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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100552A

有価証券報告書抜粋 ネクセラファーマ株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1)業績
当社グループは、当連結会計年度において、口腔咽頭カンジダ症治療薬SO-1105の第Ⅲ相臨床試験やナノ粉砕技術に基づく研究開発などを継続したほか、当社グループにおける主たる収益源となっている、ノバルティス社に導出した慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬である「シーブリ」及び「ウルティブロ」に続く新たなシーズ探索の一環として、2014年12月、ペプチド領域において革新的な技術を持つJITSUBO社の株式を取得し、同社を当社の連結子会社としました。
さらに、当社は、2015年2月、パイプラインの強化と新たな事業拡大を図るため、医薬品ターゲットとして期待の大きいGタンパク質共役受容体(GPCR)に作用する薬剤を創出する独自の技術を有する英国のバイオ企業であるHeptares社を買収し、当社の100%子会社としました。
当連結会計年度においては、現在の主たる収益源である慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬であるシーブリ(NVA237)及びウルティブロ(QVA149)の販売が順調に推移したことにより、前連結会計年度を上回るロイヤリティ収入を計上しました。また、当連結会計年度に米国における両剤の承認申請に伴うマイルストン収入を20百万米ドル計上しました。
その他製品に関わる収入に関しても、前連結会計年度並みに推移しました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益3,671百万円、営業利益1,108百万円、当期利益562百万円となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、以下のとおりです。
国内医薬事業に関しましては、売上収益は181百万円となりました。これは前連結会計年度にノルレボの製造販売承認をあすか製薬株式会社に承継したことにより、医薬品の販売による売上からロイヤリティの売上という取引形態に変更したためです。また営業損益は230百万円悪化し、344百万円の営業損失となりました。
海外医薬事業に関しましては、売上収益は、前連結会計年度に比べ1,922百万円増加し、3,489百万円となりました。前連結会計年度との差は、主にシーブリ(NVA237)及びウルティブロ(QVA149)のロイヤリティが増加するとともに、両剤の米国における承認申請の受理に伴うマイルストンが発生したことによるものです。また、営業利益は前連結会計年度に比べ1,456百万円増加し、2,430百万円となりました。
連結経営成績及びセグメント別における業績の前期比及び分析については、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(2)当連結会計年度の経営成績の分析」に記載のとおりです。

(2)セグメント別の開発の進捗状況
① 国内医薬事業に係る製品及び主要開発品の進捗は以下のとおりです。
■SO-1105 適応:口腔咽頭カンジダ症 第Ⅲ相臨床試験中
SO-1105は免疫機能の低下した患者等に発症する口腔咽頭カンジダ症を治療する口腔粘膜付着性の抗真菌剤です。口腔咽頭カンジダ症とは、真菌に属する主としてCandida albicans(カンジダ・アルビカンス)の感染により引き起こされる口腔及び咽頭内の炎症性粘膜疾患であり、HIV感染等による免疫不全患者や糖尿病のような慢性的な疾病の患者に多く見られます。本剤は、オンクシオ社(Onxeo S.A.、旧BioAlliance Pharma SA、フランス)が開発し、2006年10月にフランスで初めて承認を取得して以来、現在までに欧州の24ヵ国、米国や韓国において承認されています。当社グループは、本剤を日本でも患者様の利便性に貢献することができる製品と判断し、SO-1105の日本における独占開発販売権を、2011年5月にオンクシオ社より取得しました。
現在は、本開発品の有効性及び安全性を検証する第Ⅲ相臨床試験が進行中であり、販売については既に富士フイルムファーマ株式会社と提携契約を締結しています。

