有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004FK3
シンバイオ製薬株式会社 事業等のリスク (2014年12月期)
当社の事業活動においてリスクとなる可能性があると考えられる主な事項について記載しています。また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から開示しています。当社は、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本報告書中の本項以外の記載を慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えます。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクへの全てを網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものです。
① 医薬品の開発事業全般に関するリスク
当社は、製薬企業、バイオベンチャー企業等が創出した開発候補品を導入し、これらを医薬品として開発する事業を主たる業務としています。医薬品の研究開発の分野は、巨大製薬企業をはじめとする多数の強力な競合が存在し、さらに当社を含むいわゆる創薬ベンチャー企業が質とスピードを競い合う業界です。また、開発から製造及び販売に至る過程には多くの規制が存在し、長期間にわたり多額の資金を投入して事業活動を推進する必要があります。その将来性は不確実性を伴うものであり、当社の現在及び将来における事業についてもこのようなリスクが付随しています。ア.医薬品開発の不確実性について
一般的に、製品上市に至る医薬品開発の過程は長期かつ多額の費用を要し、開発が成功する確率は決して高くなく、開発のいずれの段階においても中止や遅延の判断をすることは稀ではありません。医薬品開発においては、様々な開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において、開発続行の可否が判断されます。従って、その開発途上で中止の決定を行うことは稀なことではなく、開発が順調に進み製品化される確率は低いものとされています。また、開発に成功し、上市された後も、定期的または臨時で当該時点における医学・薬学等の学問水準に照らして、有効性及び安全性を確認するために再評価が行われ、有用性が認められないとされた場合、あるいは重篤な副作用等により健康被害が拡大する恐れがある場合(詳細は「カ.副作用に関するリスクについて」を参照)には、有用性または副作用を原因として承認が取り消されるリスクがあります。このようなリスクを低減・分散するため、当社ではパイプラインを複数保有するとともに、極力ヒトでPOCが確認された開発候補品を優先して導入するよう努めていますが、当社のような小規模な創薬ベンチャー企業にとって、ひとつの開発候補品がパイプラインから脱落することの影響は大きく、その場合当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。イ.収益の不確実性について
当社が開発を進めている製品から収益を得るためには、当社単独あるいは第三者と共同で、これら開発候補品の開発、規制当局からの承認、製造及び販売のすべての段階において成功を収める必要があります。しかしながら、当社は、これらの活動において、必ずしも成功しない可能性もあり、また、成功したとしても当社の事業を継続するために必要な採算性を確保できない可能性もあります。当社が現在開発を進めているパイプラインのうち抗がん剤 SyB L-0501については2010年10月27日に再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として、国内製造販売承認を取得し、抗悪性腫瘍剤「トレアキシン®」として同年12月に販売を開始しています。また、その追加適応として、再発・難治性の中高悪性度非ホジキンリンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験、並びに初回治療の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験を完了しており、さらに、慢性リンパ性白血病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施しています。また抗がん剤 rigosertib(リゴサチブ)については、SyB L-1101(注射剤)で再発・難治性の高リスクMDS、SyB C-1101(経口剤)で高リスクMDSを目標効能として国内第Ⅰ相臨床試験をそれぞれ実施しています。当社はこれらの開発を推進し、製品上市に至ることにより収益を獲得するべく事業活動を行っています。また、開発品によっては開発・販売に関して他の製薬企業と提携契約を締結し、早期に収益化を図ることも想定しています。しかしながら、これらのパイプラインが製品として上市するまでには相当の時間を要することが予想され、また、製品として上市される、あるいは他の製薬企業と提携契約を締結できる保証はありません。なお、当社は、現時点で想定している適応疾患の選定や提携手法・マーケティング手法等について、既承認の医薬品の市場規模やマーケティング実績等をもとに十分に将来の採算性を見込めるものと判断していますが、万一この判断が誤っていた場合、あるいはこの判断の基礎となる状況に変化が発生し当社がその変化に迅速に対応できなかった場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。ウ.遵守すべき法的規制等及び医療保険制度等の不確実性について
