
当年度における全体の研究開発費は3,821億円であり、うち、医療用医薬品事業において 3,757億円、ヘルスケア事業において14億円を計上しております。当社では、全体にかかる研究開発費のほとんどを医療用医薬品の研究開発活動にあてております。

(医療用医薬品事業)

当社は、疾患領域と製品戦略の強化を図るとともに各疾患領域においてグローバルリーダーとしてのプレゼンスを確立し、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えていくため、研究開発部門を「中枢神経系疾患(CNS)」、「代謝性・循環器系疾患(CVM)」、「消化器系疾患(GI)」、「オンコロジー」の4つの疾患領域別組織(Therapeutic Area Unit)で構成しています。また、オンコロジーとワクチンの事業領域については、管理・販売機能も備えた専門的なSpecialty Business Unitを設置しています。

当年度における研究開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです。

①自社創製品に関する取り組み
・昨年5月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、米国食品医薬品局(FDA)より、販売許可を取得しました。同月、本剤について、欧州委員会(EC)から販売許可を取得しました。

・昨年5月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」について、厚生労働省より、効能・効果を「2型糖尿病」とする一部変更承認を取得しました。これにより、これまで併用効能が承認されていなかった速効型インスリン分泌促進薬を含め、本剤と実臨床において併用が想定される全ての経口血糖降下薬およびインスリン製剤との併用が可能となりました。
本年3月、本剤の心血管系への安全性を評価したグローバル試験であるEXAMINE試験の事後解析データが医学雑誌「The Lancet」に掲載されました。また、本年4月に開催されたFDAの内分泌・代謝薬諮問委員会(EMDAC)において、EXAMINE試験について、本剤の2型糖尿病患者における心血管リスクプロファイルは許容範囲であるとの見解が示されました。本年6月、第75回米国糖尿病学会学術集会(ADA)において、EXAMINE試験の事後解析データおよび追加の事後解析データを発表しました。

・昨年5月、酸関連疾患治療剤「タケキャブ(一般名:ボノプラザン)」について、米国消化器病週間(Digestive Disease Week)において、本剤の5つの臨床第3相試験結果を発表しました。昨年12月、本剤について厚生労働省より製造販売承認を取得しました。また、本年3月、「タケキャブ」を含むヘリコバクター・ピロリ除菌用パック製剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。

・昨年6月、前立腺がん治療薬「TAK-700(一般名:オルテロネル)」について、2つの臨床第3相試験において、主要評価項目である全生存期間の改善がみられなかったこと、ならびに、前立腺がんに対して他の治療オプションが存在することを踏まえ、本薬のグローバルでの開発中止を決定しました。

・昨年8月、多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)」について、FDAより、本剤による治療で奏効し、投与終了後少なくとも6ヶ月以降に再発した成人多発性骨髄腫患者に対する再治療についての効能を追加取得しました。また、昨年10月、FDAより、未治療のマントル細胞リンパ腫に対する効能を追加取得しました。

・昨年8月、2型糖尿病治療剤「アクトス(一般名:ピオグリタゾン)」などピオグリタゾン含有製剤について、市販後に課された10年間の疫学研究のデータをFDA、欧州医薬品庁(EMA)および日本の厚生労働省/医薬品医療機器総合機構など各国の規制当局に提出しました。この研究は、ペンシルベニア大学とKaiser Permanente医療保険グループ(KPNC)の研究部門により実施され、この研究の結果、過去にピオグリタゾン投与を受けたことがある患者において、膀胱がん発生リスクの統計学的に有意な増加は認められないことが報告されました。

・昨年9月、前立腺がん・閉経前乳がん治療剤「リュープリン(一般名:リュープロレリン)」の6ヶ月製剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。

・昨年9月、2型糖尿病治療剤「ザファテック(一般名:トレラグリプチン)」について、第50回欧州糖尿病学会年次集会(European Association for the Study of Diabetes)において、本剤の臨床第3相試験結果を発表しました。また、本年3月、本剤について厚生労働省より製造販売承認を取得しました。

・昨年11月、経口プロテアソーム阻害薬「MLN9708(一般名:ixazomib)」について、再発・難治性の全身性ALアミロイドーシスの効能において、FDAよりBreakthrough Therapyの指定※を受けました。本薬は、他社製品を含め、プロテアソーム阻害薬およびALアミロイドーシス治療薬として同指定を受けた最初の薬剤であり、昨年12月、第56回米国血液学会年次総会(ASH)において、その根拠となったデータを発表しました。また、同学会では、導入療法として「MLN9708」、「レナリドミド」、「デキサメタゾン」を投与された多発性骨髄腫患者を対象として、「MLN9708」経口単独投与による維持療法の安全性および有効性を検証する臨床第2相試験の結果についても発表しました。本年2月、再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象として実施していた臨床第3相試験(TOURMALINE-MM1試験)の最初の中間解析速報結果を発表しました。本試験において、「MLN9708」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」を併用投与した群では、プラセボと「レナリドミド」および「デキサメタゾン」を併用投与した群に比し主要評価項目である無増悪生存期間が有意に延長しました。本年5月、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植を受けていない初発の多発性骨髄腫患者を対象に、「MLN9708」の維持療法の役割を検証する臨床第3相試験(TOURMALINE-MM4試験)を開始したことを発表しました。
※Breakthrough Therapyの指定は、重篤もしくは致命的な疾患に対する新薬の開発および審査を加速することを企図して設けられた制度です。