■APNT (Activus Pure Nano-particle Technology):ナノ粉砕化技術
APNTは、不純物の混入を最小限に防ぎつつ、難溶性の医薬品原料を50-200nm(ナノメートル)レベルの結晶粒子径に粉砕することが可能であるという点で既存技術に対する差別化が可能な技術です。この特徴を活かし、これまで開発が困難であった難溶性薬物の注射、点眼、吸入製剤などへの応用で優位性を示すことができます。現在、当該技術を用いた開発品は、APP13002 (適応:感染性眼疾患) 及びAPP13007 (適応:炎症性眼疾患) の2品目であり、前臨床試験を実施中です。


■Molecular Hiving™:新規ペプチド液相合成法
Molecular Hiving™技術はペプチドの新しい液相合成法技術です。従来のペプチド合成技術には、固相ペプチド合成法(SPPS)と液相ペプチド合成法(LPPS)がありますが、一般的にSPPSは合成コストが高く、少量生産向き、一方、LPPSは大量生産に汎用されているものの長鎖のペプチド合成を苦手としています。Molecular Hiving™技術は、SPPSとLPPSの双方の利点を有し、ペプチド合成を高効率かつ低コストで実現可能とする、革新的な技術です。また、SPPSでは困難であったペプチド合成工程をモニタリングすることができ、従来法に比べ高品質なペプチドをより簡便に製造することが可能となります。
現在、当該技術を用いた開発品は、後発品であるJIT-2001(適応:循環器系疾患)及びJIT-1007(適応:希少性疾患)の2品目であり、前臨床試験を実施しています。

■Peptune™:新規ペプチド修飾技術
Peptune™はペプチド修飾の新たな要素技術であり、ペプチドの立体構造を改変することにより有効性や安全性の向上、さらに薬剤の安定性の改善にも役立ちます。また、この技術を応用してペプチドと低分子医薬品を結合させることも可能であり、新規の機能ペプチドの創出も期待されます。
加えて、当該技術を用いてHeptares社の技術より提供されるリードペプチドの有効性、安全性を高めることが可能となります。

② 海外医薬事業に係る製品及び主要開発品の進捗は以下のとおりです。
■NVA237 適応:慢性閉塞性肺疾患(COPD)上市済み(欧州・日本等)
NVA237(一般名:グリコピロニウム臭化物、製品名:SeebriⓇ BreezhalerⓇ(欧州)、シーブリⓇ吸入用カプセル50μg(日本)(「シーブリ」))は、1日1回吸入の長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の諸症状を緩和するための気管支拡張剤です。当社とベクチュラ・グループは2005年4月にノバルティス社に全世界の独占的開発・販売権を導出しています。現在は、欧州、日本、カナダ、南米、アジア、オーストラリア、中東を含む80ヵ国以上において承認されています。
なお、ノバルティス社は、米国におけるNVA237の承認申請を2014年12月に提出し、当社は、当該申請の受理を契機に7.5百万米ドルのマイルストン収入を計上しました。
当社は、ノバルティス社との契約に基づき「シーブリ」の全世界の売上に対する一定率のロイヤリティを受領できることになっており、その収入は四半期ずれて計上されます。2015年1月27日開催のノバルティス社の2014年第4四半期決算説明会で発表された「シーブリ」の2014年度(2014年1月から12月まで)の売上は146百万米ドルでした。

■QVA149 適応:慢性閉塞性肺疾患(COPD)上市済み(欧州・日本等)
QVA149(一般名:グリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩、製品名:UltibroⓇ BreezhalerⓇ(欧州)、ウルティブロⓇ吸入用カプセル(日本)(「ウルティブロ」))は、新規の1日1回吸入の長時間作用性抗コリン薬、LAMA(グリコピロニウム臭化物)と長時間作用性β2刺激薬、LABA(インダカテロールマレイン酸塩)の固定用量の配合剤であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の諸症状を緩和するための気管支拡張剤です。「ウルティブロ」は、欧州、日本、カナダ、メキシコ、オーストラリア等を含む50ヵ国以上において1日1回吸入のLAMA/LABA配合剤として初めて承認され、現在は、日本、ドイツ、カナダを含む30ヵ国以上において販売されています。
なお、ノバルティス社は、米国におけるQVA149の承認申請を2014年12月に提出し、当社は、当該申請の受理を契機に12.5百万米ドルのマイルストン収入を計上しました。
当社は、ノバルティス社との契約に基づき「ウルティブロ」の全世界の売上に対する一定率のロイヤリティを受領できることになっており、その収入は四半期ずれて計上されます。2015年1月27日開催のノバルティス社の2014年第4四半期決算説明会で発表された「ウルティブロ」の2014年度(2014年1月から12月まで)の売上は118百万米ドルでした。