当社が参画する医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事に関する法律及び薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けており、当社は医薬品医療機器等法をはじめとする現行の法的規制及び医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として事業計画を策定しています。しかしながら、当社が開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変更される可能性もあります。もしこれらに大きな変更が発生した場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。エ.海外における開発・販売に関するリスクについて
当社は日本のみならず、経済成長とともに医療ニーズの拡大が予想されるアジア地域についても戦略事業領域として位置付け、医薬品事業を展開しています。一方、海外市場においても、医薬品の開発・販売事業の展開に際し、一般的に多額の資金と事業リスクを伴うため、当社では開発品によっては海外の開発権、販売権を製薬企業等に導出し、投資資金及び事業リスクの低減を図っています。当社が保有する権利の導出にあたっては、慎重にデューディリジェンスを実施した上で企業選定を行い、かつ導出後も適宜モニタリングを実施していますが、導出先の経営状況や各国の規制、競争環境等の変動により、当初期待していた通りには開発、販売が進捗せず、計画通りのマイルストン収入、ロイヤリティ収入等が得られないことにより、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。オ.医薬品業界の競合関係について
医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの製薬企業や研究機関等により、激しい競争が繰り広げられており、その技術革新は急速に進歩している状態にあります。これらの競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財政状態等が当社と比較して優位にある企業が多数あり、当社開発品と競合する医薬品について、有効性の高い製品を効率よく生産・販売する可能性があります。従って、これら競合相手との開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果次第で、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。カ.副作用に関するリスクについて
医薬品は、臨床試験段階から市販後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。これらのうち重篤または予期せぬ副作用が発現した場合、賠償問題の発生や、状況次第では臨床試験の遅れ、開発中止に至るリスクを伴います。さらに、健康被害が拡大する恐れがある場合、承認取消・販売中止に至るリスクを伴います。賠償問題に関しては、当社は必要な損害保険に加入することにより、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限に留めるべく対応していますが、賠償額が当該保険により補償される範囲を超える可能性は否定できません。このような場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。キ.製造物責任について
医薬品の開発及び製造には、製造物責任賠償のリスクが伴います。当社は将来、開発したいずれかの医薬品が健康被害を引き起こし、または臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な事項が発見された場合には、製造物責任を負い、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、製造物責任賠償請求がなされることによるイメージ低下により、当社及び当社の医薬品に対する信頼が損なわれ、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。② 当社の事業遂行上のリスク
ア.当社のビジネスモデルについて
当社は自社で研究設備・製造設備は保有せず、がん、血液、自己免疫疾患領域における希少疾病分野を中心に、主にヒトでPOCが確立された開発候補品を製薬企業、バイオベンチャー企業等より導入し、これらを日本並びにアジア諸国(中国、韓国、台湾及びシンガポール等)で医薬品として開発・販売することにより収益化を図るビジネスモデルを採用しています。また、パイプラインの開発・販売においては、他の製薬企業と提携することも計画しています。しかしながら、これらの条件を満たす開発候補品を継続的に導入し、また、これらの提携先企業を確保できる保証はありません。また、導入候補品(注3)については主に希少疾病分野を対象としていることから、当社が期待する売上高が確保できない可能性もあります。このような場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。上記に加えて、医薬品業界の競争環境や、当社の財政状態等の変化に伴い、今後、当社のビジネスモデルの変更を余儀なくされる可能性があります。その場合、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。イ.特定の取引先への依存度について
