有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004Y2O
アステラス製薬株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、有効な薬剤が存在せず治療満足度の低い疾患領域で、革新的で有用な新薬を継続的かつ早期に創出することにより、中長期にわたる持続的な成長を目指しています。このため新薬創出力の強化を最重点事項として積極的に取り組んでいます。
(1)創薬研究の取り組み
創薬研究においては、分子標的と精密診断に基づくPrecision Medicineの創薬アプローチを推進するとともに、外部との提携を通じて最先端の技術・ノウハウを積極的に取り込み、革新的新薬の創出を目指しています。再生医療の領域では、従来から取り組んできた再生医薬の研究開発に加えて、細胞そのものを医療に応用する細胞医療の研究にも本格的に取り組んでいます。この取り組みの一環として、2014年4月に再生医療及び細胞医療を専門に研究する「再生医療ユニット」を新設し、2015年4月には、より自律性・機動性の高い組織として「再生医療研究所」に改編しました。また、これまで研究本部内の各疾患領域あるいは機能主体で展開してきたドラッグリパーパシングに関する取り組みをさらに強化するため、2015年4月にドラッグリパーパシング部を新設しました。
研究開発における資源配分の最適化を図るとともに、新薬創出力を一層強化して新薬開発を加速していくため、「創薬研究機能の集約と強化」「外部先端科学の取り込みと活用の拡大」「新領域・新創薬基盤技術への挑戦」「創薬スピードの加速」という4つの軸を中心に改革を進めています。前臨床開発段階における外部イノベーション機会の探索・獲得活動では、研究本部とイノベーションマネジメント部が共同し、アカデミア等との提携を行うなど、当期においても着実な成果を上げることができました。
また、新薬ビジネスを核として、手術や予防医療など医療を取り巻く様々な分野と連携しながら、患者さんにこれまでにない価値を提供するための取り組みを進めています。2014年10月に社内専門部署を「ファーマブレークスルー部」に改編し、2015年4月には同部のミッションをより的確に反映させるため「エボルビング・メディカルソリューション部」に改称しました。
(注)ドラッグリパーパシングとは、既存の薬剤あるいは研究開発を中断した薬剤候補品に多面的なアプローチを適用することにより、当初解決できなかった課題を克服し、新たな価値を探索することをいいます。
(2)臨床開発の取り組み及び主な開発の進展状況
グローバル開発体制を一層強化するとともに、より優先度の高いプロジェクトに資源を集中することにより、開発のスピードアップを図っています。当連結会計年度における主な開発の進展は以下の通りです。
(海外での臨床開発)
・前立腺がん治療剤XTANDI(一般名:エンザルタミド)に関し、「化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん」の追加適応症について、2014年9月に米国で承認を取得しました。また、欧州でも2014年4月に承認申請を行い、同年12月に承認を取得しました。
・アゾール系抗真菌剤CRESEMBA(一般名:isavuconazonium sulfate)に関し、「侵襲性アスペルギルス症及び侵襲性ムーコル症」の適応症について、2014年7月に米国で承認申請を行い、2015年3月に承認を取得しました。
・末梢神経障害性疼痛治療剤キューテンザ(一般名:カプサイシン)に関し、「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」の追加適応症について、2014年12月に欧州で承認申請しました。
・抗がん剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)に関し、小児のデータ提出により、米国において2019年5月まで独占期間の延長が認められました。
(日本での臨床開発)
・組換えインフルエンザHAワクチンASP7374に関し、「インフルエンザの予防」の効能・効果について、2014年5月に承認申請しました。
・成人関節リウマチ治療剤シムジア(一般名:セルトリズマブ ペゴル)に関し、「抗リウマチ薬未治療の関節リウマチ」の追加適応症について、2014年6月に承認申請しました。
・速効型食後血糖降下剤スターシス(一般名:ナテグリニド)に関し、「2型糖尿病におけるDPP-4阻害剤との併用療法」の効能追加について、2014年7月に承認申請しました。