・本年5月、オーロラAキナーゼ阻害薬「MLN8237(一般名:alisertib)」について、再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫の臨床第3相試験を、中止することを発表しました。この決定は、本試験の中間解析結果に基づくものであり、本薬が標準治療に勝る有効性を示す可能性が低いと判断しました。

②導入品(アライアンス)等に関する取り組み
・昨年4月、当社は、イスラエル「テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社」と、同社が保有するパーキンソン病治療薬「ラサジリン(一般名)」について、日本における製品化に関する契約を締結したことを発表しました。本契約に基づき、当社は、本薬の日本における開発および製造販売承認申請を行います。本年1月、当社は臨床第2/3相試験および臨床第3相試験を開始しました。

・昨年5月、当社は、米国「マクロジェニクス社」と、同社が保有する自己免疫疾患治療薬の新薬候補物質である「MGD010」について、開発・販売に関するオプション契約を締結しました。また、昨年9月、同社とさらに4つの新薬候補物質の開発・販売に関する契約を締結しました。

・昨年6月、デンマーク「ルンドベック社」より導入した大うつ病治療剤「ブリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン)」について、米国臨床精神薬理学会年次総会において、本剤が、大うつ病治療に起因する性機能障害に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。また、同月、国際神経精神薬理学会において、本剤が、認知機能に与える影響を評価した臨床試験結果を発表しました。

・昨年6月、米国「アフィマックス社」より導入した腎性貧血治療剤「オモンティス(一般名:ペギネサタイド)」について、重篤な過敏性反応の原因究明のための調査結果と両社間の協議に基づき、当社は、本剤の米国における新薬承認申請の取り下げと本剤に関する両社間の共同事業の解消を決定し、昨年9月をもって同社との契約を終了しました。


・昨年7月、当社と米国「ジンファンデル・ファーマシューティカルズ社」は、国際アルツハイマー病学会(Alzheimer’s Association International Conference)において、「AD-4833(一般名:ピオグリタゾン)/TOMM40」に関する臨床第3相試験(TOMMORROW試験)※の最新情報を含め、複数の発表を行いました。
※本試験では、認知機能が正常な高齢者を対象に、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の5年以内の発症リスクを予見するバイオマーカー(「TOMM40」遺伝子を含む)を用いた評価手法を検証するとともに、本評価手法により発症リスクが高いと診断された高齢者において、低用量「AD-4833」の投与による軽度認知機能障害の発症遅延効果を評価しています。

・昨年9月、カナダ「パラディン社」より導入したエチレングリコール・メタノール中毒用剤「ホメピゾール点滴静注1.5g『タケダ』(一般名:ホメピゾール)」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。

・昨年9月、米国「シアトルジェネティクス社」より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」について、ホジキンリンパ腫患者に対し、自家造血幹細胞移植直後に本剤を地固め療法として投与した臨床第3相試験(AETHERA試験)の速報結果を発表し、昨年12月、第56回ASHにおいて、本試験結果を発表しました。また、同学会では、再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした臨床第2相試験の4年間の生存率データについても発表しました。

・昨年10月、米国「イントラセルラー・セラピーズ社」と2011年2月に締結した統合失調症に伴う認知機能障害の治療薬である「ITI-214」および関連するホスホジエステラーゼ(PDE)1阻害薬の共同開発・販売契約を終了し、関連する化合物の権利を同社に返還することについて合意しました。

・昨年11月、米国「アムジェン社」より導入したがん治療薬「AMG386(一般名:トレバナニブ)」について、再発卵巣がんを対象に、同薬および「パクリタキセル」併用群とプラセボおよび「パクリタキセル」併用群とを比較した臨床第3相試験(TRINOVA-1試験)の副次評価項目である全生存期間に関する試験の速報結果を発表しました。

・昨年11月、当社は、英国「GEヘルスケア社」と肝疾患の診断・治療において重要な要素である肝線維化の診断技術に関するアライアンス契約を締結したことを発表しました。これにより、治療薬のより早期の開発および新たな肝疾患診断技術の開発を目指します。