当社は生産設備を持たない創薬ベンチャー企業であるため、開発品の臨床試験並びに上市後の販売においては他社より製品の供給を受けることとなります。この場合、製品供給元の財政状態、生産状況などによっては、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、パイプラインの開発・販売については、現時点では製薬企業との提携に重点を置いた事業計画を有しています。しかしながら、相手先企業の経営環境の極端な悪化や経営方針の変更など、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、当初の計画通り事業が進捗しない可能性があります。また、契約書に定められた契約解除事項に抵触した場合等には、期間満了前に終了する可能性もあります。その場合には当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、一般に当社のような創薬ベンチャー企業の提携においては、製品上市前の収益として、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストン」を見込むものとなりますが、このうちマイルストンは所定の成果達成に基づく収益であることから極めて不安定で予測の困難な収益であり、開発の進捗に遅延等が発生した場合には当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。ウ.知的財産権に関するリスクについて
当社は医薬品の開発活動において様々な知的所有権を使用していますが、これらは基本的に製薬企業、バイオベンチャー企業等より使用許諾を受けた権利です。しかしながら、当社が導入する開発候補品について、導入元企業における出願中の特許が登録に至らない可能性があります。また、当社が使用許諾を受けた知的所有権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性を完全に回避することは困難であり、こうした結果、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、本報告書提出日現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。当社は、今後も知的財産権に関する問題を未然に防止するため、開発候補品の導入にあたっては、弁護士との相談や特許事務所を通じた特許調査を適宜実施していますが、第三者の知的所有権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難であり、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、当社が導入する開発候補品は、必ずしも特許で保護されているとは限りません。もっとも、当社の開発候補品が特許を有していない場合であっても、当該開発候補品が規制当局より製造販売承認の際に再審査の指定を受けた場合には、再審査期間は後発医薬品の参入が実質的に制限されるため、一定期間市場独占的な保護を受けることとなります。エ.情報管理について
当社パイプラインの開発並びにその他事業遂行等に関する重要な機密情報が流出するリスクを低減するために当社は、役職員、科学的諮問委員会(SAB)メンバー、外注委託先、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結するなど、厳重な情報管理に努めています。しかしながら、役職員、SABメンバー、外注委託先、取引先等によりこれが遵守されなかった場合等には、重要な機密情報が漏洩する可能性があり、このような場合には当社の事業や財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。オ.重要な契約に関する事項
当社の事業展開上重要と考えられる契約につき、将来、期間満了、解除、その他何らかの理由により契約の終了が生じた場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。③ 組織に関するリスク
ア.社歴が浅いことについて
当社は、2005年3月に設立された、社歴の浅い企業です。また当社は、創業時より開発候補品の導入活動を開始し、ゼロベースから医薬品開発事業を立ち上げ、2010年8月に、創業以来初となる製品売上による収益を計上しました。今後、未だ経験していない事業上のトラブルが発生する可能性はありますが、当社の業績に影響を及ぼすような外部環境の変化を予想することは現状においては困難です。従って、今後当社が成長を続けられるか等を予測する客観的な判断材料として過年度の経営成績だけでは、不十分な面があると考えられます。イ.小規模組織であることについて
当社の研究開発活動については、業務受託企業(CRO等)を活用することにより、比較的少人数による開発体制を敷いていますが、今後の既存パイプラインの開発推進及び新規開発候補品のパイプライン化に伴い、さらなる研究開発人員の増加を計画しています。しかしながら、何らかの理由により業務受託企業との関係が解消された場合や、計画通りの人員の確保ができない場合、あるいは既存人員の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。ウ.特定人物への依存度について
当社の代表取締役社長の吉田文紀は、当社創業者として、創業当時より経営全般にわたる事業の推進者として中心的な役割を担ってまいりました。従って、何らかの理由により、同氏の業務の遂行が困難となった場合には、当社の事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。エ.科学的諮問委員会(SAB)について