・下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー(一般名:ラモセトロン塩酸塩)に関し、「女性における下痢型過敏性腸症候群」の追加適応症について、2014年7月に承認申請しました。
・前立腺がん治療剤イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)に関し、2014年10月に添付文書の「効能・効果に関連する使用上の注意」の項を改訂し、「本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。」との文言を削除しました。
・4-HPPD阻害剤オーファディン(一般名:ニチシノン)に関し、「高チロシン血症Ⅰ型」の適応症について、2014年12月に承認を取得しました。
・高リン血症治療剤キックリン(一般名:ビキサロマー)に関し、「保存期の慢性腎臓病患者における高リン血症」の追加適応症について、2015年3月に承認申請しました。
・LDLコレステロール低下剤エボロクマブ(一般名、開発コード:AMG 145)に関し、共同開発を行っているアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社が2015年3月に承認申請しました。
(3)研究開発における外部との提携等の取り組み
・2014年4月、リーバー脳発達研究所(米国)が製薬企業各社とともに精神・神経疾患の新たな治療薬創製を目指して設立したコンソーシアムに参画することを公表しました。
・2014年8月、キャンサー・リサーチ・UK(英国)と、すい臓がんを含む様々ながんの治療につながる抗がん剤の創製を目指し、共同研究・ライセンス契約を締結しました。
・2014年10月、ハーバード・メディカル・スクール(米国)と、網膜色素変性症に対する遺伝子治療も視野に入れた新規治療法の確立を目指し、病態関連遺伝子の同定と検証を目的とした共同研究契約を締結しました。
・2014年11月、ダナファーバー・キャンサー・インスティテュート(米国)と、肺がんをはじめとする様々ながんに対する新規がん治療薬・変異KRAS阻害剤の共同研究契約(開発・商業化に関するオプション権を含む)を締結しました。
・2014年11月、プロテオスタシス社(米国)と、細胞内小器官・小胞体のストレス応答経路の調節によってタンパク質構造変性を伴う遺伝子疾患等を治療する薬剤の創製を目指し、研究、開発及び商業化に関する提携契約を締結しました。
・2014年12月、サイトキネティックス社(米国)と2013年6月に締結した骨格筋活性化剤の研究、開発、及び商業化に関する提携契約を改定しました。当該提携契約改定により、非神経筋適応症に限定されていたCK-2127107を含む速筋トロポニン活性化剤の提携範囲を拡大し、脊髄性筋萎縮症(SMA)及びその他の神経筋適応症を追加しました。
・2015年1月、イミュノミック セラピューティクス社(米国)と、同社が創製しスギ花粉症を対象疾患として開発中の治療ワクチンJRC2-LAMP-vaxについて、日本における独占的な開発・商業化のライセンス契約を締結しました。
・2015年2月、国立大学法人大阪大学と、次世代の細胞医療に関わる基盤技術開発、実用化を目指す共同研究講座の設置に関する契約を締結しました。
・2014年12月、ヤンセン・バイオテック社(米国)と2012年10月に締結した経口JAK阻害剤ASP015Kの日本を除く全世界での開発・商業化に関するライセンス契約について、同社が当該ライセンス契約の解約権を行使した結果、2015年1月15日に契約が終了しました。解約の発効日をもって、当社はヤンセン・バイオテック社に付与した全ての権利を再び取得しました。
・2014年10月、コメンティス社(米国)と2008年4月に締結したアルツハイマー型認知症を対象としたベータセクレターゼ阻害剤の全世界での独占的な共同研究・開発・商業化に関するライセンス契約について、当社は解約権を行使し、ライセンス契約のもとでコメンティス社より付与された全ての権利を2015年4月に同社に返還しました。
(4)その他経営資源配分最適化等の取り組み
・2014年9月、ファイザー株式会社(日本)と2011年10月に締結した高血圧症治療剤と高コレステロール血症治療剤の配合剤であるカデュエットの日本国内における販売及び共同販促契約を終了することに合意しました。当該販売及び共同販促契約は2015年3月31日に終了し、2015年4月1日付で同社に販売移管しました。
・2015年1月、株式会社オーファンパシフィックと、当社が日本において製造販売しているヒト ソマトメジンC製剤ソマゾン注射用(一般名:メカセルミン)等に関する製造販売承認を同社に承継する契約を締結しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は2,066億円(対前連結会計年度比7.9%増)、対売上高研究開発費比率は16.6%となりました。