・昨年12月、当社は、イスラエル「テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社」より導入した多発性硬化症再発予防薬「グラチラマー(一般名)」について、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。

・昨年12月、米国「エーマグ・ファーマシューティカルズ社」より導入した静注用鉄欠乏性貧血治療剤「フェルモキシトール(一般名)」について、欧州等を対象とした開発・販売契約を解消することについて同社と合意しました。

・本年2月、「TAK-361S(沈降精製百日せきジフテリア破傷風ワクチンにセービン株不活化ポリオワクチン※を混合した4種混合ワクチン)」について、自主的に開発中止を決定したことを発表しました。今般の決定は、公衆衛生上重要なワクチンに対し研究開発資源の最適投資を行う観点から、ワクチンポートフォリオを見直した結果によるものです。
※当社は、2008年に「財団法人日本ポリオ研究所(現 阪大微生物病研究会)」から、セービン株不活化ポリオワクチン用たねウイルスの分与を受けました。

・本年2月、米国「アムジェン社」より導入したがん治療薬「AMG706(一般名:モテサニブ)」について、進行性非小細胞肺がんを対象として実施していた臨床第3相試験(MONET-A試験)において、主要評価項目を達成しなかったことから本試験を中止することを発表しました。


・本年3月、当社は、「公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団」と締結していた「ヒト・パピローマウイルス・ワクチン」にかかる全世界における独占的実施権許諾に関するライセンス契約について、本契約に基づく全ての権利を「一般財団法人 化学及血清療法研究所」に承継しました。

・本年5月、当社は、「大日本住友製薬株式会社」より導入した非定型抗精神病剤「ラツーダ(一般名:ルラシドン)」について、欧州における共同開発・独占的販売契約が解消されることになり、同社への欧州の開発・販売権の返還ならびに事業の移管を適正に実行するため、具体的条件の協議を開始しました。

③共同研究に関する取り組み
・昨年12月、当社は、オーストラリア「モナッシュ大学」と、消化器系疾患領域におけるアンメットメディカルニーズの高い疾患に対する新薬の戦略的共同研究契約を締結しました。

・本年2月、当社は、英国「クイーンメアリー大学」と、消化器系疾患領域において、新たな知見を見出し新薬を創出することを目的とした共同研究契約を締結しました。

・本年4月、当社は、「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)」と、心不全、糖尿病、神経疾患などにおけるiPS細胞技術の臨床応用に向けた10年間の共同研究契約を締結しました。T-CiRA(Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications)と称する本提携において、iPS細胞技術を用いた創薬研究や細胞治療に関する複数の研究プロジェクトを実施いたします。

・本年4月、当社は、「慶応義塾大学医学部」および「新潟大学」と、湘南研究所において疾患関連RNA結合タンパク質の探索と機能解析に関する共同研究を実施する契約を締結したことを発表しました。

・本年4月、当社は、「国立研究開発法人国立がん研究センター」と、がんの研究開発提携に関する契約を締結しました。本契約に基づき、当社と同センターは、がんの基礎研究から臨床開発研究にわたる連携を実行に移すべく、必要な情報共有と協議を継続的に実施します。

④研究開発体制の整備・強化
・昨年4月、当社は、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備に関する日本政府の財政支援事業(第二次実生産設備整備事業)の追加公募について、助成金交付先として選定されました。

・昨年9月、当社は、米国「バイオモティブ社」に対して戦略的投資を行い、革新的な新薬候補物質の同定・開発の強化に向け提携することを決定しました。

・本年3月、当社は、米国「イミュノジェン社」と同社が有する最先端の抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術の独占的使用権を保有する契約を締結しました。

・本年6月、当社は、Vaccine Business Unitについて、ワクチン事業のさらなる成長および重要なワクチンの開発加速に向け、グローバルおよびリージョナル拠点を設置し、米国におけるワクチン事業運営を統合することを発表しました。今後、米国マサチューセッツ州ボストン/ケンブリッジ地域とスイス・チューリッヒがグローバル拠点となり、シンガポールとブラジルは引き続きリージョナル拠点として機能します。本体制の発足に伴い、米国モンタナ州ボーズマン、米国ウィスコンシン州マディソン、米国コロラド州フォートコリンズの3つの拠点を閉鎖し、現在米国イリノイ州ディアフィールドにある同ユニットの本部機能をボストン/ケンブリッジ地域に移します。この移転は2年をかけて実施し、2017年半ばに完了する予定です。

(ヘルスケア事業)

健康維持・増進に対する生活者の意識やニーズが高まる中で、常に生活者の立場から発想し、生活者のニーズに合った製品を提供し続けることを使命と考えております。
高付加価値を追求しながら、エビデンスに裏付けられた高品質かつ有効性・安全性の高い製品の開発を進めてまいります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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