当社は、新規開発候補品の導入評価に関する社長の諮問機関として、科学的諮問委員会(SAB)を組成し、優れた実績と経験を有すると判断する臨床医や基礎科学者を招聘しています。この科学的諮問委員会(SAB)は、毎年2~3回開催され、世界中から集まる膨大な新薬候補品について、医療ニーズの高さや収益性などの観点も踏まえ、リスクバランスのとれたポートフォリオを構築するために、それぞれの専門の立場から活発に意見交換や議論を行っています。当社は、今後も優秀なSABメンバーの確保に努めてまいりますが、現在のメンバーとの間の契約が解除、期間満了、更新拒絶、その他の理由で終了するなど、何らかの理由によりメンバーの確保が困難となった場合や、メンバーの流出が生じた場合には、当社の開発候補品導入の推進に影響を及ぼす可能性があります。④ 経営成績の推移について
ア.過年度における業績推移について
当社の主要な経営指標等の推移は以下のとおりです。回次 | 第6期 | 第7期 | 第8期 | 第9期 | 第10期 |
決算年月 | 2010年12月 | 2011年12月 | 2012年12月 | 2013年12月 | 2014年12月 |
事業収益(千円) | 1,449,972 | 1,882,521 | 1,955,178 | 1,532,054 | 1,955,027 |
営業損失(△) (千円) | △612,793 | △2,066,846 | △1,700,273 | △1,680,528 | △1,303,279 |
経常損失(△) (千円) | △638,375 | △2,095,382 | △1,729,480 | △1,601,424 | △1,110,316 |
当社は、現在まで、第4期を除き、研究開発費やその他一般管理費の合計が収益を上回り、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しています。このため、過年度の財務経営指標は期間業績比較を行うための材料としては不十分であると考えられ、今後の当社業績を予測する材料としては不十分な面があります。
イ.研究開発費の増加予測について
当社の過去5期間の研究開発費の推移は以下のとおりです。回次 | 第6期 | 第7期 | 第8期 | 第9期 | 第10期 |
決算年月 | 2010年12月 | 2011年12月 | 2012年12月 | 2013年12月 | 2014年12月 |
研究開発費 (千円) | 1,118,182 | 1,945,029 | 1,438,125 | 1,052,790 | 774,103 |
当社は、今後さらに研究開発活動を推進する計画であり、当面の間、累積損失は増大するものと想定されます。今後、SyB L-0501の追加適応拡大による製品販売収入の増大、SyB L-1101 / SyB C-1101の早期の承認取得に伴う製品販売収入の確保、並びに製薬企業等との提携に基づき発生する収入等により、経営成績の早期改善を図ってまいりますが、当社の想定どおりに早期改善が実現する保証はありません。
ウ.マイナスの繰越利益剰余金を計上していることについて
当社は、創薬ベンチャー企業であり、臨床段階にある開発品が上市し、製品販売収入並びにロイヤリティ収入等の安定した収益を継続して計上出来る体制となるまでは、多額の研究開発費用が先行して計上されることとなります。そのため、創業以来第4期を除き当期純損失を計上しており、第10期事業年度末には△9,867,514千円の繰越利益剰余金を計上しています。当社は、パイプラインの開発を計画通り、迅速、効率的かつ着実に推進することにより、早期の利益確保を目指していますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社の事業が計画通りに進展せず、当期純利益を獲得できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。エ.資金繰りについて
当社は創薬ベンチャー企業として多額の研究開発資金を必要とします。事業計画が計画通りに進展しない等の理由から資金不足が生じた場合には、戦略提携内容の変更、新規提携契約の獲得、新株発行等の方法による資金確保に努めますが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合には、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。オ.税務上の繰越欠損金について
当社には現在、税務上の繰越欠損金が存在しています。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておらず、今後も数期間はこの状態が続くものと想定しています。しかしながら、現在の繰越欠損金の控除制度が改正されるなどの理由により、想定よりも早期に繰越欠損金が解消され、これによる課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられることとなり、現在想定している当期純利益若しくは当期純損失及びキャッシュ・フローの計画に影響を及ぼす可能性があります。⑤ その他のリスク
ア.株主還元政策について
当社は創業以来配当を実施していません。当社の現時点における事業ステージは、医薬品開発の先行投資の段階にあるため、今後も当面は資金を財務体質の強化及び研究開発活動の継続的な実施に優先的に充当し、配当は行わない方針です。しかしながら、当社では株主への利益還元を経営の重要な課題と認識しており、今後の経営成績及び財政状態を勘案し、利益配当についても検討してまいります。イ.資金調達について
急速な事業規模の拡大に伴い、開発資金の需要増加が予想されることから、株式発行等による資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。ウ.潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について