(1)創薬研究の取り組み
創薬研究においては、分子標的と精密診断に基づくPrecision Medicineの創薬アプローチを推進するとともに、外部との提携を通じて最先端の技術・ノウハウを積極的に取り込み、革新的新薬の創出を目指しています。再生医療の領域では、従来から取り組んできた再生医薬の研究開発に加えて、細胞そのものを医療に応用する細胞医療の研究にも本格的に取り組んでいます。この取り組みの一環として、2014年4月に再生医療及び細胞医療を専門に研究する「再生医療ユニット」を新設し、2015年4月には、より自律性・機動性の高い組織として「再生医療研究所」に改編しました。また、これまで研究本部内の各疾患領域あるいは機能主体で展開してきたドラッグリパーパシングに関する取り組みをさらに強化するため、2015年4月にドラッグリパーパシング部を新設しました。
研究開発における資源配分の最適化を図るとともに、新薬創出力を一層強化して新薬開発を加速していくため、「創薬研究機能の集約と強化」「外部先端科学の取り込みと活用の拡大」「新領域・新創薬基盤技術への挑戦」「創薬スピードの加速」という4つの軸を中心に改革を進めています。前臨床開発段階における外部イノベーション機会の探索・獲得活動では、研究本部とイノベーションマネジメント部が共同し、アカデミア等との提携を行うなど、当期においても着実な成果を上げることができました。
また、新薬ビジネスを核として、手術や予防医療など医療を取り巻く様々な分野と連携しながら、患者さんにこれまでにない価値を提供するための取り組みを進めています。2014年10月に社内専門部署を「ファーマブレークスルー部」に改編し、2015年4月には同部のミッションをより的確に反映させるため「エボルビング・メディカルソリューション部」に改称しました。
(注)ドラッグリパーパシングとは、既存の薬剤あるいは研究開発を中断した薬剤候補品に多面的なアプローチを適用することにより、当初解決できなかった課題を克服し、新たな価値を探索することをいいます。
(2)臨床開発の取り組み及び主な開発の進展状況
グローバル開発体制を一層強化するとともに、より優先度の高いプロジェクトに資源を集中することにより、開発のスピードアップを図っています。当連結会計年度における主な開発の進展は以下の通りです。
(海外での臨床開発)
・前立腺がん治療剤XTANDI(一般名:エンザルタミド)に関し、「化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん」の追加適応症について、2014年9月に米国で承認を取得しました。また、欧州でも2014年4月に承認申請を行い、同年12月に承認を取得しました。
・アゾール系抗真菌剤CRESEMBA(一般名:isavuconazonium sulfate)に関し、「侵襲性アスペルギルス症及び侵襲性ムーコル症」の適応症について、2014年7月に米国で承認申請を行い、2015年3月に承認を取得しました。
・末梢神経障害性疼痛治療剤キューテンザ(一般名:カプサイシン)に関し、「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」の追加適応症について、2014年12月に欧州で承認申請しました。
・抗がん剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)に関し、小児のデータ提出により、米国において2019年5月まで独占期間の延長が認められました。
(日本での臨床開発)
・組換えインフルエンザHAワクチンASP7374に関し、「インフルエンザの予防」の効能・効果について、2014年5月に承認申請しました。
・成人関節リウマチ治療剤シムジア(一般名:セルトリズマブ ペゴル)に関し、「抗リウマチ薬未治療の関節リウマチ」の追加適応症について、2014年6月に承認申請しました。
・速効型食後血糖降下剤スターシス(一般名:ナテグリニド)に関し、「2型糖尿病におけるDPP-4阻害剤との併用療法」の効能追加について、2014年7月に承認申請しました。
・下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー(一般名:ラモセトロン塩酸塩)に関し、「女性における下痢型過敏性腸症候群」の追加適応症について、2014年7月に承認申請しました。