■StaRⓇ技術:ドラッグディスカバリー基盤技術
StaRⓇ技術は熱力学的に安定化したGPCRを作成することができる世界初の技術です。
GPCRは、薬物治療上、最も重要な標的分子であるにもかかわらず、細胞膜から抽出されると分子構造が不安定となるためその構造が明らかとなっていないものも多く、立体構造に基づく創薬研究は難しいとされてきました。StaRⓇ技術によりGPCRの構造解析が進み、これまで難しいとされてきた分子構造設計に基づいた強力かつ選択性の高い候補物質の創製が可能となります。
なお、GPCRとは、受容体の一種で細胞膜を7回貫通する構造を特徴としています。ヒトのGPCRは約800種あると言われていますが、薬のターゲットになるのはそのうちの約370種程度であり、さらにこのうち約150種のGPCRは、結合する生理活性物質が分からず、「オーファン受容体」と呼ばれ、新たな創薬ターゲットとして注目されています。
現在、当該技術を用いた主な開発品は、次のとおりです。
・ムスカリンM1受容体作動薬(適応:アルツハイマー病、認知障害、開発段階:第Ⅰ相臨床試験中)
初の選択的ムスカリンM1受容体作動薬として、アルツハイマー病や認知障害の適応で臨床試験が進められています。既存薬であるコリンエステラーゼ阻害剤は内因性のアセチルコリンの機能を基とするため、非選択的ムスカリン作動薬として作用し、有効性が限定的、持続性がない、副作用による投与量の制限などの問題がありますが、当該開発品はその問題点を全てにおいて解決できる可能性があります。
・M4受容体作動薬(適応:統合失調症、精神障害、開発段階:前臨床試験中)
選択的ムスカリンM4受容体作動薬として、精神疾患とその関連の心理・行動的症状への適応を目指すファースト・イン・クラスの薬剤です。
・M1/M4受容体デュアル作動薬(適応:統合失調症、精神障害、認知障害、開発段階:前臨床試験中)
アルツハイマー病などの認知障害における併存精神症状を治療適応とする、ファースト・イン・クラスのM1/M4受容体デュアル作動薬です。
・アデノシンA2A受容体拮抗薬(適応:注意欠如・多動性障害、開発段階:前臨床試験中)
アデノシンA2A受容体に対する低分子化合物の拮抗薬であり、ドーパミン作動性神経の神経伝達を亢進させます。1日1回投与で優れた即効性及び忍容性を示す、非中枢神経興奮性薬剤として開発中です。
その他の主要な開発品目は、以下のとおりです。
・CGRP受容体拮抗薬(適応:偏頭痛治療及び予防、開発段階:前臨床試験中)
・GLP-1作動薬(適応:糖尿病、開発段階:前臨床試験中)
・GLP-1拮抗薬(適応:先天性高インスリン血症、開発段階:前臨床試験中)
・OX1受容体拮抗薬(適応:依存症、開発段階:前臨床試験中)

(3)キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについては、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、7 財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析、(3)財政状態に関する分析」に記載のとおりです。

(4)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(開発費)
日本基準において費用処理している一部の開発費用について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上しております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が250,473千円減少し、同額の無形資産が増加しております。

(のれんの償却停止)
日本基準においてのれんは定額法により償却を行っていましたが、IFRSにおいてはのれんの償却は行わず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ販売費及び一般管理費が1,809,598千円減少しています。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00981] S100552A)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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