当社は、当社取締役、従業員等の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を導入しており、旧商法第280条ノ19、旧商法第280条ノ20及び旧商法第280条ノ21、並びに、会社法第236条、第238条、第239条及び第240条の規定に基づき、新株予約権を取締役、従業員に対して付与しています。また、当社は、2012年12月27日に開催した取締役会において、第三者割当の方法による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(発行価額の総額10億円)並びに第29回新株予約権(発行価額の総額5,100千円、新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額5億円)の発行決議を行い、さらに、2014年11月14日に開催した取締役会において、第三者割当の方法による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(発行価額の総額5億円)並びに第34回新株予約権(発行価額の総額10,363千円、新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額10億円)の発行決議をそれぞれ行いました。本報告書提出日の前月末現在において、第29回新株予約権30個(新株予約権の目的となる株式数795,750株)、及び第34回新株予約権30,304個(新株予約権の目的となる株式数3,030,400株)がそれぞれ残っています。本報告書提出日の前月末現在における上記新株予約権の目的となる株式数(以下「潜在株式数」といいます)は合計6,799,150株となり、発行済株式数及び潜在株式数の合計の約17.3%を占めています。今後、これらの潜在株式の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、当社は今後も優秀な人材確保のために、同様のインセンティブプランを継続して実施する可能性があります。従って、今後付与する新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
エ.過去の新株予約権の無届募集等に関する法的リスクについて
当社では、2005年3月の創業時より長期インセンティブプランとしてストック・オプション制度を採用しており、役員・従業員のみならず、社外協力者も含めて新株予約権の付与を行ってまいりました。新株予約権の付与にあたっては、制度開始当初より少人数私募の取得勧誘の相手方の人数計算に関して、役員、使用人の人数は除外されるとの旧証券取引法の規定に留意し発行を行ってまいりました。しかしながら、2007年9月の金融商品取引法改正に伴い、金融商品取引法施行令第2条の12の適用除外(役員、使用人等以外に新株予約権を付与した場合、少人数私募の取得勧誘の相手方の人数計算から役員、使用人等が除外される規定が適用されないというもの)を規定する「企業内容等に関する開示ガイドライン」(開示ガイドライン)が改訂された後も、法令改正情報の収集並びに当該改正の当社への影響等を検討する社内態勢が十分に機能していなかったために、引き続き旧証券取引法の規定に準拠して新株予約権を発行しました。その結果、2008年10月、2009年3月、2010年3月の新株予約権発行において、募集人数が50名以上となり、本来有価証券届出書の提出が必要であったところ、当該届出書を提出せず、無届募集となりました。本件事実の判明後、当社は、直ちに関東財務局に報告を行うとともに、事実関係の調査と原因究明を徹底的に行い、本来提出すべきであった全ての法定開示書類を2010年8月に関東財務局に提出しました。本報告書提出日現在、開示書類の未提出はありません。さらに、これと並行して実施した発生原因に関する社内調査結果、並びに外部専門家の助言等を踏まえ、「1.全社に対する法令遵守の再徹底」「2.法令遵守態勢の整備と社内組織の態勢強化」「3.コンプライアンス委員会の機能強化」「4.社外専門家との関係強化・積極活用」「5.監査役会、内部監査室によるチェック態勢の強化」の5項目を柱とする再発防止策を策定し、厳格に運用を行っています。当社は、本報告書提出日現在、本件に係る課徴金納付命令は受けていませんが、万が一これらの処分を受けた場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。オ.ベンチャーキャピタルによる株式保有について
一般的に、ベンチャーキャピタル及び投資事業組合による株式の所有目的は、株式上場後に株式を売却してキャピタルゲインを得ることにあるため、当社株主であるこれらのベンチャーキャピタル及び投資事業組合が、所有する株式の全部または一部を売却した場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。カ.外国為替損失の発生に関するリスクについて
当社は、パイプライン拡充のために日々新規開発候補品のリサーチを行っていますが、導入の際に支払われる一時金を米ドル建てと想定し、予め相当の金額を外貨預金或いは外国為替先物予約にて手当をしています。これらの外貨建て資産は時価評価にて毎期財務諸表に表示していますが、将来の為替変動によってその評価損失が発生するリスクがあり、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。キ.自然災害等に関するリスクについて
当社が事業展開している地域や拠点において、災害(地震、台風、火災等)・疫病等が発生し、人的・物的被害の発生、業務停止及び遅延が生じた場合、社会的信用の失墜や、補償などによって、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。- 有価証券報告書 抜粋メニュー
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