・前立腺がん治療剤イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)に関し、2014年10月に添付文書の「効能・効果に関連する使用上の注意」の項を改訂し、「本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。」との文言を削除しました。
・4-HPPD阻害剤オーファディン(一般名:ニチシノン)に関し、「高チロシン血症Ⅰ型」の適応症について、2014年12月に承認を取得しました。
・高リン血症治療剤キックリン(一般名:ビキサロマー)に関し、「保存期の慢性腎臓病患者における高リン血症」の追加適応症について、2015年3月に承認申請しました。
・LDLコレステロール低下剤エボロクマブ(一般名、開発コード:AMG 145)に関し、共同開発を行っているアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社が2015年3月に承認申請しました。
(3)研究開発における外部との提携等の取り組み
・2014年4月、リーバー脳発達研究所(米国)が製薬企業各社とともに精神・神経疾患の新たな治療薬創製を目指して設立したコンソーシアムに参画することを公表しました。
・2014年8月、キャンサー・リサーチ・UK(英国)と、すい臓がんを含む様々ながんの治療につながる抗がん剤の創製を目指し、共同研究・ライセンス契約を締結しました。
・2014年10月、ハーバード・メディカル・スクール(米国)と、網膜色素変性症に対する遺伝子治療も視野に入れた新規治療法の確立を目指し、病態関連遺伝子の同定と検証を目的とした共同研究契約を締結しました。
・2014年11月、ダナファーバー・キャンサー・インスティテュート(米国)と、肺がんをはじめとする様々ながんに対する新規がん治療薬・変異KRAS阻害剤の共同研究契約(開発・商業化に関するオプション権を含む)を締結しました。
・2014年11月、プロテオスタシス社(米国)と、細胞内小器官・小胞体のストレス応答経路の調節によってタンパク質構造変性を伴う遺伝子疾患等を治療する薬剤の創製を目指し、研究、開発及び商業化に関する提携契約を締結しました。
・2014年12月、サイトキネティックス社(米国)と2013年6月に締結した骨格筋活性化剤の研究、開発、及び商業化に関する提携契約を改定しました。当該提携契約改定により、非神経筋適応症に限定されていたCK-2127107を含む速筋トロポニン活性化剤の提携範囲を拡大し、脊髄性筋萎縮症(SMA)及びその他の神経筋適応症を追加しました。
・2015年1月、イミュノミック セラピューティクス社(米国)と、同社が創製しスギ花粉症を対象疾患として開発中の治療ワクチンJRC2-LAMP-vaxについて、日本における独占的な開発・商業化のライセンス契約を締結しました。
・2015年2月、国立大学法人大阪大学と、次世代の細胞医療に関わる基盤技術開発、実用化を目指す共同研究講座の設置に関する契約を締結しました。
・2014年12月、ヤンセン・バイオテック社(米国)と2012年10月に締結した経口JAK阻害剤ASP015Kの日本を除く全世界での開発・商業化に関するライセンス契約について、同社が当該ライセンス契約の解約権を行使した結果、2015年1月15日に契約が終了しました。解約の発効日をもって、当社はヤンセン・バイオテック社に付与した全ての権利を再び取得しました。
・2014年10月、コメンティス社(米国)と2008年4月に締結したアルツハイマー型認知症を対象としたベータセクレターゼ阻害剤の全世界での独占的な共同研究・開発・商業化に関するライセンス契約について、当社は解約権を行使し、ライセンス契約のもとでコメンティス社より付与された全ての権利を2015年4月に同社に返還しました。
(4)その他経営資源配分最適化等の取り組み
・2014年9月、ファイザー株式会社(日本)と2011年10月に締結した高血圧症治療剤と高コレステロール血症治療剤の配合剤であるカデュエットの日本国内における販売及び共同販促契約を終了することに合意しました。当該販売及び共同販促契約は2015年3月31日に終了し、2015年4月1日付で同社に販売移管しました。
・2015年1月、株式会社オーファンパシフィックと、当社が日本において製造販売しているヒト ソマトメジンC製剤ソマゾン注射用(一般名:メカセルミン)等に関する製造販売承認を同社に承継する契約を締結しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は2,066億円(対前連結会計年度比7.9%増)、対売上高研究開発費比率は16.6%となりました。
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